授業外・教室外の学習を
見据えた教材設計
2014 PC CONFERENCE(2014.08.09)
hello@shokuto.com
角南 北斗(Web Designer)
角南 北斗
Sunami Hokuto
Web 学習
Webサイトや教材制作:
日本語教育業界を中心に
講師&授業設計:
Web・情報教育・プレゼン
執筆:
プレゼン・IT活用
2005: 目的と実践の符号を ∼ホームページ作成を例に
2006: 検索力ってどうよ
2007: ひとつ下のプレゼン。
2008: お料理のコツと情報教育
2009: 日記じゃないのよブログは ∼じぶんチャンネルのススメ
2010: 勝たないプレゼンテーションの学びかた
2011: 名刺デザインで学ぶプレゼンテーション
2012: スマホ時代のWeb教材制作アプローチ
2013 : 3分ではじめるお仕着せのe-Learningからの卒業
2014 : 授業外・教室外の学習を見据えた教材設計
祝PCC 10年連続発表達成。
授業外・教室外の学習を
見据えた教材設計
教材の設計、してますか?
今までしたことがありますか?
その教材、使いやすいですか?
学習者から支持されてますか?
授業中に教師が指示をして
その教材が使われるのは当たり前。
授業の時間以外でも使われる、
強制でなく自主的に学習者が使う、
そういう教材って魅力的ですよね?
その鍵は、スマホ。
紙やPC教材の問題点
紙の教材は重い&かさばる
PC教材は環境が未整備だと使えない
✴ 教室には端末やネット環境がない
✴ PC教室はそこに行くこと自体が面倒
学習者はPCの操作に不慣れ
スマホの利点
小さなPCとも言うべき高い性能
ネットには常時接続という認識
学習者が肌身離さないアイテム
日常的でパーソナルな愛着あるもの
スマホが教材のメディアだと...
使い方のレクチャーが不要
教材を常に持ち歩いてもらえる
スキマ時間に使ってもらえるかも
学習への抵抗感が弱まる場合も
授業の時間以外でも使われる、
強制でなく自主的に学習者が使う、
スマホならそんな教材が作れそう。
ただし、その教材が
使いたくなる魅力を持っている
という前提をクリアしていれば...
スマホを活かした教材は
実際はまだまだ少ない。
スマホ教材のありがちな失敗
スマホの小さな画面に収まらない
✴ PC向けそのままでは表示要素が多すぎる
スマホの操作感に合わない
✴ PC向けのインターフェースは操作しにくい
スマホで使いたくなる内容でない
✴ スマホ対応する意味の薄い教材を選んでいる
スマホ対応に失敗する理由
教師がスマホに不慣れ
✴ 教師自身がガラケーを使っているから、
メディアの特性を体感的に理解していない。
✴ 使い慣れた紙と同じ発想で教材を捉えている
スマホ対応に失敗する理由
スマホを活かした教材に関する知見、
開発ノウハウが共有されていない。
✴ 失敗事例は公開しにくいけれども...
✴ Web制作やアプリ開発の業界などでは
共有知識やドキュメントがけっこうある。
Web制作やアプリ開発の知見を、
教育業界でもシェアすることで
教材開発も進むのでは?
IT 教育ITを活かした教材
IT 教育
IT 教育
教師側の守備範囲の拡大
教師もITを学ぶべき
質が良く使いやすい教材の実現には
メディアや技術の理解が不可欠。
✴ これまで教材開発に成功していたのは
紙に対するノウハウの日々の蓄積のおかげ。
技術は技術者に丸投げ...では限界
✴ 教材の根幹部分は助け合って設計すべき
では、何をまず学べばいい?
教師は何を知っておくべき?
教材設計の「新しい基本」
1. 利用は短時間&高頻度
2. 既存の学習プロセスの改善を
3. 学習者にも愛される教材を
利用は短時間&高頻度
教材設計の新しい基本:1
スマホ用のアプリは
必要なときだけサッと使う。
PC用アプリ スマホ用アプリ
タイミング
まとまった
時間を用意して
思い立ったら
すぐに
起動まで 手間がかかる タップで一瞬
利用内容 複雑・多工程 単純・単工程
利用時間 長めを1回 短時間を何度も
スマホ用アプリの特徴
必要な場面に即したシンプルな機能
✴ アレ使おう!と思い出してもらえるように
間時間でも起動から終了まで可能
✴ 利用者から支持されるゲームの多くは
間時間のプレイにも対応している
スマホ用教材として考えると..
機能を限定し場面と結びつくように
✴ 必要な場面で存在を思い出せる分かりやすさ
短い時間でも使う価値のあるものを
✴ 授業のようにまとまった時間は期待できない
ながら利用を視野に
✴ 他のメインの活動の補助が向いている
既存の学習プロセスの
改善に役立てるものを作る
教材設計の新しい基本:2
従来のPC用教材
学習の全要素を1つにパッケージし、
PCの画面で机を置き換えるアプローチ
ダイアログ
映像 音声
図版
練習問題
解説
従来のPC用教材
学習の全要素を1つにパッケージし、
PCの画面で机を置き換えるアプローチ
✴ 教室での既存の学習プロセスのすべてを
PC上で再構成するようなものが多かった。
✴ 従来との学習スタイルの大きなギャップを
教師や学習者が埋められない場合も。
スマホはシングルタスク向き
PCに比べ多くの情報を表示できない
ウィンドウは1つだけ表示が基本
アプリを何度も切り替えるのは手間
✴ PCは、広いデスクトップで全体が見渡せ
マルチウィンドウで並行作業ができる。
スマホを生かす教材デザイン
紙の教科書やノートなどと併用する
道具の1つとしてのスマホ教材。
既存のアナログ教材の不便な点を
スマホで補えないかを考えるべき。
✴ たとえば、辞書などのリファレンス、
反復練習問題、カメラを使った記録。
学習者にも愛される教材を
目指そう
教材設計の新しい基本:3
アイコンがダサいと
使う気にならない。
アイコンが気に入らない
ホーム画面には置きたくない
普段アイコンを目にしなくなる
アプリの存在を忘れてしまう
そのアプリは使われない
これって商用アプリだけの話?
いえいえ、これからの教材にも
同じことが言えます。
これまでの教材
教師が学習者に配布する形で、
指示して強制的に使わせるもの。
学習者が教材をどう感じるかは
問題にされにくかった。
✴ 学習者からすれば、たとえ好みでなくても
学ぶために使うしかない
これからのスマホ教材
スマホ教材は他にも数多くあり、
学習者が自ら好みのものを選べる。
✴ 教材選択も学習者主導、ということ
気に入ったら教室外でも自主的に使う
✴ 便利で、使いやすく、愛される教材を
まとめ
教材設計の「新しい基本」
1. 利用は短時間&高頻度
2. 既存の学習プロセスの改善を
3. 学習者にも愛される教材を
学習パラダイムの変化
技術が学習に選択肢を増やした
✴ リソースが限られる環境にだけでなく、
学習者個々人のスタイルや好みにも対応。
教師が選んで与える学習から、
学習者自らが選び取る学習への移行。
✴ 教材選択の自由は学習設計の意識につながる
学習パラダイムの変化
こうした学習パラダイムの変化を
教師がきちんと認識すべき。
✴ 情報とツールを得た学習者は
教師の指示に従うだけの弱い存在ではない。
✴ いまや教材だけでなく教師や業界もまた
学習者から選ばれる存在である。
技術の変化に教師も対応すべき
古いパラダイムの学習観や、
紙教材に依存したノウハウだけでは、
デジタルな教材は作れない。
足りない部分を制作会社に丸投げ...では
学習者に支持される教材作りは困難。
スマホを活かした教材の開発には、
新しい教材観が求められる。
それは、新しい学習者観と、
新しい教師観を伴うものである。
デジタルの世界を学ぶところからも
教育を考えてみませんか?
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Sunami Hokuto

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