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100807平戸セミナー




    「良医」は「良医」を育成する
    地域医療、sustainability、人材育成



                             池上敬一
                 日本医療教授システム学会(JSISH)
               獨協医科大学越谷病院救命救急センター
                          well_be, JSISH, ikegamik

                          Ikegami Keiichi
「良医」、「名医」、「スーパードクター」

良医
 医師の基本的能力に加え、地域のニーズ分析に基づく「コ
 ンピテンシーセット」を獲得している医師
  コンピテンシー:学習により獲得可能な能力
 数の原理で社会にインパクトを与える
名医
 良医の発展型医師
 一人でも社会にインパクトを与える
スーパードクター
 学習が困難な特殊なテクニカルスキルを備えた医師
 「後継者を残せない突然変異株」型医師
 テクニカルスキルだけでは社会にインパクトを与えること
 はできない
                              2
「良医」が備えるべきコンピテンシー

医療コンピテンシー        人材育成コンピテンシー
 総合診療能力           「臨床研修プログラム」で結
   国民の期待に応える      果(アウトカム)をだせる
   臨床研修病院の責任       「研修での学び」+「現場
   「臨床研修プログラム」     での学び」を支援できる
 地域の期待に応える        「特色あるプログラム」を設
   臨床研修病院の責任      計できる
                   Instructional system
   「特色あるプログラム」
                   design competencies
   あるいは「専門医」
                  プログラムにより地域医療
                  にインパクトを与える


日本医療教授システム学会(JSISH)=医療者教育・育成
日本医療教授システム学会(     )=医療者教育・育成              3
http://www.asas.or.jp/jsish/index.html




http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/tcc/jjhpe/         4
カークパトリックモデルと医療者教育
 カークパトリックモデルと医療者教育
 「結果」達成は社会的義務(個人・病院)

   レベル         評価項目              データ収集ツール


         学習者は
         学習者は教授(インストラクション)
  1.反応                         満足度アンケート
                             ・ 満足度アンケート
         に満足したか?


         どのような知識とスキルが身につい      事後テスト(筆記テスト)
                             ・ 事後テスト(筆記テスト)
  2.学習
         たか?                 ・ スキルチェック、OSCE
                               スキルチェック、


         知識とスキルを仕事に生かした      ・ 職場での観察
  3.行動
         か?                  ・ フォローアップ調査


         患者のアウトカムに期待すべき成     ・ 職場での観察
  4.結果
         果をもたらしたか?
         果をもたらしたか?           ・ 有害事象の発生率
                                              5
「人材育成」
病院における医療者教育
 「研修での学び」+「現場での学び」
                             「研修での学び」
   レベル         評価項目              データ収集ツール


         学習者は
         学習者は教授(インストラクション)
  1.反応                         満足度アンケート
                             ・ 満足度アンケート
         に満足したか?


         どのような知識とスキルが身につい      事後テスト(筆記テスト)
                             ・ 事後テスト(筆記テスト)
  2.学習
         たか?                 ・ スキルチェック、OSCE
                               スキルチェック、


         知識とスキルを仕事に生かした      ・ 職場での観察
  3.行動
         か?                  ・ フォローアップ調査


         患者のアウトカムに期待すべき成     ・ 職場での観察
  4.結果
         果をもたらしたか?
         果をもたらしたか?           ・ 有害事象の発生率
                                   6
「人材育成」                「現場での学び・学びの強化」
講義・・・「すべて忘れ去られる」
              三宅なほみ




                  7
教える側は
          人は言えば聞き、
           聞けば理解し、
         理解すれば納得し、
納得すれば行動すると思いがちだが、
それはまったくの思い込みでしかない。
             -中原 淳
                 8
9
コンテンツ(教師)中心の学習
Content (teacher) – centered learning


                            従来のteaching

                            •しゃべる人・・・教師
                            •聞く人・・・生徒
                            •生徒
                              個別活動
                              受動的
                              静的


                                          10
パフォーマンスを向上する
学習環境のあり方

 Teachingからlearningへ
学習者中心の学習環境
      ファシリテーター
                            ソーシャル、「場」
      ・臨床エキスパート
                            ・横のネットワーク
      ・学習サイエンス
                            ・外部とのネットワーク
      ・ツール
                            ・On-line, Off-line
      ・テクニック

研修
・仕事のリハーサル
・職場内
・指導医がファシリテーター                         職場環境、「場」
                                      ・学習成果を強化
                                      ・ファシリテーション
                                      ・デブリーフィング
                                      ・継続学習への動機づけ
                IT
                ・モバイルインターネット
                ・twitter, SNS, eBook, eMovie
                ・Learning Management System

当救命センターeLibrary
当救命センター                                             12
13
14
ARCSモデルで学習意欲をデザインする
    モデルで学習意欲をデザインする




                      15
16
                                        。)どな化速迅のスセロプンイザ
                            デのDIるよにgnipytotorp dipar、グンニーラe、育教
        。始開度制修研床臨師医新、年4002                                                                     降以代年0002
                           隔遠、ムテスシ理管識知(たっなに要必が肢択選の
                           外以育教、にめたるす上向をスンマーォフパの事仕
       指 要必の習学 医ンョシー
       摘 性            療 シ       レュミ
       と 出」る 違間もで誰は人「年0002
         版       え
                           。)どな法方の用採、境環場職、機動:例(たきてっか
                             わがとこるす響影が)srotcaf lanoitcurtsni-non(因
   。始開」会習講成養医導指修研床臨「、年6991                                                                      代年0991
                            要の外以習学や育教はに上向の」スンマーォフパ「
                                                                                 」学理心義主成構「
                                               たっ移に」)果結のグンニーレト・習学(
                                            スンマーォフパ「らか」容変動行「が眼主のDI
                                                     。たし化変に上向の容内習学や習学の
                                           めたるす用応に事仕、らか上向の育教の来従が眼                               代年0891
                                           主のDI。るめ集を目注がygolonhcet/ tnemevorpmi     ルデモSCRA
                                          ecnamrofrep、てけかに代年0991らかば半代年0891
        。始開」プッョシクーワ研士富「称通、年4791                           たっあに」容変
                                。るま始が      動行「るよに習学・育教たれさ図意は眼主のDI
                                                                                                代年0791
プッョシクーワたし加参が者導指育教学医でretneC
gniniarT rehcaeT lanoigeRたし置設がOHW、年3791
                                                          。)ルデモDI(ためと
                                          まてしとスセロプ的ムテスシ、し約集をき動のられこ               象事授教9のェニガ
                                                                                                代年0691
                                          。るめ集を目注が価評的成形の材教に半後代年06
                                                   。)照参3表(問質のつ3のregaM             」学理心義主知認「
                                                  。)年9591(価評階段4の修研・育教「
                              。案提の
                                           クッリトパクーカ。入導のクッバドーィフ時即、習練
式方述記階段2るよに)sevitcejbo gninrel cificeps(
                                          復反、)ーャジーメ、ムールブ、ーライタ(述記」標目                             代年0591
  」果成習学の定特「と)sevitcejbo lanoitcurtsni
                                          動行「のてしと標目育教。たっなと要必が化確明の
     larneg(」標目授教般一「てしと標目育教
                                          果成習学、りよに動運」習学ムラグロプのーナキス「
                                                                。た
                                          れま込み組にルデモDIがアデイア、出創をDIが者                 」学理心義主動行「    代年0491
                                          学理心育教たった当に計設のムラグロプ練訓隊軍
 事来出るす連関に育教学医るけおに国がわ
 事来出るす連関に育教学医るけおに国がわ
 事来出るす連関に育教学医るけおに国がわ
 事来出るす連関に育教学医るけおに国がわ                           事来出たえ与を響影にD ・史歴のD
                                               事来出たえ与を響影にD ・史歴のD
                                               事来出たえ与を響影にDIIII・史歴のDIIII
                                               事来出たえ与を響影にD ・史歴のD                    遷変の学理心習学
                                                                                    遷変の学理心習学
                                                                                    遷変の学理心習学
                                                                                    遷変の学理心習学     代年
                                                                                                 代年
                                                                                                 代年
                                                                                                 代年
ガニェの学習成果の分類




1、言語情報(Verbal Information): 認知領域のうちの述べることが
                              できる知識、knowing what
2、知的技能(Intellectual Skills): 認知領域のうちのやってみせら
                            れる知識、khowing how
    Assess – Categorize – Decide –Actモデル
3、認知的方略(Cognitive Strategies):学習の方法に関する内的な知
                               識・技能、メタ認知
4、態度(Attitudes): 個人の選択行動を支える内的な状態
5、運動技能(Motor Skills): 筋肉の運動を伴う技能
                                             17
具体的経験


            コルブ(Kolb)の
            コルブ(    )の
実地練習・実験     経験学習モデル
                          内省的観察



            抽象的概念化


 Experience as the source of learning
                                        18
マインド・マップ




           19
「ソーシャル・ラーニング」、「ラーニング・
プロフェッショナル」
                 学習の「場」
                  院内研修
                  業務
                 ラーニング・プロフェッショナル
                  フォーマル、インフォーマルラーニ
                  ング
                  ファシリテーション
                  デブリーフィング
                  教材設計・作成
                  ファシリテーター養成(FD)
                 JSISHの事業
                  「学習場」モデル化、LP養成
野中郁次郎「SECIモデル」                     20
病院における医療者教育のサイエンス
 「リハーサル」+「構成主義心理学」

   レベル    ファシリテーションのサイエンス       ファシリテーターのスキル


         インストラクショナル・デザイン      ・ インストラクターコンピテンシー
  1.反応
         ・ARCSモデル
              モデル               (ibstpi)
                                       )

         インストラクショナル・デザイン
  2.学習   ・認知主義心理学             ・ インストラクターコンピテンシー
         ノン・テクニカルスキルの訓練
         構成主義心理学
                              ・ ファシリテーション、コーチング
  3.行動   ・インストラクショナル・デザイン
                              ・ リーダーシップ、ロールモデル
         ・ノンインストラクショナル・デザイン
         構成主義心理学
                              ・ ファシリテーション、コーチング
  4.結果   ・インストラクショナル・デザイン
                              ・ リーダーシップ、ロールモデル
         ・ノンインストラクショナル・デザイン                    21
「人材育成」
「良医」の定義

 救急・総合診療ができる
 病院医療だけでなく、地域・家庭での医療のプラ
 ンニングができる
 医療チームのリーダーができる
 急な傷病・患者急変に対応できる
 医療を支えるサイエンス(医学、臨床疫学、心理
 学、教育工学、認知心理学など)を理解できる
 「良医」を再生できる

第3回JSISH総会 2011年3月4,5日 学術総合センター・東京 22
  回     総会     年 月 日

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100807良医を育成する・平戸セミナー

  • 1. 100807平戸セミナー 「良医」は「良医」を育成する 地域医療、sustainability、人材育成 池上敬一 日本医療教授システム学会(JSISH) 獨協医科大学越谷病院救命救急センター well_be, JSISH, ikegamik Ikegami Keiichi
  • 2. 「良医」、「名医」、「スーパードクター」 良医 医師の基本的能力に加え、地域のニーズ分析に基づく「コ ンピテンシーセット」を獲得している医師 コンピテンシー:学習により獲得可能な能力 数の原理で社会にインパクトを与える 名医 良医の発展型医師 一人でも社会にインパクトを与える スーパードクター 学習が困難な特殊なテクニカルスキルを備えた医師 「後継者を残せない突然変異株」型医師 テクニカルスキルだけでは社会にインパクトを与えること はできない 2
  • 3. 「良医」が備えるべきコンピテンシー 医療コンピテンシー 人材育成コンピテンシー 総合診療能力 「臨床研修プログラム」で結 国民の期待に応える 果(アウトカム)をだせる 臨床研修病院の責任 「研修での学び」+「現場 「臨床研修プログラム」 での学び」を支援できる 地域の期待に応える 「特色あるプログラム」を設 臨床研修病院の責任 計できる Instructional system 「特色あるプログラム」 design competencies あるいは「専門医」 プログラムにより地域医療 にインパクトを与える 日本医療教授システム学会(JSISH)=医療者教育・育成 日本医療教授システム学会( )=医療者教育・育成 3
  • 5. カークパトリックモデルと医療者教育 カークパトリックモデルと医療者教育 「結果」達成は社会的義務(個人・病院) レベル 評価項目 データ収集ツール 学習者は 学習者は教授(インストラクション) 1.反応 満足度アンケート ・ 満足度アンケート に満足したか? どのような知識とスキルが身につい 事後テスト(筆記テスト) ・ 事後テスト(筆記テスト) 2.学習 たか? ・ スキルチェック、OSCE スキルチェック、 知識とスキルを仕事に生かした ・ 職場での観察 3.行動 か? ・ フォローアップ調査 患者のアウトカムに期待すべき成 ・ 職場での観察 4.結果 果をもたらしたか? 果をもたらしたか? ・ 有害事象の発生率 5 「人材育成」
  • 6. 病院における医療者教育 「研修での学び」+「現場での学び」 「研修での学び」 レベル 評価項目 データ収集ツール 学習者は 学習者は教授(インストラクション) 1.反応 満足度アンケート ・ 満足度アンケート に満足したか? どのような知識とスキルが身につい 事後テスト(筆記テスト) ・ 事後テスト(筆記テスト) 2.学習 たか? ・ スキルチェック、OSCE スキルチェック、 知識とスキルを仕事に生かした ・ 職場での観察 3.行動 か? ・ フォローアップ調査 患者のアウトカムに期待すべき成 ・ 職場での観察 4.結果 果をもたらしたか? 果をもたらしたか? ・ 有害事象の発生率 6 「人材育成」 「現場での学び・学びの強化」
  • 8. 教える側は 人は言えば聞き、 聞けば理解し、 理解すれば納得し、 納得すれば行動すると思いがちだが、 それはまったくの思い込みでしかない。 -中原 淳 8
  • 9. 9
  • 10. コンテンツ(教師)中心の学習 Content (teacher) – centered learning 従来のteaching •しゃべる人・・・教師 •聞く人・・・生徒 •生徒 個別活動 受動的 静的 10
  • 12. 学習者中心の学習環境 ファシリテーター ソーシャル、「場」 ・臨床エキスパート ・横のネットワーク ・学習サイエンス ・外部とのネットワーク ・ツール ・On-line, Off-line ・テクニック 研修 ・仕事のリハーサル ・職場内 ・指導医がファシリテーター 職場環境、「場」 ・学習成果を強化 ・ファシリテーション ・デブリーフィング ・継続学習への動機づけ IT ・モバイルインターネット ・twitter, SNS, eBook, eMovie ・Learning Management System 当救命センターeLibrary 当救命センター 12
  • 13. 13
  • 14. 14
  • 15. ARCSモデルで学習意欲をデザインする モデルで学習意欲をデザインする 15
  • 16. 16 。)どな化速迅のスセロプンイザ デのDIるよにgnipytotorp dipar、グンニーラe、育教 。始開度制修研床臨師医新、年4002 降以代年0002 隔遠、ムテスシ理管識知(たっなに要必が肢択選の 外以育教、にめたるす上向をスンマーォフパの事仕 指 要必の習学 医ンョシー 摘 性 療 シ レュミ と 出」る 違間もで誰は人「年0002 版 え 。)どな法方の用採、境環場職、機動:例(たきてっか わがとこるす響影が)srotcaf lanoitcurtsni-non(因 。始開」会習講成養医導指修研床臨「、年6991 代年0991 要の外以習学や育教はに上向の」スンマーォフパ「 」学理心義主成構「 たっ移に」)果結のグンニーレト・習学( スンマーォフパ「らか」容変動行「が眼主のDI 。たし化変に上向の容内習学や習学の めたるす用応に事仕、らか上向の育教の来従が眼 代年0891 主のDI。るめ集を目注がygolonhcet/ tnemevorpmi ルデモSCRA ecnamrofrep、てけかに代年0991らかば半代年0891 。始開」プッョシクーワ研士富「称通、年4791 たっあに」容変 。るま始が 動行「るよに習学・育教たれさ図意は眼主のDI 代年0791 プッョシクーワたし加参が者導指育教学医でretneC gniniarT rehcaeT lanoigeRたし置設がOHW、年3791 。)ルデモDI(ためと まてしとスセロプ的ムテスシ、し約集をき動のられこ 象事授教9のェニガ 代年0691 。るめ集を目注が価評的成形の材教に半後代年06 。)照参3表(問質のつ3のregaM 」学理心義主知認「 。)年9591(価評階段4の修研・育教「 。案提の クッリトパクーカ。入導のクッバドーィフ時即、習練 式方述記階段2るよに)sevitcejbo gninrel cificeps( 復反、)ーャジーメ、ムールブ、ーライタ(述記」標目 代年0591 」果成習学の定特「と)sevitcejbo lanoitcurtsni 動行「のてしと標目育教。たっなと要必が化確明の larneg(」標目授教般一「てしと標目育教 果成習学、りよに動運」習学ムラグロプのーナキス「 。た れま込み組にルデモDIがアデイア、出創をDIが者 」学理心義主動行「 代年0491 学理心育教たった当に計設のムラグロプ練訓隊軍 事来出るす連関に育教学医るけおに国がわ 事来出るす連関に育教学医るけおに国がわ 事来出るす連関に育教学医るけおに国がわ 事来出るす連関に育教学医るけおに国がわ 事来出たえ与を響影にD ・史歴のD 事来出たえ与を響影にD ・史歴のD 事来出たえ与を響影にDIIII・史歴のDIIII 事来出たえ与を響影にD ・史歴のD 遷変の学理心習学 遷変の学理心習学 遷変の学理心習学 遷変の学理心習学 代年 代年 代年 代年
  • 17. ガニェの学習成果の分類 1、言語情報(Verbal Information): 認知領域のうちの述べることが できる知識、knowing what 2、知的技能(Intellectual Skills): 認知領域のうちのやってみせら れる知識、khowing how Assess – Categorize – Decide –Actモデル 3、認知的方略(Cognitive Strategies):学習の方法に関する内的な知 識・技能、メタ認知 4、態度(Attitudes): 個人の選択行動を支える内的な状態 5、運動技能(Motor Skills): 筋肉の運動を伴う技能 17
  • 18. 具体的経験 コルブ(Kolb)の コルブ( )の 実地練習・実験 経験学習モデル 内省的観察 抽象的概念化 Experience as the source of learning 18
  • 20. 「ソーシャル・ラーニング」、「ラーニング・ プロフェッショナル」 学習の「場」 院内研修 業務 ラーニング・プロフェッショナル フォーマル、インフォーマルラーニ ング ファシリテーション デブリーフィング 教材設計・作成 ファシリテーター養成(FD) JSISHの事業 「学習場」モデル化、LP養成 野中郁次郎「SECIモデル」 20
  • 21. 病院における医療者教育のサイエンス 「リハーサル」+「構成主義心理学」 レベル ファシリテーションのサイエンス ファシリテーターのスキル インストラクショナル・デザイン ・ インストラクターコンピテンシー 1.反応 ・ARCSモデル モデル (ibstpi) ) インストラクショナル・デザイン 2.学習 ・認知主義心理学 ・ インストラクターコンピテンシー ノン・テクニカルスキルの訓練 構成主義心理学 ・ ファシリテーション、コーチング 3.行動 ・インストラクショナル・デザイン ・ リーダーシップ、ロールモデル ・ノンインストラクショナル・デザイン 構成主義心理学 ・ ファシリテーション、コーチング 4.結果 ・インストラクショナル・デザイン ・ リーダーシップ、ロールモデル ・ノンインストラクショナル・デザイン 21 「人材育成」
  • 22. 「良医」の定義 救急・総合診療ができる 病院医療だけでなく、地域・家庭での医療のプラ ンニングができる 医療チームのリーダーができる 急な傷病・患者急変に対応できる 医療を支えるサイエンス(医学、臨床疫学、心理 学、教育工学、認知心理学など)を理解できる 「良医」を再生できる 第3回JSISH総会 2011年3月4,5日 学術総合センター・東京 22 回 総会 年 月 日