徳島⼤学附属図書館の
デジタルアーカイブ事業
−⾼精細・伊能図・クラウドファンディング−
徳島⼤学附属図書館 総務係⻑ 佐々⽊奈三江
2019年10⽉20⽇(⽇)
GIS学会 企画セッション
「地図アーカイブの利活⽤と社会実践」
本⽇の内容
1.徳島⼤学附属図書館紹介
2.徳島⼤学附属図書館の貴重資料
〜近世古地図・絵図コレクション〜
3.貴重資料のデジタル化
3-1.デジタルアーカイブの取り組み
3-2.デジタルアーカイブの発展形
4.デジタルアーカイブの課題
5.クラウドファンディングの成果と課題
6.デジタルアーカイブを開く鍵を探す
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情報提供:平井松午 徳島⼤学名誉教授
※今回の発表内容は個⼈的な意⾒であり,徳島⼤学附属図書館の公式⾒解ではありませんのでご了承ください。
1.徳島⼤学附属図書館紹介
• 徳島⼤学附属図書館概要
• 常三島キャンパスの本館と蔵本キャンパスの蔵本
分館との2館からなる
• 蔵書約66万冊
• オープンアクセスも最近の重要なテーマ
• 徳島⼤学の貴重資料
• 蜂須賀家家⾂成⽴書并系図
• 近世古地図・絵図コレクション
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本⽇のテーマは
こちら
2.徳島⼤学附属図書館の貴重資料
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徳島藩主旧蔵の古地図・絵図を中⼼に 約200点
[徳島] 55点 :阿波・淡路国絵図5鋪(最⼤法量4.5×5m)、実測分間絵図、
城下絵図、村絵図など
[全国] 20点 :道中図、伊能図10鋪、官板実測⽇本地図4鋪など
[諸国] 49点 :各種国絵図(写本、模写図を含む)、関⼋州絵図など
[江⼾] 44点 :寛永年中江都図、町割切図(嘉永年間)など
[京都] 16点 : ⼤内裡図、京⼤絵図など
[世界] 17点 : 地球図、坤輿万国全図など
徳2 阿波国⼤絵図(元禄国絵図)
縦 4250 ×横 5040 mm
⼤きすぎて広げ
られない、写真
撮影ができない
近世古地図・絵図コレクション
3.貴重資料のデジタル化
• 資料の「保存」と「利⽤」の両⽴を⽬指す
• 書誌情報データベース+画像のデータベースを作成
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検索からシームレスに原資料へ
「資料が可視化され
利⽤可能になること」
と⾔う意味での
オープン志向
資料の劣化を防ぎつつ,
現物を確認できる
資料を探す&利⽤するのにかかる
時間を節約する
3-1.デジタルアーカイブの取り組み(1)
1993年〜 附属図書館の古地図・絵図の基礎調査開始(平井研究室)
1997年〜 平成9年度学内教育研究特別経費により⼤型絵図6点の⾼精細
画像データを作成(絵図1点のデータ容量 約300MB相当)
→ 当時のPC・画像解析ソフトの能⼒
1998年〜 Gigaviewソフトを⽤いて⾼精細画像データの館内閲覧を開始/
平成10・11年度科学研究費補助⾦研究成果公開(データベース)
で合計44点の古地図・絵図の⾼精細画像データを作成(古地図・
絵図1点の最⼤容量約2GB)← 当時はまだDVD・外付けHDが
開発途上(画像データの保存はパソコン内のHD)
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経過 その1
3-1.デジタルアーカイブの取り組み(2)
1999年〜 古地図ポータルサイト「貴重資料⾼精細デジタルアーカイブ」
を附属図書館HPに掲載、⾼速インターネット・ブラウジング
ソフトMADOを⽤いて⾼精細画像データ・書誌情報をネット公開
2004年〜 「⾼精細画像(ZOOMA画像)」で⼤容量データを配信開始/
Web上で⾼精細画像データのシームレスな拡⼤・縮⼩が可能
2015年〜 平成26年度公益財団法⼈図書館振興財団の助成により、800dpiで
作成した伊能図⾼精細画像データ4点(1点 10GB前後)を附属
図書館HP「伊能図学習システム」上でネット公開
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経過 その2
研究資料としてのクオリティを追及
http://www.lib.tokushima-
u.ac.jp/~archive/
徳島大学附属図書館 高精細デジタルアーカイブ徳島大学附属図書館 高精細デジタルアーカイブ
書誌情報
l 整理番号
l 図名
l 法量
l 作成年
l 料紙
l 数量・形態
l 保存状態 など
l 備考
l 解説
l 参考⽂献
1993年〜基礎調査をもとに作成
(平井2001) → 更新が必要
l 画像
Ø⾼精細
ピクセル
数・容量
Ø写真
初代 トップページ 2代⽬トップページ
現⾏のトップページ
引⽤:平井松午. 2017年度 国際
ワークショップ「⽇本の古地図
ポータルサイト」(2018.3)
発表スライドより
3-2.デジタルアーカイブの発展形
−伊能図学習システム
• 単なるアーカイブで
はなく,利⽤⽬的を
明確にしたシステム
の構築で,新しい価
値を創造した事例
https://www.lib.tokushima-
u.ac.jp/~archive/inohzu/ind
ex.html
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4.デジタルアーカイブの課題
• 画像データの作成コストが⾼く、作成点数が限られる
• データ容量が⼤きくなる
• 提供⽅法
• オープンライセンス化
• 画像データの所蔵権・著作権
• 対応できる図書館職員の不⾜
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4.課題解決のヒント
• 教員との連携
• 徳島⼤学では,平井先⽣をはじめとする関連分
野の教員との連携により,資料価値を⾒極めな
がら,学術的研究に耐えるデジタルアーカイブ
を構築することができた
• クラウドファンディング
• 資⾦不⾜解消とともに,資料の周知,存在価値
のアピールをすることもできる
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「図書館職員不⾜」を
補って余りある成果!
「資⾦不⾜」解消!
・・・となるか!?
5.クラウドファンディングの成果と課題
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⽬標額の140%で達成!
2019年2月1日~3月25日まで、100万円で挑戦
成果(作業中)
・5点の古地図撮影
・6点の古地図インターネット公開
・海外発信を⽬指し英⽂併記
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クラウドファンディングで
デジタル化したものは、
オープンライセンス化した
ほうがよいのでは?
※京都⼤学の事例など
5.クラウドファンディングの成果と課題
デジタルアーカイブの運用見直しが必要?
政府もその⽅向性・・・
「我が国におけるデジタルアー
カイブ推進の⽅向性」
リターンの古地図、⼆次利⽤
を認める?認めない?
とりあえず、現在の
規則の範囲で対応
6.デジタルアーカイブを開く鍵を探す
• 意識の問題
• 意義が共有されていない
• イノベーションのため・・・⽬標が遠い。優先的に取り組める状況?
• 運⽤の問題
• 規則の変更が必要
• 申請がなくなると利⽤実績の把握ができなくなる?←予算獲得の根拠?
• オリジナルはどれか→「信頼性の担保」が研究上重要
• 対応できる図書館職員の不⾜
• 時間不⾜
• 知識不⾜
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オープン利用促進の課題は何か?
6.デジタルアーカイブを開く鍵を探す
• まずは状況を把握し、情報収集するところから
• 国⽴⼤学図書館協会中国四国地区協会実務者会議(11⽉22⽇開催)
「デジタルアーカイブの新たな展開について」
• IIIFの実装例や運⽤例
• 画像のオープン利⽤促進のための⼆次利⽤条件等の課題
• デジタルアーカイブ事業の学内での位置づけは?
• ⼈材育成は?
• そして、本⽇のセッション
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問題をクリアするための試み
情報共有
意⾒交換
よろしくお願いします!

2019年GIS学会企画セッション 徳島大付属図書館 佐々木様発表資料