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小林敏:組版ルールとつきあう

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2013.03.17
日本電子出版協会

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小林敏:組版ルールとつきあう

  1. 1. 組版ルールとつきあう ―活字組版とコンピュータ組版 小 林   敏 0    は じ め に 次のような内容で,お話しする予定です. 1)どのように組版ルールを学んできたか 日本語の組版ルールとは,これまで次のような機会で関わってき た.この経験の中で学んできたことのいくつかを話題としたい.なか でも,活字組版のルールとコンピュータ組版のルールという面を主に 考えてみたい. ―“エディター講座  校正技術”(1972–1973 年)の編集 ―“エディター講座  出版編集技術  第 2 版”(上:1978 年,下: 1980 年)の編集 ―“組方を考える会”の活動 ―“JIS X 4051(日本語文書の組版方法)”の原案作成 ―“JLReq(日本語組版処理の要件)”の執筆 2)活字組版のルールとコンピュータ組版のルール 活字組版のルールとコンピュータ組版のルールの違いについて,ル ビの配置方法について考えてみる.なかでも,“中ツキ”,“肩ツキ”と “熟語ルビ”について,その内容を比べてみる. 3)組版評価のむつかしさ 組版ルールを考える場合,その評価の問題も併せて考えていく必要 がある.そのむつかしさについて検討する. 1  どのように組版ルールを学んできたか 1)組版ルールを解説した本 1980 年に刊行された“出版編集技術(第 2 版)”を編集していた 頃までに読んでいた,組版ルールについて解説してある主な本として は,次のようなものがあげられる. ―水沼辰夫著“欧文植字”印刷学会出版部(工場必携シリーズ), JIS X 4051 の制定と改正 JIS X 4051 は,1993 年 に“JIS X 4051:1993(日 本 語文書の行組版方法)”として制定され た.その後,1995 年と 2004 年に 2 回の 改正が行われている.最初の規定は第 1 次規格,次は第 2 次規格,現在の規格は 第 3 次規格と呼ばれている. 第 1 次規格は,行に文字をどう配置す るかということだけが規定されていたの で,名称も“日本語文書の行組版方法”と なっていた.縦書きやルビ・割注も規定さ れていなかったので,この段階では,ビジ ネス用文書を適用分野とされていた. この第 1 次規格を拡張し,“一般的な日 本語文書の組版処理を可能とすることを目 的”とした改正が行われた(第 2 次規格). 第 2 次規格では,縦書き,ルビ,割注, ダブ処理,圏点,添え字,縦中横処理など の規定が追加された.さらに,第 2 次規 格で文字クラスが規定された. 第 3 次規格では,熟語ルビ,漢文処理 などが追加されたが,最も大きな点は,見 出し,箇条書き,注,図版,表,柱・ノン ブルなどの版面及びページの処理が追加さ れたことである.また,第 3 次規格の適 用範囲では“主に書籍に適用する”との説 明がある. ルビの種類 JIS X 4051 では,ルビにつ いて,次の 3 つに分け,その配置方法を 規定している. モノルビ 親文字列の 1 文字ごとに対 応させたルビ.なお,親文字とは,ルビ, 添え字又は圏点が付けられたとき,その対 象となる文字のことである. グループルビ 2 文字以上の親文字列全 体にまとめて付けたルビ. 熟語ルビ モノルビが付く親文字群が熟 語を構成するルビ.つまり,1 字ごとの読 み方が決まっている熟語に付けるルビのこ とである. 2017 年 3 月 10 日
  2. 2. 1949 年 ―文部省編“文部省刊行物制作便覧”教育出版,1952 年 ―戸台俊一著“校正ハンドブック”ダヴィッド社,1958 年 ―水沼辰夫著“文選・植字の技術”印刷学会出版部,1961 年 ―“欧文印刷の基礎知識”東京都印刷工業組合,[1963 年] ―藤森善貢著“出版技術入門  本の知識と造本の技術”日本印刷新聞 社,1965 年 ―布施茂など著“写植教室”日本印刷新聞社(印刷技術シリーズ), 1965 年(改訂版は 1976 年) ―長谷川鉱平著“本と校正”中央公論社(中公新書),1965 年 ―欧文印刷研究会編“欧文活字とタイポグラフィ”印刷学会出版 部,1966 年 ―日本エディタースクール編“標準  校正必携”現代ジャーナリズム 出版会,1966 年 ―鈴木敏夫著“基本・本づくり  編集制作の技術と出版の数学”印刷 学会出版部,1967 年 ―藤田初巳著“校正のくふう”印刷学会出版部,1966 年(第 2 版 は 1969 年,第 3 版は 1977 年) ―高島義雄執筆“印刷ハンドブック  活版整版技術編”日本印刷技術 協会,1967 年 ―藤森善貢著“エディター講座  出版編集技術”日本エディタースク ール出版部,1968 年 ―日本エディタースクール編“標準  校正必携  第 2 版”日本エディ タースクール出版部,1971 年 ―西島九州男監修“エディター講座  校正技術”日本エディタースク ール出版部,1972–1973 年 ―ルールブック編集委員会編“写真植字のための組版ルールブッ ク”日本写真製版工業組合連合会・全日本印刷工業組合連合 会・日本軽印刷工業会,1973 年 ―写研・写植ルール委員会編“組 NOW  写植ルールブック”写研, 1975 年 ―古沢典子著“校正の散歩道”日本エディタースクール出版部(エ ディター叢書),1979 年 2)組版ルールは,誰に必要な知識だったか それぞれの本での組版ルールについての扱いの差はあるとしても, 組版ルールの知識を必要としていた仕事は,次の 3 つということがで きる. (1)編集者(製作者,デザイナー) (2)校正者 (3)印刷関係者,なかでも植字担当者 編集者向けの本である“基本・本づくり  編集制作の技術と出版の 数学”を見ると,カッコとルビ,句読点ブラ下ゲ,見出しの処理,改 丁・改ページなどの解説にとどまり,組版ルールについては詳しくは 説明していない. “エ ディター講 座  出 版 編 集 技 術” 本 書 は,“出版技術入門  本の知識と造本の技 術”の改訂版ともいえる.当初は日本エデ ィタースクールの通信教育用の教科書とし て,4 分冊の仮製本で出版されたが,一般 にも市販されるようになった. この第 2 版は,上下 2 巻の本製本とし て,上巻は 1978 年,下巻は 1980 年に刊 行されている.その後,新版が 1997 年に 刊行されている. “傳書  活版技術” 高島義雄著“傳書  活 版技術”(日本印刷新聞社)という本も 1982 年に刊行されている.この本は組版 ルールについての言及も多い. “校正夜話” 西島九州男著“校正夜話”(日 本エディタースクール出版部(エディター 叢書))という本も 1982 年に刊行されて いる.著者は,“エディター講座  校正技 術”の監修者である. “校正必携” “校正必携”は,第 2 版から 出版社が変わっている.第 1 版の 48 ペー ジに対し,第 2 版は 96 ページと 2 倍に増 ページしている. 写真植字 組版方式は,一般に活字組版→ 写真植字→コンピュータ組版と変化したと 説明されることが多い.写真植字は,雑誌 の利用は多かったが,書籍についていえ ば,一部の利用であった(例えば講談社文 庫や大漢和辞典など).一般の書籍を前提 にすると,活字組版→コンピュータ組版と 変化したのが実情だったと思われる.
  3. 3. 校正関係の本で,主に文字の挿入・削除に伴う“字送り”や“行送 り”との関係で解説しているものが多い. 最も詳しく,また系統だって解説しているのが組版関係者の書いた 本である. “出版技術入門  本の知識と造本の技術”では,組版ルールについて は,校正の知識,製作の知識,印刷の知識の3箇所で解説している. 3)出版社では組版ルールを文書化したものがあったか 一部の出版社では,“校正要綱”などの名称で文書化したものもあ った.こうしたものを参考にまとめられた説明があるのが“標準  校 正必携”である.縦組と横組の組方原則,ルビの組方が掲載されてい る. 4)ルールは主に慣行として実現されていた 原稿指定(組版の指示)では,組版ルールに関係する点については, 以下の事項が原稿に指示される例はあった. ―ぶら下げ組の可否 ―原稿の個々の箇所に,括弧や句読点が連続した場合のアキ量(“ベ タ”あるいは“二分アキ”などの指示) しかし,行頭禁則にする約物や行頭の括弧類などの配置方法は,一 般に慣行として組版処理されることが多かった. そのうえで,校正作業の段階で組版ルールについても重要な点検事 項とされ,問題があればその箇所に赤字で修正が加えられていた.ま た,文字の挿入・削除に伴う“字送り”や“行送り”の指示は必ず必 要な指示とはいえないが,書き込むのが望ましいといわれていた.的 確な“字送り”や“行送り”の指示を加えるためには,組版ルールの 知識は欠かせなかった. 5)“出版編集技術(第 2 版)”での扱い 組版ルールのついての解説をどのように扱うか.“出版編集技術  第 2 版”ではかなり悩んだ覚えがある.基本的に一般的な組版ルールの 知識は,原稿指定,つまり組版設計の問題と考えた. 6)組方を考える会 1980 年代に,活字組版ではなくコンピュータ組版で書籍を製作す る例が増えてきたことから,主に日本エディタースクールの講師をメ ンバーとして“組方を考える会”を組織し,コンピュータ組版の勉強 会をもった.その内容は次の 2 点である. ―主にコンピュータ組版のメーカーや,それを開発している印刷会 社の担当者を招き,組版処理の内容についての解説をしてもらっ た. ―コンピュータ組版における組版ルールは,活字組版と同じと考え てよいか,変えた方がよい事項はあるのかを検討した. 質問した事項には次のようなものがある. ―文字サイズの単位とその刻みの最小単位,長さの単位とその刻み ルビの組方 “標準  校正必携”での見出し が“ルビの組方”とあり,“ルビの組方原 則”となっていないのは,ルビの組方(配 置方法)がルールとしてゆるやかな点もあ るということが考慮されていたのかもしれ ない. 行頭の括弧類の配置方法 活字組版の品質 について評価が高かった精興社は,出版社 ごとに行頭の括弧類をどのように配置する かの刷り物を組版現場に配布していた. 行の調整処理 行の調整処理(当時は単に “調整”とよばれていた)は,活字組版で は,特に空けて処理する場合は,文字間に 四分,八分,六分あるいは 1 ポイントな どのスペースを挿入していた.できるだけ 行末に近い仮名の部分を空けるとよい,と 一般にいわれていたが,校正者によっても いくらかの違いがあった.しかし,調整は 手間のかかる作業であるので,組版担当者 の作業を尊重し,特に問題箇所以外は,割 り直しはしない(調整箇所は修正しない), というのが原則であった. 活字組版と同じという説明 活字組版から コンピュータ組版に変わっていった初期の 頃は,印刷所の営業担当者は,原稿指定や 校正などの作業について“活字組版と同 じでいいですよ”という説明をしている例 をよく聞いていた.これは違うのではない か,そのためにはコンピュータ組版の処理 内容を知ることがまず大切と考えたことが 勉強会を始めた目的でもあった. 組版メーカーの解説 担当する方に,あら かじめ,どんな事項が知りたいのか,その 内容を伝えておいた. 説明をうけたのは,およそ 10 社ほどで あった. 字送りと行送り 校正者の入れる“字送 り”と“行送り”は字数の計算を間違える 場合も,それなりにあった.しかし,赤字 の修正(“差替え”という)で文字を移動 する際にはページの末尾から行う例もあ り,どのように文字が移動するのかのおよ その見通しがあると便利だった.したがっ て,“字送り”と“行送り”については校 正刷の赤字通りにならないケースもあった.
  4. 4. の最小単位 ―柱とノンブルの位置は,どう定義するのか,その内容はどう指示 するのか ―行頭禁則文字の種類は定義できるのか,その方法は ―約物配置方法は,どのように定義するのか,特に行頭の配置法は ―スペースの種類にはどんなものがあるか ―ルビの配置方法(図 1 と図2に例を示す) ―行の調整処理はどのように行われているのか(図 3 と図 4 に例を 示す) ―見出しの行ドリ指定は可能か,サブタイトルが付いたときは ―注の配置方法にはどの程度対応しているのか ―図版の配置方法にはどのようなものがあるか など 7)検討資料の作成 “組方を考える会”の成果として,1991 年 10 月に“電算植字にお ける縦組の組方原則  検討資料”としてワープロで作成した 36 ページ の冊子を作成し,公開した. 組版ルールという面からいうと,活字組版との違いはあまり出てこ なかったが,行の調整処理やルビの配置方法などで違いもあった.も ちろん,具体的な処理という点から見れば,多くの違いがある. 2  活字組版のルールとコンピュータ組版のルール 以下では,ルビの配置法を例に,組版ルールの標準化作業の中で, 活字組版とコンピュータ組版におけるルールの違いという点について 考えてみた. 私が標準化作業として関わった主な事項としては,次がある. ―JIS X 4051(日本語文書の組版方法)の第 3 次規格原案作成(幹 事) ―JIS Z 8125(印刷用語―デジタル印刷)の原案作成(委員) ―JIS Z 8208(印刷校正記号)の改正原案作成(幹事) ―W3C 技術ノート  ⽇本語組版処理の要件(JLReq)の執筆 1)活字組版とコンピュータ組版のルールの主な違い 一般的な事項としては,次のような点があげられよう. ―活字組版は原則的な考え方を示せばよいが,コンピュータ組版で は,具体的な処理方法を示さないといけない. ―上記と同じことでもあるが,活字組版は例外事項については,厳 密に考えなくてよい.その都度,個々の問題に応じて応用,ある いは類推して解決していく.これに対し,コンピュータ組版では 例外事項も含め,それが処理できる方法を示さないといけない. ―活字組版でも,ある方法で行う場合,言葉で内容を示す方法でも 対応できたが,コンピュータ組版では,その処理方法について名 前を付ける必要性が高い. ―活字組版では,どの書籍でもほぼ共通に守られているルール(以 の 運 さ だ め 命 を の 運 さ だ め 命 を 図 1 ルビの例 1 の 葉 は に つ く 蝶 ち よ うを の 葉 は に つ く 蝶 ち よ うを 図 2 ルビの例 2 図 3 行の調整処理の例 を 修 正 ( 編 集 ) 、 ま た 、 こ れ に 対 し て 、 デ ー タ 書 き 出 し を 行 を 修 正 ( 編 集 ) 、 ま た 、 こ れ に 対 し て 、 デ ー タ 書 き 出 し を 行 図 4 行の調整処理と改行行頭の      括弧類の配置の問題点   「 浮 動 ブ ロ ッ ク 」 、 あ る い は   「 固 定 ブ ロ ッ ク 」 な ど と い っ た 方 法 も あ る 。 こ れ ら の 方 法   「 浮 動 ブ ロ ッ ク 」 、 あ る い は   「 固 定 ブ ロ ッ ク 」 な ど と い っ た 方 法 も あ る 。 こ れ ら の 方 法 厳密にルールを示すかどうか 例えば,あ る問題がでた場合,活字組版においては, 校正者はその一般的な処理方法を説明する のではなく,“問題となったゲラをもって らっしゃい,私が赤字を入れてあげます” と言うことが多いでしょう.ルールは校正 者の頭の中にあり,どんな問題が出ても, 一般的なルール(考え方)により,具体的 なゲラの問題に応じて解決策を具体的に示 す,応用することができる,ということで ある.
  5. 5. 下,固いルールという)と,そうでないルール(以下,柔かいル ールという)とがあった.行頭禁則,行末禁則,約物の配置法な どは固いルール,ルビの配置法は柔かいルールであった.コンピ ュータ組版では,固いルールはオプションが少ないルール,柔か いルールはオプションの多いルールになるのかもしれない. 以下,ルビの組版処理を例に,活字組版のルールとコンピュータ組 版のルールを考えてみよう.なお,ルビの組版ルールは,柔かいルー ルの典型である. 2)肩ツキと中ツキの用語の意味 肩ツキと中ツキという用語の意味については,2 つの考え方があ る. ①肩ツキと中ツキは,あくまで,親文字 1 字に対し,ルビ 1 字の場 合に限っての配置方法である. ②親文字 1 字でルビ 1 字の場合と限定したものではない.親文字 の先頭とルビの文字列(ルビ文字列)の先頭を揃える方法が肩ツ キであり,親文字の文字列(親文字列)とルビ文字列の中心を揃 える方法が中ツキである. 活字組版の考え方 親文字 1 字に 3 字以上のルビが付く場合は,前 後に配置する文字種(文字クラス)により,個別の箇所ごとに工夫し ていたので,一般には,①のように考えてきた. コンピュータ組版の考え方 コンピュータ組版では,その処理を明 確にする,あるいは一律に処理する必要があり,親文字の上端を揃え るのなら,ルビ文字が 3 字以上付く場合も,同様な処理にするという ことで,②の意味で使用している例がある. すくなくとも,肩ツキの方針を採用した場合,ルビ文字列と親文字 列の先頭を揃えるという方針では,処理できない例も多い(図 6 参 照).最近では DTP のデフォルトの処理方法を使用しているせいか もしれないが,親文字 1 字でルビ 1 字の場合に中ツキで処理してい ながら,ルビ文字が 3 字になった場合に,ルビ文字列の中心と親文字 列の中心を揃える配置法をとっていない例も見掛ける(図 5 の右端の 例).いずれにしても,肩ツキと中ツキという指示だけではルビの配 置方法は決まらないケースがあるということである. こうしたことから肩ツキと中ツキは,①と考えた方がよいように思 っている.3 字以上のルビでは,ルビ文字列の中心と親文字列の中心 を揃える方法に用語が必要なら“中心そろえ”とでもいった方がよい だろう(以下では,この意味では“中心そろえ”の用語を使用する). 3)モノルビ,グループルビ コンピュータ組版でのルビの処理方法にモノルビとグループルビが ある. ―モノルビは,対象の文字(親文字)に対して 1 文字ごとにルビ文 字を対応させていく方法 ―グループルビは,当て字・熟字訓や片仮名ルビのように,複数文 組版用語 JIS Z 8125 では,組版要素の 項で 134 語の用語を定義している,この うち“印刷事典(第五版)”(日本印刷学会 編,印刷朝陽会,2002 年)では 61 語し か見出しに掲げていない.それだけコンピ ュータ組版になって使用されてきた用語が 増えたといえよう. 肩ツキと中ツキ JIS X 4051 では,肩ツ キと中ツキの用語を使用していないので, 当然その用語の定義はしていない.ただ し,解説では,その用語が使用されてお り,第 3 次規格の解説では①の考え方, 第 3 次規格に引用されている第 2 次規格 の説明では②になっている. ルビの中心そろえ JIS X 4051 の原則的 なルビの配置方法は,ここでいう“中心そ ろえ”の方法が採用されている. また,“中心そろえ”しかできない処理 系もあった.この場合で①の意味での肩ツ キの方針を選択したいときは,“ルビ 1 字 +ルビ文字サイズの全角スペース”という 組合せで入力して処理していた例もあった (図 2 参照). グループルビの分割禁止 グループルビ は,コンピュータ組版では親文字列を 2 行に分割することは禁止されている.しか し,活字組版では,必ずしも禁止されてい たわけではなかった. もし,コンピュータ組版でグループルビ を 2 行に分割したい場合は,親文字とル ビ文字の対応を変えないとできない. の 葉 は に つ く 蝶 ち よ う 等 の 葉 は に つ く 蝶 ち よ う等 の 葉 は に つ く 蝶 ち よ う   等 図 5 中ツキの配置例 図 6 モノルビの配置例 は 霞 か す みを 又 霞 か す みを  は 霞 か す み 等 又 霞 か す み を  は 霞 か す み 等 は 霞 か す みを 又 霞 か す みを  は 霞 か す み 等 ルビの文字サイズ ルビの文字サイズは親 文字の文字サイズの 1/2 としない場合も あるが,ここでの解説は親文字の文字サイ ズの 1/2 とする.
  6. 6. 字の語(親文字が 2 字以上)に対して全体に平均してルビを振り 当てて配置する方法 この 2 つの配置方法は,親文字列とルビ文字列との関係だけで考え れば,それほど大きな問題はない.まず,親文字列とルビ文字列との 関係を決定し,前後の文字列との関係を決める方法をとれば問題を回 避できる. しかし,モノルビでは,特に肩ツキの方針の場合は,親文字列の前 後に配置する文字種(文字クラス)で配置位置を変える方法も多く 採用されている(図 6 参照).グループルビでも前後に配置する文字 種で配置を変化する方法もある(図 7 参照).前後に配置する文字種 (文字クラス)により親文字列とルビ文字列との関係も変化させると なると,かなりやっかいである. 4)熟語に付けるルビ 熟語に付けるルビの場合は,さらに複雑になる.次のような問題に 対応する必要がある.図 9 に示した配置例は,どれも間違いとはいえ ない. ―熟語であっても,親文字列を構成する各親文字の読みは個々の漢 字ごとに決まっているので,個々の漢字とそれに対応し読みを示 すルビとの対応関係を維持するのが望ましい. ―一方では,熟語はひとつのまとまりでもあるので,ルビとしても 熟語としてのまとまりを持つことが望ましい. ―熟語とは別の前後に配置する漢字にはルビを掛けると誤読の恐れ があるので,ルビは掛けない方がよい.一方,熟語の前後に配置 する仮名にルビを掛けても誤読の恐れは少ないので,掛けること は可能である.必要以上に字間を空けることは避けた方が望まし いので,前後の仮名にルビ文字サイズで全角掛けるのがよい. つまり,“熟語ルビ”の場合は,個々の漢字とルビの対応,熟語とし てのまとまり,熟語の前後に配置する文字種の 3 つを考慮して配置位 置を決める必要がある. 5)熟語に付けるルビのルールの説明例(活字組版) 活字組版を前提としたとき,熟語に付けるルビについては,次のよ うな説明がなされていた. 親文字列の前後の文字種 JIS X 4051 で は,前後に配置する文字種(文字クラス) により親文字列とルビ文字列との関係も変 化させる処理法をとっていない. 図 7 グループルビの配置例 は 物 ロ マ ン 語 の 虚 フ イ ク シ ヨ ン 構 を は 物 ロ マ ン 語 の 虚 フ イ ク シ ヨ ン 構 を は 物 ロ マ ン 語 の 虚 フ イ ク シ ヨ ン 構 を は 物 ロ マ ン 語 の 虚 フ イ ク シ ヨ ン 構 を 図 9 熟語に付くルビの配置例     じ よ う ぞ う は 醸 造 の     じ よ う ぞ う は 醸 造 の   じ よ う ぞ う は 醸 造 の   じ よ う ぞ う は 醸 造 の     じ よ う ぞ う は 醸   造 の     じ よ う ぞ う は 醸   造 の     じ よ う ぞ う は   醸   造 の     じ よ う ぞ う は   醸   造 の     じ よ う ぞ う は 醸   造 の     じ よ う ぞ う は 醸   造 の     じ よ う ぞ う は 醸 造 の     じ よ う ぞ う は 醸 造 の     じ よ う ぞ う は 醸   造 の     じ よ う ぞ う は 醸   造 の     じ よ う ぞ う は   醸   造   の     じ よ う ぞ う は   醸   造   の 掛かってよい親文字列の前後の文字種 親 文字列の前後に配置する仮名や漢字以外の 文字種,例えば約物などに掛かってよいか どうかのルールがあるが,詳細は他の文献 や JLReq などで確認されたい. なお,親文字列からはみ出したルビを前 後の仮名にも掛けないという処理方法をと っている例もある. 図 9 の熟語ルビの配置例 図 9 の例にお いて,私が仕事で選択する場合,縦組は上 段の左端の配置例,横組では上段の右から 2 番目の配置例を選ぶ. 熟語に付けるルビ 熟語にルビを付ける場 合,熟語を構成する漢字の一部だけに付け るのではなく,熟語全体にルビを付ける方 がよい.それは熟語をひとつの言葉として 読んでいくからである. また,複合語にルビを付ける場合,複 合語全体をひとつとしてルビを配置する方 法と,複合語を構成するそれぞれを別の熟 語として配置する方法がある.編集方針の 問題なので,どちらかに決めてルビを配置 する.同様に“市”や“山”などを含む固 有名詞などでも,“市”や“山”を熟語の 一部と考えてルビを配置する方法と,別語 と考えて配置する方法もある.人名でも姓 と名をひとつの単語として配置する方法と 別の単語として配置する方法がある,図 8 に例を示す. 図 8 固有名詞と人名のルビの配置例 新 し ん じ ゆ く く 宿 区 新 し ん 宿 じ ゆ く 区 く 山 や ま だ ひ さ し 田 尚 さ ん 山 や ま 田 だ 尚 ひ さ しさ ん
  7. 7. ―ルビは当該漢字の読みを示すものなので,それぞれに則して付け る. ―熟語はそのまとまりを単位として読んでいくので,熟語としての まとまりを考慮して配置する. ―したがって,漢字の読みを示すルビのうち少なくとも 1 字は必ず その漢字に掛かっていなければならないし,逆に言えば,個々の 漢字の読みを示すルビは,熟語を構成する他の漢字にルビ文字サ イズで 1 字掛かってもよい. ―ただし,横組の場合は,熟語の親文字列とルビ文字列の配置位 置をできるだけ左右中央に配置した方が望ましいので,漢字の読 みを示すルビがその漢字に掛かるサイズは,ルビ文字の半分でよ く,熟語を構成する他の漢字にルビ文字サイズで 1.5 字まで掛か ってもよい(図 10 参照). ―漢字 1 字に付けるルビと同様に,熟語の親文字列からはみ出した ルビは,熟語の前後に配置する仮名にルビ文字サイズで 1 字まで 掛かってよいが,漢字には掛けないようにする. かなりあいまいであるが,学習する場合は見本を見てルールを認識 する,あるいは経験を積む中で具体的な配置法を身に付けていった. 6)JIS X 4051 で“熟語ルビ”を採用 こうしたことから,モノルビとグループルビ以外に,いわばモノル ビとグループルビの中間的な処理内容を持った“熟語ルビ”の必要性 が認められ,JIS X 4051 の第 3 次規格で採用された. “熟語ルビ”の配置処理方法について記載しているものとしては,次 がある. ―JIS X 4051(この“熟語ルビ”の配置処理方法は,前項の活字組 版の考え方を実現していない) ―JLReq の“F  熟語ルビの配置⽅法” ―未刊行であるが,“ルビの組版処理方法―熟語ルビを主に” 7)JIS X 4051 の熟語ルビの配置方法 簡単に説明すると,次のようになる. ―熟語を構成する各漢字の読みを示すルビ文字の字数が 2 字以下 の場合は,熟語を構成する各漢字とルビを対応させて配置する. ―熟語を構成する漢字の読みを示すルビ文字の字数で 3 字以上の 漢字を含んでいる場合は,グループルビと同じ配置方法で配置す る(具体的には事項以下). ―3 字以上のルビを含む場合で,漢字の 2 倍のルビの字数のとき は,親文字列及びルビ文字列ともに字間をベタ組とする. ―3 字以上のルビを含む場合で,ルビ文字が漢字の 2 倍より少ない ときは,ルビ文字列の先頭及び末尾のアキを 1 に対し,ルビ文字 列の字間を 2 の比率で空ける. ―3 字以上のルビを含む場合で,ルビ文字が漢字の 2 倍より多いと きは,ルビ親文字列の先頭及び末尾のアキを 1 に対し,親文字列 の字間を 2 の比率で空ける. 図 10 横組における熟語のルビの配置例 は商 あきないば 場を “ルビの組版処理方法―熟語ルビを主に” この文書は PDF ファイル(6.81 M)にな っているので,入手を希望する方は以下に メールをいただければ提供いたします.  binn @ k . email . ne . jp この文書では,縦組と横組で共通して適 用できるいくらか簡便にしたルールの解説 もされている. また,漢文の配置処理も解説している. は あ 商 き な い ば 場 を
  8. 8. ―グループルビと異なり,2 行にわたる分割を可とする.ただし, 漢字とルビの対応を維持することが必要である. ―熟語ルビの前後に配置する文字にどこまでルビを掛けてよいか は,モノルビやグループルビと同じである. この配置方法は,前述した活字組版の配置方法とは異なる.配置例 を図 11 に示す. 8)JLReq の“F  熟語ルビの配置⽅法” この配置方法は,前述した活字組版の配置方法に近い方法を示して いる.ここで解説している配置方法は肩ツキで後ろへのはみ出しを優 先する場合の方法である.熟語ルビの分割は可である. ここでは,詳細なルールではなく,基本的考え方の手順だけ示して おく. ―熟語を構成する各漢字に対応するルビが 2 字以下の場合は,各漢 字とルビを対応させる. ―熟語を構成する各漢字に対応するルビで 3 字以上つけるものが ある場合は,まず熟語内の漢字にルビ文字サイズで全角まで掛け るようにする.この場合,後ろの漢字に掛けることを優先する. ―それでも処理できない場合は,熟語ルビの前後の仮名などルビを 掛けてよい文字種に掛けるようにする.この場合も後ろの文字な 図 11 JIS X4051 の熟語ルビの配置例 熟 慮 じ ゆ く り よ 熟 慮 じ ゆ く り よ 会 釈 え し や く 会 釈 え し や く 柔 和 に ゆ う わ 柔 和 に ゆ う わ し よ う ち よ う し よ う ち よ う 象 徴 象 徴 畏 怖 い   ふ 畏 怖 い   ふ 遷 移 せ ん い 遷 移 せ ん い 自 己 流 じ こ り ゆ う 自 己 流 じ こ り ゆ う 俎 下 駄 ま な い た げ た 俎 下 駄 ま な い た げ た 思 春 期 し し ゆ ん き 思 春 期 し し ゆ ん き 熟語ルビの分割 熟語ルビを 2 行に分割 した場合,それぞれの熟語を構成する親文 字列に付けるルビも,ここに述べた配置の 原則に従う. 図 11 の例 図 11 の例では,“俎下駄”, “思春期”と“自己流”の例が活字組版の 方法とは異なる.それだけではなく,“熟 慮”や“象徴”も前後に配置される文字種 によって異なってくる.“象徴”は前後に 漢字が配置された場合は同じになる. 片仮名ルビ 外国の翻訳語などに片仮名で ルビを付ける場合,そのまとまりを重視し て,ルビが親文字からはみ出しがあったと きには,前後に配置する漢字だけでなく, 仮名にも,はみ出したルビを掛けない配置 方法を採用する例もある. 図 12 JLReq の“F  熟語ルビの配置⽅法”の配置例 思 春 期 し   し ゆ ん き 思 春 期 し   し ゆ ん き 自 己 流 じ   こ り ゆ う 自 己 流 じ   こ り ゆ う 浄 瑠 璃 じ よ う る り 浄 瑠 璃 じ よ う る り 視 聴 覚 し ち よ う か く 視 聴 覚 し ち よ う か く の 俎 下 駄 は ま な い た げ た の 俎 下 駄 は ま な い た げ た の 熟 慮 は じ ゆ く り よ の 熟 慮 は じ ゆ く り よ の 熟 慮 又 じ ゆ く り よ の 熟 慮 又 じ ゆ く り よ の 象 徴 は し よ う ち よ う の 象 徴 は し よ う ち よ う 又 象 徴 は し よ う ち よ う 又 象 徴 は し よ う ち よ う の 象 徴 共 し よ う ち よ う の 象 徴 共 し よ う ち よ う 又 象 徴 共 し よ う ち よ う 又 象 徴 共 し よ う ち よ う 又 紋 章 共 も ん し よ う 又 紋 章 共 も ん し よ う “ルビの組版処理方法―熟語ルビを主に” この“ルビの組版処理方法―熟語ルビを主 に”では,肩ツキで後ろへのはみ出しを優 先する方法だけでなく,中心そろえを前提 にした方法なども示している. 図 13 熟語に付けるルビの配置例 は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ は 柔 和 の に ゆ う わ
  9. 9. どへ掛けることを優先する. ―それでも処理できない場合は,親文字列の字間及び親文字列の前 後を空ける. この方法による図 11 と異なる配置例やその他の例を図 12 に示す. 9)ルールを簡便にした方法 以上,解説したように“熟語ルビ”の配置方法は,それなりに複雑で ある.これに対応した詳細なルールは可能である.そうではあるが, 機械的な処理を考慮し,また,ある程度の品質でよいのなら,簡便に したルールでよい,という考え方もでてくる. 例えば,かつてのコンピュータ組版で採用されていた例もあった が,以下のような方法である. ―中心そろえを基本とする. ―ルビのはみ出しを前後に配置する漢字や仮名にも掛ける.ただ し,掛ける量はルビ文字サイズで二分までとする. ―前後に配置する文字などにより親文字列とルビ文字列との配置位 置を変えることはしない. ―行頭・行末では必ずしも親文字の先頭を揃えなくてもよい.  3  組版評価のむつかしさ 組版ルールは,組版評価の問題と併せて考えていく必要がある.組 版評価では,どんな点に注意したらよいだろうか. ―読みたいという欲求の強い読者は,少々の読みにくさは問題とし ないで,努力してなんとか読もうとするものである. ―組版評価は,読者により異なる,この読者は多様である. ―本の読み方は,いろいろな読み方がある. ―通読するのか,部分だけを読めばよいのかでも異なる. ―印刷物を作成する目的も考慮する必要がある. ―読む環境が良くない場合,あるいは読む点で問題を抱えている状 況での読みやすさを考えることも必要である. ―例えば,書籍ではそれぞれのページでどこを見たらよいのか,そ れを心得ておく必要がある. ―日常,本につきあっていることが大切である. ―読みやすさの面からみると,いろいろな要素が関係するが,特に 1 行の字詰数と行間が重要である. お わ り に モリー・グプティル・マニング著,松尾恭子訳“戦地の図書館― 海を越えた一億四千万冊”(東京創元社,2016.5) アントニオ・G. イトゥルベ著,小原京子訳“アウシュヴィッツの図 書係”(集英社,2016.7) アン・ウォームズリー著,向井和美訳“プリズン・ブック・クラ ブ―コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年”(紀伊國屋書店, 2016.9) “近視と遠視” 個人的なことであるが,私 は極度の近視である.これが幸いしてとい うことでもないが,眼鏡をはずし,本を眼 に近づけると,かなり小さい字も読める. であるので,文字サイズはどちらかという と問題ではなく,行間を広くしてもらった 方が読みやすい 逆に遠視の方は,眼を本に近づけても小 さい字は読めない.その意味では,文字サ イズは大きくする方が望ましい. 図 14 と図 15 に文庫本の組見本を掲げ てある.どちらが読みやすいだろうか.た だし,文字サイズの印象は判型もかなり影 響するので,仕上りサイズに裁断して比較 しないと感じはつかめないかもしれない. 本の読み方 私はいろんな本の読み方をし ている.通常のスピードでの読み方,ゆっ くりと読み返しながら読んでいく方法,か なりのスピードで読んでいく方法,といっ た読むスピードの変化だけではない次のよ うな読み方もしている(名称は私が勝手に 呼んでいる呼称である). 漢字読み 主に漢字だけを拾って読んで いく.概略ではあるが,これでもけっこう 意味内容を理解できる. 段落読み これはどんな本でもできる方 法ではないが,段落の構造に注意して書い てある本では可能である.つまり,先頭の 文でトピックや主張を提示し,以下の文で は,その内容を補強し,必要があれば,段 落の最後の文で結論や要点を述べるという 形式で書かれた本である.  行頭又は行末に配置するルビ ルビの字数 が多く,親文字よりはみ出したルビと親文 字を行頭又は行末に配置する場合,ルビの 先頭又は末尾を行頭又は行末に揃える方法 と,親文字の先頭又は末尾を行頭又は行末 に揃える方法とがある.
  10. 10. 10 ル ビ と は 、 振 り 仮 名 の こ と で あ る 。 ル ビ と い う 名 称 は 、 か つ て わ が 国 の 印 刷 界 で ル ビ に 用 い て い た 七 号 活 字 に 相 当 す る 欧 文 活 字 の 大 き さ の 名 称 と し て 「 ル ビ ー 」 が 用 い ら れ て い た こ と に よ る 。 ル ビ ( ル ビ 文 字 ) の 付 く 対 象 の 文 字 ( 本 文 の 文 字 ) を 親 文 字 と い う 。「 組く み か た 方 」 の 例 で い え ば 、「 組 方 」 と い う 文 字 が 親 文 字 で 、「 く み か た 」 と い う 文 字 が ル ビ 文 字 で あ る 。 一 般 に 、 漢 字 の 読 み 方 を 示 す 場 合 は 、 本 文 が 平 仮 名 で 書 か れ た 文 章 の と き は ル ビ 文 字 も 「 ひ ら が な 」 で あ る が 、 本 文 が 片 仮 名 の 場 合 は ル ビ 文 字 も 「 カ タ カ ナ 」 を 使 用 す る 。 外 国 の 翻 訳 語 ( 外 来 語 ) に 仮 名 で 読 み ・ 意 味 を 示 す 場 合 は 、 ル ビ 文 字 に 「 カ タ カ ナ 」 を 用 い る 。 ま た 、「 ル ruby ビ 」 の よ う に ル ビ 文 字 が 欧 字 の 例 や 、「 r ル ビ uby 」 の よ う に 親 文 字 が 欧 字 の 例 も あ る 。 仮 名 遣 い も 本 文 の 仮 名 遣 い に 従 う 。 繰 り 返 し 符 号 も 本 文 の 用 例 に 従 う 。 ル ビ の な か に 出 て く る 拗 音 ・ 促 音 等 は 児 童 物 な ど 特 殊 な 場 合 を 除 き 、 一 般 書 で は 小 さ な 字 面 の 文 字 ( 小 書 き の 仮 名 ) を 使 用 し な い で 、 直 音 と 同 じ に し て 組 む 方 法 が あ る 。 拗 音 ・ 促 音 は 、 本 文 で は 小 書 き の 仮 名 を 使 用 し て い る 。 こ れ に 対 し て 、 ル ビ で は 文 字 が 非 常 に 小 さ く な る の で 、 判 読 の 区 別 が つ か な い こ と か ら 、 拗 音 ・ 促 音 も 普 通 の 仮 名 文 字 と 同 じ 大 き さ で 組 む 。 活 字 で は 、 小 さ な 字 面 ( 小 書 き の 仮 名 ) の ル ビ 文 字 が そ も そ も 準 備 さ れ て い な か っ た 。 も と も と ル ビ は 小 さ な 文 字 で あ り 、 あ ま り 読 み や す 12  ルビの付け方 図14 文庫本の組版例1図15 文庫本の組版例2 ル ビ と は 、 振 り 仮 名 の こ と で あ る 。 ル ビ と い う 名 称 は 、 か つ て わ が 国 の 印 刷 界 で ル ビ に 用 い て い た 七 号 活 字 に 相 当 す る 欧 文 活 字 の 大 き さ の 名 称 と し て 「 ル ビ ー 」 が 用 い ら れ て い た こ と に よ る 。 ル ビ ( ル ビ 文 字 ) の 付 く 対 象 の 文 字 ( 本 文 の 文 字 ) を 親 文 字 と い う 。 「 組く み か た 方 」 の 例 で い え ば 、 「 組 方 」 と い う 文 字 が 親 文 字 で 、 「 く み か た 」 と い う 文 字 が ル ビ 文 字 で あ る 。 一 般 に 、 漢 字 の 読 み 方 を 示 す 場 合 は 、 本 文 が 平 仮 名 で 書 か れ た 文 章 の と き は ル ビ 文 字 も 「 ひ ら が な 」 で あ る が 、 本 文 が 片 仮 名 の 場 合 は ル ビ 文 字 も 「 カ タ カ ナ 」 を 使 用 す る 。 外 国 の 翻 訳 語 ( 外 来 語 ) に 仮 名 で 読 み ・ 意 味 を 示 す 場 合 は 、 ル ビ 文 字 に 「 カ タ カ ナ 」 を 用 い る 。 ま た 、「 ル ruby ビ 」 の よ う に ル ビ 文 字 が 欧 字 の 例 や 、 「 r ル ビ uby 」 の よ う に 親 文 字 が 欧 字 の 例 も あ る 。 仮 名 遣 い も 本 文 の 仮 名 遣 い に 従 う 。 繰 り 返 し 符 号 も 本 文 の 用 例 に 従 う 。 ル ビ の な か に 出 て く る 拗 音 ・ 促 音 等 は 児 童 物 な ど 特 殊 な 場 合 を 除 き 、 一 般 書 で は 小 さ な 字 面 の 文 字 ( 小 書 き の 仮 名 ) を 使 用 し な い で 、 直 音 と 同 じ に し て 組 む 方 法 が あ る 。 拗 音 ・ 促 音 は 、 本 文 で は 小 書 き の 仮 名 を 使 用 し て い る 。 こ れ に 対 し て 、 ル ビ で は 文 字 が 非 常 に 小 さ く な る の で 、 判 読 の 区 別 が つ か な い こ と か ら 、 拗 音 ・ 促 音 も 普 通 の 仮 名 文 字 と 同 じ 大 き さ で 組 む 。 活 字 で は 、 小 さ な 字 面 ( 小 書 き の 仮 名 ) の ル ビ 文 字 が そ も そ も 準 備 さ れ て い な か っ た 。 も と も と ル ビ は 小 さ な 文 字 で あ り 、 あ ま り 読 み や す い も の で は な い の で 、 特 に 小 さ く し て 拗 音 ・ 促 音 を 示 す 必 要 が あ る 場 合 を 除 い て 、 小 さ な 字 面 の 拗 音 ・ 促 音 は 使 用 し な い ほ う が 望 ま し い 。 123  ルビの付け方

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