VERSARCH (Virtual ER Simulation ARCHives)   ~座学を超えて~ 対話型授業とチーム学習の実際 柴田綾子  群馬大学医学科 6 年  志水太郎  エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院
座学の限界 http://homepages.gold.ac.uk/polovina/learnpyramid/index.html  
集団座学型授業の限界: Carroll の時間モデル ■ 学生毎に学習関連変数が異なる ・ 「教科書的内容の知識伝達において集団座学型は効率的ではない ・ Learner-baced  システムの取り入れ  ex.  E-learning など
集団座学型授業の改善・向上 ■  授業改善過程= どの変数を変化させるのか (a)  学習者特性の分析 (b)  方略の選択的採用 (c)  形成的評価と改善      => 「学習意欲」「動機づけ」 の重要性 ↑ 鈴木克明  http://www2.gsis.kumamoto-u.ac.jp/~idportal/wp-content/uploads/1998a1.htm
魚を与えるより釣り方を : 主体的な学習態度の育成 ■  ARCS モデル   ( JOHN M. KELLER,1983 年 ) 鈴木克明  http://www2.gsis.kumamoto-u.ac.jp/~idportal/wp-content/uploads/1998a1.htm ・ 技能が実際に役に立ったという経験 ・周囲の認知と賞賛
2. チーム毎に制限時間を設け話し合い、各ターン毎に その時点で適切な介入 ( 治療・検査 ) を 1 つずつ答えてもらう 1.最小の患者情報+主訴を提示する 0 .参加者を学年縦断式のチームに分ける( 4 ~ 6 名) ・各チームの高学年に ファシリテーターとアカデミックアドバイザー を使名する ・総合病院の ER または診療所の外来のセッティング   ・全てのチームが共同して 1 人の患者に対応 ・ 介入の根拠(鑑別や病態など)を必ず聞き そこから派生した質問を重ねる -> 解答者は自分の理解にフィードバックを受ける -> 周囲の仲間は解答者のの思考回路を追随することで自らも学ぶ ・区切りの良いターンで各チームにその時点での 鑑別診断 をあげてもらう
・ チームの介入によりバイタルサインや症状が変わる ・症例提示者が病態・各治療介入の効果を把握・理解  しておくことが必要 ・ 「実際はこうした」「実際はこのように対応した」    ということを示す ・  容態変化時の対応の是非、優先順位の確認、病態の説明 など ・臨場感を出すため、症例は症例提示者が実際に  経験した症例である事が望ましい 3.症例中の患者のバイタルや症状・所見が刻々と変化する 4.最後に症例の振り返りを行う
VERSARCH における工夫 ・ Facilitate peer teaching ・ Senior grades teach the low grades ->  Overcome the knowledge gap  ・ Encourage speaking up
Yes 100 %
■ 先生 や 他の学年 との ディスカッションが中心 の授業で、   初めて で楽しかった (大阪大 6 年、神戸大 5 年、千葉大 5 年、他) ■ 時間経過とともに患者さんの状態が変化 する中で  対応を考えるのがとても良かった               (琉球大 6 年、大阪大 5 年、愛媛大 4 年、他) ■ 時間制限 もあり、普段自分が考えている通りに  実際の臨床は進まないことが分かった              (東京大 6 年、旭川医大 6 年、徳島大 5 年、他) ■ 急性期の勉強 に何が必要かよくわかった                  (東海大 6 年、群馬大 6 年、他) ■ 自分の対応に症例が リアルタイムで反応 するのは  新しいし面白い             (京都大 6 年、他)
・ チーム制と臨場感 で大会場が一体になった感じが  新鮮だった          (大阪大 6 年、和歌山医大 5 年) ・チームと discussion しながら診断・介入を考えるのが  実戦的ですごく勉強になった  (順天堂大 5 年、防衛医大 6 年) ・ group でわいわいディスカッション楽しく出来て、   学習のきっかけ をつかめた   (筑波大 6 年、関西医大 2 年 、他) ・このような時間が大学生活で過ごせれると幸せだと  つくづく思った。 モチベーション の上がりが  全然違うと思う        (大阪医大 6 年、愛媛大学 2 年 、他)
Q .   (VERSARCH と比べ ) 現在のご自身の 大学の授業に改善点 が あるとすれば、どのような所ですか? ■ 一方的な講義の授業が多く 参加型を求めていない 点、    discussion する時間がない 点     (東京大 6 年、東海大 5 年、女子医 5 年、他) ■ 対話形式の「 学生の持っているもの を引き出し、導く」  授業は素晴らしい。ぜひ採用を   (琉球大 6 年、大阪大 6 年、東京医大 5 年、他) ■ 鑑別診断 の授業              (大阪市大 5 年、愛媛大 4 年、他) ■ 臨床現場に直結するか が要            (慶應義塾大 6 年、他) ■ 伝えようとするガッツが欲しい             (愛媛大 5 年、他) ■ 治療までの議論が欲しい                 (大阪医大 5 年、他)     ■ 発言しやすい雰囲気 を                (奈良医大 5 年、他) ■ 到達目標を明確に示してほしい           (京都大 6 年、他)
◆ 現場の 若い臨床医 が臨床医学教育に関与することで  学生に近い目線で学生を指導することが可能であり、  モチベーションの維持・涵養に繋がることが示唆された ◆ チーム学習と対話 を組み合わせた教育は医学教育の  新しい視点となることが示唆された ◆ 大人数のクラスでも、 チーム分けやチーム内の  役割分担 など工夫したディスカッションにすることで、  基礎知識に乏しい低学年の参加でも参加型の授業は  可能であることが示唆された ◆ 学年縦断式 のディスカッションは学生同士の  知的交流を図る上で効果的であることが示唆された
◆ VERSARCH を経験した 学生のアウトカム 評価 のための定量化したスタディの必要性あり   ◆ 自発的な教育意欲を持った者だけでなく、 現場中心の医師だれもが卒前の臨床医学 教育に積極的に関与できるシステム の 先鞭になることが期待される ◆ 新しい臨床医学教育モデルの一つの方策の  具体的形を策定する上でのモデルケースになる  ことが期待される
  3, 主体的学習態度   2, 職業人として適切な行動様式             ( 含プロフェッショナリズム )   1, 正確で十分量の知識と技術  ◆筆記試験での評価+ 実習における技術評価  ◆ PBL/ TBL(off the job)     ◆臨床実習 (on the job)   ◆ 症例ディスカッション +  臨床実習  ◆ 倫理教育を含むリベラルアーツ教育
ご質問・ご感想をお願い致します! ◆ 志水太郎    ・ Twitter:  taroshimizu   ・ブログ :  http://blog.livedoor.jp/aquaflowers7/  ・ホームページ: http://aquaflowers7.jimdo.com / ◆ 群馬大学医学部医学科6年  柴田綾子    [email_address] <ブログ> 皆様のご意見・ご感想 アドバイスをどうぞよろしくお願い致します!
<参考文献> ・  T he Learning Pyramid http://homepages.gold.ac.uk/polovina/learnpyramid/about.htm ・ A Traditionally Administered Short Course Failed to Improve Medical Students’ Diagnostic Performance     Gen Intern Med. 2004 May; 19(5 Pt 1): 427–432.   http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1492255/?tool=pubmed ・ Replacing Lecture with Peer-led Workshops Improves Student Learning   CBE Life Sci Educ. 2009 Fall; 8(3): 182–192. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2736022/?tool=pmcentrez ・ The teacher's role in promoting collaborative dialogue in the classroom.   Webb NM   Br J Educ Psychol. http://docserver.ingentaconnect.com/deliver/connect/bpsoc/00070998/v79n1/s1.pdf?expires=1269823661&id=55881233&titleid=528&accname=Guest+User&checksum=71A9ACD9D61A4ACDCB10BC42D5D72D4B ・ A Delicate Balance: Integrating Active Learning into a Large Lecture Course J. D. Walker, Sehoya H. Cotner, Paul M. Baepler, and Mark D. Decker CBE Life Sci Educ. 2008 Winter; 7(4): 361–367. doi: 10.1187/cbe.08-02-0004. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2592041/?tool=pmcentrez ・ Instructional Design: http://www2.gsis.kumamoto-u.ac.jp/~idportal http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1125317/?tool=pmcentrez
参考文献 ◆ Team Based Learning ・ Baylor College of Medicine    http://www.bcm.edu/fac-ed/?PMID=6586 ・ PBL を超える TBL 「チーム LEAD 」  徳田安春   http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02866_04 ◆  Socratic Method     Tomorrow‘s Professor Blog     http://tomprofblog.mit.edu/2007/08/30/810-the-socratic-method-what-it-is-and-how-to-use-it-in-the-classroom/

VERSARCH~インタラクティブ症例勉強会

  • 1.
    VERSARCH (Virtual ERSimulation ARCHives)   ~座学を超えて~ 対話型授業とチーム学習の実際 柴田綾子  群馬大学医学科 6 年  志水太郎  エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院
  • 2.
  • 3.
    集団座学型授業の限界: Carroll の時間モデル■ 学生毎に学習関連変数が異なる ・ 「教科書的内容の知識伝達において集団座学型は効率的ではない ・ Learner-baced システムの取り入れ ex. E-learning など
  • 4.
    集団座学型授業の改善・向上 ■  授業改善過程= どの変数を変化させるのか(a) 学習者特性の分析 (b) 方略の選択的採用 (c) 形成的評価と改善      => 「学習意欲」「動機づけ」 の重要性 ↑ 鈴木克明  http://www2.gsis.kumamoto-u.ac.jp/~idportal/wp-content/uploads/1998a1.htm
  • 5.
    魚を与えるより釣り方を : 主体的な学習態度の育成■ ARCS モデル ( JOHN M. KELLER,1983 年 ) 鈴木克明  http://www2.gsis.kumamoto-u.ac.jp/~idportal/wp-content/uploads/1998a1.htm ・ 技能が実際に役に立ったという経験 ・周囲の認知と賞賛
  • 6.
    2. チーム毎に制限時間を設け話し合い、各ターン毎に その時点で適切な介入( 治療・検査 ) を 1 つずつ答えてもらう 1.最小の患者情報+主訴を提示する 0 .参加者を学年縦断式のチームに分ける( 4 ~ 6 名) ・各チームの高学年に ファシリテーターとアカデミックアドバイザー を使名する ・総合病院の ER または診療所の外来のセッティング   ・全てのチームが共同して 1 人の患者に対応 ・ 介入の根拠(鑑別や病態など)を必ず聞き そこから派生した質問を重ねる -> 解答者は自分の理解にフィードバックを受ける -> 周囲の仲間は解答者のの思考回路を追随することで自らも学ぶ ・区切りの良いターンで各チームにその時点での 鑑別診断 をあげてもらう
  • 7.
    ・ チームの介入によりバイタルサインや症状が変わる ・症例提示者が病態・各治療介入の効果を把握・理解 しておくことが必要 ・ 「実際はこうした」「実際はこのように対応した」    ということを示す ・ 容態変化時の対応の是非、優先順位の確認、病態の説明 など ・臨場感を出すため、症例は症例提示者が実際に  経験した症例である事が望ましい 3.症例中の患者のバイタルや症状・所見が刻々と変化する 4.最後に症例の振り返りを行う
  • 8.
    VERSARCH における工夫 ・Facilitate peer teaching ・ Senior grades teach the low grades -> Overcome the knowledge gap ・ Encourage speaking up
  • 9.
  • 10.
    ■ 先生 や他の学年 との ディスカッションが中心 の授業で、   初めて で楽しかった (大阪大 6 年、神戸大 5 年、千葉大 5 年、他) ■ 時間経過とともに患者さんの状態が変化 する中で  対応を考えるのがとても良かった               (琉球大 6 年、大阪大 5 年、愛媛大 4 年、他) ■ 時間制限 もあり、普段自分が考えている通りに  実際の臨床は進まないことが分かった              (東京大 6 年、旭川医大 6 年、徳島大 5 年、他) ■ 急性期の勉強 に何が必要かよくわかった                  (東海大 6 年、群馬大 6 年、他) ■ 自分の対応に症例が リアルタイムで反応 するのは  新しいし面白い             (京都大 6 年、他)
  • 11.
    ・ チーム制と臨場感 で大会場が一体になった感じが 新鮮だった          (大阪大 6 年、和歌山医大 5 年) ・チームと discussion しながら診断・介入を考えるのが  実戦的ですごく勉強になった  (順天堂大 5 年、防衛医大 6 年) ・ group でわいわいディスカッション楽しく出来て、   学習のきっかけ をつかめた   (筑波大 6 年、関西医大 2 年 、他) ・このような時間が大学生活で過ごせれると幸せだと  つくづく思った。 モチベーション の上がりが  全然違うと思う        (大阪医大 6 年、愛媛大学 2 年 、他)
  • 12.
    Q .  (VERSARCH と比べ ) 現在のご自身の 大学の授業に改善点 が あるとすれば、どのような所ですか? ■ 一方的な講義の授業が多く 参加型を求めていない 点、   discussion する時間がない 点     (東京大 6 年、東海大 5 年、女子医 5 年、他) ■ 対話形式の「 学生の持っているもの を引き出し、導く」  授業は素晴らしい。ぜひ採用を   (琉球大 6 年、大阪大 6 年、東京医大 5 年、他) ■ 鑑別診断 の授業             (大阪市大 5 年、愛媛大 4 年、他) ■ 臨床現場に直結するか が要            (慶應義塾大 6 年、他) ■ 伝えようとするガッツが欲しい             (愛媛大 5 年、他) ■ 治療までの議論が欲しい                 (大阪医大 5 年、他)     ■ 発言しやすい雰囲気 を                (奈良医大 5 年、他) ■ 到達目標を明確に示してほしい           (京都大 6 年、他)
  • 13.
    ◆ 現場の 若い臨床医が臨床医学教育に関与することで  学生に近い目線で学生を指導することが可能であり、  モチベーションの維持・涵養に繋がることが示唆された ◆ チーム学習と対話 を組み合わせた教育は医学教育の  新しい視点となることが示唆された ◆ 大人数のクラスでも、 チーム分けやチーム内の  役割分担 など工夫したディスカッションにすることで、  基礎知識に乏しい低学年の参加でも参加型の授業は  可能であることが示唆された ◆ 学年縦断式 のディスカッションは学生同士の  知的交流を図る上で効果的であることが示唆された
  • 14.
    ◆ VERSARCH を経験した学生のアウトカム 評価 のための定量化したスタディの必要性あり   ◆ 自発的な教育意欲を持った者だけでなく、 現場中心の医師だれもが卒前の臨床医学 教育に積極的に関与できるシステム の 先鞭になることが期待される ◆ 新しい臨床医学教育モデルの一つの方策の  具体的形を策定する上でのモデルケースになる  ことが期待される
  • 15.
      3, 主体的学習態度  2, 職業人として適切な行動様式             ( 含プロフェッショナリズム )   1, 正確で十分量の知識と技術  ◆筆記試験での評価+ 実習における技術評価  ◆ PBL/ TBL(off the job)   ◆臨床実習 (on the job)   ◆ 症例ディスカッション + 臨床実習  ◆ 倫理教育を含むリベラルアーツ教育
  • 16.
    ご質問・ご感想をお願い致します! ◆ 志水太郎   ・ Twitter: taroshimizu  ・ブログ : http://blog.livedoor.jp/aquaflowers7/  ・ホームページ: http://aquaflowers7.jimdo.com / ◆ 群馬大学医学部医学科6年  柴田綾子    [email_address] <ブログ> 皆様のご意見・ご感想 アドバイスをどうぞよろしくお願い致します!
  • 17.
    <参考文献> ・ T he Learning Pyramid http://homepages.gold.ac.uk/polovina/learnpyramid/about.htm ・ A Traditionally Administered Short Course Failed to Improve Medical Students’ Diagnostic Performance     Gen Intern Med. 2004 May; 19(5 Pt 1): 427–432. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1492255/?tool=pubmed ・ Replacing Lecture with Peer-led Workshops Improves Student Learning   CBE Life Sci Educ. 2009 Fall; 8(3): 182–192. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2736022/?tool=pmcentrez ・ The teacher's role in promoting collaborative dialogue in the classroom.   Webb NM   Br J Educ Psychol. http://docserver.ingentaconnect.com/deliver/connect/bpsoc/00070998/v79n1/s1.pdf?expires=1269823661&id=55881233&titleid=528&accname=Guest+User&checksum=71A9ACD9D61A4ACDCB10BC42D5D72D4B ・ A Delicate Balance: Integrating Active Learning into a Large Lecture Course J. D. Walker, Sehoya H. Cotner, Paul M. Baepler, and Mark D. Decker CBE Life Sci Educ. 2008 Winter; 7(4): 361–367. doi: 10.1187/cbe.08-02-0004. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2592041/?tool=pmcentrez ・ Instructional Design: http://www2.gsis.kumamoto-u.ac.jp/~idportal http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1125317/?tool=pmcentrez
  • 18.
    参考文献 ◆ TeamBased Learning ・ Baylor College of Medicine    http://www.bcm.edu/fac-ed/?PMID=6586 ・ PBL を超える TBL 「チーム LEAD 」  徳田安春   http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02866_04 ◆ Socratic Method   Tomorrow‘s Professor Blog   http://tomprofblog.mit.edu/2007/08/30/810-the-socratic-method-what-it-is-and-how-to-use-it-in-the-classroom/