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2014経営分析論Ⅰ⑧
- 3. 年 事柄
1889 山内房治郎氏が京都で創業。当初は花札やトランプの製造・販売をしていた。
1963 現社名の「任天堂」に変更。
1980 家庭用液晶電子ゲームとデジタルクオーツ時計を複合させた「ゲーム&ウォッチ」の発売。
1981 アーケードゲーム「ドンキーコング」発売。
翌年にはゲーム&ウォッチ版「ドンキーコング」を発売し,初めて十字キーが導入される。
1983 業容拡大により,生産能力拡充のため京都府宇治市に新工場を建設。
家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」発売。
1985 ファミコンの米国版を米国で発売開始。「スーパーマリオブラザーズ」発売。
1986 「ファミリーコンピュータディスクシステム」発売。
1988 「ファミコンネットワークシステム」サービス開始。しかし,失敗。
本社,本社工場,宇治工場の拡充。
1989 液晶ディスプレイゲーム機「ゲームボーイ」発売。
任天堂の経営戦略とここ数年の動向
• 任天堂の歴史:∼1989年「ゲームボーイ発売」まで
- 9. 年 事柄
1990 「スーパーファミコン」発売。ドイツに欧州拠点を設立。
1994 SCE「プレイステーション」発売。
1995 3D立体視が可能なゲーム機「バーチャルボーイ」発売。
1996 ゲームボーイ用ソフト「ポケットモンスター 赤・緑」,「ニンテンドウ64」発売。
1998 「ゲームボーイカラー」発売。
2000 SCE「プレイステーション2」発売。
2001 「ゲームボーイアドバンス」「ニンテンドーゲームキューブ」発売。
2002 現社長の岩田聡氏が就任。山内溥氏から52年ぶりの交代。
2003 「ゲームボーイアドバンスSP」発売。
2004 「ニンテンドーDS」発売。「プレイステーション・ポータブル(PSP)」発売。
2006 「ニンテンドーDS Lite」「Wii」発売。
2008 「ニンテンドーDS i」発売。
2009 「ニンテンドーDSi LL」発売。
2011 「ニンテンドー3DS」発売。
任天堂の経営戦略とここ数年の動向
• 任天堂の歴史:1990年以降 SCE「プレイステーション」との対決
- 10. 任天堂の経営戦略とここ数年の動向
• 任天堂を支える経営の考え方
前社長 山内 溥氏
「任天堂は,存在しなくても生きていける,究極には不要な娯楽と
いうものを生み出す会社」
現社長 岩田 聡氏
「任天堂は,きのうよりおいしい食べ物でなければ食べないと言って
いる王様に料理をつくり続けている料理人のような仕事をしている」
→任天堂の経営方針
「お客様に良い意味で驚いていただくこと,そして関わる人すべてを
笑顔にしていくこと」
- 13. • 任天堂主力製品の販売数量実績推移(つづき)
日経ビジネス記事から
携帯機は家族ではなく,個人単位で売れるので出荷量も多い。
海外では据え置き型が主流のため,携帯機の販売余力がある。(本当?)
製品ライフサイクルは概ね5∼7年。3DSは起爆剤になる?
• 任天堂の海外売上比率の推移
売上高の大半は海外。為替変動の影響を受けやすい。
任天堂の経営戦略とここ数年の動向
売上高 海外での売上高 割合
2007年3月期 966,534 643,050 66.53%
2008年3月期 1,672,423 1,347,974 80.6%
2009年3月期 1,838,622 1,609,625 87.55%
2010年3月期 1,434,365 1,206,663 84.13%
2011年3月期 1,014,345 846,451 83.45%
- 14. 2008年3月期 2009年3月期 2010年3月期 2011年3月期 2012年3月期 2013年3月期
流動資産 1,646,834 1,648,725 1,591,388 1,468,706 1,140,786 1,192,250
当座資産 1,400,108 1,359,322 1,384,197 1,306,765 1,001,700 949,174
うち現金預金 899,251 756,201 886,995 812,870 462,021 478,761
棚卸資産 104,840 144,752 124,673 92,712 78,446 178,722
その他の流動資産 141,886 144,651 82,518 69,229 60,640 64,354
固定資産 155,655 162,042 169,598 165,591 227,615 255,628
有形固定資産 55,150 71,064 79,586 80,864 87,856 86,152
無形固定資産 2,009 2,169 4,111 5,539 7,706 10,863
投資その他の資産 98,495 88,807 85,899 79,187 132,052 158,612
繰延資産 0 0 0 0 0 0
資産合計 1,802,490 1,810,767 1,760,986 1,634,297 1,368,401 1,447,878
任天堂の財務諸表分析
当座資産の減少→現金預金の減少
棚卸資産の減少→在庫の調整?
2013年3月期は棚卸資産が増加!
• 貸借対照表<資産の部>の数値を見てみよう。
- 15. 2008年3月期 2009年3月期 2010年3月期 2011年3月期 2012年3月期 2013年3月期
流動負債 567,222 540,914 407,537 333,301 155,438 194,475
うち仕入債務 335,820 356,774 264,613 214,646 86,700 107,045
固定負債 5,293 15,921 16,863 19,134 21,937 25,882
負債合計 572,516 556,835 424,401 352,435 177,376 220,358
資本金 10,065 10,065 10,065 10,065 10,065 10,065
資本剰余金合計 11,640 11,726 11,733 11,734 11,734 11,734
利益剰余金合計 1,380,430 1,432,958 1,527,315 1,502,631 1,419,784 1,414,095
株主資本合計 1,245,951 1,298,234 1,392,528 1,357,767 1,284,901 1,279,203
評価・換算差額等 △15,979 △44,303 △55,943 △85,995 △93,876 △51,815
純資産合計 1,229,974 1,253,932 1,336,585 1,281,861 1,191,025 1,227,520
負債純資産合計 1,802,490 1,810,767 1,760,986 1,634,297 1,368,401 1,447,878
任天堂の財務諸表分析
• 貸借対照表<負債・純資産の部>の数値を見てみよう。
仕入債務の減少→生産数量の調整?
1.4兆円にも及ぶ利益剰余金→経営方針と一致
- 16. 任天堂の財務諸表分析
• 損益計算書の数値を見てみよう。
2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年
売上高 1,672,423 1,838,622 1,434,365 1,014,345 647,652 635,422
売上原価 972,362 1,044,981 859,131 626,379 493,997 495,068
販売費及び一般管理費 212,840 238,378 218,666 216,889 190,975 176,764
営業利益 487,221 555,263 356,568 171,077 -37,320 -36,410
営業外収益 48,564 32,159 11,082 8,602 9,825 48,485
営業外費用 94,977 138,727 3,325 51,577 33,368 1,592
経常利益 440,808 448,695 364,325 128,102 -60,863 10,482
税引前当期純利益 433,775 448,132 367,442 127,934 -60,877 10,197
当期利益 257,342 279,089 228,635 77,621 -43,204 7,099
粗利益率の変化
2009年3月期 43.16%→2013年3月期 22.09%
販管費はほぼ一定
営業赤字
為替差損
最終赤字
- 18. 任天堂の財務諸表分析
• 支払能力・財務安定性分析に有用な各指標の算出
2008 2009 2010 2011 2012 2013
自己資本比率 68.24% 69.25% 75.90% 78.44% 87.04% 84.78%
株主資本比率 69.12% 71.70% 79.08% 83.08% 93.90% 88.35%
固定比率 12.66% 12.92% 12.69% 12.92% 19.11% 20.82%
固定長期適合率 12.60% 12.76% 12.53% 12.73% 18.77% 103.81%
流動比率 290.33% 304.80% 390.49% 440.65% 733.92% 613.06%
当座比率 246.84% 251.30% 339.65% 392.07% 644.44% 488.07%
自己資本比率上昇→流動負債減少→仕入債務の減少
固定比率上昇→有形固定資産増加+利益剰余金の減少
流動比率上昇→現金預金の減少 < 仕入債務の減少
2012年3月木は営業赤字・最終赤字という過去最悪の決算で
あったものの,各種財務指標は改善しているものがある。