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「日本型環境倫理における
      風土論の可能性」
The Possibility of Fudo Theory in Japanese Environmental Ethics

                連合農学研究科
              農林共生社会科学専攻
             農林共生社会科学大講座
                  太田和彦
本論の章構成
• 序章 研究背景の整理
• 第1章 戦後日本の環境運動
• 第2章 20世紀の北米の環境運動
• 第3章 再帰性のみで社会を設計すること、
      およびその弊害
• 第4章 風土の構造、風土論の射程
• おわりに

                         2
現在の日本で敷衍されている
        環境倫理の理論 序章 研究背景の整理
         環境倫理学                       日本的自然観、仏教的自然観
    (environmental ethics)
  「自然物の客観的内在的価値」                          「多神教的性格」
        「動物の権利」                        「生命平等観・不殺生思想」
    「スチュワードシップ」…                        「欲望主義からの脱却」…

いずれも日本の環境運動の現場と乖離しているという批判がある

                       環境プラグマティズム
                    (environmental pragmatism)
                            「収束仮説」
                   「自然/人間の二元論の否定」
                       「道徳的多元主義」…


本論は乖離の解消のための環境倫理の理論の導出を試みた
                         3
本論の流れ
1. 戦後日本の環境運動史を概観することで、日
   本の環境運動が、地域の生活環境保全と関連
   せざるをえないものであることを確認した。
2. 現在の日本の環境運動が抱える問題の一因を、
   個人及び組織の「再帰性」が前提としている、
   世界や他者への「信頼」の喪失として位置づけ
   た。
3. 環境倫理の理論のなかに、再帰性が前提とす
   る「信頼」を支える要素を位置づけることを目指
   した。
4. この要素として「儀礼」(E.ゴフマン)に着目した。
   そして地域の儀礼を、日本の環境倫理の理論
   として位置づけるうえで「風土」の有効性を提起
   した。                     4
日本と北米の環境運動の対比
• (序章の図)
     日本                    北米

中心的役割  地方自治体 > NPO、NGO     巨大NPO、NGO
を果たす主体                     (ex.「ビッグ・テン」)
環境運動の   保全(conservation)   保存(preservation)
方針

環境運動の   ・公害問題、乱開発への反対運動    ・森林や希少な生物の保護、国立
出発点     (急激な産業化、変容を余儀なくさ   公園の設置
        れる地域)              ・「動物の権利」論

環境運動の   ・公害反対運動は、労働運動、消    ・フロンティアの消滅と開拓者精神
歴史      費者運動でもあり、しばしば国家と   の涵養。
        の対立のなかで行われた。       ・公民権運動に代表される、権利
                           範囲の拡大。

                                              5
現在の日本の環境思想の動向
90年代に紹介された欧米の「環境倫理学」の理論を、
日本の実情に即して更新する。

• 日本的自然観を、欧米の自然観(キリスト教的、あ
  るいは機械論的)のオルタナティヴとして対置させる
  という手法が主流。
• しかし、戦後日本の環境運動の成果と問題点から
  日本型環境倫理へのフィードバックは、まだ十分に
  なされていない。
  日本で環境倫理の理論が、公害運動などと切断されて
  捉えられていることが乖離の原因なのではないか。    6
戦後日本の環境運動史の概観
                                  第1章 戦後日本の環境運動
長谷川(2003)など
               時期              典型事例
               50、60年代         • 四大公害問題
    公害告発期                      • コンビナート建設   「防衛型」

               70年代、80年代前半     • 高速交通公害
    生活環境期

               80年代後半、90年代     • 反原発運動
  「新しい社会運動」期
               90年代
  「地球環境」期                      「環境倫理学」の紹介
               90年代後半、2000年代   • グリーン電力
   事業化・制度化期                                 「予防型」


 日本で環境運動から環境倫理を導こうとすると、
 地域問題と関連せざるを得ない。
                                               7
戦後日本の環境運動の特徴
  「利害当事者としての地域〈住民〉を中心とする生活防衛的
  な住民運動がまずあって、その後、良心的構成員としての
  〈市民〉が普遍的な価値の防衛をめざして参入する、という
  形をとりやすい」
                      (長谷川、2003)
• このような、〈住民〉/〈市民〉の区別は、欧米には見られない。
  (cf.船橋、1988)
  →戦後日本の環境運動においては〈地域自治体の単位で、
  生活空間としての環境を保全する〉運動のための環境倫理
  の理論が必要。

• 80年代「新しい環境運動」期から、環境運動と、参加者の自
  己アイデンティティとの関連が強まる。
  →地域単位での「フレーミング」(運動の主観的意味づけ)
 の重要性。
                                 8
「フレーミング」とは何か
                      (社会運動分析の三角形 長谷川、2003)

                   新しい社会運動論
社会運動の参加主体
の主観的意味づけ。           変革志向性
    (Snow, 1986)              政治的
                              機会構造
     フレーミング
参加者の生活意識、文化、世界観と
密接に関連している。
(cf.巻町の住民投票)
              不満              集団行為
            集合行動論              資源動員論
                    動員構造

「環境倫理学」、「環境プラグマティズム」は
日本の環境運動においてフレーミングに寄与するか?                 9
第2章 20世紀の北米の環境運動

                  「環境倫理学」
・生態系生態学への反動
・キリスト教的創造説という文化的土壌

北米の環境運動の成果と問題点のフィードバック
・政治ロビー活動への回帰
・保全生態学の興隆
            「環境プラグマティズム」
      文化的背景、環境運動の出発点、歴史が異な
      るため、困難。
日本の環境運動のフレーミングの基礎となる理論は、
日本的自然観、仏教的自然観で十分か?
           情緒主義、態度主義化の可能性     10
本論の流れ
1. 戦後日本の環境運動史を概観することで、日
   本の環境運動が、地域の生活環境保全と関連
   せざるをえないものであることを確認した。
2. 現在の日本の環境運動が抱える問題の一因を、
   個人及び組織の「再帰性」が前提としている、
   世界や他者への「信頼」の喪失として位置づけ
   た。
3. 環境倫理の理論のなかに、再帰性が前提とす
   る「信頼」を支える要素を位置づけることを目指
   した。
4. この要素として「儀礼」(E.ゴフマン)に着目した。
   そして地域の儀礼を、日本の環境倫理の理論
   として位置づけるうえで「風土」の有効性を提起
   した。                    11
現代の日本の環境運動が
     抱える問題とその原因
          第3章 再帰性のみで社会を設計すること、およびその弊害

「情緒主義、態度主義」化にいたる、
文化・伝統の無前提な擁護はなぜ起こるのか?
●ギデンズの「ポスト伝統社会」論
• 現代は、伝統を維持することが自明なものとは見なされなくなった
  ポスト伝統社会である。(「伝統が失われた」のではなく、「伝統の
  特権性が失われた」社会)
• ポスト伝統社会において、人々の行為を型にはめ込むことは、そ
  れが社会や制度の変容の過程と連動していない場合、無意味とな
  る。個人及び組織には、自分自身の行為を分析するために自分
  自身の行為を振り返る「再帰性」が求められる度合が増える。
• しかし再帰的行為は、世界や他者への「信頼」を前提としている。
• 文化・伝統の無前提な擁護は、ポスト伝統社会における、信頼・同
  化の強要として起こる。
                                  12
伝統社会
              「時空間の分離」
          時間や空間がニュアンスを失い、
          客観的で空白的で均一的になる。



「象徴的通標」の創造               「専門家システム」の確立
        (ex.貨幣)          (ex.弁護士、建築家、医師の知識)

  「脱埋め込みメカニズム」
                                           ポスト
                                          伝統社会

     象徴的通評、専門家システムの共通点は、         「信頼」(trust)
     「信頼の対義語は『不信(mistrust) 』ではない。
     『生きる上での不安(existential angst: 実存的不安)』である」
                                           ギデンズ、1993

個人・制度において必要とされる   「再帰性」(reflexivity)の、増大。
                                               13
再帰性=行為の再帰的モニタリング
「人間は自らの行為とその行為が生じた脈絡とを一貫
して―常に緊張しながら―モニタリングしている」
                 (ギデンズ、1990=93)

再帰性は伝統社会においても必要とされてきた。
しかし、ポスト近代社会において、再帰性は「見さかい
なく」働くようになった。
つまり、再帰性の前提である「信頼」=「所与の一連の
結果や出来事に対して人やシステムを頼りにすること
ができるという確信」もまた、モニタリングの対象にな
る。                        14
ポスト
 「見さかいなく働く」再帰性の影響                伝統社会

                        「道徳の無関連化」
                            (バウマン、2001)
           ○○は、○○であるがゆえに価値をもつ、ということは
           想定できない。同様に、地縁・血縁などを、人と人の間
           の親密さの、無条件の前提にはできない。




 「親密な関係の変容」
           しかし、無条件に信じられるものに人は魅かれる。

           組織内に「親密さ」を無条件でもたらすために、無条件に
「原理主義」化は   価値のあるものをおく。日本においては、文化・伝統の純
ポスト伝統社会と   粋性の強調、無前提な擁護にもとづく、情緒主義、態度主
           義として表出する可能性が高い。
深く関連
           →集団内部の統制はとれるが、外部との交流は希薄化。
                                     15
本論の流れ
1. 戦後日本の環境運動史を概観することで、日
   本の環境運動が、地域の生活環境保全と関連
   せざるをえないものであることを確認した。
2. 現在の日本の環境運動が抱える問題の一因を、
   個人及び組織の「再帰性」が前提としている、
   世界や他者への「信頼」の喪失として位置づけ
   た。
3. 環境倫理の理論のなかに、再帰性が前提とす
   る「信頼」を支える要素を位置づけることを目指
   した。
4. この要素として「儀礼」(E.ゴフマン)に着目した。
   そして地域の儀礼を、日本の環境倫理の理論
   として位置づけるうえで「風土」の有効性を提起
   した。                    16
世界や他者に対する人々の「信頼」は
  どのようにして維持されているのか
  日々の決まりきった「ルーティン」によって、人々は世界や他
  者に対する存在論的不安を忘れる。またルーティンを介して、
  人や事物についての現実を共有する。
                         (ギデンズ、1990=93)
 着目    反論

  あらゆるルーティンが信頼を支えるのではない。神や超越
  的なものとの交流を象徴するような機能をもつ宗教的ルー
  ティンこそが、人々の世界や他者に対する信頼を支えてい
  るのではないか。
                      (樫村、2009 )
       着目

挨拶のような日常的な相互行為を、宗教的ルーティンとして位
置づける。
                 (ゴフマン、1967=2002)         17

ゴフマンの議論を環境倫理の理論に位置づける。
本論の流れ
1. 戦後日本の環境運動史を概観することで、日
   本の環境運動が、地域の生活環境保全と関連
   せざるをえないものであることを確認した。
2. 現在の日本の環境運動が抱える問題の一因を、
   個人及び組織の「再帰性」が前提としている、
   世界や他者への「信頼」の喪失として位置づけ
   た。
3. 環境倫理の理論のなかに、再帰性が前提とす
   る「信頼」を支える要素を位置づけることを目指
   した。
4. この要素として「儀礼」(E.ゴフマン)に着目した。
   そして地域の儀礼を、日本の環境倫理の理論
   として位置づけるうえで「風土」の有効性を提起
   した。                    18
日本型環境倫理における、
 「風土」概念を介した儀礼の位置づけ
           第4章 風土の構造、風土論の射程
亀山、2005    風土論において、儀礼は
           「b.共同関係・文化」である
           と同時に、
           地域の「a.生活的自然」と
           の「c.身体的関わり」でもあ
           る。

           地域の産業・生業・生活行
           為の様態と変化のなかで、
           儀礼は調整される。
           ある儀礼の画一的な押し
           つけによる態度主義化を
           回避。        19
日本型環境倫理の理論しての
     風土論の課題
• 都市化・市街化が進み、風土性が喪失した地域
  においてはどう対処するのか。
  →複合的な生業の形成と同時進行で、風土性の
  回復を見込める。(亀山、2005)
• 「単一の風土」という国家主義的なイメージをも
  つ風土概念は、地域単位での環境保全運動に
  援用できるか?
  →「日本人論としての風土論」との区別。
  →風土を実体的な対象として扱わないための理
  路を、和辻の仏教研究と風土論の関連性から析
  出することによって対処できる。
                       20
日本型環境倫理の理論としての
       風土論の展望
• 「複合的な生業の形成と同時進行で、風土性の回
  復を見込める」のはなぜか?
  → 「c.身体的関わり」 のなかでも「技術的関係」が風
  土の個性・型を基礎的に規定するから。(亀山、2005)

 ハイデッガーの道具論を、
 複層的な所有の原理として読み替えたのが、
 和辻の風土論であるから。(太田、2013)
 複層的な「存在=所有」を肯定し、
 世界観として理論づける視角としての風土論。
                           21
配布資料中の参考文献
•   太田和彦(2013)「ハイデッガー道具論と和辻風土論 〈最適動線〉概念の
    導入」『比較思想研究』39巻、1号(印刷中)
•   樫村愛子(2007)『ネオリベラリズムの精神分析 なぜ伝統や文化が求め
    られるのか』光文社
•   亀山純生(2005)『環境倫理と風土 日本的自然観の現代化の視座』大月
    書店
•   ギデンズ・A(1993)『近代とはいかなる時代か? モダニティの帰結』松尾
    精文/小幡正敏訳、而立書房
•   ゴフマン・E(1986)『儀礼としての相互行為 対面行動の社会学』浅野敏夫
    訳、法政大学出版局
•   バウマン・Z(2001)『リキッド・モダニティ 液状化する社会』森田典正訳、
    大月書店
•   長谷川公一(2003)『環境運動と新しい公共圏 環境社会学のパースペク
    ティブ』有斐閣
•   舩橋晴俊(1988)「構造的緊張の連鎖的転移」船橋晴俊他『高速文明の
    地域問題 東北新幹線の建設・紛争と社会的影響』有斐閣、155‐187頁

•   Snow,A.,et al,1986,"Frame Alignment Processes, Micromobilizationand
    Movement Participation" American sociological Review,51:464‐81.
                                                                          22
ご清聴ありがとうございました




             23

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D論発表用

  • 1. 「日本型環境倫理における 風土論の可能性」 The Possibility of Fudo Theory in Japanese Environmental Ethics 連合農学研究科 農林共生社会科学専攻 農林共生社会科学大講座 太田和彦
  • 2. 本論の章構成 • 序章 研究背景の整理 • 第1章 戦後日本の環境運動 • 第2章 20世紀の北米の環境運動 • 第3章 再帰性のみで社会を設計すること、 およびその弊害 • 第4章 風土の構造、風土論の射程 • おわりに 2
  • 3. 現在の日本で敷衍されている 環境倫理の理論 序章 研究背景の整理 環境倫理学 日本的自然観、仏教的自然観 (environmental ethics) 「自然物の客観的内在的価値」 「多神教的性格」 「動物の権利」 「生命平等観・不殺生思想」 「スチュワードシップ」… 「欲望主義からの脱却」… いずれも日本の環境運動の現場と乖離しているという批判がある 環境プラグマティズム (environmental pragmatism) 「収束仮説」 「自然/人間の二元論の否定」 「道徳的多元主義」… 本論は乖離の解消のための環境倫理の理論の導出を試みた 3
  • 4. 本論の流れ 1. 戦後日本の環境運動史を概観することで、日 本の環境運動が、地域の生活環境保全と関連 せざるをえないものであることを確認した。 2. 現在の日本の環境運動が抱える問題の一因を、 個人及び組織の「再帰性」が前提としている、 世界や他者への「信頼」の喪失として位置づけ た。 3. 環境倫理の理論のなかに、再帰性が前提とす る「信頼」を支える要素を位置づけることを目指 した。 4. この要素として「儀礼」(E.ゴフマン)に着目した。 そして地域の儀礼を、日本の環境倫理の理論 として位置づけるうえで「風土」の有効性を提起 した。 4
  • 5. 日本と北米の環境運動の対比 • (序章の図) 日本 北米 中心的役割 地方自治体 > NPO、NGO 巨大NPO、NGO を果たす主体 (ex.「ビッグ・テン」) 環境運動の 保全(conservation) 保存(preservation) 方針 環境運動の ・公害問題、乱開発への反対運動 ・森林や希少な生物の保護、国立 出発点 (急激な産業化、変容を余儀なくさ 公園の設置 れる地域) ・「動物の権利」論 環境運動の ・公害反対運動は、労働運動、消 ・フロンティアの消滅と開拓者精神 歴史 費者運動でもあり、しばしば国家と の涵養。 の対立のなかで行われた。 ・公民権運動に代表される、権利 範囲の拡大。 5
  • 6. 現在の日本の環境思想の動向 90年代に紹介された欧米の「環境倫理学」の理論を、 日本の実情に即して更新する。 • 日本的自然観を、欧米の自然観(キリスト教的、あ るいは機械論的)のオルタナティヴとして対置させる という手法が主流。 • しかし、戦後日本の環境運動の成果と問題点から 日本型環境倫理へのフィードバックは、まだ十分に なされていない。 日本で環境倫理の理論が、公害運動などと切断されて 捉えられていることが乖離の原因なのではないか。 6
  • 7. 戦後日本の環境運動史の概観 第1章 戦後日本の環境運動 長谷川(2003)など 時期 典型事例 50、60年代 • 四大公害問題 公害告発期 • コンビナート建設 「防衛型」 70年代、80年代前半 • 高速交通公害 生活環境期 80年代後半、90年代 • 反原発運動 「新しい社会運動」期 90年代 「地球環境」期 「環境倫理学」の紹介 90年代後半、2000年代 • グリーン電力 事業化・制度化期 「予防型」 日本で環境運動から環境倫理を導こうとすると、 地域問題と関連せざるを得ない。 7
  • 8. 戦後日本の環境運動の特徴 「利害当事者としての地域〈住民〉を中心とする生活防衛的 な住民運動がまずあって、その後、良心的構成員としての 〈市民〉が普遍的な価値の防衛をめざして参入する、という 形をとりやすい」 (長谷川、2003) • このような、〈住民〉/〈市民〉の区別は、欧米には見られない。 (cf.船橋、1988) →戦後日本の環境運動においては〈地域自治体の単位で、 生活空間としての環境を保全する〉運動のための環境倫理 の理論が必要。 • 80年代「新しい環境運動」期から、環境運動と、参加者の自 己アイデンティティとの関連が強まる。 →地域単位での「フレーミング」(運動の主観的意味づけ) の重要性。 8
  • 9. 「フレーミング」とは何か (社会運動分析の三角形 長谷川、2003) 新しい社会運動論 社会運動の参加主体 の主観的意味づけ。 変革志向性 (Snow, 1986) 政治的 機会構造 フレーミング 参加者の生活意識、文化、世界観と 密接に関連している。 (cf.巻町の住民投票) 不満 集団行為 集合行動論 資源動員論 動員構造 「環境倫理学」、「環境プラグマティズム」は 日本の環境運動においてフレーミングに寄与するか? 9
  • 10. 第2章 20世紀の北米の環境運動 「環境倫理学」 ・生態系生態学への反動 ・キリスト教的創造説という文化的土壌 北米の環境運動の成果と問題点のフィードバック ・政治ロビー活動への回帰 ・保全生態学の興隆 「環境プラグマティズム」 文化的背景、環境運動の出発点、歴史が異な るため、困難。 日本の環境運動のフレーミングの基礎となる理論は、 日本的自然観、仏教的自然観で十分か? 情緒主義、態度主義化の可能性 10
  • 11. 本論の流れ 1. 戦後日本の環境運動史を概観することで、日 本の環境運動が、地域の生活環境保全と関連 せざるをえないものであることを確認した。 2. 現在の日本の環境運動が抱える問題の一因を、 個人及び組織の「再帰性」が前提としている、 世界や他者への「信頼」の喪失として位置づけ た。 3. 環境倫理の理論のなかに、再帰性が前提とす る「信頼」を支える要素を位置づけることを目指 した。 4. この要素として「儀礼」(E.ゴフマン)に着目した。 そして地域の儀礼を、日本の環境倫理の理論 として位置づけるうえで「風土」の有効性を提起 した。 11
  • 12. 現代の日本の環境運動が 抱える問題とその原因 第3章 再帰性のみで社会を設計すること、およびその弊害 「情緒主義、態度主義」化にいたる、 文化・伝統の無前提な擁護はなぜ起こるのか? ●ギデンズの「ポスト伝統社会」論 • 現代は、伝統を維持することが自明なものとは見なされなくなった ポスト伝統社会である。(「伝統が失われた」のではなく、「伝統の 特権性が失われた」社会) • ポスト伝統社会において、人々の行為を型にはめ込むことは、そ れが社会や制度の変容の過程と連動していない場合、無意味とな る。個人及び組織には、自分自身の行為を分析するために自分 自身の行為を振り返る「再帰性」が求められる度合が増える。 • しかし再帰的行為は、世界や他者への「信頼」を前提としている。 • 文化・伝統の無前提な擁護は、ポスト伝統社会における、信頼・同 化の強要として起こる。 12
  • 13. 伝統社会 「時空間の分離」 時間や空間がニュアンスを失い、 客観的で空白的で均一的になる。 「象徴的通標」の創造 「専門家システム」の確立 (ex.貨幣) (ex.弁護士、建築家、医師の知識) 「脱埋め込みメカニズム」 ポスト 伝統社会 象徴的通評、専門家システムの共通点は、 「信頼」(trust) 「信頼の対義語は『不信(mistrust) 』ではない。 『生きる上での不安(existential angst: 実存的不安)』である」 ギデンズ、1993 個人・制度において必要とされる 「再帰性」(reflexivity)の、増大。 13
  • 14. 再帰性=行為の再帰的モニタリング 「人間は自らの行為とその行為が生じた脈絡とを一貫 して―常に緊張しながら―モニタリングしている」 (ギデンズ、1990=93) 再帰性は伝統社会においても必要とされてきた。 しかし、ポスト近代社会において、再帰性は「見さかい なく」働くようになった。 つまり、再帰性の前提である「信頼」=「所与の一連の 結果や出来事に対して人やシステムを頼りにすること ができるという確信」もまた、モニタリングの対象にな る。 14
  • 15. ポスト 「見さかいなく働く」再帰性の影響 伝統社会 「道徳の無関連化」 (バウマン、2001) ○○は、○○であるがゆえに価値をもつ、ということは 想定できない。同様に、地縁・血縁などを、人と人の間 の親密さの、無条件の前提にはできない。 「親密な関係の変容」 しかし、無条件に信じられるものに人は魅かれる。 組織内に「親密さ」を無条件でもたらすために、無条件に 「原理主義」化は 価値のあるものをおく。日本においては、文化・伝統の純 ポスト伝統社会と 粋性の強調、無前提な擁護にもとづく、情緒主義、態度主 義として表出する可能性が高い。 深く関連 →集団内部の統制はとれるが、外部との交流は希薄化。 15
  • 16. 本論の流れ 1. 戦後日本の環境運動史を概観することで、日 本の環境運動が、地域の生活環境保全と関連 せざるをえないものであることを確認した。 2. 現在の日本の環境運動が抱える問題の一因を、 個人及び組織の「再帰性」が前提としている、 世界や他者への「信頼」の喪失として位置づけ た。 3. 環境倫理の理論のなかに、再帰性が前提とす る「信頼」を支える要素を位置づけることを目指 した。 4. この要素として「儀礼」(E.ゴフマン)に着目した。 そして地域の儀礼を、日本の環境倫理の理論 として位置づけるうえで「風土」の有効性を提起 した。 16
  • 17. 世界や他者に対する人々の「信頼」は どのようにして維持されているのか 日々の決まりきった「ルーティン」によって、人々は世界や他 者に対する存在論的不安を忘れる。またルーティンを介して、 人や事物についての現実を共有する。 (ギデンズ、1990=93) 着目 反論 あらゆるルーティンが信頼を支えるのではない。神や超越 的なものとの交流を象徴するような機能をもつ宗教的ルー ティンこそが、人々の世界や他者に対する信頼を支えてい るのではないか。 (樫村、2009 ) 着目 挨拶のような日常的な相互行為を、宗教的ルーティンとして位 置づける。 (ゴフマン、1967=2002) 17 ゴフマンの議論を環境倫理の理論に位置づける。
  • 18. 本論の流れ 1. 戦後日本の環境運動史を概観することで、日 本の環境運動が、地域の生活環境保全と関連 せざるをえないものであることを確認した。 2. 現在の日本の環境運動が抱える問題の一因を、 個人及び組織の「再帰性」が前提としている、 世界や他者への「信頼」の喪失として位置づけ た。 3. 環境倫理の理論のなかに、再帰性が前提とす る「信頼」を支える要素を位置づけることを目指 した。 4. この要素として「儀礼」(E.ゴフマン)に着目した。 そして地域の儀礼を、日本の環境倫理の理論 として位置づけるうえで「風土」の有効性を提起 した。 18
  • 19. 日本型環境倫理における、 「風土」概念を介した儀礼の位置づけ 第4章 風土の構造、風土論の射程 亀山、2005 風土論において、儀礼は 「b.共同関係・文化」である と同時に、 地域の「a.生活的自然」と の「c.身体的関わり」でもあ る。 地域の産業・生業・生活行 為の様態と変化のなかで、 儀礼は調整される。 ある儀礼の画一的な押し つけによる態度主義化を 回避。 19
  • 20. 日本型環境倫理の理論しての 風土論の課題 • 都市化・市街化が進み、風土性が喪失した地域 においてはどう対処するのか。 →複合的な生業の形成と同時進行で、風土性の 回復を見込める。(亀山、2005) • 「単一の風土」という国家主義的なイメージをも つ風土概念は、地域単位での環境保全運動に 援用できるか? →「日本人論としての風土論」との区別。 →風土を実体的な対象として扱わないための理 路を、和辻の仏教研究と風土論の関連性から析 出することによって対処できる。 20
  • 21. 日本型環境倫理の理論としての 風土論の展望 • 「複合的な生業の形成と同時進行で、風土性の回 復を見込める」のはなぜか? → 「c.身体的関わり」 のなかでも「技術的関係」が風 土の個性・型を基礎的に規定するから。(亀山、2005) ハイデッガーの道具論を、 複層的な所有の原理として読み替えたのが、 和辻の風土論であるから。(太田、2013) 複層的な「存在=所有」を肯定し、 世界観として理論づける視角としての風土論。 21
  • 22. 配布資料中の参考文献 • 太田和彦(2013)「ハイデッガー道具論と和辻風土論 〈最適動線〉概念の 導入」『比較思想研究』39巻、1号(印刷中) • 樫村愛子(2007)『ネオリベラリズムの精神分析 なぜ伝統や文化が求め られるのか』光文社 • 亀山純生(2005)『環境倫理と風土 日本的自然観の現代化の視座』大月 書店 • ギデンズ・A(1993)『近代とはいかなる時代か? モダニティの帰結』松尾 精文/小幡正敏訳、而立書房 • ゴフマン・E(1986)『儀礼としての相互行為 対面行動の社会学』浅野敏夫 訳、法政大学出版局 • バウマン・Z(2001)『リキッド・モダニティ 液状化する社会』森田典正訳、 大月書店 • 長谷川公一(2003)『環境運動と新しい公共圏 環境社会学のパースペク ティブ』有斐閣 • 舩橋晴俊(1988)「構造的緊張の連鎖的転移」船橋晴俊他『高速文明の 地域問題 東北新幹線の建設・紛争と社会的影響』有斐閣、155‐187頁 • Snow,A.,et al,1986,"Frame Alignment Processes, Micromobilizationand Movement Participation" American sociological Review,51:464‐81. 22