災害講習会3
PAT法による二次トリアージ
と
災害時カルテ記載実習
救護所診療の目的
患者の重症度を再評価する(二次トリアージ)
 当初はバイタルサインが安定していても,のち
に急変する可能性が高い病態が存在する.
例)クラッシュ症候群
治療の優先順位をつける
特に治療の緊急度を重視した順位づけをする
患者を安定化させる
転送に耐えられる状態にする
根本治療よりも安定化を心がける
二次トリアージ
生理学的解剖学的評価
(Physiological and Anatomical Triage: PAT法)
第1段階:バイタルサインの測定
第2段階:全身の観察による解剖学的評価
(1)、(2)で該当する異常があれば最緊急治療群 赤
第3段階:受傷機転による評価
第4段階:災害弱者への配慮
救護所では災害時カルテを使う
第1段階:バイタルサインの測定
以下のようなバイタルサインの異常は
赤
意識:JCSⅡケタ以上,GCS8以下
呼吸:30回以上,9回以下
脈拍:120 bpm以上,50 bpm以下
血圧:SBP 90 mmHg以下,200 mmHg以上
SpO2:90%以下
その他:ショック症状,低体温(35℃以下)
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【頭部・顔面】
 (開放性)頭蓋骨骨折
 頭蓋底骨折
 顔面・気道熱傷
【胸部】
 気管・気道損傷
 心タンポナーデ
 緊張性気胸
 フレイルチェスト
 開放性気胸
【腹部】
 腹腔内出血
 腹部臓器損傷
第2段階:解剖学的評価
全身診察により以下の外傷が疑われれば
【骨盤・四肢】
 骨盤骨折
 両側大腿骨骨折
 四肢麻痺
 四肢切断
 クラッシュ症候群
【皮膚・軟部】
 デグロービング損傷
 重症熱傷(15%以上)
 穿通外傷(臓器や大血管に
達する)
赤
第3段階:受傷機転による対応
特に第三段階の受傷機転で重症の可能性があれば
一見軽症のようであっても待機的治療群(Ⅱ)以上
の分類を考慮する
 体幹部の挟圧
 1肢以上の挟圧(4時間以上)
 爆発
 高所墜落
 異常温度環境
 有毒ガス発生
 汚染(NBC)
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第4段階 災害弱者の扱い
 小児
 高齢者
 妊婦
 基礎疾患のある傷病者
 旅行者
 外国人
は、必要に応じて待機的治療群(Ⅱ)
二次トリアージにより
重症度が変わったら・・・
• リーダーに報告する
• リーダーは本部に報告し,他の救護所への
移動につき相談する
• 他の救護所が一杯で移動させられない場合
は,空くまで待機せざるをえない
転帰の記載
救護所診療のポイント
• 正確な診断にこだわらない
• 検査にたよらず,なるべくバイタルサインや
身体所見から診断
• 重症度より緊急度を重視
• 常に転送を意識した診療

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