連続セミナー
      韓国から学ぶ
      雇用開発と社会的企業
                第1回
         主催 NPO法人 日本希望製作所



1                           2011/7/7
[報告]
      韓国社会的企業の現況




              日本希望製作所
                 桔川純子



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(1) 韓国における社会的企業の位置づけ

    貧困克服は長期間にわたる重要な社会課題
    貧困運動・生産共同体事業(90年代~ ) ⇒自活支援事業

    97年IMF危機からの失業率7%超時代
     失業の拡大と社会の両極化⇒失業克服が国民的課題に
     失業克服国民運動(公共勤労やオルタナティブな就労についての
     問題意識が拡散)、国民基礎生活保障法

    雇用開発政策 : 社会的就労事業 (2003年~)
    (2003年 787億ウォン 1.5万人 → 2008年 1兆5749億ウォン 23万人)

    *脆弱階層の就労意欲を活かした政策・民間事業の経験値
    *官主導の一時的・臨時的な社会的就労の限界の克服
                        ⇒ 社会的企業育成法



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(2)韓国の社会的企業育成法

    ○目的   脆弱階層(自身に必要な社会サービスを市場価格で購入することが
          困難な階層や労働市場の通常的な条件で就職が特に困難な階層)
          への社会サービスの拡充または就労の提供
          → 地域への貢献地域住民の生活の質を高める(2010年改正以降)
    ○対象の明確化
       世帯月平均所得が全世帯月平均の100 分の60 以下の者
       「高年者雇用促進法」第2 条第1 号による高齢者
       「障碍者雇用促進法および職業リハビリ法」による障碍者
       「性売買防止および被害者保護等に関する法律」による性売買被害者
       その他、長期失業者など労働部長官が就業状況などを考慮して
        脆弱階層と認定した者
      2010年改正:キャリア断絶女性、移住女性、農漁村就労者なども含まれる

    ○認証制度 支援を受け、社会的企業と名乗るには政府に認証される必要がある
           2011年7月1日より常時認証となる
    ※法律は、2006年策定、2007施行。2010年に見直しの改正

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(3)社会的企業育成法のねらい

    <政府の状況> ・雇用開発・維持に必要な人件費を政府では継続的にカヴァーできない
             ・中産階級の生活の質向上のサービスを拡充する財源がない
    <民間の状況> ・財閥、大企業は、国際競争力向上のために雇用拡大の枠拡大に限界
            ・社会サービス、非営利団体に雇用の枠を拡大できる可能性がある
    ↓
    政府の生活の質向上、就労開発の資金を、社会的投資として、
    政府の投入金額以上の経済・雇用の成果を生み出せる
    自律的な民間の社会サービス事業体が必要

    その実現のために・・・・
     政府の「認証」に基づく、社会的企業に対する公的支援を実施
      ○人件費支援(初期3年間)     ○税制支援 (減免、社会保険料の支援)
      ○購買支援 (公共機関が優先的に購入) ○専門コンサルティング
      ○資金融資
             → 社会的企業を持続可能な経営体とするための基盤づくり


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(4)社会的企業の成果

                   2007           2009
                     51 企業         289 企業      有給勤労者
                                               特性別参与比率
    有給勤労者          2,539 人       11,150 人
    内)脆弱階層有給勤労者    1,136 人        4,683 人      女性 69.4%
                                               男性 30.6%
    社会サービス受給者     26,127 人      842,135 人
    内)脆弱階層受給者     17,166 人      505,767 人      ~29歳      12.3%
                                               30~39歳    19.3%
    売上総額           464.4 億ウォン    2354.8 億ウォン   40~54歳    42.4%
    当期純利益           46.4 億ウォン      70.9 億ウォン   55歳~      26.0%
    GDPに占める割合     0.0047 %       0.0221 %      低所得層     19.9%
    政府の助成金総額       159.8 億ウォン    841.17 億ウォン   中高齢者     36.9%
                                               障がい者     27.5%
    助成金 対 売上効果       2.9 倍          2.8 倍      その他      16.0%
    受給者一人当たり助成金     6.12 万ウォン      1.00 万ウォン
    勤労者一人当たり助成金     62.9 万ウォン     75.44 万ウォン


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(5)社会的企業の評価

    [ 成果 ]
    •   雇用開発、社会サービスにおいて助成金に対する高い費用対効果
    •   省庁横断的な活用 (各省庁での社会サービス事業の担い手に)
    •   国民の認知度の広がり
    •   政権与党が変わっても継続され、力を入れているなど政策として定着
     脆弱階層のサービスと就労に特化
                  → 幅広い社会サービスと雇用の受け皿へ
    [ 課題とそれへの対応 ]
    ○就労課題、社会サービスへのニーズの多様性への対応の必要性
      → 対象者の定義、事業範囲の拡張 (2010年改正)
    ○地域の独自性へのきめ細かい対応、地方活性化での必要性の拡大
      → 自治体における社会的企業振興策、予備社会的企業による雇用開発
    ○社会的企業による事業力の差、 福祉系団体の経営の専門性の弱さ
      → 社会的企業協議会の設立、社会的企業アカデミー、中間支援機関の充実


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(6)地方自治体での取り組み
    2008年ごろから地方自治体で社会的企業を育成する動き
     → 自治体での社会的企業育成条例の制定
     → 地方選挙でもマニュフェストにあがるなど、地域の雇用政策の中心的存在に

    予備社会的企業:
    社会的目的の実現、営業活動を通した収益創出など社会的企業の要件を備えているが、
    現状では認証要件の一部を充足できていないが、要件獲得を目指し活動していると
    自治体などによって選定された機関

    <背景>
     ・地域特性に応じた事業開発
     ・労働部「社会的企業育成のための働き口創出事業」(2010年予算1075億ウォン)を
      地方自治体で遂行するにあたって受け皿が必要

    例) 「ソウル型社会的企業」
        ソウル市が「働き口創出事業」の資金供与できる予備社会的企業
        (現在約200社 ⇒ 今後の5年間で1000社に増やす見込み)


8                                            2011/7/7
ありがとうございました




9                 2011/7/7

韓国の社会的企業の現況

  • 1.
    連続セミナー 韓国から学ぶ 雇用開発と社会的企業 第1回 主催 NPO法人 日本希望製作所 1 2011/7/7
  • 2.
    [報告] 韓国社会的企業の現況 日本希望製作所 桔川純子 2 2011/7/7
  • 3.
    (1) 韓国における社会的企業の位置づけ 貧困克服は長期間にわたる重要な社会課題 貧困運動・生産共同体事業(90年代~ ) ⇒自活支援事業 97年IMF危機からの失業率7%超時代 失業の拡大と社会の両極化⇒失業克服が国民的課題に 失業克服国民運動(公共勤労やオルタナティブな就労についての 問題意識が拡散)、国民基礎生活保障法 雇用開発政策 : 社会的就労事業 (2003年~) (2003年 787億ウォン 1.5万人 → 2008年 1兆5749億ウォン 23万人) *脆弱階層の就労意欲を活かした政策・民間事業の経験値 *官主導の一時的・臨時的な社会的就労の限界の克服 ⇒ 社会的企業育成法 3 2011/7/7
  • 4.
    (2)韓国の社会的企業育成法 ○目的 脆弱階層(自身に必要な社会サービスを市場価格で購入することが 困難な階層や労働市場の通常的な条件で就職が特に困難な階層) への社会サービスの拡充または就労の提供 → 地域への貢献地域住民の生活の質を高める(2010年改正以降) ○対象の明確化  世帯月平均所得が全世帯月平均の100 分の60 以下の者  「高年者雇用促進法」第2 条第1 号による高齢者  「障碍者雇用促進法および職業リハビリ法」による障碍者  「性売買防止および被害者保護等に関する法律」による性売買被害者  その他、長期失業者など労働部長官が就業状況などを考慮して 脆弱階層と認定した者 2010年改正:キャリア断絶女性、移住女性、農漁村就労者なども含まれる ○認証制度 支援を受け、社会的企業と名乗るには政府に認証される必要がある 2011年7月1日より常時認証となる ※法律は、2006年策定、2007施行。2010年に見直しの改正 4 2011/7/7
  • 5.
    (3)社会的企業育成法のねらい <政府の状況> ・雇用開発・維持に必要な人件費を政府では継続的にカヴァーできない ・中産階級の生活の質向上のサービスを拡充する財源がない <民間の状況> ・財閥、大企業は、国際競争力向上のために雇用拡大の枠拡大に限界 ・社会サービス、非営利団体に雇用の枠を拡大できる可能性がある ↓ 政府の生活の質向上、就労開発の資金を、社会的投資として、 政府の投入金額以上の経済・雇用の成果を生み出せる 自律的な民間の社会サービス事業体が必要 その実現のために・・・・ 政府の「認証」に基づく、社会的企業に対する公的支援を実施 ○人件費支援(初期3年間) ○税制支援 (減免、社会保険料の支援) ○購買支援 (公共機関が優先的に購入) ○専門コンサルティング ○資金融資 → 社会的企業を持続可能な経営体とするための基盤づくり 5 2011/7/7
  • 6.
    (4)社会的企業の成果 2007 2009 51 企業 289 企業 有給勤労者 特性別参与比率 有給勤労者 2,539 人 11,150 人 内)脆弱階層有給勤労者 1,136 人 4,683 人 女性 69.4% 男性 30.6% 社会サービス受給者 26,127 人 842,135 人 内)脆弱階層受給者 17,166 人 505,767 人 ~29歳 12.3% 30~39歳 19.3% 売上総額 464.4 億ウォン 2354.8 億ウォン 40~54歳 42.4% 当期純利益 46.4 億ウォン 70.9 億ウォン 55歳~ 26.0% GDPに占める割合 0.0047 % 0.0221 % 低所得層 19.9% 政府の助成金総額 159.8 億ウォン 841.17 億ウォン 中高齢者 36.9% 障がい者 27.5% 助成金 対 売上効果 2.9 倍 2.8 倍 その他 16.0% 受給者一人当たり助成金 6.12 万ウォン 1.00 万ウォン 勤労者一人当たり助成金 62.9 万ウォン 75.44 万ウォン 6 2011/7/7
  • 7.
    (5)社会的企業の評価 [ 成果 ] • 雇用開発、社会サービスにおいて助成金に対する高い費用対効果 • 省庁横断的な活用 (各省庁での社会サービス事業の担い手に) • 国民の認知度の広がり • 政権与党が変わっても継続され、力を入れているなど政策として定着 脆弱階層のサービスと就労に特化 → 幅広い社会サービスと雇用の受け皿へ [ 課題とそれへの対応 ] ○就労課題、社会サービスへのニーズの多様性への対応の必要性 → 対象者の定義、事業範囲の拡張 (2010年改正) ○地域の独自性へのきめ細かい対応、地方活性化での必要性の拡大 → 自治体における社会的企業振興策、予備社会的企業による雇用開発 ○社会的企業による事業力の差、 福祉系団体の経営の専門性の弱さ → 社会的企業協議会の設立、社会的企業アカデミー、中間支援機関の充実 7 2011/7/7
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    (6)地方自治体での取り組み 2008年ごろから地方自治体で社会的企業を育成する動き → 自治体での社会的企業育成条例の制定 → 地方選挙でもマニュフェストにあがるなど、地域の雇用政策の中心的存在に 予備社会的企業: 社会的目的の実現、営業活動を通した収益創出など社会的企業の要件を備えているが、 現状では認証要件の一部を充足できていないが、要件獲得を目指し活動していると 自治体などによって選定された機関 <背景> ・地域特性に応じた事業開発 ・労働部「社会的企業育成のための働き口創出事業」(2010年予算1075億ウォン)を 地方自治体で遂行するにあたって受け皿が必要 例) 「ソウル型社会的企業」 ソウル市が「働き口創出事業」の資金供与できる予備社会的企業 (現在約200社 ⇒ 今後の5年間で1000社に増やす見込み) 8 2011/7/7
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