実践研究フォーラムの仕掛け―実践研究を実現するシステムの構築をめざして―
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2016年8月6日（土） 2016年度日本語教育学会 第13回 実践研究フォーラム 対話型セッションB 東京外国語大学 2016年度日本語教育現場からの実践研究フォーラム（8/6-7）対話型セッションB「実践研究フォ－ラムの仕掛け―実践研究を実現するシステムの構築をめざして―」で用いたスライドです。 http://www.nkg.or.jp/jissensha/forum
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- 5. 本セッションにおける「実践研究」 （Kemmis, S. & McTaggart, R. ，1988，p.11) 計画 再計画 行為と観察 ＝実践 省察 省察 行為と観察 ＝実践
- 6. 参考文献 Kemmis, S. & McTaggart, R. (1988). The Action Research Planner, Victoria: Deakin University Press, Third edition.
- 8. グループ分け
- 9. ディスカッション1
- 10. 1.実践の中身を見せ合う集まり体験の共有 【問い】 実践の中身を見せ合う集まりに参加したことがありますか。 １）どのような人が参加していましたか。 ２）どのように実践の共有が行われていましたか。
- 11. 1.実践の中身を見せ合う集まり体験の共有 集まり１ 集まり２ 主催者 公的な団体 特になし 参加者 不特定多数の人々 既知の人々 開催形態 オープンな集まり 私的でクローズな集まり 例 「フォーラム」、JLEM、実 践持ち寄り会、日本語 学校教育研究大会等 所属機関内で行われる授業 報告や授業見学等 「実践の中身を見せ合う集まり」とは？ ※１、２以外も考えられます。
- 12. プレゼンテーション１
- 13. 2.実践研究フォーラムとは 1998 実践研究発表会 「私の工夫・私の失敗」開始 1999 日本語教育研究コースに 実践研究コース設置（研修） 2004 第１回実践研究フォーラム ・ラウンドテーブル ・ポスターセッション ・全体会 実践研究フォーラム立ち上げの経緯
- 21. 2012 ～ 2013 9～ 10回 ・対話型セッション ・体験型セッション ・ポスターセッション ・パネルセッション 2014 11回 ・対話型セッション ・体験型セッション ・ポスターセッション ※ポスターセッション発題者のWEB版『日 本語教育 実践研究フォーラム報告』 への投稿権廃止。 ・パネルセッション ・みんなの実践広場 2.実践研究フォーラム立ち上げの経緯と発題形態の変遷
- 27. 私の実践研究フォーラムの参加形態 3.実践研究フォーラムと私 2004 第1回 参加者 2006 第3回 参加者 2007 第4回 発題者（発題型ラウンドテーブル） 2008 第5回 発題者（発題型ラウンドテーブル） 2009 第6回 発題者（発題型ラウンドテーブル）、 見習い実行委員 2010 第7回 実行委員 2011 第8回 実行委員、発題者（パネルセッション、 ポスターセッション） 2012 第9回 実行委員
- 28. 3.実践研究フォーラムと私 2013 第10回 実行委員、 発題者（パネルセッション） 2014 第11回 発題者（対話型セッション、 みんなの実践広場） 2015 第12回 発題者（みんなの実践広場） 2016 第13回 発題者（対話型セッション）
- 40. ディスカッション2
- 42. プレゼンテーション2
- 46. 5.実践研究フォーラムの総括 実践 実践 実践 実践 デザイン デザイン デザイン デザイン 実践者の 教育観に 基づく実践 実施→省察 実施→省察 協働の二重の環
- 47. 5.実践研究フォーラムの総括 実践 実践 実践 実践 デザイン デザイン デザイン デザイン 実践者の 教育観に 基づく実践 実施→省察 実施→省察 実践研究フォーラム＝ 実践者により提示された実践改善のストーリーを題材に、 類似の実践を行う他の実践者との間で 「よりよい」実践を目指した議論を行う場 協働の二重の環
- 48. 5.実践研究フォーラムの総括 実践 実践 実践 実践 デザイン デザイン デザイン デザイン 実践者の 教育観に 基づく実践 実施→省察 実施→省察 実践研究フォーラム＝ 実践者により提示された実践改善のストーリーを題材に、 類似の実践を行う他の実践者との間で 「よりよい」実践を目指した議論を行う場 協働の二重の環 やりとりに時間をかける
- 49. 5.実践研究フォーラムの総括 実践 実践 実践 実践 デザイン デザイン デザイン デザイン 実践者の 教育観に 基づく実践 実施→省察 実施→省察 日本語教育実践共同体の構築 協働の二重の環 実践研究者どうしの対話
- 50. どのように継承するか？
- 51. ディスカッション3
Editor's Notes
- 「批判的」な「省察」とは、自らの実践が置かれている社会的状況、実践を形づけている「枠組み」（frame）を批判的に検討し、 実践を規定する歴史、社会、実践に内包されたイデオロギーを明らかにし、イデオロギーにより規定された自らの教育観も問い直すことである。 この「批判的」な「省察」を実践研究が改善しようとする社会に参加する・関係する人々と「協働」で行うことが、実践研究にとって重要である。
- 2004 年，私は昭和女子大学で行われた第 1 回の「フォーラム」に参加した。内容に関しては，記憶が定かではないが，そのとき「ああ，何か新しいことが始まったんだな」と熱気のようなものを感じたことはよく覚えている。その後，2005 年（第2 回）を除く各回に，次のような様々な形態で参加した。
- 私は2004年以来，「フォーラム」に関わりながら，「実践の中身を見せ合う」ということを考えてきた。「実践の中身を見せ合う」ことは，実は容易なことではない。実践においては，ある一定期間に様々な人が参加し，継続的に複雑な相互行為が行われる。その全貌を見せるということは，本来的に不可能である。ゆえに，「見せる」ためには，実践をことばで切り取らざるを得ない。もちろん，録音や録画を補助的に用いることは可能であろうが，それでも，録音や録画のみで実践が見せられるわけではない。実践を「見せる」ためには，録音や録画を解釈することばが必要になる。次節で紹介する私の「フォーラム」体験は，やりとりをとおし，どのように「実践の中身を見せ合う」を見せ合うかを考える過程でもあった。
- 最後に③日本語教育実践共同体の構築について論じる。これは，主に「AR」の‘collaboration’を実践研究に導入することで拓ける可能性である。第3節で論じたように「AR」は協働の二重の環を形成する。すなわち，一つの「AR」に参加する実践研究者の協働の環と，「AR」の公表により形成される実践研究者の協働の環である。前述のように，研究を公表する行為自体も社会的言説に働きかける実践である。実践研究を公表することで，「AR」の提起する研究観，実践観，そして「AR」により絶えず更新される教育観を議論，共有することで日本語教育に関わる者たちの実践共同体（レイヴ & ウェンガー，1993/1991）を形成することが可能になるだろう。個々の「AR」が作りだす実践共同体と，その公表，共有，そしておそらく批判的省察により作りだされるより大きな実践共同体が有機的に関係することで，個々の実践も，またそれに伴い全体的な日本語教育実践も発展することができるだろう。（p.83）