[Shared Interest プロジェクト vol.2] 世界で通用する表現、しない表現 ～環境・人権・多様性の観点から～ のまとめ資料です。 www.econetworks.jp/internatenw/2013/06/sipvol2/

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世界で通用する表現、しない表現
〜環境・多様性・人権の視点から〜
有限会社エコネットワークス
2013年７月１１日

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問題意識
ちょっとした不理解から、
本来意図しない形で表現が捉えられ、
プラスに働くべきコミュニケーション機会が
受け手にマイナスの印象を与えてしまうことがあります。
なぜこうしたすれ違いが起きてしまうのか。
根本には、情報の作り手・出し手が（特に日本にいると）、
受け手には多様な人たちがいるということが見えていないこと、
さらにはその多様性を実感を伴って理解しにくいことがあります。
多地域、多文化、多言語を前提に
チームとサービスを構築している私たちだからこそ、
こうした多様性や違いには誰よりも敏感であり、
乗り越えていきたい。
そんな思いから、現地の視点を学び、
共有する機会を作りました。

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理解しておくべき３つの前提
◆表現は国境を越える
あらゆることがインターネット上で共有され、一瞬で拡散する時代。ネットに国境はありません。
人の交流が盛んになった結果、地域にも多様なバックグラウンドを持つ人が暮らすように
なっています。
たとえそのコミュニケーションが特定の地域や層を対象としたものであっても、対象以外の人
たちからも常に見られていることを念頭に置く必要があります。
◆100者100様
人の多様性が限定的で同質性が高い日本社会では、マイノリティになる経験が少なく、他者
との「違い」や他者への「配慮」に対する感覚が鈍くなりがち。多様な受け止め方があることを、
情報としては知っていても、体験として身についておらず、知っていても気づけないことがま
まあります。100者いれば100通りの感じ方があり、自分１人で全ての視点を持つことができ
ないとの前提の下、チェック体制を構築し、学びを蓄積していくことが重要です。
◆変化を続ける国際基準とローカル文脈
国際的に統一された基準と地域特有の文脈。
新しく生まれる考え方。社会の成長と成熟による意識の変化。
ここからはアウトという明確な線引きはなく、日々変化して行く状況を現地の感覚から学び、
理解していくことが重要です。

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ケーススタディ 「環境」
キーワード
ロゴだけを緑に変えて「環境によい」イメージを表面的に訴求
「シロクマが喜ぶ」とビジュアルの印象だけを強調
お金を払えば十分な審査なく、「グリーンである」ことを示すロ
ゴの使用が可能になるプログラム
批判を受けた事例
「省エネ電球を購入すると飛行機のマイルがたまる」という
相反するプロモーション本質的な矛盾
誇張した表現
根拠がない
◇各国でガイドラインが整備され、違反事例の蓄積によって基準が明確になりつつある
◇正確であることが何より重要
◇表現上の問題だけでなく、企業活動そのものが問われてくる
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ケーススタディ「多様性・人権」
キーワード 批判を受けた事例
外見・病気・障
がい
民族・人種
◇地域によって基準が異なり、一律の基準を作ることは難しい
◇人を傷つけない配慮が全ての出発点
◇故意かどうかを問わず、一度問題となると批判が限りなく大きくなる可能性がある
メキシコ人が特に多い地域で、メキシコ人の風貌をステレオタ
イプに描写したCM
男性のだらしなさを強調しずぎたCMジェンダー
障がい者雇用の特集は、海外では特別なものとして取り上
げること自体が差別となりうるため、海外での発信を控える
青あざを想起させるメイクをしたモデルが登場するポスター
が、配慮が足りないとしてDV被害者から抗議を受ける
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ケーススタディからの学び
□イメージのみの表面的な訴求
になっていないか
□訴求内容に矛盾はないか
□過剰に誇張されていないか
□他に目をつぶってよいことのみ
を言っていないか
□事実に基づいているか
□曖昧さは排除されているか
□特定の集団への差別につな
がっていないか（人種、肌の色、体
型等）
□社会的弱者への配慮は十分か
（子ども、障がい者、貧困層等）
□ステレオタイプ（固定観念）に基
づいていないか、植え付けないか
□宗教観への配慮は十分か
□道徳・社会的な見地からの不適
切な表現はないか
□関連する法規制
□宗教・文化（伝統、習慣、道徳、
家族観等）
□歴史（支配・迫害の歴史、わだ
かまり等）
□象徴的存在（大切にされている
人物・動物・遺産等）
□タブーとされている表現（差別的
なたとえ等）
◆環境表現 ◆多様性・人権観点 ◆地域特有の文脈
【陥りがちな視点】
１．やりすぎ注意
過剰な表現や誇張、一面的な切り取りは避ける。
２．アイコンには気をつけろ
文化や宗教の象徴や、差別的な意味で使われるアイコンの扱いに気をつける。
３．連想ゲームで対策を
特定の内容を想起させる表現になっていないか。