2. 病棟看護師から在宅医療の世界に踏み出すにあたり不
安を感じていた。
在宅医療に興味があっても踏み出せない看護師の理由
として聞かれるのも同様の内容が多い。
どのような環境があれば、それらの不安が軽減されるの
か、新人看護師としての視点で考察したい。

3. • まずは往診同行看護師として医療的な面を
学び、在宅医療の全体像をつかむ
• 先輩の訪問看護師と同じ患者を受持ち、在宅
での看護師の役割や具体的なケアについて
学びを深める

4. 86歳女性、独居、認知症なし
原発不明癌の末期
オキシコンチン10mg✕2、オキノーム散5mg内服
週に1回の往診、週2回の訪問看護
「最期まで家にいたい」「自分のことは自分でやりたい」という強い
意思がある
独居
癌の転移により
右手が挙上できない
内服薬が増えて
混乱した
服薬コンプライアンス
の低下

5. 新人看護師教育の実例
• 毎日、往診前に医師・看護師・薬剤師・医療事務との合同カ
ンファレンスを実施
• 新人看護師は往診同行として関わり、訪問看護を担当して
いる先輩看護師とアセスメントやケアを共有、カンファレンス
を頻回に実施
日 月 火 水 木 金 土
訪問看護 往診同行 訪問看護
カンファレンス
次回往診でど
のような視点
を持つべきか
カンファレンス
往診同行後、
行なってきたケ
アについて
カンファレンス
ケアの評価と
今後の課題に
ついて

6. 内服コンプライアンスの低下に対し、既成品のお薬カレンダーをそのまま利用した
が、片腕が挙上できない患者のADLでは使用できなかった・・・
既成品のお薬カレン
ダーではなく、患者の
ADLに合わせて手作
りしたらどうか？
ケアを患者の生活に
合わせることが大切。
内服の自己管理ができ
ず疼痛が増強すれば、
最期まで家で過ごすこ
とが難しくなる。
独居であり、内服を飲めたか確認する人がいない。
介護サービスの中でどう支えていくかマネジメントが必要。
連携会議を開いてケアを共有したらどうだろうか？

7.  内服薬の整理を行い
内服回数が最低限と
なるようにした
 一包化の実施
 患者のADLに合わせ
た薬箱を作成
 内服確認をヘルパー
に依頼。連携会議の
際にヘルパー・訪問薬
剤師とともに確認。

8. 患者を枠に当てはめるの
ではなく、ケアを患者の生
活に合わせていくこと
多職種と連携し、
チームで患者の生
活を支えていくこと
病棟のように頻回に医療
者の目が入らない。
次回訪問するまでの生
活を考えたケアが必要
患者の経過を予想
し、ケアを提供して
いく必要がある

9. • 実際に同一患者を受け持っているスタッフ同士
で情報を共有し、同じ方向を見つめてケアを行
える育成環境は、安心感をもって在宅医療を学
ぶことができる。
• 診療所と訪問看護ステーションが併設されてい
ない場合でも、看護師同士が事業所の垣根を超
えて学び合う強い連携があり、新人教育を協力
して行えるとよいのではないかと考える。