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コール内容からみた有料老人ホームの特徴 平田先生
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クリニックへのコール内容から見た有料
老人ホームにおける在宅療養支援の特徴
○平田 剛史1)、飯塚 以和夫1)、近藤 善子1)、渡部 聡子1)、岡登 季代美1)、遠藤 拓郎1)2)、
遠藤 有人2)、長瀬 健彦1)、鈴木 正道1)、畠中 正孝1)、大石 佳能子1)
1)医療法人社団プラタナス 施設在宅医療部
2)医療法人社団プラタナス 研究推進室
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< 目 的 >
・有料老人ホームの看護スタッフ等から当院クリニッ
ク医師へ寄せられたコール内容の分析に基づいて、
コール対応という視点から、介護施設における在宅
療養支援の特徴を明らかにすることを目的とした。
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医療法人社団プラタナス
用賀アーバン
クリニック
鎌倉アーバン
クリニック
在宅療養支援診療所
外来
施設在宅
松原アーバン
クリニック
在宅療養支援診療所
病棟・外来
施設在宅
一般在宅
桜新町アーバン
クリニック
在宅療養支援診療所
外来
一般在宅
イーク丸の内
・方法(1): 医療法人社団プラタナスの組織(2012年12月現在)
今回の調査対象部門
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・方法(2): 施設在宅医療部の概要(行動指針)
○患者視点の医療サービス
プラタナスは「患者視点の医療サービス」の提供を目指します。
○病気、人、くらし、つながりまで見る在宅医療
これからの在宅医療は「病気」だけでなく「人」を診ること、またその患者さんの
「くらし」や家族や社会との「つながり」まで包括的に診ることが求められます。
そのなかで在宅医は、患者さんがどんな状況になっても、何ができるのかを常に考
え続けることが必要です。
○チーム医療
医師1人で24時間365日の対応することや、医療の視点だけで在宅での生活を支える
ことはできません。様々な専門分野の医師同士、あるいは看護・介護・事務スタッ
フとの連携などによって「チーム医療」を実践していきます。そのためにお互いが
「患者視点」に立った平等でオープンな議論のもとで、相違する意見も認め合って
患者さんにとって最良な選択が出せるように努めます。
○経営の視点
「患者視点の医療サービス」を継続的に提供し続けるために健全な経営を目指しま
す。絶えず経営努力をするとともに、患者さん・ご家族・連携先の満足度の向上に
努めます。
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・方法(3): 施設在宅医療部の概要(往診体制)
○担当患者:有料老人ホームに入居している在宅患者(1ヵ月平均患者数796人)
○担当ホーム:22か所(松原アーバンクリニック施設在宅医療部のみ)
○担当地域:東京西地区を中心に22か所(松原アーバンクリニック施設在宅医療部のみ)
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施設在宅医療部施設
・方法(4): 当法人におけるコール体制の仕組み
①入居患者に異変があった際は
介護スタッフから施設看護師へ
連絡する
②施設看護師
は、医師の指
示が必要な場
合、当院医師
に連絡し、指示
を仰ぐ
③当院医師は、
施設看護師の
情報を元に、
臨時往診、病
院搬送等の判
断を下す
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・方法(5): コール内容のデータベース入力の概要
施設A
看護師
対応
医師
施設A
担当事務
データベース入力
担当事務
コール
対応の
記録FAX
コール
対応のカ
ルテ記録
看護師、医師の記
録内容確認、算定
データベース
(FileMaker)
へ入力
施設B
看護師
対応
医師
施設B
担当事務
コール
対応の
記録FAX
コール
対応のカ
ルテ記録
施設C
看護師
対応
医師
施設C
担当事務
コール
対応の
記録FAX
コール
対応のカ
ルテ記録
看護師、医師の記
録内容確認、算定
看護師、医師の記
録内容確認、算定
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・方法(6): データベースへ利用した調査項目について
月日
時刻
ホーム名
患者名
主治医
指示医
コール内容
指示内容詳細
指示内容
FAX受信日
報告者
項 目
該当ホームの
主治医名
コールを受電し
指示した医師名
施設看護師から受
けたコール内容
受電した医師の
指示した内容
医師の指示を
「緊急搬送」
「緊急を除く受診指示」
「臨時往診(看取り含む)」
「注射・点滴指示」
「処置指示」
「内服・投薬指示」
「経過観察」
「指示を必要としない報告等」
で類型化し、項目ごとに集計した
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・結果: データ集計に基づく、各調査項目別頻度の概要
20
14
38
7
9
6
5
2100
1,710
1,182
3,337
586
778
532
4471628,734
合計 緊急
搬送
緊急を
除く受
診指示
臨時
往診
(看取
り含む)
注射・
点滴
指示
処置
指示
内服・
投薬
指示
経過
観察
指示を
必要と
しない
報告等
クリニックへのコール分析(2010年6月~2012年9月、上段:件、下段:%)
高 施設での対応の困難度 低
施設で対応不可
<結果>
「医師の判断、指示」数全体8,734件の内訳は、「緊急搬送」162件、「緊急を除く受診指示」447件、「臨時往
診(看取り含む)」532件、「注射・点滴指示」778件、「処置指示」586件、「内服・投薬指示」3,337件、「経過
観察」1,182件、「指示を必要としない報告等」1,710件であった。
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< 結 論 >
老人ホームの看護師等が医師コールを実施した状況下で、
在宅で対応が困難な用件は「緊急搬送」162件、「緊急を除
く受診指示」447件と、コール数全体の約7%を示した。
従って、内訳の残り約93%と、コールの多数が施設内での
療養に関する用件であると考えられた。
以上より、有料老人ホームにおける在宅療養支援の特徴と
して、患者の療養生活の維持を前提として、介護施設、クリ
ニック双方が体制を整備して密に連携を取り協力して療養
生活へ当ることが推察された。