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コンテンツビジネス動向
渡辺智暁
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン 理事
国際大学グローバル・コミュニケーション・セン
ター
主任研究員/講師
社団法人日本印刷技術協会 クロス
メディア研究会 6 月 19 日 於:
東京
2. 本日の構成
• クリエイティブ・コモンズの背景となる問題
意識
• 情報産業におけるオープン化の諸例とその分
類
• クリエイティブ・コモンズ・ジャパンの取り
組み
• 権利処理スキームの重要性とクリエイティ
ブ・コモンズの役割
• BCCKS のサービスについて (安藤様よ
り)
5. 創作物をめぐる変化 II
多くのアマチュア・コンテンツの中には優
れた作品・情報が入っていることも。
→ ランキング、タグづけ、レコメンデー
ション・エンジン、検索などを通じた
「発見」のメカニズム
複数のアマチュア、ボランティアが集まっ
て優れた作品を創作する例も。
→ ウィキのようなコラボレーション用プ
ラットフォームの普及
9. コンテンツ産業と一般クリエイ
ターの意識のズレ
・権利ビジネスに携わっている産業界は、
権利保護への強い意欲
・一般人クリエイターは、必ずしも「売る
ため」にコンテンツを作っているわけで
はない。自分の作品が強く保護されるこ
とに必ずしも興味を示さない
Ex. 「自由に他人に紹介してくれて OK 」
、「あなたのサイトに掲載して OK 」、
「改良して OK 」、「金儲けでなければど
うにでも使って OK 」、…
13. 情報産業におけるオープン化
の諸例とその分類
オープン化の持つ広がりの中に、事業戦略のヒントを探る/
・オープン化とは?
・オープン戦略
・オープン性の諸相
・コンテンツ市場の行方
・コラボレーションの種類と射程
・新聞の危機
18. オープン性の諸相
1.オープン・プラットフォーム
自由に利用可能(場合によっては事業展開も可能)な媒介系サービス
(twitter, YouTube, Flickr, …)
2.オープン・コラボレーション
創作・情報提供などに自由に参加できる
( Current TV 、 SETI@Home 、 Galaxy Zoo 、 Yahoo! トピックス「関連情報」)
3.オープンライセンス
コンテンツの利用条件が自由;場合によっては Viral な縛りがある(独占から共有へ)
(オープンソース系プロジェクト、 Wikipedia 、 Magnatune 、 Jamendo )
4.オープン・ガバナンス
サイトの運営方針やトラブルへの対処方針等の意思決定に参加できる
(オープンソース系プロジェクト、 Wikipedia 、 Facebook* )
5.オープン・スタンダード/オープン・フォーマット
誰でも利用可能なデータ形式・標準
( Wikipedia )
※ オープン性の体系的な分析の試みはある( Maxwell, 2006 等)が、途上。
※ 現時点ではオープン性の多様性を具体的に思い描けることがおそらく有益
20. オープン・コラボレーション
・典型的に想定されるのはコンテンツの共同創作・洗練
( Wikipedia 、オープンソース、 2 ちゃんねるのアス
キーアート)
・掛け合い等コミュニケーションの中から優れたコンテン
ツが生まれることも(電車男)
・投票、採点、タグ付け、コメント、レビュー、グループ
化など、メタデータを付与するケースも
・ Galaxy Zoo 、 SETI@Home 、 UD などのように分類や
情報処理を割り振られ、統合の作業には関与できない
ケースも。(後者 2 例は人間の知的作業をほとんど伴わ
ない分散コンピューティングである点も特徴的)
42. 有料コンテンツと CC
有料コンテンツの存続のひとつの形は、大
掛かりなコンテンツ ID 、権利者データベ
ース、計測・集計システムなどを伴う形
で実現するというもの。
→CC はこうしたシステムのない現状に合わ
せて作られているが、もともと権利処理
のツールなので相性は悪くない。
→ 多くの一般クリエイターも、このような
制度ができれば、それに乗って簡単に収
入を得ようと試みるかも知れない。
43. まとめ
インターネットや PC 、デジタル技術などは、著作物の創
作や流通、マーケティングを一般人が担うことを可能に
している。
だが、違法コピーの一般化や、有料コンテンツ市場の縮
小・オンライン化も一部で起きている。 DRM や著作権
保護強化はこれへの対応になっている面がある。
CC ライセンスは、著作権にまつわるオープン戦略のツー
ル。コラボレーションを通じた創作活動や、多くの主体
に分散された広告・流通の活動を円滑化できる。
オープン化戦略はその可能性を積極的に活用するもの。
45. この資料のライセンス
この発表資料を 2 種類のライセンスで提供し、利用者が選べるように
するために、利用許諾に関する注意書きを以下に記します。
・ この発表資料は、 CC-BY 2.1 JP
(http://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/ ) でライセンスされ
ています。
・ この発表資料は、 CC-BY-SA 2.1 JP
(http://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/ ) でライセンスされ
ています。
参考までに、本作品のタイトルは「情報共有時代のコンテンツビジネ
ス動向」で、原著作者は渡辺智暁です。本作品に係る著作権表示は
なく、許諾者が本作品に添付するよう指定した URI もありません。
Editor's Notes ただ、順番としては、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンの取り組みについて別個に説明するのではなくて、適宜織り交ぜた形にしていくつもりです。 まず最初に、 CC が成立した背景について私なりの説明をしてみます。技術、制度、ビジネスの変化があって CC が出てきた、というようなお話です。 ウィキペディアでの削除案件への対処から得た感触 一方でビジネスに目を向けてみますと、権利侵害が一般化して問題になったり、それに対抗すべく DRM を導入したりといった違法コピーをめぐる問題が目立ってきます。それと同時に、半ばそれに矛盾するような動きとして、コピーのしやすさ、流通のしやすさなどを積極的に活用したビジネスを展開しよう、というプラットフォームやツール提供系の事業者、あるいは新しい技術環境を踏まえて従来とは違ったプロモーションをかけていくアーティストなどが登場します。この、いわばコンテンツ系事業者とネット系事業者との方向性のズレは、制度改革に関する意見の対立にもなって行きます。 もうひとつ制度改革をめぐる意見の対立を生むのが、伝統的なクリエイターや権利ビジネスと、新たに創作行為を公に行うようになった一般人との意識のズレです。 こうした摩擦に直面して、制度、特に著作権制度を正面から変更するのは大仕事です。多くのクリエイターの感覚やネット企業の都合のよいようにするのがいいというコンセンサスをとるのは容易ではありません。そこで、制度はそのままに、その枠内で運用できるライセンスを作る、というのがクリエイティブ・コモンズのアプローチです。ライセンスは使いたい人が使えばよいものですから、手厚い権利保護は不要、というよりもむしろ不都合、と考えるクリエイターや事業者たちが、その人たちの間で創作物をやりとりできるような圏域・集団を作ればよい。創作物という資源を共有する圏域・集団という意味で「コモンズ」という名前がついていると考えるとわかりやすいと思います。 もうひとつ、 CC が重宝される理由として、創作物の利用を自由にしていった場合に、作品が思いもかけない形で利用されたり、多くの人によって手を加えられたりする場合に、著作権の処理に便利にできているということがあります。これは CC が汎用ライセンスで、基本的には誰にでも、どんなメディアにでもできるようにできているからです。 安価でない場合もある おそらく読者は中立的な事実だけを読みたいわけではない。これは、コメディー・ショーがニュースソースとなっているという調査からも伺える傾向。 まず最初に、 CC が成立した背景について私なりの説明をしてみます。技術、制度、ビジネスの変化があって CC が出てきた、というようなお話です。