良いルール・悪いルール
株式会社ビープラウド
佐藤治夫
2018/2/28
BPStudy#126
自己紹介
•名前 佐藤治夫(Sato Haruo)
•株式会社ビープラウド代表取締役社長
•Twitter http://twitter.com/haru860
•connpass企画・開発・運営
•IT系勉強会 BPStudy 主催
話の前提
私は法律の専門家ではありませんし
法律に詳しくありません
法律を守ることは重要
組織のルールを決める時は
法律に合致しているかという面は重要です。
しかし
法律以前に
どのような考えでルールをつくるかという
「理念」が必要です。
今日のテーマ
組織のルールをつくるときにベースとなる
「理念」やルールに対する考え方
について話をします。
会社をはじめ、組織は
何らかの成果を出そう、成功しようと
日々活動している
真の成功とは?
真の成功とは、持続性と成長である
「7つの習慣」
真の成功とは、持続性と成長である
↓
企業が持続的に結果を出し、成長し続けるには?
↓
仕事をしっかりとし続けること
これからの時代の人の仕事
・自分たちならではの発想
・アイデンティティ
価値 社会
・イノベーション
・社会を変えていく
技術で自動化できる仕事 AI・ロボットが
価値を創り出す
創造 提供
人の才能を活かし、新しい価値を創り出し続ける(イノベーション)
医療、法務、税理士などの専門的な仕事も
これからの時代の会社に重要なこと
会社(組織)は、人の集まりである
↓
人の才能を活かし、新しい価値を創り出し続ける
↓
これを続けることができる会社が発展し続ける
(=持続的に成長)
組織のつくり方も変わってくる
人としての才能を最大に発揮してもらう
・直感・ひらめき
・フロー
・自分らしさの発揮
・チーム力
決められたとおりに働いてもらう
のびのびと仕事をできる組織に
しかし、人はそれぞれ多種多様
→ なんらかのルールが必要
ルール
自由と規律のトレードオフ
規律自由
(リスク)
・収集がつかなくなる
・無法地帯
・モラルの低下
(リスク)
・精神的に窮屈
・やりたいことができない
・事なかれ主義の蔓延
ルール
サッカーに例えると
守り攻撃
(リスク)
・失点しやすくなる
・点が取れない場合、大差で負ける可能性
(リスク)
・点が取りにくい
・守ってばかりいても
点は取られないとは限らない
ルール
企業に例えると
既得権益
既存事業
イノベーション
今を壊さないように伸ばす
↓
守り(ルール)重視
企業が持続的に成長し続けるには?
↓
人の才能を活かし、新しい価値を創り出し続ける
↓
攻めに比重を置く必要がある
良いルールもある
ルーティーンヒットを打つ
成果を出すための規律
毎打席、同じ自分で打席に立つ
↓
規律(ルーティーン)に従い、行動する
組織のルーティン(習慣)
が組織のルールになると強い
価値創造のためのルール
才能を発揮するためのルール
成功していた組織は
どのように衰退していくのか?
ベンチャー企業成長の罠
ベンチャー
企業
・創造力
・想像力
・未知の領域への大胆な進出
・先見性に基づく熱意
成功
・顧客に関する問題
・キャッシュフロー
・スケジュールの遅れ
混乱
経営管理
のプロの登場
(大人の登場)
喪失
「ビジョナリーカンパニー2」
ジム・コリンズ 著
階層構造
ルール
階層構造と官僚制度による起業家精神の抹殺
「ビジョナリーカンパニー2」
ジム・コリンズ 著
<われわれ>
<やつら>
特権をもつ
経営幹部の階層
→凡庸な企業になっていく
<官僚制度>
・手順・手続き
・チェックリスト
・規則
制度の目的:規律の欠如と無能力を補う
嫌気がさして
辞めていく
適切な人たち
経営のプロ
「大人になる時期がきた
経営のプロが必要だ」
<平等な雰囲気>
・創造力、想像力
・未知領域への大胆な進出
・先見性に基づく熱意
ベンチャー企業
対立構造
階層構造
官僚的組織の悪循環
規則 ①管理のためのルール
少数の不適切な人
適切な人
②会社を去る
③不適切な人の割合が増え
る
不適切な人
規則
以下、繰り返し… 適切な人
⑤会社を去る
④管理のためのルール
縛るルールの害悪
足を鎖につながれた象の話
必死に逃れようとする
→逃げられないことを学習する
鎖が解かれても
その場から動こうとしない
ルールで縛る→自発性の喪失→企業衰退→ルール変更→自発性は戻らない
危機を感じ
では、どうすれば良いのか?
・人を知る
・ルールを常に疑う
・ボトムアップ、オープンプロセス
・人を知る
・ルールを常に疑う
・ボトムアップ、オープンプロセス
NLP(Neuro Linguistic Programing)
人は言葉のとおりに行動するのではない。
言葉の背景に流れているメッセージの通りに、人は無意識に行動する
例
「勉強しなさい」
→お前は勉強していないというメッセージ→ますます勉強しなくなる
「勉強しすぎないように」
→勉強しているのは分かっているというメッセージ→勉強するようになる
NLP(Neuro Linguistic Programing)
例
「XXするな」
→お前はXXするというメッセージ(信頼していない)
→グレーゾーンを突こうとする
ルールをつくらない
「(ルール上)XXはしてもいいよ」
→XXしないのは分かっているというメッセージ(信頼している)
→XXしない
・人を知る
・ルールを常に疑う
・ボトムアップ、オープンプロセス
時代の変化と組織論・ルール
1950 20201985 20031976
工業・建設・流通
金融・不動産
IT・インターネット AI大量生産・流通網整備
経済活性化
情報化 省力化
労働基準法(1947年制定)
ルール ルールルール
組織論・常識
組織論・常識 組織論・常識
+ + +
時代とルールの
コンフリクト
人不足・働き方多様化
既存ルールを疑う
そのまま運用されていることが多い
時代の変化:人不足・人材獲得競争による変化
社会・組織
社会・組織に
Fitさせる
社会・組織
人にFitさせる
時代を察知し
人にFitした働きやすい企業が
人を獲得し、発展する時代へ
強者 弱者・対等
・人を知る
・ルールを常に疑う
・ボトムアップ、オープンプロセス
普通の進め方
管理部門
ルール
検討・作成
現場
適用・運用
・「管理する側」と「管理される側」という意識が生まれる
・納得感・公平感が損なわれる可能性
→対立構造へ
トップダウンで決められたルールが適用される
ボトムアップ、オープンプロセスの進め
方
管理部門
ルール
検討・作成
現場
適用・運用
・場の進行
・決定プロセスの管理
・ルールの検討・作成の場には誰でも参加できる
・決定過程は誰でも参照できる
(効果)
・公平感・納得感の醸成
・会社を良くして行こうという当事者意識が生まれる
良いルール、悪いルールとは
良いルール 悪いルール
②人を信頼してつくるルール ②人を疑ってつくるルール
③古い組織論・常識から作られたルール③その時代の価値観から作られたルール
④トップダウン・クローズ
に作られたルール
④ボトムアップ・オープン
に作られたルール
①価値を創造するためのルール
(人が才能を発揮するためのルール)
→組織のルーティンが
ルールになっていると強い
①既得権益、既存事業を守るためのルール
(人を縛るルール)
ご静聴ありがとう
ございました

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