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Project Management Tool Box
概要編
立
上
げ
全体像(標準的プロジェクトマネジメントプロセスにおけるツールの役割)
計
画
実
行
終
結
スコープ計画
• 顧客ロードマップ
• 重点課題記述書
• 標本選択
• 討議ガイド
• 品質機能展開(QFD)
• プロジェクト憲章
• プロジェクトSWOT分析
• スコープ記述書
• WBS
スケジュール作成
• ガント・チャート
• マイルストーン・チャート
• クリティカル・パス法ガイアグラム
• 時間軸ベース・アロー・ダイアグラム
• クリティカル・チェーン・ダイアグラム
• 階層型スケジュール
• ライン・オブ・バランス
コスト計画
• コスト計画策定マップ
• 類推見積り
• 係数見積り
• ボトムアップ見積り
• コスト・ベースライン
プロジェクト計画
-
プロジェクト選定
• 得点モデル
• 階層化意思決定法(AHP)
• 経済学的手法(回収期間、正味現在価値、内部収益率)
• ポートフォリオ選定
• リアル・オプション・アプローチ
ポートフォリオ・マッピング
• チャート
• バブル・ダイアグラム
プロジェクト計画の実行 スケジュール・コントロール
スコープ・コントロール
コスト・コントロール
実績報告と終結
-
• イナヅマ線
• B-C-F(Baseline-Current-Future)分析
• マイルストーン予測図
• スリップ・チャート
• バッファー・チャート
• スケジュール・クラッシング
• 変更調整マトリックス
• プロジェクト変更要求
• プロジェクト変更ログ
• アーンド・バリュー分析
• マイルストーン分析
• リスク・ログ
• 進捗報告サマリー
• 事後分析レビュー
コントロール
品質計画
• プロジェクト品質プログラム
• フローチャート
• 親和図
リスク計画
• リスク対応計画書
• モンテカルロ分析
• デシジョン・ツリー
チーム計画
• プロジェクト・チーム形成の4段階モデル
• ステークホルダー・マトリックス
• スキル・インベントリ
• コミットメント・スコアカード
品質保証/品質管理
• 品質改善ロードマップ(QIM)
• パレート図
• 特性要因図
• 管理図
リスク・コントロール
• リスク・ログ
• 進捗報告サマリー
• 事後分析レビュー
2
立上げ
立上げ|プロジェクト選定
種類 手法 概要
ランクづけ手法 得点モデル プロジェクト候補の一覧からプロジェクトを選定するときに、意思決定者が考慮に入れたい
と望む、適正な基準のリストを含む。
次にプロジェクトは意思決定者によって各々の基準に従って評点がつけられる。通常は、そ
の基準項目に数値尺度で評点がつけられる。
最後に、これらの点数に重みをかけて、全ての基準についてそれらを足し合わせることで、
プロジェクトのメリットを表す得点が算出される。
階層化意思決定法
(AHP)
得点モデルと同様にプロジェクトを順位づけする方法を提供する。
得点モデルは「一層」のプロセス。1つ以上の基準がその要素値を得るのに複数の副基準
(subcriteria)から構成されているとするなら、この基準値の合成はモデルとは別に行われ
なくてはならない。一方、AHPは副基準を組み込む手段を含んでいる。
したがって、その手順は基準の「階層」を使用し、各々の基準はプロジェクトの順位づけの
状況の理解に対応した副基準に分けられている。この階層構造が確立されれば、AHPは基準
と副基準を重みづけ、そして各プロジェクト候補の階層ごとの混合の評点と全体の計算を行
う。
経済学的手法 回収期間 経済学的手法は、金銭的コストおよびプロジェクトからの収益を考慮に入れるように設計さ
れている。
回収期間は、プロジェクトが開始されてから累積キャッシュフロー(収入-コスト)がプラ
スになるまでの時間の長さ。
正味現在価値(NPV) 現在から1年後の1ドルは今日の1ドルよりも価値が少ないという点において、金額の時間的
価値を考慮に入れる。
内部収益率(IRR) キャッシュフローのNPVがゼロになる割引率。
最適化手法 ポートフォリオ選定 要員の制約条件、試作の時間やコンピュータの時間などの支援活動に関する制約条件、企業
ポリシーなど他の考慮事項がプロジェクトの選定を制約する可能性がある。これらの課題に
対処するためポートフォリオ選定手法を選定する。プロジェクトの選定を制限する可能性の
あるすべての制約条件を考慮に入れる。
リアル・
オプション
オプションとしてのプ
ロジェクト
間接費として取り扱うには大きすぎ、しかも投資プロジェクトとして扱う用意が整っていな
いプロジェクトに適切なアプローチは、オプションとして取り扱うこと。
ツール一覧
4
立上げ|プロジェクト選定
種類 手法 目的 長所 短所
ランクづけ手法 得点モデル 好ましさの順番に候補プロ
ジェクトをランクづけする。
資源が使い果たされるまで、
マネージャーは順番に従っ
て、上位のプロジェクトか
ら順に資金を供給する。
十分に明白、使いやすい、
すぐに理解できる。
架空の精度(false
precision)のような印象を
与えかねない。
上級マネジメントからの重
要なインプットを必要とす
る。
階層化意思決定法
(AHP)
基準を複数のレベルに分解
することが可能。
機能部門と上級マネジメン
トからの広範囲のインプッ
トを必要とする。
経済学的手法 回収期間 経済的利得を評価する。 使用し理解するのが簡単。
不確定性に対して強い。
資本予算と直接比較できる。
時間の金額価値を計上しな
い。
基礎研究のような種類のプ
ロジェクトに関しては必要
なデータが使用できない可
能性がある。
正味現在価値(NPV) 経済的利得を評価し、金額
の時間的価値を考慮する。
スプレッドシートを使用し
た計算が容易。
資本予算と直接比較できる。
基礎研究などいくつかのプ
ロジェクトに関しては必要
なデータが使用できない可
能性がある。
内部収益率(IRR)
最適化手法 ポートフォリオ選定 利得尺度を最大化するプロ
ジェクト・ポートフォリオ
を選定する。
プロジェクト全体のポート
フォリオを選定するために
複数の基準を使用すること
が可能。
大きなプロジェクトのポー
トフォリオには広範囲な計
算を必要とする。
リアル・
オプション
オプションとしてのプ
ロジェクト
代替案の最適な組み合わせ
を選択することによりリス
クを軽減する。
プロジェクトに付随する脅
威のリスクの軽減と好機の
リスクを増大する。
広範囲なデータと分析を必
要とする。
ツール長所/短所
5
立上げ|プロジェクトポートフォリオ・マッピング
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 チャート ヒストグラム、棒グラフ、円グラフ
など。
• 簡潔性:解釈は利用者にとってほ
とんど問題がない。作成と表示が
単純なので、利用するためのト
レーニングが不要。
• 習熟性:マネージャーは取り扱い
に慣れており、ポートフォリオ・
バランスを見る目的に使う場合に
優れた利点となる。
• 柔軟性:どのような評価軸でも取
り込むことができる。
過度の単純化:円グラフのような
チャートは、簡単な情報しか含まな
いため、プロジェクトのポートフォ
リオのバランスをとるために意味の
ある情報を表示する能力に問題があ
るとする専門家もいる。
2 バブル・
ダイアグラム
プロジェクトポートフォリオのバラ
ンスをうまくとるのに必要となるプ
ロジェクトの重要な指標を視覚的に
表すもの。
X軸、Y軸は主要な評価軸あるいは指
標のうちの2つを表す。
円を加えることで二次元におけるプ
ロジェクトの位置を表している。
円の大きさと色は、規模、完了率の
パーセント、プロジェクトの種類な
どの付加的な指標を示している。
• 簡単さ:使い勝手の良さと使いや
すさが優れているので、初めての
利用者の多くが作成したり理解し
たりするためにほとんど、あるい
はまったくトレーニングを必要と
しない。
• データに基づいた結果の表示。特
定の誰かの見解に偏らず、偏見が
入り込まないデータの結果を表示
する。
• 情報過多:様々な種類のバブル・
ダイアグラムが多く存在しており、
利用されている数も多い。そのた
めバランスをとる仕事の複雑さは
減少するよりは、増大する。
• 不適切なデータ:ダイアグラムを
作成するために利用するデータの
選択を慎重に行わなければ、結果
としてできあがるダイアグラムは
誤解を招く。
6
計画
計画|顧客の声
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 顧客ロード
マップ
プロジェクトにおいて顧客の声を聞
くための体系的な方法を組み立てる
ツール。顧客から情報を入手し、文
書化し、利用するためのプロセスの
概要を説明する一連のステップとそ
の実行タイミングを規定する。
• 視覚的:顧客のインプット情報を手
に入れるプロセスを視覚的に表現す
るので、プロセスが明快で単純にな
る。
• 教育的:プロジェクトマネジメント
の関係者にとって比較的新しいツー
ル。プロジェクトの顧客から質の高
いインプットを得る方法をチーム・
メンバーに教育するのに役立つ。
複雑な場合には効果が上がらない。例
えば、世界中の多くの顧客を訪問する
場合など、顧客ロードマップが顧客と
の複雑な接触の計画策定に適用された
場合など。
2 重点課題記述
書
顧客から有意義な意見を手に入れる
ための顧客訪問も際の行動指針。顧
客訪問の準備において使用され、顧
客を訪問する際に中心となる課題を
設定することがこの記述書の本質的
な目的。
• 簡潔:直感的に理解できる内湯とわ
かりやすい構造から生まれる簡潔さ
であり、新たに使ってみようとする
者にとって重要なポイント。
• 教育的:プロジェクトの顧客と接触
した経験のないチーム・メンバーを
教育するのに役立つ。
• 難解:書式が原因で難解になる。意
図がよく伝わらなくなるほどまで情
報を要約してしまう危険がある
• 軽視される:顧客のことは何でも
知っているという間違った思い込み
によって、重点課題記述書の作成に
力を尽くさず、記述書をどうでもよ
いものと取り扱う危険がある。
3 標本選択 顧客中心のプロジェクト・スコープ
を作成するときに、正確で有益なイ
ンプットを提供してくれるのは顧客
の組織の中の誰かを特定する。
• 簡単に用いることができ、メッセー
ジを伝える効果が大きい。
• 広範囲で大規模なプロジェクトにお
ける接触先の選択においては大きく
複雑になりすぎる
4 討議ガイド プロジェクトの顧客との話し合いの
ために文書化された台本、あるいは
テーマを論理的に並べたもの。
• 比較的テーマがはっきりした簡単な
インタビュー向けに設計されている
ため、簡潔
• インタビュー時のメモ取りを考慮に
入れていない点が難点
5 品質機能展開
(QFD)
プロジェクトに顧客の声を組み入れ
るための顧客志向の計画ツール。
• 概念の単純性:土台が単純で、論理
的で、常識に根ざしている
• 視覚的な力:伝えたいことは一目で
読み取れるので、チームの団結を維
持する有益なコミュニケーション・
ツール
• 面倒:顧客のニーズのリストが10を
超える場合、維持が難しくなり、退
屈になる
• 時間がかかる:プロジェクトのはじ
めにあまりにも多くの作業をさせる
と感じるチーム・メンバーがいても
おかしくない
8
計画|スコープ計画
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 プロジェクト
憲章
プロジェクトを公式に許可するため
のツール。プロジェクトの外部のマ
ネジャーによって発行され、プロ
ジェクト・マネジャーがプロジェク
トに組織の資源を配分する権限を与
えるもの。
• 明確性:簡潔な記述によって核心をつく。
そしてプロジェクトに定めたミッションの
達成を指示する
• 簡潔性:ミッションの中でも少数の主要な
項目に焦点を合わせ、詳細を省き、伝えた
いメッセージをぼやけさせないようにする
容易に、頻繁に誤用されやすいこと
2 プロジェクト
SWOT分析
古典的なSWOT分析を(企業のレベ
ルではなく)プロジェクトのレベル
で行うよう発展させたもの。
• 焦点をあてる:この分析は戦略的なギャッ
プにスポットライトを当て、「備えあれば
憂いなし」の行動を習慣づける
• 先見的な性格:防御の盾を携えるのに決し
て早すぎることはないというメンタリティ
を築くことに役立つ。早めに戦略的な
ギャップに対応することは、プロジェクト
の代替シナリオを予行演習し、プロジェク
トが陥りがちないくつかの落とし穴に備え
ることになる。
• 時間を要する:忙しいスケジュールの中か
ら分析のために時間を割くことは、多くの
プロジェクト・チームにとっては厳しい
• 難しい課題:多くのプロジェクト・チーム
は戦術的な視点で行動することには長けて
いるが、海図のない海を戦略的な分析によ
り航海することを難しく感じる
• 脅威を覚える:自分たちのプロジェクトに
弱みがあるとマネジメント層に告げること
をはばかるプロジェクト・チームもあるだ
ろう。また、この分析によって導かれるか
もしれない自分たちの欠点を認識すること
を望まないチームもあるだろう。
3 スコープ記述
書
プロジェクトの目標、作業および製
品について記述したもの。基本的な
部分に焦点を絞り、「このプロジェ
クトで何を作るのか」という根本的
な質問に答えるもの。
• 包括的:全てのプロジェクトの重要事項を
網羅し、プロジェクトの実施事項の包括的
な全体像を提供する
• 簡潔:プロジェクトの多面的な内容を容易
に把握することができる
• 容易に適用できる:特定事項を取り出した
り、新しい特定事項を追加したりすること
で、自分の業界や会社のニーズに適用させ
ることができる
• 書き込みすぎ:その長所を活かすためには、
より多くのことを書き込んですべてを盛り
込もうという気持ちを抑えなければならな
い
• 陳腐化:スコープ・ベースラインとして積
極的に使いこなし、必要に応じてベースラ
インを更新していかないと、スコープ記述
書は陳腐化して役に立たなくなる
4 WBS プロジェクトのスコープ全体を定義
し組織化するすべてのプロジェクト
要素を、要素成果物を基にしてグ
ループ化したもの。
• 強い視覚的効果を与える:WBSの視覚化は
無秩序なものに秩序をもたらす。散漫かつ
曖昧なスコープ記述書を、明確に構造化さ
れた家系図型あるいは目次型のフォームに
変身させる
• 簡潔:プロジェクトの参加メンバーが読ん
だり作成したりできるようになるためには、
ほとんどトレーニングがいらない
• 大きすぎるWBSは時間を浪費し生産性が低
下する階層やワーク・パッケージが多すぎ
ると、プロジェクトの計画とコントロール
の作業を統合するフレームワークという
WBSの目的の意味がなくなり、時間と資源
の浪費につながる。
9
計画|スケジュール作成
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 ガント・チャート 横棒でプロジェクトのアク
ティビティを表し、プロ
ジェクトのアクティビティ
の開始と終了を横軸の時間
尺度に対応させて表示する。
バー・チャートとも呼ばれ
る。
• 視覚的:プロジェクトを視覚化したモデル
を創り出し、すばらしいコミュニケーショ
ンツールになる
• 単純:わずかな時間、もしくは説明なしで、
チームのメンバーからスポンサーの経営層
までほとんどすべての者がガント・チャー
トを読み、作成することができる
• プロジェクトの計画と実績の両方を示すの
に活用できる
• 資源計画あるいは資源の配置に有用:各ア
クティビティの人的資源の必要数を決めて
から、期間毎に合計を求めることで、個々
のアクティビティおよびプロジェクト全体
に対しての必要性資源数を得ることができ
る
• アクティビティ間の依存関係を表現してい
ないため、プロジェクトのアクティビティ
の順序を明確にできず、その結果、クリ
ティカル・パスも明確にできない。この情
報が得られないため、ガント・チャートは
大規模なプロジェクトや部門横断型のプロ
ジェクトには有効ではない
• 大量(たとえば数百)のアクティビティを
もつプロジェクトを効果的に処理すること
ができない。この問題は、階層型ガント・
チャートを用いることで克服できる。
2 マイルストーン・
チャート
マイルストーンを時間軸に
対応して示すことにより重
要なイベントを表示し、マ
ネジメント層をイベントに
注目させる。マイルストー
ンとは依存関係をもつ複数
のアクティビティが収束す
る重要なポイント、または
イベントと定義する。
• 視覚的:プロジェクト・チームとマネジメ
ント層の間やプロジェクト・チーム内での
効果的なコミュニケーションに理想的なプ
ロジェクトの図によるモデルを提供する。
• 単純:プロジェクト参加者やマネジャーが
作成したり説明したりするためのトレーニ
ングは不要もしくはごくわずか。
• 計画ツールおよびトレッキング・ツールと
して役立つ
• アクティビティの依存関係を備えた詳細ス
ケジュールと別々に使用すると、どのよう
な手順でマイルストーンに到達すべきかの
理解が困難になる。
• マイルストーンの数が増えるにつれ、
チャートの魅力は低下する。アクティビ
ティの依存関係を備えたスケジュールと組
み合わせて利用することが望ましい。
3 クリティカル・パス法
ダイアグラム
プロジェクトのアクティビ
ティをノードやアローとし
て表現し、そのどれがプロ
ジェクトの完遂に対し「重
大な」影響をもつか決定し、
最低コストで目標期日に完
了するようにスケジューリ
ングを行うための手段。
• 視覚的訴求力:作業を技術的順序で明確に
図示し、説明が容易。データの計算は難し
くなく、パソコンを使って簡単に短時間で
処理することができる
• 分かりやすい論理:簡単で直接的な方法で、
プロジェクトを構成するアクティビティの
複雑な依存関係を示す。アクティビティが
進む前に、どのアクティビティが完了して
いる必要があるかを明らかにする
• 最優先事項への注目:プロジェクトの完了
にクリティカルなアクティビティのグルー
プを正確に指し示す。
• 初めてのユーザーにとっては、複雑で、理
解しにくく思える:多数のアクティビティ
が、相互に関係した経路のネットワークに
流れ込み、また枝分かれすることは混乱と
複雑さをもたらし、理解しづらいと思わせ
る。
• 時間軸がないため時間の感覚がつかめな
い:すばやく日程やフロートを読み取りに
くい
• 日単位で頻繁に変更があるようなプロジェ
クトのスケジュールを維持することはとて
つもなく大変に見える。
10
計画|スケジュール作成
ツール一覧・長所/短所(つづき)
# 名称 概要 長所 短所
4 時間軸ベース・ア
ロー・ダイアグラム
時間軸に対して表示したクリ
ティカル・パス法。最低コスト
で目標期日に間に合うように、
スケジューリングすることが目
的。
• あまり複雑ではない:2つの世界の最善のものを
併せ持つ。ネットワーク・ダイアグラムが備える
依存関係を失うことなく、ガント・チャートの見
やすさと時間軸を保っている。
• 視覚的訴求力:時間軸を使った明確な作業時間順
序は、読み取りが容易。
• 依存関係のわかりやすさ:プロジェクトを構成す
るアクティビティの依存関係を簡潔に直接的に表
現する。
• 複雑で混乱する:経験の浅いユーザーはカスケー
ド型であっても相互に接続したアクティビティの
多さに困惑する
• 頻繁にかつ大幅に改訂や変更が要求される状況で
は、作業に圧倒され時間もかかりすぎる
5 クリティカル・
チェーン・ダイアグ
ラム
クリティカル・チェーンとは、
プロジェクトをより短い期間で
完成するために挑戦すべき相互
依存関係にあるイベントの最も
長い経路。クリティカル・パス
と異なり、資源の依存関係から
定義される。バッファーを設け
る。
• 確度50%のアクティビティ所要期間の見積り、ク
リティカル・チェーン、バッファーを含む基本概
念が単純。統計学に習熟していなくてもよい。
-
6 階層型スケジュール 異なる詳細度をもつ複数のレベ
ルからなるスケジュール。各レ
ベルのアクティビティは主要な
マイルストーンやイベントでつ
ながっている。
• 柔軟性:プロジェクト・チームは情報をもたない
アクティビティに対し無理やりスケジュールを作
成しなくともよい。チームは柔軟な全体スケ
ジュールを構築し、初期のアクティビティに焦点
を当て、その後、後続のアクティビティに関しス
ケジュールを組むことができる。
• 適切な量の情報:必要、不必要な情報が入り交
じってプロジェクトの参加者が混乱するという状
況はここでは起こらない。むしろ、仕事を実行す
るのに必要な情報だけを得ることができる。
• 複雑さ:複数レベルのスケジュール作成には、き
ちんと定義されたプロセス、スキルと多くのメン
バーの参加と協力が必要である。そのため、スケ
ジュール作成が厄介で面倒な作業となり、使うこ
とに対する抵抗を大きくしてしまう。
• 時間がかかる:作成に時間がかかり、多くの組織
では時間が足りない。
7 ライン・オブ・バラ
ンス
繰り返し型プロジェクトのスケ
ジュール作成および進捗追跡
ツール。スケジュール上の特定
の時期に完了しておかなければ
ならないユニットの累積数また
は累積パーセンテージを示す。
• 視覚的:繰り返されるアクティビティについて、
計画と実際の進行を視覚的に表示する。
• 簡潔:一目で進捗を理解できる。
• 注視する:特に注意が必要な対象を目立たせる。
• 1日限りの使用:プロセスのある時点での状況を
示すものであり、次の時点については新しいLOB
を作成する必要がある。これは時間がかかり面倒
な作業。
• 焦点の欠如:無数のユニットの状況を表示した場
合、木を見て森を見ずという感覚に陥る。
• 扱いにくい尺度:縦軸の尺度は広範囲の量に対応
する必要がある。
11
実行・終結
実行・終結|スケジュール・コントロール
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 イナヅマ線 各々のプロジェクト活動のスケ
ジュール・ベースラインからの進
み具合または遅れ具合を示すもの。
イナヅマ線の左側には完了した活
動、右側には未完了の活動が示さ
れる。さらに効果的な利用方法と
して、先を見越したスケジュー
ル・マネジメントにおける1つの
ステップとして捉えられる。
• 視覚的:作業実績をはっきりと表示し、
プロジェクト・チームに貴重なコミュニ
ケーションの手段を提供する
• 簡単:ほんの数分で、ほとんどのプロ
ジェクト参加者は理解し、線を引くこと
ができる
• 先を見越したやり方:傾向分析に使用す
る際には、イナヅマ線は先見的な考え方
をする手助けとなり、プロジェクト・
チームは予測される困難と戦うため、前
もって対処するための知識が得られる。
• 時間がかかる:イナヅマ線を描いて傾向
を予測するために必要とされる質の高い
情報を収集するには時間がかかる
• 完了の予測が難しい:現時点でアクティ
ビティがどれだけ遅れているか、または
進んでいるかを示すのみであり、完了時
点でどれだけ遅れているか、まあは進ん
でいるかを自動的に予測するものではな
い。
2 B-C-F(Baseline-
Current-Future)分析
プロジェクトのスケジュール・
ベースラインと2つの予測される
スケジュールを比較する。1つは
現在のスケジュール実績に基づく
もの、もう1つは将来起こりうる
最悪のケースのシナリオから導か
れるもの。
• 視覚的:プロジェクト・チームとマネジ
メント層との間およびプロジェクト・
チーム内において、活発で生産的なコ
ミュニケーションが行なわれるような、
図によるプロジェクト・スケジュールの
表示が得られる
• 予見的:プロジェクトに問題という火が
燃え上がり消火が難しくなる前に、迅速
に対処することにより、プロジェクトに
問題が発生することの防止に役立つ。
• 行動に対する抵抗を引き起こす:プロ
ジェクトの参加者の多くは先を見越すこ
とに慣れていない。そのため、この分析
手法の使用を依頼することは彼らの抵抗
にあうことを意味しており、多くのプロ
ジェクト・マネジャーにとっては容易で
はない提案となるだろう。
• 複雑:多くの依存関係をもつ長期のスケ
ジュールのプロジェクトにおいては分析
の適用は挑戦的すぎて、多大な時間を必
要とするかもしれない。
3 マイルストーン予測図 主要なプロジェクト・イベント、
すなわちマイルストーンおよびプ
ロジェクト完了の予測が焦点。
• 図の訴求力がある:マイルストーン予測
につながる表現の明解さは他に並ぶもの
がない。
• 簡便:たとえ素人であっても、予測図を
読んで解釈する方法を身につけるのに数
分しか必要としない。
• 改善の可能性をもたらす:明解に図示表
現されるマイルストーン予測はプロジェ
クト・チームの見積り能力を向上させる
• スケジュールがすれる傾向を示すとき、
犯人を特定する手段として図表が使用さ
れる可能性もある。
• 多くのマイルストーンを示す図表は込み
入ったものになり、解釈が難しくなりが
ち。
• すべてのマイルストーン責任者が、前工
程のマイルストーンとの依存関係を十分
に理解しているわけではない。このこと
により、誤ったマイルストーンの完了見
積りが行なわれる可能性がある。
13
実行・終結|スケジュール・コントロール
ツール一覧・長所/短所(つづき)
# 名称 概要 長所 短所
4 スリップ・チャート 進捗を追跡し、プロジェクトのス
ケジュールの傾向を示す。
前者の目的においては、報告する
時点におけるスケジュール・ベー
スラインからの進みまたは遅れが
どの程度なのかを見積る。連続し
た見積りを線を用いてつないだと
き、後者の目的が傾向線として現
れる。
• 視覚的:スケジュール・ベースラインに対
するプロジェクトの進み度合いまたは遅延
の時間量をプロジェクト参加者にグラフを
用いて視覚的に伝達でき、時系列の傾向を
明らかにする
• 簡単:プロジェクトの高度な知識を保有し
ていない人でさえも、理解するのに数分し
か必要としない
• 予見的:将来の傾向を予測する際にだけ使
用されるので、予測するという考え方を植
えつけてくれる。
• 時間を要する:妥当な進捗情報を準備し、
それをプロジェクトの遅延時間に反映させ
るのは時間を要する
• 受動的:利用者の多くは、この図を「プロ
ジェクトの履歴」としてみなし、傾向予測
や予見的プロジェクト・コントロール・サ
イクルにて使用しようとしていない。
5 バッファー・チャート クリティカル・チェーン・スケ
ジュールによって作成されたバッ
ファーの状況を測定する。
プロジェクトの期限を守るための
早期の警告システムを提供する。
• 視覚的:アクティビティ・チェーンと、関
連するバッファーの両者の完了のパーセン
テージを示す。線は時系列の傾向を明らか
にしたもの。
• 簡単:どのようなプロジェクト参加者に対
しても苦痛にはならない。
• 部分的に予見的:早期に警戒信号を発し、
プロジェクト・チームがバッファー消費量
の異なるレベルに応じて異なる対策を実施
することを促すために設定されている。
• 時間がかかる:信頼できる進捗状況の情報
を用意し、それをバッファー・チャートに
転換するには時間がかかる。
• クリティカル・チェーンの新しい概念に基
づいた新しいツール。したがって学習して
慣れるまでには時間を要する。
6 スケジュール・クラッ
シング
プロジェクト・アクティビティ間
の依存関係の順序を変更すること
なく、全体のプロジェクト期間を
短縮する方法。期間を圧縮するた
めに、アクティビティの遂行に、
より多くの資源を投入するのが一
般的。
• 明確なステップ:簡単で分かりやすくしっ
かりしたクラッシングのステップの順序が
ある。
• コストの最小化:期間短縮のコストを最小
化する一方で、プロジェクト期間短縮の機
会を提供する。
• 大規模プロジェクトには複雑:複数のクリ
ティカル・パスをもつ大型のネットワーク
が本来もつ複雑さにより、それらをクラッ
シングすることは多くの人にとってもたい
へんな量の作業になる
• 時間がかかる:ダイアグラムを描くために
時間がかかるのと同様に、クラッシングす
る際にも、とくに複数のシナリオを検証す
る場合には時間がかかる。
14
実行・終結|スコープ・コントロール
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 変更調整マトリックス 「適切にコントロールされたプロ
ジェクトの変更」といわれる目標へ
向けた便利なロードマップ。手順を
詳細に記述し、とるべき対応を特定
し、対応に関する責任を割当て、対
応に責任ある関係者間で調整を行う。
• 視覚による訴求力:図表形式で表示さ
れ、利用者に親しみやすく、使いやす
い。
• 段階的な性質:連続する手順、すなわ
ちプロセスのわかりやすさと利用者の
親しみやすさが加わった形式として表
示することによって、視覚による訴求
力はさらに強化される。
厳しいスケジュールを乗り越えるために
奮闘する多忙なプロジェクト・マネ
ジャーが適用することは、時間が必要な
新しいことを追加するように思える。
変更管理方針が存在しない組織において
はこの感が一層強まる上に、ゼロからこ
れをs区制するのはかなりの時間の無駄遣
い。
2 プロジェクト変更要求 スコープ、スケジュール、コスト、
品質、その他の事柄等がプロジェク
トの変更から受ける影響は
起案者の認識や専門的判断を容易に
超えてしまう。その結果、プロジェ
クトは激しいダメージを受け、場合
によってはプロジェクトの崩壊さえ
起こりうる。
各々の変更は承認を得る前に統制さ
れた専門的なやり方で間違いなく評
価をすることが非常に重要。提案さ
れた変更をあらゆる確度から評価す
るのを助けることがプロジェクト変
更要求の役割。
• 明瞭さ:「これがわれわれの提案した
変更であり、変更がプロジェクトの基
本的な条件に与える影響はここに記載
のとおりである」。変更の実態が理解
できるので、この明瞭さはたいへん大
きな価値をもつ。
• 簡潔さ:意図的に基本的な条件以外の
詳細な情報を除外している。変更の実
態、すなわちその要点が過剰な詳細情
報により見失われることがない。
• 時間がかかるという欠点が明らかに
なってもその最大の利点はそれを上
回って評価される。大規模なプロジェ
クトにおいて、変更の数は数千回に及
ぶかもしれない。良く出来たPCRでさ
え、それほどの数の変更では多くの時
間がプロジェクトマネジメントに費や
され、大きな支出を生じる、
3 プロジェクト変更ログ 各々の変更要求を記録し、それに番
号を振り、変更管理委員会による承
認あるいは却下の決定を確実に記録
する。変更要求が承認され、かつ変
更が実施されたとき、この情報は
PCLの一部となる。
• 明確さ:1か所にてすべての変更につ
いて基本的な情報を簡潔に提供してお
り、透明性の高いモデル。
• 簡単さ:一目見れば、それを理解し、
それを維持することさえも可能。
• PCLの外観がもたらす管理的な印象を
与えてしまうことはPCLの欠点。結果
として、PCLの維持に対する敵意をも
たらし、プロジェクトの変更をコスト
効率よく監視するうえで大いなる脅威
となる可能性がある。
15
実行・終結|コスト・コントロール
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 アーンド・バリュー分析 プロジェクトの今後を予測するため
に、プロジェクトの実績値を定期的
に把握し記録する。プロジェクトの
進行中に、EVAはプロジェクトのス
ケジュール・パフォーマンスやコス
ト・パフォーマンスを測定し、計画
より進んでいるのかあるいは遅れて
いるのか、またそれは何故かを明ら
かにする。次に、最終的なプロジェ
クト・コストおよび完了期日を予測
する。
• 概念的に単純:一見して3次元(プラン
ド・バリュー、実コスト、アーンド・
バリュー)で組み立てられているため
に複雑に見えるかもしれないが、本質
的には概念的に単純
• 学習が比較的容易:実際に、EVAの基
本的な事項を扱うのに、広範なトレー
ニングは要しない。これは、ツールが
余り使われない状況を生じない利点が
ある。
あまり使用されていない:わかりやすい用
語および大口ユーザーである政府が規定し
た多くの規則や解釈に悩まされてきた過去
の歴史にあるのかもしれない。この官僚的
な考え方により民間部門には役立たない政
府のためのツールとしてのイメージが作ら
れ、多くの潜在ユーザーを脅して遠ざけて
きたのかもしれない。
2 マイルストーン分析 プロジェクトの進捗を測定するもの
として、コストとスケジュールの差
異を明らかにするため、マイルス
トーンにおける計画コストと実コス
トのパフォーマンスを比較するもの。
コストはY軸上で、スケジュールはX
軸上で計画され、追跡される。プロ
ジェクトの最終コストおよび完了期
日を予測するという、先を見通した
使い方をすると、一層効果の高いも
のになる。
• 視覚的訴求力:視覚的にスケジュール
差異やコスト差異を識別することが容
易なことに加えて、将来のマイルス
トーン・パフォーマンスの想定ライン
を備えているため、プロジェクトの全
体状況を図示すにより訴求力のある表
現をすることを求めているマネジャー
に間違いなく受け入れられる。
• 単純さ:図示により訴求力を増すこと
で、分析が簡単になり、プロジェクト
参加者のほとんどが、数分間のトレー
ニングによりそのメッセージを理解す
ることができるようになる。
• 混乱を生じる可能性:多くのマイルス
トーンを含んでいる場合、その分析は
混乱し、難しいかもしれない。しかし、
使用経験を積んだ企業は、何百ものマ
イルストーンに適用している。
• 誤用する可能性:ある種の組織では、
方針として、コスト差異とスケジュー
ル差異を最終予測結果と同じものとし
て、プロジェクト・チームの実績評価
に誤用するものがある。その場合チー
ムはその分析のデータをごまかそうと
するかもしれない。
16
実行・終結|実績報告と終結
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 リスク・ログ リスク対応計画書の延長。生じたリ
スクをコントロールするのに役立つ。
コントロールとは3つの主要なアク
ティビティ(リスク・ベースライン
の設定、リスクの現況の評価、追加
処置の策定)に集約される。
• 明確性:主要リスクの現状に関する簡潔
な情報が一か所に明記される。過度の詳
細情報を省いたリスクの一覧性は、効率
的な時間節約手段となる
• 簡潔性:リスク・ログを一目見ただけで、
誰にでもその有用性は明らかであろうし、
このツールを使い始めることもあるだろ
う。時間的制約の厳しい人にとってこれ
は天の恵みである。
スプレッドシートという外観だけでは、リス
ク・ログは、文書作成の負荷を増やす、もう
1つの役所仕事というレッテルを貼られてし
まう懸念がある。また、個々のリスクの1行
ごとにばらばらに記述する書式であるため、
リスクが相互に関連しているという事実を無
視していると見られるかもしれない。
2 進捗報告サマリー 通常、プロジェクトの状況について
焦点を絞って簡潔に記述した1ページ
程度のドキュメントであり、スコー
プ差異、コスト差異、スケジュール
差異、および品質差異について報告
し、主要な達成事項を示し、さらに
課題を特定し、今後の見通しを予測
して、課題を克服し好ましくない見
通しを打ち消すために必要な対策に
ついて記述している。
• 主な長所は、その簡潔さと視覚的表現。
単純な予見的サイクルと簡潔さにより、
情報の視覚的表示と合わせて、プロジェ
クトの位置とその向かう先を読み手が一
目見て把握できる
• このような報告書の準備は、大規模プロ
ジェクトにおいては時間のかかる作業で
あり、欠点ともいえるかもしれない。
3 事後分析レビュー プロジェクト全体を通じて、何が良
かったか、何がまずかったか、主な
教訓を把握するプロセスであり、文
書である。その目的は将来のプロ
ジェクト運営を改善するために、そ
のような教訓をいかして、過去に生
じた意識的・無意識的な誤りを避け、
成功した点は繰り返すことにある。
• 比較的簡単で少ない人数で行えるツール
であるが、種々の形で高い投資効果をも
たらす可能性を秘めている
• もし事後分析レビューの運営に失敗した
ときには、プロジェクトの失敗点や誤り
についての個人攻撃や名指しによって機
能不全に陥いる争いをもたらす。
17
コントロール
コントロール|品質計画
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 プロジェクト品質プログラム 実際のプロジェクトの品質と計
画された品質が確実に一致する
ことを追求するアクション・プ
ラン。計画と実績の統合の骨組
みとしてWBSを利用し、余すこ
となき顧客の期待と要求事項を
もとに品質レベルを設定する
• 簡単であるとの印象を受ける。
責任分担マトリックスとガン
ト・チャートは視覚的効果が高
く単純な表として表示されてい
るので、読みやすく使いやすい
という利点がある。
• 時間がかかる:ただでさえ時間
の足りないプロジェクト・チー
ムにとって、プロジェクト品質
プログラムの作成に時間がかか
ることは、欠点と感じられるか
もしれない
• 一部のプロジェクト・チームに
とっては難しい:品質標準に慣
れていないプロジェクトでは、
効果的なレベルのプロジェクト
品質プログラムを作ることが難
しいかもしれない。
2 フローチャート プロセスにおけるステップやタ
スクを図にしたもの。長方形や
他のシンボルを使って、ステッ
プが他のステップとどのように
関連しているのかを明らかにし、
プロセスが実際にどのような動
きをするのかを表現している。
• 作成の容易さ:簡単なトレーニ
ングでプロジェクトの参加者が
すぐにフローチャートを使用し、
作成することができるようにな
る
• 視覚的なインパクトの強さ:プ
ロ―チャートによる図解は、絵
画的で非常に表現力が豊かであ
り、印象が強い
• 詳細化しすぎる危険が常にあり、
プロセスを複雑にしてしまいか
ねない。完璧なプロセスを設計
しようというプロセスの開発者
の欲求によりこの傾向が生じる
ことが多い。
• 複雑性がなくても、フロー
チャートの作成は時間がかかる。
3 親和図 アイデアや事実を分類すること
で情報を効率的に組織化する
ツール。作り出した、あるいは
収集した膨大なアイデアや事実
を効率的に並べ替え、情報に共
通するパターンや同じグループ
のものを識別するために役立つ
ように構成されている。
• 本質的に図式的に示されるため、
使うのも理解するのも簡単で、
非常に視覚的なツール
• 何層ものグループ構造を扱うよ
うな時間のかかる適用事例では、
左記の長所は大きく損なわれて
しまう
19
コントロール|品質保証/品質管理
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 品質改善ロードマップ(QIM) プロジェクトにおける問題解決および品
質改善に対する構造化されたアプローチ。
その段階とステップの論理的な流れをと
おして、プロジェクト品質チームを導き、
プロジェクトの問題、その潜在的な原因、
および可能性のある解決策の十分な分析
を可能とする。意見ではなくデータを根
拠にするので、瑣末な問題ではなく重要
な問題にチームを立ち向かわせることが
できる。継続的な品質改善の文化を構築
する便利なツール。
• 構造化:段階とステップのリニアな連続性
によって、その展開の際、抜けのない構造
化アプローチを提供する
• 単純さ:データに基づくという性質が可能
であり、直線で示すことができる単純な品
質ツールであるので、容易に展開させ、ほ
とんど教育を受けていない人でさえも速や
かに熟練した使用者になれるほど。
• カルチアの変更と教練が
必要。これらの要求事項
は、主たる短所の根源。
明らかにカルチアを変更
し、教練を実行できるよ
うな組織を見出すことは
容易ではない。したがっ
て、QIMを展開すること
を求めるのは今日のプロ
ジェクトの世界では、過
度な要求かもしれない。
2 パレート図 問題または原因の発生の頻度を示す一連
のバーを含むデータのヒストグラム。左
から右までランキングの順序で整理され、
より高いバーによって表された問題は、
右側のものよりも相対的に重要。図上に
累積度数カーブを加えることで、その問
題の相対的な重要性が明白に示され、か
つどこに改善の機会があるかを特定する
視覚的な方法となる
• 単純で視覚的な効果:問題の相対的な重要
度を表示するパレート図の能力の産物。忙
しく、酷使されているチーム・メンバーに
とって、これは生産性向上へつながるもの
• 不安を感じさせない図示:現実には、プロ
ジェクト品質問題を取り除く方法を探して
いるチーム・メンバーは、品質改善の取り
組みでしばしば提供される統計および確率
の概念に不安を抱いている。わかりやすい
図示によって、パレート図はあまり不安を
感じさせない選択肢を提供している。
-
3 特性要因図(CED) 問題の原因を識別し、関連づけ、かつ図
で表示するツール。
より広い意味で問題はプロセスと関連す
るので、CEDは全プロセスを視覚化して
いる。その点に関して非常に役立つのが、
主要な原因とそれに続く下位原因の影響
の関係を示している階層的構造。
• 組織の全レベルのプロジェクト関係者が容
易に学習でき、直ちに適用することができ
るツールであることに加えて、短所が長所
にもなりうる。
-
4 管理図 長い時間にわたり、監視、管理、改善し
たいプロセスの要求を定義するツール。
推移や傾向を見分けるために視覚的位置
として中心線が引かれ、上限、下限の管
理限界が中心線から等距離の両側に置か
れた時系列グラフ
• 管理図の長所は、知識のない人でもわずか
なトレーニングで使うことができるという
簡単で効果的なツールを提供していること。
同時に、管理図の統計的な性質は、プロ
ジェクト・マネジャーの意欲を掻き立てる
かもしれない。
-
20
コントロール|リスク計画
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 リスク対応計画書 プロジェクト目標達成に向けて好機
を増大させ脅威を削減するために、
リスクを評価し、対応策を特定する。
• 単純性:特に定性的分析において、重要
度を色というメッセージで見分けやすく
していることなど、単純明快。定量的分
析の側面においても、高度な統計手法を
廃した単純なものであるが、それでもな
お多くのプロジェクトにとっては十分で
ある
個別リスクへの焦点:個々のリスク自署言う
に焦点を当てており、リスク事象の相互の関
連を認識はするが、相互作用を扱うための仕
組みを備えていない。発生確率とリスクの影
響度が1点見積りに依存する。
2 モンテカルロ分析 プロジェクトの傾向を分析するため
にプロジェクトのモデル、例えば、
プロジェクト・ネットワーク図を使
う。
• 基礎数学:複雑な数学や相関関係のモデ
ル化、相互依存関係のモデル化もあるが、
特別難しいものではない
• 使いやすさ:関係する作業を自動化する
便利なソフトウェア・パッケージが市販
されている。
• 簡単な変更:MCAモデルに変更を加え
ることは容易な作業であり、従来のモデ
ルと比較するとすばらしい機会を得られ
る。個々のモデルの動きを調べるのも、
簡単な仕事である
• 正当性:評価の高いツールとして知られ
ており、プロジェクト・チームとマネジ
メント層がその結果を受け入れる可能性
が極めて高い
• 複雑性:基礎数学に基づいているとはい
えMCAは確率の概念に基づいており、
その概念をまだ習得できていないプロ
ジェクト・マネジャーは多い
• 近似値の技法:批判者は、その結果の分
布はあくまでも近似値であるという。反
復の数が少ない時にはこの批判は正しい
が、求められる精度のレベルに到達する
まで反復の数を増やすことによりこの問
題は容易に解決できる。
• 時間を要する:コンピュータの反復計算
に時間がかかるとの不満もある
3 デシジョン・ツリー リスクを抱えたプロジェクトの状況
を分析するための図解ツール。意思
決定の経緯を反映して、最初の意思
決定ポイントから始まり最終の結果
に向けて、ツリーは左から右に樹木
の枝が伸びるように意思決定の連鎖
を示す。
• 便利さ:視覚化することで、少数の経路
をもつプロジェクトの意思決定をわかり
やすく分析するのにたいへん便利である。
単純なツリーはわれわれの直感に訴える
が、さらに、経路の追加に応じて、利用
者の直感を増幅する点にツリーは力を発
揮する
• 視覚的印象:リスクを伴う意思決定の代
替案は一見つかみどころがないが、デシ
ジョンツリーの様式で表示されると、ツ
リーのもつ明確さや視覚的な印象により、
輪郭がはっきりする
• 低い使用率:驚いたことに現役のプロ
ジェクト・マネジャーは、デシジョン・
ツリーをあまり使っていない。プロジェ
クト・マネジャーに薦めるうえで、意思
決定を簡単に行える手軽で略式のツール
として位置づけるべきである
• 複雑性:大きなデシジョン・ツリーが扱
いづらく複雑であったとしたら、現役の
プロジェクト・マネジャーを失望させる
ことはよくわかる。
21
コントロール|チーム計画
ツール一覧・長所/短所
# 名称 概要 長所 短所
1 プロジェクト・
チーム形成の4段階
モデル
プロジェクト・チームを組織
化し、体系的に育成するため
のツール。
• チームの組織化と育成プロセスの概要の視覚
的なテンプレートを提供する
• 効果的なチームワークとプロジェクトの実行
のためのニーズ、プロセスおよび要求事項に
関するクリティカル・シンキングにチーム・
メンバーとマネジメント層を関与させる
• チームの関与それ自体が相互信頼、尊敬およ
び決意を形成するための手段を提供する
• プロジェクトの目的、要求事項、課題および
便益を理解するのを助ける
• チームの育成の継続および学習する組織へ
ツールを提供する
• チームが生成したインプット情報を活用する
ために、相当な時間とリーダーシップ・スキ
ルが必要である。
• チームの会合中のコンフリクトと権力闘争の
可能性
• 企業文化と価値の違いから対処が必要になる
かもしれない
• チーム育成計画の実施が不可能で、欲求不満
と幻滅に至るかもしれない
2 ステークホルダー・
マトリックス
プロジェクト・チーム全体を
体系的に特定し育成するため
のツール。多くのステークホ
ルダーから構成されるプロ
ジェクトのコミュニティの複
雑な関係を明らかにする。広
範囲にわたるステークホル
ダーおよび彼らがプロジェク
トの成功に与える影響度の度
合いを示す枠組みを提供する。
• ステークホルダーと、プロジェクトのパラ
メータに与える彼らの影響を要約するための
テンプレートを提供する
• プロジェクトのインターフェースと組織にお
いて、人を動かすための組織通貨をマッピン
グするための枠組みを提供する
• プロジェクト・チーム全体を形成し、ステー
クホルダーとの関係をマネジメントするため
の枠組みを提供する
• 企業戦略に即してプロジェクトを管理するた
めの枠組みを提供する
• 潜在的な問題、コンフリクト、不測の事態を
解決するために、先を見越してプロジェクト
のステークホルダーに対処することに役立つ
• ステークホルダー・マトリックスの作成とそ
の応用は、チーム育成と組織的学習を推進す
る環境を作る
• マトリックスのインプット情報を作成するた
めに、若干の時間とリーダーシップ・スキル
が必要とされる
• ステークホルダー・マトリックスのデータを
ステークホルダーの影響グリッド、チーム育
成計画、もしくはプロジェクトとの成功要因
分析にマッピングするために、多くの時間と
リーダーシップが必要とされる
• ステークホルダーのプロフィールに関する異
なる認識をめぐってコンフリクトが生じる可
能性がある
• プロジェクトマネジメントにおいて、ステー
クホルダー・マトリックスに過度に依存する
• 常に更新を行わない限り、プロジェクト環境
の変化によってマトリックスが妥当性を損な
うこともある
22
コントロール|チーム計画
ツール一覧・長所/短所(つづき)
# 名称 概要 長所 短所
3 スキル・
インベントリ
プロジェクト・チームのメン
バーやチーム・リーダーに必
要とされるスキル・セットを
体系的に特定するためのツー
ル。
• 効果的なチームワークとプロジェクトの成功
のために、必要なスキルセットを要約するた
めのテンプレートを提供する
• スキル・セットの重要度と能力を評価するた
めのスコアカードを提供する
• プロジェクト・チーム全体を構築し、ステー
クホルダーとの関係をマネジメントするため
の枠組みを提供する
• 定常業務の資源とビジネス戦略を結びつける
ための枠組みを提供する
• プロジェクトのステークホルダーを特定する
手助けをする
• チーム育成に貢献する環境を創り出す
• 組織的学習につなげる
• 最初のスキル・インベントリのテンプレート
を作成するために多くの時間とリーダーシッ
プが必要
• インベントリを更新するために、ある程度の
時間とリーダーシップが必要
• スキル・セット、重要性、そして能力の尺度
を標準化するのが難しい
• 資源と優先順位の交渉に対して、スキル・イ
ンベントリが誤った使われ方をする場合があ
る
4 コミットメント・
スコアカード
プロジェクトとその設定され
た目標に対するチームのコ
ミットメントおよび積極的な
関与の水準を体系的に特定す
るためのツール。
コミットメントの不足を診断
し、プロジェクト組織のいた
るところでステークホルダー
のコミットメントを促進する
ための強力なツール。
• これまでにあげたすべての便益を含めた、コ
ミットメントの強さを評価するスコアカード
を提供する
• コミットメントの分析とその育成計画を要約
するためのテンプレートを提供する
• 低コスト、例リスクの組織を育成するプロセ
スを提供する
• プロジェクトのインターフェースとステーク
ホルダーを特定する手助けをする
• チーム形成に役立つ環境を創造する
• 組織的学習につながる
• プロジェクト・チームの育成にスコアカード
を適用するためには、時間とかなりの高度な
リーダーシップが必要となる
• 標準化された記述がすべてのプロジェクトの
状況に適合するわけではない。カスタマイズ
が必要になることが多い
• 記述および得点法について異なった認識をも
ち、対立を生じる可能性がある
• スコアカードがコミットメントの問題をすべ
て解決できるわけではない
23
出典

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Project Management Tool Box | 概要編

  • 1. Project Management Tool Box 概要編
  • 2. 立 上 げ 全体像(標準的プロジェクトマネジメントプロセスにおけるツールの役割) 計 画 実 行 終 結 スコープ計画 • 顧客ロードマップ • 重点課題記述書 • 標本選択 • 討議ガイド • 品質機能展開(QFD) • プロジェクト憲章 • プロジェクトSWOT分析 • スコープ記述書 • WBS スケジュール作成 • ガント・チャート • マイルストーン・チャート • クリティカル・パス法ガイアグラム • 時間軸ベース・アロー・ダイアグラム • クリティカル・チェーン・ダイアグラム • 階層型スケジュール • ライン・オブ・バランス コスト計画 • コスト計画策定マップ • 類推見積り • 係数見積り • ボトムアップ見積り • コスト・ベースライン プロジェクト計画 - プロジェクト選定 • 得点モデル • 階層化意思決定法(AHP) • 経済学的手法(回収期間、正味現在価値、内部収益率) • ポートフォリオ選定 • リアル・オプション・アプローチ ポートフォリオ・マッピング • チャート • バブル・ダイアグラム プロジェクト計画の実行 スケジュール・コントロール スコープ・コントロール コスト・コントロール 実績報告と終結 - • イナヅマ線 • B-C-F(Baseline-Current-Future)分析 • マイルストーン予測図 • スリップ・チャート • バッファー・チャート • スケジュール・クラッシング • 変更調整マトリックス • プロジェクト変更要求 • プロジェクト変更ログ • アーンド・バリュー分析 • マイルストーン分析 • リスク・ログ • 進捗報告サマリー • 事後分析レビュー コントロール 品質計画 • プロジェクト品質プログラム • フローチャート • 親和図 リスク計画 • リスク対応計画書 • モンテカルロ分析 • デシジョン・ツリー チーム計画 • プロジェクト・チーム形成の4段階モデル • ステークホルダー・マトリックス • スキル・インベントリ • コミットメント・スコアカード 品質保証/品質管理 • 品質改善ロードマップ(QIM) • パレート図 • 特性要因図 • 管理図 リスク・コントロール • リスク・ログ • 進捗報告サマリー • 事後分析レビュー 2
  • 4. 立上げ|プロジェクト選定 種類 手法 概要 ランクづけ手法 得点モデル プロジェクト候補の一覧からプロジェクトを選定するときに、意思決定者が考慮に入れたい と望む、適正な基準のリストを含む。 次にプロジェクトは意思決定者によって各々の基準に従って評点がつけられる。通常は、そ の基準項目に数値尺度で評点がつけられる。 最後に、これらの点数に重みをかけて、全ての基準についてそれらを足し合わせることで、 プロジェクトのメリットを表す得点が算出される。 階層化意思決定法 (AHP) 得点モデルと同様にプロジェクトを順位づけする方法を提供する。 得点モデルは「一層」のプロセス。1つ以上の基準がその要素値を得るのに複数の副基準 (subcriteria)から構成されているとするなら、この基準値の合成はモデルとは別に行われ なくてはならない。一方、AHPは副基準を組み込む手段を含んでいる。 したがって、その手順は基準の「階層」を使用し、各々の基準はプロジェクトの順位づけの 状況の理解に対応した副基準に分けられている。この階層構造が確立されれば、AHPは基準 と副基準を重みづけ、そして各プロジェクト候補の階層ごとの混合の評点と全体の計算を行 う。 経済学的手法 回収期間 経済学的手法は、金銭的コストおよびプロジェクトからの収益を考慮に入れるように設計さ れている。 回収期間は、プロジェクトが開始されてから累積キャッシュフロー(収入-コスト)がプラ スになるまでの時間の長さ。 正味現在価値(NPV) 現在から1年後の1ドルは今日の1ドルよりも価値が少ないという点において、金額の時間的 価値を考慮に入れる。 内部収益率(IRR) キャッシュフローのNPVがゼロになる割引率。 最適化手法 ポートフォリオ選定 要員の制約条件、試作の時間やコンピュータの時間などの支援活動に関する制約条件、企業 ポリシーなど他の考慮事項がプロジェクトの選定を制約する可能性がある。これらの課題に 対処するためポートフォリオ選定手法を選定する。プロジェクトの選定を制限する可能性の あるすべての制約条件を考慮に入れる。 リアル・ オプション オプションとしてのプ ロジェクト 間接費として取り扱うには大きすぎ、しかも投資プロジェクトとして扱う用意が整っていな いプロジェクトに適切なアプローチは、オプションとして取り扱うこと。 ツール一覧 4
  • 5. 立上げ|プロジェクト選定 種類 手法 目的 長所 短所 ランクづけ手法 得点モデル 好ましさの順番に候補プロ ジェクトをランクづけする。 資源が使い果たされるまで、 マネージャーは順番に従っ て、上位のプロジェクトか ら順に資金を供給する。 十分に明白、使いやすい、 すぐに理解できる。 架空の精度(false precision)のような印象を 与えかねない。 上級マネジメントからの重 要なインプットを必要とす る。 階層化意思決定法 (AHP) 基準を複数のレベルに分解 することが可能。 機能部門と上級マネジメン トからの広範囲のインプッ トを必要とする。 経済学的手法 回収期間 経済的利得を評価する。 使用し理解するのが簡単。 不確定性に対して強い。 資本予算と直接比較できる。 時間の金額価値を計上しな い。 基礎研究のような種類のプ ロジェクトに関しては必要 なデータが使用できない可 能性がある。 正味現在価値(NPV) 経済的利得を評価し、金額 の時間的価値を考慮する。 スプレッドシートを使用し た計算が容易。 資本予算と直接比較できる。 基礎研究などいくつかのプ ロジェクトに関しては必要 なデータが使用できない可 能性がある。 内部収益率(IRR) 最適化手法 ポートフォリオ選定 利得尺度を最大化するプロ ジェクト・ポートフォリオ を選定する。 プロジェクト全体のポート フォリオを選定するために 複数の基準を使用すること が可能。 大きなプロジェクトのポー トフォリオには広範囲な計 算を必要とする。 リアル・ オプション オプションとしてのプ ロジェクト 代替案の最適な組み合わせ を選択することによりリス クを軽減する。 プロジェクトに付随する脅 威のリスクの軽減と好機の リスクを増大する。 広範囲なデータと分析を必 要とする。 ツール長所/短所 5
  • 6. 立上げ|プロジェクトポートフォリオ・マッピング ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 チャート ヒストグラム、棒グラフ、円グラフ など。 • 簡潔性:解釈は利用者にとってほ とんど問題がない。作成と表示が 単純なので、利用するためのト レーニングが不要。 • 習熟性:マネージャーは取り扱い に慣れており、ポートフォリオ・ バランスを見る目的に使う場合に 優れた利点となる。 • 柔軟性:どのような評価軸でも取 り込むことができる。 過度の単純化:円グラフのような チャートは、簡単な情報しか含まな いため、プロジェクトのポートフォ リオのバランスをとるために意味の ある情報を表示する能力に問題があ るとする専門家もいる。 2 バブル・ ダイアグラム プロジェクトポートフォリオのバラ ンスをうまくとるのに必要となるプ ロジェクトの重要な指標を視覚的に 表すもの。 X軸、Y軸は主要な評価軸あるいは指 標のうちの2つを表す。 円を加えることで二次元におけるプ ロジェクトの位置を表している。 円の大きさと色は、規模、完了率の パーセント、プロジェクトの種類な どの付加的な指標を示している。 • 簡単さ:使い勝手の良さと使いや すさが優れているので、初めての 利用者の多くが作成したり理解し たりするためにほとんど、あるい はまったくトレーニングを必要と しない。 • データに基づいた結果の表示。特 定の誰かの見解に偏らず、偏見が 入り込まないデータの結果を表示 する。 • 情報過多:様々な種類のバブル・ ダイアグラムが多く存在しており、 利用されている数も多い。そのた めバランスをとる仕事の複雑さは 減少するよりは、増大する。 • 不適切なデータ:ダイアグラムを 作成するために利用するデータの 選択を慎重に行わなければ、結果 としてできあがるダイアグラムは 誤解を招く。 6
  • 8. 計画|顧客の声 ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 顧客ロード マップ プロジェクトにおいて顧客の声を聞 くための体系的な方法を組み立てる ツール。顧客から情報を入手し、文 書化し、利用するためのプロセスの 概要を説明する一連のステップとそ の実行タイミングを規定する。 • 視覚的:顧客のインプット情報を手 に入れるプロセスを視覚的に表現す るので、プロセスが明快で単純にな る。 • 教育的:プロジェクトマネジメント の関係者にとって比較的新しいツー ル。プロジェクトの顧客から質の高 いインプットを得る方法をチーム・ メンバーに教育するのに役立つ。 複雑な場合には効果が上がらない。例 えば、世界中の多くの顧客を訪問する 場合など、顧客ロードマップが顧客と の複雑な接触の計画策定に適用された 場合など。 2 重点課題記述 書 顧客から有意義な意見を手に入れる ための顧客訪問も際の行動指針。顧 客訪問の準備において使用され、顧 客を訪問する際に中心となる課題を 設定することがこの記述書の本質的 な目的。 • 簡潔:直感的に理解できる内湯とわ かりやすい構造から生まれる簡潔さ であり、新たに使ってみようとする 者にとって重要なポイント。 • 教育的:プロジェクトの顧客と接触 した経験のないチーム・メンバーを 教育するのに役立つ。 • 難解:書式が原因で難解になる。意 図がよく伝わらなくなるほどまで情 報を要約してしまう危険がある • 軽視される:顧客のことは何でも 知っているという間違った思い込み によって、重点課題記述書の作成に 力を尽くさず、記述書をどうでもよ いものと取り扱う危険がある。 3 標本選択 顧客中心のプロジェクト・スコープ を作成するときに、正確で有益なイ ンプットを提供してくれるのは顧客 の組織の中の誰かを特定する。 • 簡単に用いることができ、メッセー ジを伝える効果が大きい。 • 広範囲で大規模なプロジェクトにお ける接触先の選択においては大きく 複雑になりすぎる 4 討議ガイド プロジェクトの顧客との話し合いの ために文書化された台本、あるいは テーマを論理的に並べたもの。 • 比較的テーマがはっきりした簡単な インタビュー向けに設計されている ため、簡潔 • インタビュー時のメモ取りを考慮に 入れていない点が難点 5 品質機能展開 (QFD) プロジェクトに顧客の声を組み入れ るための顧客志向の計画ツール。 • 概念の単純性:土台が単純で、論理 的で、常識に根ざしている • 視覚的な力:伝えたいことは一目で 読み取れるので、チームの団結を維 持する有益なコミュニケーション・ ツール • 面倒:顧客のニーズのリストが10を 超える場合、維持が難しくなり、退 屈になる • 時間がかかる:プロジェクトのはじ めにあまりにも多くの作業をさせる と感じるチーム・メンバーがいても おかしくない 8
  • 9. 計画|スコープ計画 ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 プロジェクト 憲章 プロジェクトを公式に許可するため のツール。プロジェクトの外部のマ ネジャーによって発行され、プロ ジェクト・マネジャーがプロジェク トに組織の資源を配分する権限を与 えるもの。 • 明確性:簡潔な記述によって核心をつく。 そしてプロジェクトに定めたミッションの 達成を指示する • 簡潔性:ミッションの中でも少数の主要な 項目に焦点を合わせ、詳細を省き、伝えた いメッセージをぼやけさせないようにする 容易に、頻繁に誤用されやすいこと 2 プロジェクト SWOT分析 古典的なSWOT分析を(企業のレベ ルではなく)プロジェクトのレベル で行うよう発展させたもの。 • 焦点をあてる:この分析は戦略的なギャッ プにスポットライトを当て、「備えあれば 憂いなし」の行動を習慣づける • 先見的な性格:防御の盾を携えるのに決し て早すぎることはないというメンタリティ を築くことに役立つ。早めに戦略的な ギャップに対応することは、プロジェクト の代替シナリオを予行演習し、プロジェク トが陥りがちないくつかの落とし穴に備え ることになる。 • 時間を要する:忙しいスケジュールの中か ら分析のために時間を割くことは、多くの プロジェクト・チームにとっては厳しい • 難しい課題:多くのプロジェクト・チーム は戦術的な視点で行動することには長けて いるが、海図のない海を戦略的な分析によ り航海することを難しく感じる • 脅威を覚える:自分たちのプロジェクトに 弱みがあるとマネジメント層に告げること をはばかるプロジェクト・チームもあるだ ろう。また、この分析によって導かれるか もしれない自分たちの欠点を認識すること を望まないチームもあるだろう。 3 スコープ記述 書 プロジェクトの目標、作業および製 品について記述したもの。基本的な 部分に焦点を絞り、「このプロジェ クトで何を作るのか」という根本的 な質問に答えるもの。 • 包括的:全てのプロジェクトの重要事項を 網羅し、プロジェクトの実施事項の包括的 な全体像を提供する • 簡潔:プロジェクトの多面的な内容を容易 に把握することができる • 容易に適用できる:特定事項を取り出した り、新しい特定事項を追加したりすること で、自分の業界や会社のニーズに適用させ ることができる • 書き込みすぎ:その長所を活かすためには、 より多くのことを書き込んですべてを盛り 込もうという気持ちを抑えなければならな い • 陳腐化:スコープ・ベースラインとして積 極的に使いこなし、必要に応じてベースラ インを更新していかないと、スコープ記述 書は陳腐化して役に立たなくなる 4 WBS プロジェクトのスコープ全体を定義 し組織化するすべてのプロジェクト 要素を、要素成果物を基にしてグ ループ化したもの。 • 強い視覚的効果を与える:WBSの視覚化は 無秩序なものに秩序をもたらす。散漫かつ 曖昧なスコープ記述書を、明確に構造化さ れた家系図型あるいは目次型のフォームに 変身させる • 簡潔:プロジェクトの参加メンバーが読ん だり作成したりできるようになるためには、 ほとんどトレーニングがいらない • 大きすぎるWBSは時間を浪費し生産性が低 下する階層やワーク・パッケージが多すぎ ると、プロジェクトの計画とコントロール の作業を統合するフレームワークという WBSの目的の意味がなくなり、時間と資源 の浪費につながる。 9
  • 10. 計画|スケジュール作成 ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 ガント・チャート 横棒でプロジェクトのアク ティビティを表し、プロ ジェクトのアクティビティ の開始と終了を横軸の時間 尺度に対応させて表示する。 バー・チャートとも呼ばれ る。 • 視覚的:プロジェクトを視覚化したモデル を創り出し、すばらしいコミュニケーショ ンツールになる • 単純:わずかな時間、もしくは説明なしで、 チームのメンバーからスポンサーの経営層 までほとんどすべての者がガント・チャー トを読み、作成することができる • プロジェクトの計画と実績の両方を示すの に活用できる • 資源計画あるいは資源の配置に有用:各ア クティビティの人的資源の必要数を決めて から、期間毎に合計を求めることで、個々 のアクティビティおよびプロジェクト全体 に対しての必要性資源数を得ることができ る • アクティビティ間の依存関係を表現してい ないため、プロジェクトのアクティビティ の順序を明確にできず、その結果、クリ ティカル・パスも明確にできない。この情 報が得られないため、ガント・チャートは 大規模なプロジェクトや部門横断型のプロ ジェクトには有効ではない • 大量(たとえば数百)のアクティビティを もつプロジェクトを効果的に処理すること ができない。この問題は、階層型ガント・ チャートを用いることで克服できる。 2 マイルストーン・ チャート マイルストーンを時間軸に 対応して示すことにより重 要なイベントを表示し、マ ネジメント層をイベントに 注目させる。マイルストー ンとは依存関係をもつ複数 のアクティビティが収束す る重要なポイント、または イベントと定義する。 • 視覚的:プロジェクト・チームとマネジメ ント層の間やプロジェクト・チーム内での 効果的なコミュニケーションに理想的なプ ロジェクトの図によるモデルを提供する。 • 単純:プロジェクト参加者やマネジャーが 作成したり説明したりするためのトレーニ ングは不要もしくはごくわずか。 • 計画ツールおよびトレッキング・ツールと して役立つ • アクティビティの依存関係を備えた詳細ス ケジュールと別々に使用すると、どのよう な手順でマイルストーンに到達すべきかの 理解が困難になる。 • マイルストーンの数が増えるにつれ、 チャートの魅力は低下する。アクティビ ティの依存関係を備えたスケジュールと組 み合わせて利用することが望ましい。 3 クリティカル・パス法 ダイアグラム プロジェクトのアクティビ ティをノードやアローとし て表現し、そのどれがプロ ジェクトの完遂に対し「重 大な」影響をもつか決定し、 最低コストで目標期日に完 了するようにスケジューリ ングを行うための手段。 • 視覚的訴求力:作業を技術的順序で明確に 図示し、説明が容易。データの計算は難し くなく、パソコンを使って簡単に短時間で 処理することができる • 分かりやすい論理:簡単で直接的な方法で、 プロジェクトを構成するアクティビティの 複雑な依存関係を示す。アクティビティが 進む前に、どのアクティビティが完了して いる必要があるかを明らかにする • 最優先事項への注目:プロジェクトの完了 にクリティカルなアクティビティのグルー プを正確に指し示す。 • 初めてのユーザーにとっては、複雑で、理 解しにくく思える:多数のアクティビティ が、相互に関係した経路のネットワークに 流れ込み、また枝分かれすることは混乱と 複雑さをもたらし、理解しづらいと思わせ る。 • 時間軸がないため時間の感覚がつかめな い:すばやく日程やフロートを読み取りに くい • 日単位で頻繁に変更があるようなプロジェ クトのスケジュールを維持することはとて つもなく大変に見える。 10
  • 11. 計画|スケジュール作成 ツール一覧・長所/短所(つづき) # 名称 概要 長所 短所 4 時間軸ベース・ア ロー・ダイアグラム 時間軸に対して表示したクリ ティカル・パス法。最低コスト で目標期日に間に合うように、 スケジューリングすることが目 的。 • あまり複雑ではない:2つの世界の最善のものを 併せ持つ。ネットワーク・ダイアグラムが備える 依存関係を失うことなく、ガント・チャートの見 やすさと時間軸を保っている。 • 視覚的訴求力:時間軸を使った明確な作業時間順 序は、読み取りが容易。 • 依存関係のわかりやすさ:プロジェクトを構成す るアクティビティの依存関係を簡潔に直接的に表 現する。 • 複雑で混乱する:経験の浅いユーザーはカスケー ド型であっても相互に接続したアクティビティの 多さに困惑する • 頻繁にかつ大幅に改訂や変更が要求される状況で は、作業に圧倒され時間もかかりすぎる 5 クリティカル・ チェーン・ダイアグ ラム クリティカル・チェーンとは、 プロジェクトをより短い期間で 完成するために挑戦すべき相互 依存関係にあるイベントの最も 長い経路。クリティカル・パス と異なり、資源の依存関係から 定義される。バッファーを設け る。 • 確度50%のアクティビティ所要期間の見積り、ク リティカル・チェーン、バッファーを含む基本概 念が単純。統計学に習熟していなくてもよい。 - 6 階層型スケジュール 異なる詳細度をもつ複数のレベ ルからなるスケジュール。各レ ベルのアクティビティは主要な マイルストーンやイベントでつ ながっている。 • 柔軟性:プロジェクト・チームは情報をもたない アクティビティに対し無理やりスケジュールを作 成しなくともよい。チームは柔軟な全体スケ ジュールを構築し、初期のアクティビティに焦点 を当て、その後、後続のアクティビティに関しス ケジュールを組むことができる。 • 適切な量の情報:必要、不必要な情報が入り交 じってプロジェクトの参加者が混乱するという状 況はここでは起こらない。むしろ、仕事を実行す るのに必要な情報だけを得ることができる。 • 複雑さ:複数レベルのスケジュール作成には、き ちんと定義されたプロセス、スキルと多くのメン バーの参加と協力が必要である。そのため、スケ ジュール作成が厄介で面倒な作業となり、使うこ とに対する抵抗を大きくしてしまう。 • 時間がかかる:作成に時間がかかり、多くの組織 では時間が足りない。 7 ライン・オブ・バラ ンス 繰り返し型プロジェクトのスケ ジュール作成および進捗追跡 ツール。スケジュール上の特定 の時期に完了しておかなければ ならないユニットの累積数また は累積パーセンテージを示す。 • 視覚的:繰り返されるアクティビティについて、 計画と実際の進行を視覚的に表示する。 • 簡潔:一目で進捗を理解できる。 • 注視する:特に注意が必要な対象を目立たせる。 • 1日限りの使用:プロセスのある時点での状況を 示すものであり、次の時点については新しいLOB を作成する必要がある。これは時間がかかり面倒 な作業。 • 焦点の欠如:無数のユニットの状況を表示した場 合、木を見て森を見ずという感覚に陥る。 • 扱いにくい尺度:縦軸の尺度は広範囲の量に対応 する必要がある。 11
  • 13. 実行・終結|スケジュール・コントロール ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 イナヅマ線 各々のプロジェクト活動のスケ ジュール・ベースラインからの進 み具合または遅れ具合を示すもの。 イナヅマ線の左側には完了した活 動、右側には未完了の活動が示さ れる。さらに効果的な利用方法と して、先を見越したスケジュー ル・マネジメントにおける1つの ステップとして捉えられる。 • 視覚的:作業実績をはっきりと表示し、 プロジェクト・チームに貴重なコミュニ ケーションの手段を提供する • 簡単:ほんの数分で、ほとんどのプロ ジェクト参加者は理解し、線を引くこと ができる • 先を見越したやり方:傾向分析に使用す る際には、イナヅマ線は先見的な考え方 をする手助けとなり、プロジェクト・ チームは予測される困難と戦うため、前 もって対処するための知識が得られる。 • 時間がかかる:イナヅマ線を描いて傾向 を予測するために必要とされる質の高い 情報を収集するには時間がかかる • 完了の予測が難しい:現時点でアクティ ビティがどれだけ遅れているか、または 進んでいるかを示すのみであり、完了時 点でどれだけ遅れているか、まあは進ん でいるかを自動的に予測するものではな い。 2 B-C-F(Baseline- Current-Future)分析 プロジェクトのスケジュール・ ベースラインと2つの予測される スケジュールを比較する。1つは 現在のスケジュール実績に基づく もの、もう1つは将来起こりうる 最悪のケースのシナリオから導か れるもの。 • 視覚的:プロジェクト・チームとマネジ メント層との間およびプロジェクト・ チーム内において、活発で生産的なコ ミュニケーションが行なわれるような、 図によるプロジェクト・スケジュールの 表示が得られる • 予見的:プロジェクトに問題という火が 燃え上がり消火が難しくなる前に、迅速 に対処することにより、プロジェクトに 問題が発生することの防止に役立つ。 • 行動に対する抵抗を引き起こす:プロ ジェクトの参加者の多くは先を見越すこ とに慣れていない。そのため、この分析 手法の使用を依頼することは彼らの抵抗 にあうことを意味しており、多くのプロ ジェクト・マネジャーにとっては容易で はない提案となるだろう。 • 複雑:多くの依存関係をもつ長期のスケ ジュールのプロジェクトにおいては分析 の適用は挑戦的すぎて、多大な時間を必 要とするかもしれない。 3 マイルストーン予測図 主要なプロジェクト・イベント、 すなわちマイルストーンおよびプ ロジェクト完了の予測が焦点。 • 図の訴求力がある:マイルストーン予測 につながる表現の明解さは他に並ぶもの がない。 • 簡便:たとえ素人であっても、予測図を 読んで解釈する方法を身につけるのに数 分しか必要としない。 • 改善の可能性をもたらす:明解に図示表 現されるマイルストーン予測はプロジェ クト・チームの見積り能力を向上させる • スケジュールがすれる傾向を示すとき、 犯人を特定する手段として図表が使用さ れる可能性もある。 • 多くのマイルストーンを示す図表は込み 入ったものになり、解釈が難しくなりが ち。 • すべてのマイルストーン責任者が、前工 程のマイルストーンとの依存関係を十分 に理解しているわけではない。このこと により、誤ったマイルストーンの完了見 積りが行なわれる可能性がある。 13
  • 14. 実行・終結|スケジュール・コントロール ツール一覧・長所/短所(つづき) # 名称 概要 長所 短所 4 スリップ・チャート 進捗を追跡し、プロジェクトのス ケジュールの傾向を示す。 前者の目的においては、報告する 時点におけるスケジュール・ベー スラインからの進みまたは遅れが どの程度なのかを見積る。連続し た見積りを線を用いてつないだと き、後者の目的が傾向線として現 れる。 • 視覚的:スケジュール・ベースラインに対 するプロジェクトの進み度合いまたは遅延 の時間量をプロジェクト参加者にグラフを 用いて視覚的に伝達でき、時系列の傾向を 明らかにする • 簡単:プロジェクトの高度な知識を保有し ていない人でさえも、理解するのに数分し か必要としない • 予見的:将来の傾向を予測する際にだけ使 用されるので、予測するという考え方を植 えつけてくれる。 • 時間を要する:妥当な進捗情報を準備し、 それをプロジェクトの遅延時間に反映させ るのは時間を要する • 受動的:利用者の多くは、この図を「プロ ジェクトの履歴」としてみなし、傾向予測 や予見的プロジェクト・コントロール・サ イクルにて使用しようとしていない。 5 バッファー・チャート クリティカル・チェーン・スケ ジュールによって作成されたバッ ファーの状況を測定する。 プロジェクトの期限を守るための 早期の警告システムを提供する。 • 視覚的:アクティビティ・チェーンと、関 連するバッファーの両者の完了のパーセン テージを示す。線は時系列の傾向を明らか にしたもの。 • 簡単:どのようなプロジェクト参加者に対 しても苦痛にはならない。 • 部分的に予見的:早期に警戒信号を発し、 プロジェクト・チームがバッファー消費量 の異なるレベルに応じて異なる対策を実施 することを促すために設定されている。 • 時間がかかる:信頼できる進捗状況の情報 を用意し、それをバッファー・チャートに 転換するには時間がかかる。 • クリティカル・チェーンの新しい概念に基 づいた新しいツール。したがって学習して 慣れるまでには時間を要する。 6 スケジュール・クラッ シング プロジェクト・アクティビティ間 の依存関係の順序を変更すること なく、全体のプロジェクト期間を 短縮する方法。期間を圧縮するた めに、アクティビティの遂行に、 より多くの資源を投入するのが一 般的。 • 明確なステップ:簡単で分かりやすくしっ かりしたクラッシングのステップの順序が ある。 • コストの最小化:期間短縮のコストを最小 化する一方で、プロジェクト期間短縮の機 会を提供する。 • 大規模プロジェクトには複雑:複数のクリ ティカル・パスをもつ大型のネットワーク が本来もつ複雑さにより、それらをクラッ シングすることは多くの人にとってもたい へんな量の作業になる • 時間がかかる:ダイアグラムを描くために 時間がかかるのと同様に、クラッシングす る際にも、とくに複数のシナリオを検証す る場合には時間がかかる。 14
  • 15. 実行・終結|スコープ・コントロール ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 変更調整マトリックス 「適切にコントロールされたプロ ジェクトの変更」といわれる目標へ 向けた便利なロードマップ。手順を 詳細に記述し、とるべき対応を特定 し、対応に関する責任を割当て、対 応に責任ある関係者間で調整を行う。 • 視覚による訴求力:図表形式で表示さ れ、利用者に親しみやすく、使いやす い。 • 段階的な性質:連続する手順、すなわ ちプロセスのわかりやすさと利用者の 親しみやすさが加わった形式として表 示することによって、視覚による訴求 力はさらに強化される。 厳しいスケジュールを乗り越えるために 奮闘する多忙なプロジェクト・マネ ジャーが適用することは、時間が必要な 新しいことを追加するように思える。 変更管理方針が存在しない組織において はこの感が一層強まる上に、ゼロからこ れをs区制するのはかなりの時間の無駄遣 い。 2 プロジェクト変更要求 スコープ、スケジュール、コスト、 品質、その他の事柄等がプロジェク トの変更から受ける影響は 起案者の認識や専門的判断を容易に 超えてしまう。その結果、プロジェ クトは激しいダメージを受け、場合 によってはプロジェクトの崩壊さえ 起こりうる。 各々の変更は承認を得る前に統制さ れた専門的なやり方で間違いなく評 価をすることが非常に重要。提案さ れた変更をあらゆる確度から評価す るのを助けることがプロジェクト変 更要求の役割。 • 明瞭さ:「これがわれわれの提案した 変更であり、変更がプロジェクトの基 本的な条件に与える影響はここに記載 のとおりである」。変更の実態が理解 できるので、この明瞭さはたいへん大 きな価値をもつ。 • 簡潔さ:意図的に基本的な条件以外の 詳細な情報を除外している。変更の実 態、すなわちその要点が過剰な詳細情 報により見失われることがない。 • 時間がかかるという欠点が明らかに なってもその最大の利点はそれを上 回って評価される。大規模なプロジェ クトにおいて、変更の数は数千回に及 ぶかもしれない。良く出来たPCRでさ え、それほどの数の変更では多くの時 間がプロジェクトマネジメントに費や され、大きな支出を生じる、 3 プロジェクト変更ログ 各々の変更要求を記録し、それに番 号を振り、変更管理委員会による承 認あるいは却下の決定を確実に記録 する。変更要求が承認され、かつ変 更が実施されたとき、この情報は PCLの一部となる。 • 明確さ:1か所にてすべての変更につ いて基本的な情報を簡潔に提供してお り、透明性の高いモデル。 • 簡単さ:一目見れば、それを理解し、 それを維持することさえも可能。 • PCLの外観がもたらす管理的な印象を 与えてしまうことはPCLの欠点。結果 として、PCLの維持に対する敵意をも たらし、プロジェクトの変更をコスト 効率よく監視するうえで大いなる脅威 となる可能性がある。 15
  • 16. 実行・終結|コスト・コントロール ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 アーンド・バリュー分析 プロジェクトの今後を予測するため に、プロジェクトの実績値を定期的 に把握し記録する。プロジェクトの 進行中に、EVAはプロジェクトのス ケジュール・パフォーマンスやコス ト・パフォーマンスを測定し、計画 より進んでいるのかあるいは遅れて いるのか、またそれは何故かを明ら かにする。次に、最終的なプロジェ クト・コストおよび完了期日を予測 する。 • 概念的に単純:一見して3次元(プラン ド・バリュー、実コスト、アーンド・ バリュー)で組み立てられているため に複雑に見えるかもしれないが、本質 的には概念的に単純 • 学習が比較的容易:実際に、EVAの基 本的な事項を扱うのに、広範なトレー ニングは要しない。これは、ツールが 余り使われない状況を生じない利点が ある。 あまり使用されていない:わかりやすい用 語および大口ユーザーである政府が規定し た多くの規則や解釈に悩まされてきた過去 の歴史にあるのかもしれない。この官僚的 な考え方により民間部門には役立たない政 府のためのツールとしてのイメージが作ら れ、多くの潜在ユーザーを脅して遠ざけて きたのかもしれない。 2 マイルストーン分析 プロジェクトの進捗を測定するもの として、コストとスケジュールの差 異を明らかにするため、マイルス トーンにおける計画コストと実コス トのパフォーマンスを比較するもの。 コストはY軸上で、スケジュールはX 軸上で計画され、追跡される。プロ ジェクトの最終コストおよび完了期 日を予測するという、先を見通した 使い方をすると、一層効果の高いも のになる。 • 視覚的訴求力:視覚的にスケジュール 差異やコスト差異を識別することが容 易なことに加えて、将来のマイルス トーン・パフォーマンスの想定ライン を備えているため、プロジェクトの全 体状況を図示すにより訴求力のある表 現をすることを求めているマネジャー に間違いなく受け入れられる。 • 単純さ:図示により訴求力を増すこと で、分析が簡単になり、プロジェクト 参加者のほとんどが、数分間のトレー ニングによりそのメッセージを理解す ることができるようになる。 • 混乱を生じる可能性:多くのマイルス トーンを含んでいる場合、その分析は 混乱し、難しいかもしれない。しかし、 使用経験を積んだ企業は、何百ものマ イルストーンに適用している。 • 誤用する可能性:ある種の組織では、 方針として、コスト差異とスケジュー ル差異を最終予測結果と同じものとし て、プロジェクト・チームの実績評価 に誤用するものがある。その場合チー ムはその分析のデータをごまかそうと するかもしれない。 16
  • 17. 実行・終結|実績報告と終結 ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 リスク・ログ リスク対応計画書の延長。生じたリ スクをコントロールするのに役立つ。 コントロールとは3つの主要なアク ティビティ(リスク・ベースライン の設定、リスクの現況の評価、追加 処置の策定)に集約される。 • 明確性:主要リスクの現状に関する簡潔 な情報が一か所に明記される。過度の詳 細情報を省いたリスクの一覧性は、効率 的な時間節約手段となる • 簡潔性:リスク・ログを一目見ただけで、 誰にでもその有用性は明らかであろうし、 このツールを使い始めることもあるだろ う。時間的制約の厳しい人にとってこれ は天の恵みである。 スプレッドシートという外観だけでは、リス ク・ログは、文書作成の負荷を増やす、もう 1つの役所仕事というレッテルを貼られてし まう懸念がある。また、個々のリスクの1行 ごとにばらばらに記述する書式であるため、 リスクが相互に関連しているという事実を無 視していると見られるかもしれない。 2 進捗報告サマリー 通常、プロジェクトの状況について 焦点を絞って簡潔に記述した1ページ 程度のドキュメントであり、スコー プ差異、コスト差異、スケジュール 差異、および品質差異について報告 し、主要な達成事項を示し、さらに 課題を特定し、今後の見通しを予測 して、課題を克服し好ましくない見 通しを打ち消すために必要な対策に ついて記述している。 • 主な長所は、その簡潔さと視覚的表現。 単純な予見的サイクルと簡潔さにより、 情報の視覚的表示と合わせて、プロジェ クトの位置とその向かう先を読み手が一 目見て把握できる • このような報告書の準備は、大規模プロ ジェクトにおいては時間のかかる作業で あり、欠点ともいえるかもしれない。 3 事後分析レビュー プロジェクト全体を通じて、何が良 かったか、何がまずかったか、主な 教訓を把握するプロセスであり、文 書である。その目的は将来のプロ ジェクト運営を改善するために、そ のような教訓をいかして、過去に生 じた意識的・無意識的な誤りを避け、 成功した点は繰り返すことにある。 • 比較的簡単で少ない人数で行えるツール であるが、種々の形で高い投資効果をも たらす可能性を秘めている • もし事後分析レビューの運営に失敗した ときには、プロジェクトの失敗点や誤り についての個人攻撃や名指しによって機 能不全に陥いる争いをもたらす。 17
  • 19. コントロール|品質計画 ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 プロジェクト品質プログラム 実際のプロジェクトの品質と計 画された品質が確実に一致する ことを追求するアクション・プ ラン。計画と実績の統合の骨組 みとしてWBSを利用し、余すこ となき顧客の期待と要求事項を もとに品質レベルを設定する • 簡単であるとの印象を受ける。 責任分担マトリックスとガン ト・チャートは視覚的効果が高 く単純な表として表示されてい るので、読みやすく使いやすい という利点がある。 • 時間がかかる:ただでさえ時間 の足りないプロジェクト・チー ムにとって、プロジェクト品質 プログラムの作成に時間がかか ることは、欠点と感じられるか もしれない • 一部のプロジェクト・チームに とっては難しい:品質標準に慣 れていないプロジェクトでは、 効果的なレベルのプロジェクト 品質プログラムを作ることが難 しいかもしれない。 2 フローチャート プロセスにおけるステップやタ スクを図にしたもの。長方形や 他のシンボルを使って、ステッ プが他のステップとどのように 関連しているのかを明らかにし、 プロセスが実際にどのような動 きをするのかを表現している。 • 作成の容易さ:簡単なトレーニ ングでプロジェクトの参加者が すぐにフローチャートを使用し、 作成することができるようにな る • 視覚的なインパクトの強さ:プ ロ―チャートによる図解は、絵 画的で非常に表現力が豊かであ り、印象が強い • 詳細化しすぎる危険が常にあり、 プロセスを複雑にしてしまいか ねない。完璧なプロセスを設計 しようというプロセスの開発者 の欲求によりこの傾向が生じる ことが多い。 • 複雑性がなくても、フロー チャートの作成は時間がかかる。 3 親和図 アイデアや事実を分類すること で情報を効率的に組織化する ツール。作り出した、あるいは 収集した膨大なアイデアや事実 を効率的に並べ替え、情報に共 通するパターンや同じグループ のものを識別するために役立つ ように構成されている。 • 本質的に図式的に示されるため、 使うのも理解するのも簡単で、 非常に視覚的なツール • 何層ものグループ構造を扱うよ うな時間のかかる適用事例では、 左記の長所は大きく損なわれて しまう 19
  • 20. コントロール|品質保証/品質管理 ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 品質改善ロードマップ(QIM) プロジェクトにおける問題解決および品 質改善に対する構造化されたアプローチ。 その段階とステップの論理的な流れをと おして、プロジェクト品質チームを導き、 プロジェクトの問題、その潜在的な原因、 および可能性のある解決策の十分な分析 を可能とする。意見ではなくデータを根 拠にするので、瑣末な問題ではなく重要 な問題にチームを立ち向かわせることが できる。継続的な品質改善の文化を構築 する便利なツール。 • 構造化:段階とステップのリニアな連続性 によって、その展開の際、抜けのない構造 化アプローチを提供する • 単純さ:データに基づくという性質が可能 であり、直線で示すことができる単純な品 質ツールであるので、容易に展開させ、ほ とんど教育を受けていない人でさえも速や かに熟練した使用者になれるほど。 • カルチアの変更と教練が 必要。これらの要求事項 は、主たる短所の根源。 明らかにカルチアを変更 し、教練を実行できるよ うな組織を見出すことは 容易ではない。したがっ て、QIMを展開すること を求めるのは今日のプロ ジェクトの世界では、過 度な要求かもしれない。 2 パレート図 問題または原因の発生の頻度を示す一連 のバーを含むデータのヒストグラム。左 から右までランキングの順序で整理され、 より高いバーによって表された問題は、 右側のものよりも相対的に重要。図上に 累積度数カーブを加えることで、その問 題の相対的な重要性が明白に示され、か つどこに改善の機会があるかを特定する 視覚的な方法となる • 単純で視覚的な効果:問題の相対的な重要 度を表示するパレート図の能力の産物。忙 しく、酷使されているチーム・メンバーに とって、これは生産性向上へつながるもの • 不安を感じさせない図示:現実には、プロ ジェクト品質問題を取り除く方法を探して いるチーム・メンバーは、品質改善の取り 組みでしばしば提供される統計および確率 の概念に不安を抱いている。わかりやすい 図示によって、パレート図はあまり不安を 感じさせない選択肢を提供している。 - 3 特性要因図(CED) 問題の原因を識別し、関連づけ、かつ図 で表示するツール。 より広い意味で問題はプロセスと関連す るので、CEDは全プロセスを視覚化して いる。その点に関して非常に役立つのが、 主要な原因とそれに続く下位原因の影響 の関係を示している階層的構造。 • 組織の全レベルのプロジェクト関係者が容 易に学習でき、直ちに適用することができ るツールであることに加えて、短所が長所 にもなりうる。 - 4 管理図 長い時間にわたり、監視、管理、改善し たいプロセスの要求を定義するツール。 推移や傾向を見分けるために視覚的位置 として中心線が引かれ、上限、下限の管 理限界が中心線から等距離の両側に置か れた時系列グラフ • 管理図の長所は、知識のない人でもわずか なトレーニングで使うことができるという 簡単で効果的なツールを提供していること。 同時に、管理図の統計的な性質は、プロ ジェクト・マネジャーの意欲を掻き立てる かもしれない。 - 20
  • 21. コントロール|リスク計画 ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 リスク対応計画書 プロジェクト目標達成に向けて好機 を増大させ脅威を削減するために、 リスクを評価し、対応策を特定する。 • 単純性:特に定性的分析において、重要 度を色というメッセージで見分けやすく していることなど、単純明快。定量的分 析の側面においても、高度な統計手法を 廃した単純なものであるが、それでもな お多くのプロジェクトにとっては十分で ある 個別リスクへの焦点:個々のリスク自署言う に焦点を当てており、リスク事象の相互の関 連を認識はするが、相互作用を扱うための仕 組みを備えていない。発生確率とリスクの影 響度が1点見積りに依存する。 2 モンテカルロ分析 プロジェクトの傾向を分析するため にプロジェクトのモデル、例えば、 プロジェクト・ネットワーク図を使 う。 • 基礎数学:複雑な数学や相関関係のモデ ル化、相互依存関係のモデル化もあるが、 特別難しいものではない • 使いやすさ:関係する作業を自動化する 便利なソフトウェア・パッケージが市販 されている。 • 簡単な変更:MCAモデルに変更を加え ることは容易な作業であり、従来のモデ ルと比較するとすばらしい機会を得られ る。個々のモデルの動きを調べるのも、 簡単な仕事である • 正当性:評価の高いツールとして知られ ており、プロジェクト・チームとマネジ メント層がその結果を受け入れる可能性 が極めて高い • 複雑性:基礎数学に基づいているとはい えMCAは確率の概念に基づいており、 その概念をまだ習得できていないプロ ジェクト・マネジャーは多い • 近似値の技法:批判者は、その結果の分 布はあくまでも近似値であるという。反 復の数が少ない時にはこの批判は正しい が、求められる精度のレベルに到達する まで反復の数を増やすことによりこの問 題は容易に解決できる。 • 時間を要する:コンピュータの反復計算 に時間がかかるとの不満もある 3 デシジョン・ツリー リスクを抱えたプロジェクトの状況 を分析するための図解ツール。意思 決定の経緯を反映して、最初の意思 決定ポイントから始まり最終の結果 に向けて、ツリーは左から右に樹木 の枝が伸びるように意思決定の連鎖 を示す。 • 便利さ:視覚化することで、少数の経路 をもつプロジェクトの意思決定をわかり やすく分析するのにたいへん便利である。 単純なツリーはわれわれの直感に訴える が、さらに、経路の追加に応じて、利用 者の直感を増幅する点にツリーは力を発 揮する • 視覚的印象:リスクを伴う意思決定の代 替案は一見つかみどころがないが、デシ ジョンツリーの様式で表示されると、ツ リーのもつ明確さや視覚的な印象により、 輪郭がはっきりする • 低い使用率:驚いたことに現役のプロ ジェクト・マネジャーは、デシジョン・ ツリーをあまり使っていない。プロジェ クト・マネジャーに薦めるうえで、意思 決定を簡単に行える手軽で略式のツール として位置づけるべきである • 複雑性:大きなデシジョン・ツリーが扱 いづらく複雑であったとしたら、現役の プロジェクト・マネジャーを失望させる ことはよくわかる。 21
  • 22. コントロール|チーム計画 ツール一覧・長所/短所 # 名称 概要 長所 短所 1 プロジェクト・ チーム形成の4段階 モデル プロジェクト・チームを組織 化し、体系的に育成するため のツール。 • チームの組織化と育成プロセスの概要の視覚 的なテンプレートを提供する • 効果的なチームワークとプロジェクトの実行 のためのニーズ、プロセスおよび要求事項に 関するクリティカル・シンキングにチーム・ メンバーとマネジメント層を関与させる • チームの関与それ自体が相互信頼、尊敬およ び決意を形成するための手段を提供する • プロジェクトの目的、要求事項、課題および 便益を理解するのを助ける • チームの育成の継続および学習する組織へ ツールを提供する • チームが生成したインプット情報を活用する ために、相当な時間とリーダーシップ・スキ ルが必要である。 • チームの会合中のコンフリクトと権力闘争の 可能性 • 企業文化と価値の違いから対処が必要になる かもしれない • チーム育成計画の実施が不可能で、欲求不満 と幻滅に至るかもしれない 2 ステークホルダー・ マトリックス プロジェクト・チーム全体を 体系的に特定し育成するため のツール。多くのステークホ ルダーから構成されるプロ ジェクトのコミュニティの複 雑な関係を明らかにする。広 範囲にわたるステークホル ダーおよび彼らがプロジェク トの成功に与える影響度の度 合いを示す枠組みを提供する。 • ステークホルダーと、プロジェクトのパラ メータに与える彼らの影響を要約するための テンプレートを提供する • プロジェクトのインターフェースと組織にお いて、人を動かすための組織通貨をマッピン グするための枠組みを提供する • プロジェクト・チーム全体を形成し、ステー クホルダーとの関係をマネジメントするため の枠組みを提供する • 企業戦略に即してプロジェクトを管理するた めの枠組みを提供する • 潜在的な問題、コンフリクト、不測の事態を 解決するために、先を見越してプロジェクト のステークホルダーに対処することに役立つ • ステークホルダー・マトリックスの作成とそ の応用は、チーム育成と組織的学習を推進す る環境を作る • マトリックスのインプット情報を作成するた めに、若干の時間とリーダーシップ・スキル が必要とされる • ステークホルダー・マトリックスのデータを ステークホルダーの影響グリッド、チーム育 成計画、もしくはプロジェクトとの成功要因 分析にマッピングするために、多くの時間と リーダーシップが必要とされる • ステークホルダーのプロフィールに関する異 なる認識をめぐってコンフリクトが生じる可 能性がある • プロジェクトマネジメントにおいて、ステー クホルダー・マトリックスに過度に依存する • 常に更新を行わない限り、プロジェクト環境 の変化によってマトリックスが妥当性を損な うこともある 22
  • 23. コントロール|チーム計画 ツール一覧・長所/短所(つづき) # 名称 概要 長所 短所 3 スキル・ インベントリ プロジェクト・チームのメン バーやチーム・リーダーに必 要とされるスキル・セットを 体系的に特定するためのツー ル。 • 効果的なチームワークとプロジェクトの成功 のために、必要なスキルセットを要約するた めのテンプレートを提供する • スキル・セットの重要度と能力を評価するた めのスコアカードを提供する • プロジェクト・チーム全体を構築し、ステー クホルダーとの関係をマネジメントするため の枠組みを提供する • 定常業務の資源とビジネス戦略を結びつける ための枠組みを提供する • プロジェクトのステークホルダーを特定する 手助けをする • チーム育成に貢献する環境を創り出す • 組織的学習につなげる • 最初のスキル・インベントリのテンプレート を作成するために多くの時間とリーダーシッ プが必要 • インベントリを更新するために、ある程度の 時間とリーダーシップが必要 • スキル・セット、重要性、そして能力の尺度 を標準化するのが難しい • 資源と優先順位の交渉に対して、スキル・イ ンベントリが誤った使われ方をする場合があ る 4 コミットメント・ スコアカード プロジェクトとその設定され た目標に対するチームのコ ミットメントおよび積極的な 関与の水準を体系的に特定す るためのツール。 コミットメントの不足を診断 し、プロジェクト組織のいた るところでステークホルダー のコミットメントを促進する ための強力なツール。 • これまでにあげたすべての便益を含めた、コ ミットメントの強さを評価するスコアカード を提供する • コミットメントの分析とその育成計画を要約 するためのテンプレートを提供する • 低コスト、例リスクの組織を育成するプロセ スを提供する • プロジェクトのインターフェースとステーク ホルダーを特定する手助けをする • チーム形成に役立つ環境を創造する • 組織的学習につながる • プロジェクト・チームの育成にスコアカード を適用するためには、時間とかなりの高度な リーダーシップが必要となる • 標準化された記述がすべてのプロジェクトの 状況に適合するわけではない。カスタマイズ が必要になることが多い • 記述および得点法について異なった認識をも ち、対立を生じる可能性がある • スコアカードがコミットメントの問題をすべ て解決できるわけではない 23