Agile Japan 2010                              2010年4月10日(土)
ワークショップ4B




                   “弟子入り”ゲーム

    〜開発者のためのUXインタビュー入門講座〜



                     EM ZERO & Agile UCD ja
本日はよろしくお願いします!
       タルモト
              カワグチ



ノグチ




 編集長
はじめに
UX
• User eXperience
  – 見た目(Interface)と振る舞い(Interaction)




           おもてなしとは「装い、しつらい、振る舞い」。
アジャイルUX
• アジャイルUX = アジャイル + UX
                                                                        今、もっとも“ホット”な
                                                                           分野の1つ




                        Jeff Patton
                                                    Todd Zaki Warfel                 Hugh Beyer


  Alan Cooper




                Jared Spool                                            J.J Garrett

                                      Lynn Miller
ユーザ中心設計(UCD)
UCDの第一法則

『ユーザの声、聞くべからず!』
「ユーザの声」とは・・・
• 体験の“自己流”の分析結果
• 「結果」を予測していない
 実体験            自己流の分析        「ユーザの声」


         問題発見   原因探求   問題解決

あんなコト
そんなコト
こんなコト
どんなコト
「設計者」とは・・・
• ユーザから解決案を提案してもらう人?
• ユーザに解決案を提案する人?




  医者(ヤブ医者除く)は患者の言うことを決して“鵜呑み”にはしない。
  慎重に診察して正確な診断を下してから、治療法(解決案)を提案する
技術指向
   なぜ作るのか?




 何を作るのか?

どう作るのか?
ユーザ指向

なぜ作るのか?
 何を作るのか?
 どう作るのか?
弟子入り
• 「師匠と弟子」モデル
 – ユーザが師匠、設計者が弟子
 – 設計者は“弟子入り”するつもりでインタビューする




       ユーザ(師匠)の“暗黙知”を引き出せ!
Contextual Inquiry
• 迷(?)訳すると
 – 状況的質問
 – 文脈における質問
 – コンテキスト調査法 etc…
• そのココロは

      『現地現物』
    「(現場に行って)先入観を持たず、白紙になって観察せよ。
         五回の「なぜ」を繰り返せ」(大野耐一)
弟子入りゲーム
ゲーム概要
• チーム対抗「インタビュー」合戦
 – 各チームはシナリオ(実話)を1つ用意する
 – 攻撃チームは「インタビュー」で相手チームのシナリ
   オの内容(ストーリーカード)を明らかにしていく
 – なるべく多くのストーリーカードを“当てる”と勝ち


    シナリオ
               ストーリーカード
    XXXXX

     YYYYY          インタビュー

     ZZZZZ
                     回答      “弟子”
             “師匠”
1回戦
• 組み合わせ

   Aチーム     Bチーム

   Cチーム     Dチーム

   Eチーム     Fチーム
ワンポイントアドバイス
• 弟子入りの手順例
 1.   あなたは誰(役割、立場)?
 2.   ●●する頻度は?
 3.   一番最近●●したのはいつ?
 4.   その時のこと
      1.   どこで
      2.   誰と
      3.   どのように          絡まった糸を解くように、
           1.   最初は       ユーザの体験を1本ずつ
           2.   次に          解きほぐしていく
           3.   その後は・・・
      4.   最終的な結果は?
 5. それは、よくある体験、それとも特殊な体験?
 6. あなたが●●する理由(価値)とは?
2回戦
• 組み合わせ

   Aチーム     Bチーム

   Cチーム     Dチーム

   Eチーム     Fチーム
結果発表
• ベスト・オフェンス賞(最も素直な弟子)
• ベスト・ディフェンス賞(最も気難しい師匠)
備考
• 本番では、ユーザは結構、友好的。
• しかしながら・・・
 – 聞き手に“受け”そうな話題だけ選別する
 – ストーリーを圧縮する・合成する
 – 途中から話を始める
 – 途中を飛ばす
 – 話の順序が入れ替わる
 – 関連情報を省略する(共同作業者、関連タスク)
 – 「例外」に触れない etc…
おわりに
UXの5つの要素

                                            Surface(表層)


                                            Skeleton(骨格)


                                            Structure(構造)


                                            Scope(要件)


                                            Strategy(戦略)


J.J Garrettが提唱した『The Elements of User Experience』
UCDのプロセス
1.   調査:
     ユーザの“利用状況”を把握する。
2.   分析:
     利用状況から“ユーザニーズ”を探索する。
3.   設計:
     ユーザニーズを満たすような“解決案”を作
     る。
4.   評価:
     解決案を“評価”する。
5.   改善:
     評価結果をフィードバックして、解決案を
     “改善”する。
6.   反復:
     評価と改善を“繰り返す”。
UCDのチーム例
UCDの手法例
もうちょっと詳しく知りたい
• EM ZERO Vol.5
  「アジャイルUX特別号」
   – UXとは
   – UCDは”尻尾の先”から始めよ
     う!
   – UCDヒストリー
   – そのUCD、間違ってます!!
   – アジャイル開発とUX
   – 現実の「痛み」を知るモノづくり
     が、優れたUXを生み出す
   – Agile Conference報告
    ◎EM ZERO ”無料”お取り寄せ
   http://www.manaslink.com/em/
もっと詳しく知りたい
•   推薦図書
    – Hugh Beyer & Karen Holtzblatt
      『Contextual Design』(Morgan Kaufmann)
    – アラン・クーパー
      『About Face 3』(アスキー・メディアワークス)
    – ヤコブ・ニールセン
       『ユーザビリティエンジニアリング原論(原題:Usability Engineering)』
      (東京電機大学出版局)
    – ラリー・コンスタンチン & ルーシー・ロックウッド
      『使いやすいソフトウェア(原題:Software for Use)』(共立出版)
    – ジェニファー・ティッドウェル
       『デザイニング・インターフェース』(オライリー)
    – キャロリン・スナイダー
      『ペーパープロトタイピング』(オーム社)
    – ジェス・ジェームス・ギャレット
      『ウェブ戦略としての「ユーザーエクスペリエンス」(原題:The Elements
      of User Experience)』(毎日コミュニケーションズ)
    – トム・ケリー
      『発想する会社! (原題: The Art of Innovation )』(早川書房)
    – ピーター・マーホールズ
      『Subject To Change 』(オライリー)
    More…
さらに詳しく知りたい
• アジャイルUCD研究会




    http://groups.google.co.jp/group/agileucdja
本日の講師
• 樽本 徹也 TARUMOTO Tetsuya
  – ユーザビリティエンジニア。利用品質ラボ代表。
    NPO人間中心設計推進機構理事。著書『ユーザビリ
    ティエンジニアリング』(オーム社)。


• 川口 恭伸 KAWAGUCHI Yasunobu
  – 認定スクラムマスター。株式会社QUICK勤務。
    すくすくスクラムスタッフ、AgileUCDja立ち上げメンバー、
    XP祭り2010実行委員。


• 野口 隆史 NOGUCHI Takafumi
  – EM ZERO編集長。株式会社マナスリンク代表取締役。
    アジャイルジャパン2010実行委員。

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