地域資料活用事例としての
ウィキペディア・タウン
2017.07.29
慶應義塾大学 大学院校舎 313教室
都留文科大学 情報センター
日向 良和
ウィキペディアタウン都留
• 平成27年度、平成28年度
• 博物館学芸員資格科目「博物館情報メ
ディア論」
• 科目の目標(一部)
博物館におけるICT技術の活用と情報発信の重要
性について理解する。
平成27年度
• ウィキペディアタウン都留2015
• 学生33名、一般7名(内3名県外)
• 4回分講義を土曜日1日にまとめる
• 外部講師:日下九八氏、さかおり氏
• テーマ「雛鶴神社」「都留市立図書
館」「石船神社」「盛里村」
平成27年度
• 会場・資料協力:都留市立図書館
• 当日スケジュール
• 10時~12時:雛鶴神社、石船神社
でウォーキングを兼ねたフィールド
ワーク
• 13時~17時:地域資料を利用して
記事作成
2015フィー
ルドワーク
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Wikipedia_town_in_tsuru_2
0151122.JPG by Araisyohei CC BY-SA 4.0
フィールドワーク
• 雛鶴神社氏子総代会の協力
• 地元の方に神社までの道案内と説明を
依頼
• 途中、六地蔵などのポイント
• 株式会社ATR Creative社(現Stroly)
開発スマホアプリ「ちずぶらり」利用
フィールドワーク
片道、約2キロ程度。往復1時間。11月寒い。
https://openstreetmap.jp/map#zoom=17&l
at=35.5609&lon=138.99053&layers=00BFF
© OpenStreetMap contributors
「ちずぶらり」
• さまざまな地図とGPS情報を重ね合わ
せる。
• 古地図と重ね合わせることで昔の道や
川をたどることが可能
• 「つるぶらり」(ダウンロード中)
「ちずぶらり」
• 日向父実家あたり
• 寺社、道、川は残ってい
る
• 元の地図は江戸時代都留
市史図版編所蔵「朝日曽
雌村」地図
「ちずぶらり」
• 往復1時間の道歩き
• 雛鶴神社で30分の縁起・伝説説明
• 雛鶴姫伝説
• 学生は写真撮影、さまざまな説明を記
録していく(供の松など)
記事編集
• 都留市立図書館にて
• 13時~17時
• 17時より作成した記事発表
• 13時~30分ほど、ウィキペディア
の方針・編集に関するレクチャ
(日下九八氏)
記事編集
• 学生・一般混合で4グループ
• 1グループ1テーマ
• 記事の書き方はウィキペディアンがサ
ポートするが、基本は参加者主導
• 資料探索サポートは市立図書館司書+
日向
記事編集
• 成果発表
• 『雛鶴神社』
• 『石船神社』
• 『都留市立図書館』
• 『盛里村』
それぞれの目標
• 大学として:
地域の博物館に勤務
• 地域資料の活用法
• 「ウィキペディア・タウン」
• 実施ノウハウ身につけること
それぞれの目標
• 大学として:
聞き取った説明を編集
• 資料などで確認
• 地域を説明する「デジタル資料」を作
成する体験
• スキル・ノウハウなどを体験する
それぞれの目標
• 市立図書館として利用の中で
• 地域資料収集・保存・意義をPR
• 収集・保存の意義が、郷土研究家以外
にも認知されることで、収集・保存が
持続的進むことを期待
• 地方の博物館でも同様
それぞれの目標
• 地域に対して
• 地域住民たちの地域に対する「誇り」
「思い」を発信
• 説明による地域の再発見
実施まで
① 「ウィキペディアン」を探す
• 図書館総合展で知り合う
• 口コミが多い
② 記事・フィールドワーク先を決める
• 記事の特筆性(ウィキペディアンと相談)
• 1時間程度のフィールドワーク
• 案内人
③ 連絡・調整
記事の特筆性
• 百科事典の項目としてふさわしいか
• 普遍性、一般性価値のある記事か
• 既に同項目が充実していないか
• などをウィキペディアンに判断
• ウィキペディアンはベテランが必要
記事の特筆性
• 地域で作り立ち、紹介したい事物
• ウィキペディア記事としてふさわしい
かは一致しない
• 図書館資料が少ない、もしくはない
• 地域研究家の研究メモは資料になりに
くい。(公刊、もしくは図書館等に所
蔵され検証できるものがよい)
地域情報の発信
• 地域資料をもとにウィキペディアタウン
の記事は作成
• インターネット上で発見されやすいウィ
キペディア
• 独自サーバなどを立てる必要がない
• オープンなライセンスでの公開
• 地域情報発信の方法として優れている。
イベントとして
• 「ぶらタモリ」などの流行
• まちあるきで地域の再発見
• 自分の知ったことを情報発信
• いつも使っているウィキペディア
• オープンなデジタルアーカイブ
地域資料を知る
• 図書館・博物館に地域資料があること
の認知度を上げる
• 記事作成には情報が必須
• 保存、継承の意識を高める
• 著作権、肖像権などの意識(インター
ネットにオープンなライセンスで公開
するため)

地域資料活用事例としてのウィキペディア・タウン Wikipedia town Tsuru and Local material in Library