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Inquisitの日本語入門資料です。主に質問紙の作り方について解説してます。
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Inquisit
1.
大阪大学大学院 人間科学研究科 社会心理学研究室 大工泰裕 Inquisit入門
2.
Inquisitの基本
3.
Inquisitとは? • 心理学実験を実施するためのソフトウェア – ミリ秒を計測する正確さに定評がある –
Inquisit Web(有料) を使用すればWebでの実施も可 • 開発者: Sean C. Draine, Ph.D. – University of Washington で Greenwaldに師事 – Millisecond Software社を設立してInquisitを販売 – Microsoft社で勤務した経験あり
4.
Inquisitが得意なこと ◎反応時間の計測が必要な実験 (e.g., IAT) ◎時間制御が必要な実験
(e.g., 刺激の提示) △質問紙調査 (vs. Google フォーム) ランダム化 条件分岐 個別のIDを付与 ログの確認 参加者がソフトをインストールする必要あり(Web)
5.
基本操作 • Inquisitファイルの拡張子は 「.iqx」 (.iqzipは.zipに変換してから解凍) •
中身はテキストファイルなので右クリックから Notepad++でも開くことができる。 • Inquisitの公式エディタが便利だが、 現状日本語でバグが出るので今回は使用しない。
6.
操作はここから コード入力 デバッグ 見出し • Run: コードを走らせる •
Run Monkey: コードをオートで走らせる
7.
記法 • <element名> </element名>
の間にコードを 記入する (これ以外に書くとすべてコメントになる) • 大文字と小文字の区別はなし • Ctrl + B: 1ブロック飛ばす • Ctrl + Q: 強制終了
8.
Element • Inquisitに命令をするコマンドのこと。 • <element名
名前> </element名>で一区切り (ハイフンとスペース不可) • どこに何のelementを書いてもいいが、 わかりやすいように書く。 https://www.millisecond.com/support/docs/v5/html/language/l anguagereference.htm
9.
Attribute • Element内にあるElementの設定 / questions
= のように、/ ではじまる。
10.
調査を作成する際によく使用するもの • defaults: 文字の大きさなどの全体的な設定 •
instruct: 教示の操作に関する設定 • summarydata: 記録させたい変数を設定(任意) • page: 教示などに使用するページを作成。 • radiobuttons: ラジオボタン(単一選択) • checkboxes: チェックボックス(複数選択) • textbox: テキストボックス • dropdown: ドロップダウン • surveypage: 調査ページを作成 • survey: 調査を作成 • expt: 実験の開始、参加者の分岐、教示の設定等
11.
コード全体の構造 expt survey surveypage radiobuttons textbox surveypage radiobuttons textbox 全体の設定 • defaults •
instruct • summarydata 実験 ページ (試行) 調査 (ブロック) 項目
12.
Expt / blocks 表示するブロックを設定 /
groupassignment 何を使用して条件分岐するかを決定 / postinstructions 実験後教示の設定 / preinstructions 実験前教示の設定 / subjects 条件への割り当て方を設定
13.
Survey / pages 表示するsurveypageを設定
; を忘れないこと / itemspacing 項目間の距離 / responsefontstyle 解答選択肢のフォント設定 / itemfontstyle 質問項目のcaptionのフォント設定 / pagefontstyle surveypageのcaptionのサイズ設定 / showbackbutton 戻るボタンを表示するか / showpagenumbers ページ番号を表示するか / showquestionnumbers 質問番号を表示するか / nextbuttonposition 次へボタンの位置 / nextlabel 次へボタンのラベル / finishlabel 終了ボタンのラベル
14.
Surveypage / caption ページ全体のの指示 /
questions 表示する項目を指定 ; を忘れない / responsefontstyle 解答選択肢のフォント設定 / itemfontstyle 質問項目のcaptionのフォント設定 ※フォントの優先順位は Surveypageでの指定 > Surveyでの指定 > Defaultの指定 一番下位の指定が優先される。
15.
Radiobuttons / caption 質問についての教示 /
options 選択肢(文字列で指定) / optionvalues データへ記録する際の変換(指定しなけれ ばoptionsの値がそのまま記録される) / orientation 選択肢の向き。horizontal or vertical / required 回答を必須にするか デフォルトはtrue
16.
Textbox / caption 質問についての教示 /
textboxsize テキストボックスのサイズ / range 有効にする回答の範囲(数字の場合) / multiline 複数行入力を可能にするか / required 回答を必須にするか デフォルトはtrue
17.
その他注意事項 • 文字列以外で全角をelement内に使用しない (特に、全角スペースはエラーの元) • ポジションの指定は座標で行われる –
画面左上を(0,0), 右下を(100,100)としたときの位置 • 文字の大きさは画面全体に対しての比率(%)で指定 • わからなければマニュアルを読むこと。
18.
エラーにならない チェックポイント • 表示がおかしくないか? • optionvalueを設定しているか? •
textboxのrangeの設定は適切か? • 自由記述が必須回答になっていないか • 自由記述が複数行書けるようになっているか • 選択肢がはみ出していないか。
19.
ランダム化・割り当て
20.
ランダム化 • random関数を使う – expt,
suvery, surveypage で使える 例 (surveypage) /questions = [1-3 = random(Q1, Q2, Q3); 4-6 = random(B1, B2, B3) ;] ※ random()内はセミコロンではなく カンマで区切る
21.
回答者の割り当て • expt の2つのattributeを使用する /groupassignment /subjects 手順1 /
groupassignment で何を使用するかを決定 groupnumber : groupnumberで割り当て random: subjectの設定に関係なくrandom subjectnumber : subjectnumberで割り当て
22.
回答者の割り当て(2) 手順2 / subjects でどう割り当てるかを決定 /
subjects = (1 of 2) 2人中 1 をこのexptに割り当て / subjects = (1, 2 of 4) 4人中1, 2 をこのexptに割り当て exptとsurveyを複数作って条件分岐を行う。
23.
その他のTIPS
24.
IDの表示 • 実験を受けたことの証明として IDを最終画面に表示しなければならない ことがある。 • <%script.subjectid%>とpage
elementに書くと、 現在のsubjectIDが表示されるので、 それをpost instructionに設定すればいい
25.
batch • 複数ファイル(iqx)の実行に使う。 • batchファイルを別に作成する。 例 <batch> /
file = "Face_Mnp_Pic.iqx" / file = "GNAT.iqx" / file = "Survey.iqx“ </batch>
26.
データの読み方
27.
データの種類 データは .iqdat ファイルに記入される。 1.
ローデータ(iqxファイルの数だけ生成、条件別) 2. サマリーデータ(実験に対して1つ、設定可)
28.
ローデータ • Inquisitは何もしなくても反応時間を算出 – latency:
反応時間 (ミリ秒) – response: 回答
29.
サマリーデータ • summarydata elementで指定した項目が ローデータとは別に出力される 例 <summarydata> /
columns = (script.startdate, script.starttime, script.subjectid, script.groupid, script.elapsedtime, computer.os, computer.platform, computer.language, computer.touch, values.completed) </summarydata>
30.
Inquisit Webについて
31.
Inquisitの種類 • Inquisit Lab –
Inquisitのソフト(今使用しているもの) – 実験室に人を呼んで実験をする用 – 5万円くらい • Inquisit Web – Inquisit Labで作成したプログラムをネット上で 実行できるサービス
32.
Inquisit Web でできること •
Subject ID, GroupIDの自動割り当て – random assignment without replacement – random assignment with replacement – sequential • 同意書の設定(html) • 40MBまでの画像ファイルなどのアップロード etc…
33.
実行可能なOS • Win • Mac ※実行時にInquisit
Playerのインストールが必要に なる。 当研究室のHPにマニュアルがあるので参照。 http://syasin.hus.osaka-u.ac.jp/experiments.html
34.
参考文献 • Inquisit5 マニュアル(英語) https://www.millisecond.com/support/docs/v5/Inquisit.pdf •
ユーザーフォーラム(英語) https://www.millisecond.com/forums/ • プログラムサンプル集(英語) https://www.millisecond.com/download/library/
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