SlideShare a Scribd company logo
まちの居場所シンポジウム 2013.02.21




 「まち」と「居場所」
千里ニュータウンの「ひがしまち街角広場」
     から見えてくるもの




       田中 康裕
2
             『まちの居場所』
「私的な場所でもなく、形式ばった場所でもなく、人が思い思いに居合わせられる場
所。そして、新たに地縁を結びなおす場所」

              01 やゑさん家
              02 グループホームなも
              03 はっぴいひろば
              04 ひがしまち街角広場
              05 ワタミチ
              06 育ち愛ほっと館
              07 佐倉市ヤングプラザ
              08 フリースクール 東京シューレ
              09 紺屋2023
              10 仮設de仮設カフェ
              11 親と子の談話室・とぽす
              12 下新庄さくら園
              13 いちょう団地
              14 覚王山アパート・覚王山商店街
              15 住宅街の公園「烏山プレーパーク」
              16 万代池公園
              17 御射山公園
   建築学会       18 島原湧水群「浜ん川」洗い場
              19 湊町リバープレイス
環境行動研究小委員会
3
                施設/まちの居場所
「近代は純粋なビルディングタイプ〔=構成や形式がある特徴をもつ施設の類型〕を想定しなが
ら、必要とされる機能を計画学〔=建築計画学〕が解析し、設計のための資料集成を整備した時
代だった。学校、工場、病院、美術館など、それぞれの施設の各部分の推奨すべき寸法や空間の
組み合わせは、研究によって集積され、マニュアルとして本にまとめられる。 近代化とは各地に
標準のビルディングタイプをそろえることでもあったから、設計資料集成の恩恵は計り知れな
い。」(五十嵐・大川, 2002)

■施設=institution=制度

                     機能が外部化     教育施設   医療施設
  住
  宅    専門家/非専門家の役割分離            商業施設   ○○施設
       →非専門家は施設の開設者・運営者ではなく、利用者


■「まちの居場所」
・専門家ではない人々が必要にせまられて開き、運営
・担っている機能が多様
→近代の施設計画に対する異議申立て
4
               ニュータウン
       専門家によって「住宅+諸施設」として隅々まで計画
郊外の問題(三浦, 1999)
①共同性の欠如 / ②働く姿が見えない / ③均質性
④生活空間が機能主義的すぎる / ⑤すべてが私有財産でありすぎる



                        2001年9月30日、千里ニュータウンに
                        「ひがしまち街角広場」が開かれた

                     ■「街角広場」元代表のAさん
                     ニュータウンの中には、そういう、何となく過ご
                     せる、みんなが何となくぶらっと集まって喋れ
                     る、ゆっくり過ごせるっていう場所はございませ
                     んでした。そういう場所が欲しいなと思ってたん
                     ですけど、なかなかそういう場所、こういう地域

      写真:井上博道
                     で確保することができなかったんです。
(「ディスカバー千里」収集資料より)
5
    「ひがしまち街角広場」(以下「街角広場」)




○「街角広場」の研究
○「街角広場」の記録
○「街角広場」で出会った方々との活動
 ・千里グッズの会
 ・千里ニュータウン研究・情報センター
6
        発表の内容

1.「ひがしまち街角広場」の紹介

2.「ひがしまち街角広場」のしつらえ
3.千里ニュータウンと「ひがしまち街角広場」

4.「ひがしまち街角広場」の課題・これから

5.まとめ
1.「ひがしまち街角広場」の紹介
8
                   「街角広場」
• 所在地:大阪府豊中市新千里東町
• オープン:2001年9月30日 / 2006年5月に移転
• 運営日:月曜∼土曜日
• 時間:11:00∼16:00
 (16:00以降はミーティングの場として貸切可能)
                                   移転前
• 運営主体:ひがしまち街角広場運営委員会
• 代表:Aさん(女性/∼2011) Yさん(男性/2011∼)
• スタッフ:約12名のボランティア(2013年2月時点)
• 建物:近隣センターの空き店舗を活用
• 面積:移転前:約30㎡ / 移転後:約75㎡
• 来訪者:1日に約30∼40人
• 高齢者、子育て中の母親、近くの小学校の子ども 等
                                   移転後
9
          新千里東町近隣センター




写真:太田博一
10
       オープンのきっかけ・歩み
• 2000年:新千里東町が国土交通省の「歩いて暮らせるまちづくり」事業のモデル地区に指
定(全国で20地区が指定)
• 2001年9月:豊中市の半年間の社会実験としてスタート
• 2002年3月: 運営継続の希望に応えて「自主運営」開始
(補助金に頼らず、飲物等の売上げで家賃・光熱費等を賄う)
• 2006年5月:店舗の利用契約が切れたため他の空店舗に移転
• 2011年10月:オープン10周年記念パーティ開催
11
      日常の様子
移転前           移転後
12
      「お水ちょ∼だい」とやって来る子どもたち
移転前                          移転後




写真:尹俊到




写真:尹俊到
13
   日々の運営を担うボランティアスタッフ
                        年     月 日       a t m I y k f n y t I t o h I u n y
                              1   7 月 ● ● ●
                              1   8 火 ●           ● ●
                              1   9 水 ● ●                 ● ●
                       2002
                              1 10 木 ●                          ● ●
                              1 11 金 ●                                ●
                              1 12 土 ●            ● ●
                              1 17 月 ●            ●                       ●
                              1 18 火 ●                                        ● ●
                              1 19 水      ●                           ●
                       2005
                              1 20 木 ●        ●                                     ●
                              1 21 金 ●                                                  ●
                              1 22 土      ●       ●
                              1   7 月 ●           ●
                              1   8 火 ●                                                     ● ●
• 現在(2013年2月)、ボランティア
                              1   9 水     ●                ●
 スタッフのほとんどが女性          2008
                              1 10 木 ●                                              ●             ●
 (男性は1人)。                     1 11 金 ●                ●                   ●
• イベント、移転作業等の際は男性             1 12 土 ●            ●                                     ●

 の協力もある。                                      *「街角広場」運営日誌より
14
      飲物は「お気持ち料」100円
            Aさん:定価いくらとは書いてない、「お気持ち
               料」という。だから、100円以上いくら
               でもいいですよって言うの。・・・・・・、基
               本はそれぐらいですよっていうことだけ
               で、営業というかたちをとってません。

            Aさん: 営業としてね、大きく構えてするとなっ
               たら、もう絶対かちっとしないとダメだ
               と、・・・・・・、ここは、ただ家へ来た人に
               お茶出してるという感がある。そういう
               のをメインにして。・・・・・・、置いてある
               お茶を勝手にいれて飲んでるという建て
               前です。


            ●当初:テーブルの上の貯金箱に入れる
            ●現在:スタッフに直接渡すかたちに変更
貯金箱
15
「街角広場」から生まれた活動/を拠点とする活動
        千里ニュータウンにおける市民活動の連鎖(直田, 2008)




千里竹の会      千里・住まいの学校   東丘ダディーズクラブ   千里グッズの会

        →「街角広場」は活動のミーティングにも利用(主に夕方以降)
16
周年記念行事(10月)・たけのこ祭り(5月)
                  写真:東町新聞委員会




写真:尹俊到




                  写真:東町新聞委員会




         周年記念行事   たけのこ祭り
2.「ひがしまち街角広場」のしつらえ
18
 「しつらえ」としてのホスピタリティ(歓待)

「ホスピタリティは「もてなし」ではない、むしろ《しつらえ》である。
人と人との関係が成立しうるために、場を〈しつらえる〉のだ。モノによ
って雰囲気によって、言葉にならぬものによって《しつらえ》がなされ
る。つまり、人とモノと場所とが非分離になる環境がしつらえられること
である。したがって、ホスピタリティは「コミュニケーション」ではな
い。ある場の《気》をつくりだすことだ。「気に入る」「気がおちつく」
「気がやすまる」場をつくりだす。」

              * 山本哲士(2006)『ホスピタリティ原論』新曜社




→どのようにしつらえられた場所なのかに注目
19
 「会話」と「対話」(劇作家・平田オリザによる)
「会話」=価値観や生活習慣なども近い親しい者同士のおしゃべり。
「対話」=あまり親しくない人同士の価値観や情報の交換。
                               *平田オリザ(2012)

                                   写真:尹俊到
               「街角広場」
              会        対
              話        話



※研究者(調査者)と地域の人との「対話」
「街角広場」は、地域の人同士の「会話」「対話」の場面に研究者が居合わせること(写真
を撮影すること)が可能な場所でもある。


  →どのような場所であれば「対話」が生じやすいか?
20
              「セミパブリックな空間」
         平田オリザによる空間の分類(平田, 1998)

 プライベートな空間        セミパブリックな空間        パブリックな空間
    父         母                     他者


         内部            内部


    姉         弟                             他者

        家の茶の間     大学研究室 / 美術館ロビー      道ばた / 広場
• 知り合いしか登場しないので、 • 内部の人々がいて、そこに外部 • 人々はその場所を通り過ぎるだ
  「会話」は弾むが「対話」は生 の人々が出入り自由          けだから、「会話」すら成り立
  まれない。          • 「対話」が生まれる        ちにくい。
※自由に出入りできない                         ※内部の人々がいない


    内部の人                               外部の人
 スタッフ、常連の人、時々やって来る人、子ども、研究者、学生、見学者
21
「セミパブリックな空間」を実現する
     「街角広場」のしつらえ

●毎日場所を開ける

●お店として運営する

●「まち」の情報が集まる場所にする

●過ごし方を強要しない

●主客の関係を固定しない

●ありあわせのものでしつらえていく

●運営内容・目的をあらかじめ決めてしまわない
22
毎日場所を開ける
・気が向いた時にふらっと立ち寄れる
・わざわざ予定・予約しなくていい

Aさん:始めた時の趣旨としましては、何はともあれ、毎日する。・・・・・・、週に1回とか、月
    に何回というのは、誰でもいつでも行ってみようかなと思った時に行けない、自由
    に出入りしてもらえない。・・・・・・、いつでも行ったら開いてるという安心感が一つ
    の目的で毎日やっておりました。

Aさん:団地にあります集会所っていうのは、要するに目的がきっちりしていて、申し込ん
    でおかないと使えないんですね。



お店として運営する
・「お気持ち料」だがお店のかたちで運営されている
・訪れるため、過ごすための大義名分が無くてもよい
23
「まち」の情報が集まる場所にする
・「まち」の人が運営している/集まる
・「まち」(「まち」の情報)の窓口になる

Aさん:「あそこへ預けとくから、あそこで、言っとくから」っていうふうな地域の情報の
   交差点にもなっております。

Aさん:直接誰に言ってわからないことを、ここで大きな声で叫べば誰かが聞いてくれる。

Aさん:私はもう学校へ働きかけて、「せっかくだから、ここを起点として学校の情報を外
   に出すことを考えたらどうですか?」っていうふうに言って。で、「街角」にはい
   つでも学校の関係の、学校通信が貼られたり。




                              掲示期間の過ぎた掲示物
                              の整理が毎朝の仕事
24
過ごし方を強要しない
・一人でも居られる/居合わせた人と無理に関わらなくていい
・みなで一緒の活動(会話)に参加しなくてもいい




Aさん:大きなテーブルで周りにいるのもいいだろうと思うけども、やっぱりそんなんだっ
   たら、自分1人だけのテーブルでこうやりたい時もあるかもしれない。それは、そ
   の時々で、自由に使いこなせるようなものがいいみたいに思いますね。
25
主客の関係を固定しない
・サービスを提供する側/受ける側の関係ではない
・地域組織の役割(分担)として運営に関わるわけではない




Aさん: 来る方もボランティア、お手伝いしてる方もボランティアっていう感じで、いつでもお互い
     は何の上下の差もなく、フラットな関係でいられるっていうのがあそこは一番いい。


●歓待の掟(ジャック・デリダ, 1999『歓待について』産業図書)
「そして客(hôte)すなわち招かれた人質(guest)は招待者の招待者となり主人(host)の主となるので
す。・・・・・・。つまり客(guest)が主人(host)の主人(host)となるのです。/この置き換え(=身代わり)
によって全員が互いの人質となります。これこそが歓待の掟なのです。」
26
主客の関係を固定しない
・サービスを提供する側/受ける側の関係ではない
・地域組織の役割(分担)として運営に関わるわけではない

Aさん:〔有償ボランティアとして〕1円でもお金もらったらね、サービスする方とされる方
   になってしまうでしょ。・・・・・・。そしたら座ってて、「お茶遅いなぁ」とかね、
   「わしのコーヒーどうなってん?」って言われたって文句言えないでしょ。でも、
   ここはそんなんじゃない、みんなボランティアと同じレベルの人間同士だから、暇
   やったらこうやって座ってしゃべって、一緒にしゃべりますやん。

Aさん:初めはボランティアの確保が心配だったんです。ですから、・・・・・・、地域の団体で
   当番制にしましょう。・・・・・・。ところが半月も経たないうちに、都合が悪いから今
   日は出られないからって。そうすると、何か今日は、福祉の日ですよとか、福祉関
   係以外の人が何か入りづらい。・・・・・・。それで、それも一切なしにしましょう、こ
   こに入るボランティアは、みな裃脱いで、肩書き脱いで、個人として入りましょう
   ということにしました。それで、全くそういう何の団体にも関係の無い方々のボラ
   ンティアで今もずっときております。
27
ありあわせのものでしつらえていく
• 写真や絵画、作品を展示したり、食器や家具等を持ち寄ったりしてしつらえる
• 日々の運営を担うスタッフ以外の人でも、運営に関われる余地がある。




ペンキ職人が移転作業に協力   地域の人々の作品が展示    「千里竹の会」による門松

Aさん: もう一から十までありあわせを集めてこしらえたような場所ですから、もうそれこそ、
     スプーン1本、 1本、全部持ち寄りのありあわせです。あそこにあるもので買ったもの
    っていったら、今度できましたカウンターだけです。

Aさん: ゆるやかな規制っていうか、誰が入っていっても、そこでは何かの仕事ができるって。
    まぁ普通は、・・・・・・、スタッフ以外の人手出ししたら、ややこしい、邪魔なるから叱ら
    れるじゃないですか、・・・・・・。ここは、誰が手出ししてもね、「あぁ、じゃあ、そこや
    っといてくれる」って言って、すぐスタッフになってしまう。その日の、インスタント
    スタッフ、即席で何でも、スタッフになってもらえるっていう。
28
運営内容・目的をあらかじめ決めてしまわない
・人々の声に応えるかたちで運営していく
・目的の中身が事後的に形成される(場所の意味が事後的に明らかになる)


Aさん: あんまり場所づくりしたところで、こちらの押し付けがあったらだめなんですよね。だか
    ら、はっきり言えば来る人がつくっていく、来る人のニーズに合ったものをつくっていく。
    こちらの押し付けはね、やっぱり無理なところがあると思いますね。

Aさん: 企画書よりも、現実にやってみてね、軌道修正はやりながらね、日々の中で軌道修正してい
    けばいいんだと。

Aさん: 「まず地域交流、コミュニケーションの場所が欲しいんだから、まぁお茶ぐらい飲めるよう
    にしましょうよ」。・・・・・・、「じゃあ、素人ができることだから、紅茶かコーヒーぐらいし
    かないねぇ、日本茶も出しましょう」、それぐらい、誰がどんなふうに入れるかかも何も決
    まっていません。・・・・・・。明日はどうしたらいいか、今、次の時間はどうしたらいいか、そ
    ういうことの連続でずっとまいりましたが、オープンからみなさんが、たくさん訪ねて来て
    くださって、「こういう場所が欲しかったんだ」、「こういう場所っていいね」って言っ
    て、毎日毎日訪ねて来てくださる方が、色んなところから口コミで増えまして、・・・・・・
29
 「まち」(新千里東町)への広がり
             街角広場




  街角広場                         3・3ひろば
 (分譲マンション)                    (府営住宅の集会所)




コラボ交流カフェ                         茶話会
 (文化センター)                     (URの団地集会所)


「街角広場」では「まち」の人々の関係が顕在化(可視化)
→「『街角広場』のような場所を作りたい(作れるかもしれない)」
 というかたちで、参照することができる
30
 住宅と施設(プライベートとパブリック)の間
        ニュータウン = 専門家が「住宅+諸施設」として計画

                   機能が外部化             教育施設     医療施設
  住
  宅     専門家/非専門家の役割分離            商業施設          ○○施設
        →非専門家は施設の開設者・運営者ではなく、利用者

                            生活を施設(institution)から解放
              街角広場

Aさん:ここは、ただ家へ来た人にお茶出してるという感がある。そういうのをメインにし
      て。・・・・・・、置いてあるお茶を勝手にいれて飲んでるという建て前です。

・水を飲みに立ち寄った子どもと、大人とが顔見知りになる → 教育
・常連の人がしばらく顔を見せないと気になって確認する → 福祉
・母親が買い物をしている間、小さな子どもを預かる → 保育
                                      など、多様な意味を担う
3.千里ニュータウンと「ひがしまち街角広場」
32
   戦後の都市への人口集中と千里ニュータウン計画
         人口の推移            • まちびらき: 1962(昭和37)年
800万                      • 位置:大阪都心から北に約15km
          千里NT(1962年∼)    • 開発面積:1,160ha
700万                       (吹田:791ha、豊中:369ha)
                          • 計画人口:15万人
600万
                 大阪府      • 計画住戸数:3万7330戸
500万          (大阪市を除く)

400万

300万

200万             大阪市
                                   19分      28分

100万

 0万
       1945
       1950
       1955
       1960
       1965
       1970
       1975
       1980
       1985
       1990
       1995
       2000
       2005
       2010




   *国勢調査より。1945年のみ推計人口。
33
                  近隣住区論
クラレンス・ペリー(社会・教育運動家、地域計画研究者)による近隣住区論
(Neighborhood Unit)をベースに計画された。

                         (1) 規模:小学校1校分の人口
                         (2) 境界:幹線道路で取り囲まれた住区
                         (3) 小公園とレクリエーション・スペー
                           スの体系
                         (4) 住区の中央部か公共広場まわりにま
                           とめられた公共施設
                         (5) 住区の周辺に配置された商店街地区
                         (6) 循環交通を促進し、通過交通を防ぐ
                           住区内の街路網


                                 *クラレンス・A・ペリー(1975)
34
         千里ニュータウンの住区
                              北地区
• 12住区
                              センター
 (吹田市8住区・豊中市4住区)
• 住区の半径は約500m
                      新千里東町
• 3つの地区センター

• 各住区に1校ずつの小学校
• 2つの住区に1校の中学校
• 住区の中心に近隣センター
→歩いて日常生活を送れるように
                 中央地区
 するため、日用品を扱うお店や公                南地区
                 センター
                                センター
 衆浴場、銀行などが営業

※ 当初計画された住区では、2つの「分
 区」から「住区」が構成され、各「分
 区」に近隣センターと幼低校(小学校低
 学年+幼稚園)が計画された。
35
                  新千里東町
                                       ・1966年入居
                                       ・全戸が集合住宅
中央地区センター


                     中学校
                            幼稚園
                                             府営住宅
           分譲マンション


                     小学校
                             分譲マンション

                     保育園
                                           近隣センター




                                          UR(旧公団)
0   100m   500m            1,000m
36
         近隣センターの役割の変化
• 歩いて日常生活を送れるよう、日用品を扱うお店や公衆浴場、銀行などが計画
• モータリゼーションや府営住宅の風呂場の設置などの影響で、次第に空店舗が増加

      入居当初                  2000年頃




(上)『千里山タイムス』S42.02.10
(下)『ニュータウン』S41.06.05    空店舗=機能の空白
37
              新千里東町の人口の推移
 12000人

  8000人

  4000人

     0人
           1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年

          1970年            1980年           1990年                          2000年                          2010年
                  80歳以上       80歳以上               80歳以上                          80歳以上
70歳以上             70∼79歳      70∼79歳              70∼79歳                         70∼79歳
60∼69歳            60∼69歳      60∼69歳              60∼69歳                         60∼69歳
50∼59歳            50∼59歳      50∼59歳              50∼59歳                         50∼59歳
40∼49歳            40∼49歳      40∼49歳              40∼49歳                         40∼49歳
30∼39歳            30∼39歳      30∼39歳              30∼39歳                         30∼39歳
20∼29歳            20∼29歳      20∼29歳              20∼29歳                         20∼29歳
10∼19歳            10∼19歳      10∼19歳              10∼19歳                         10∼19歳
 0∼9歳              0∼9歳        0∼9歳                     0∼9歳                           0∼9歳
            0
          500
         1000
         1500
         2000
         2500




                              0
                            500
                           1000
                           1500
                           2000
                           2500
                                       0
                                           500
                                                 1000
                                                        1500
                                                               2000
                                                                      0
                                                                          500
                                                                                1000
                                                                                       1500
                                                                                              2000
                                                                                                     0
                                                                                                         500
                                                                                                               1000
                                                                                                                      1500
                                                                                                                             2000
                                       ※国勢調査における東丘小学校区の人口をもとに作成
38
        千里ニュータウンにおける住民活動
       千里ニュータウンは最初から完成された「まち」だったわけではない
    →まちびらき当初、住民が様々な活動・場所を立ち上げたという歴史がある




   自治会               カークラブ                         団地神社




  保育所                生協活動                          とんど祭り
*上段左から 『千里タイムズ』S44.5.2、『千里山タイムス』S42.5.26、『千里タイムズ』S43.5.17
*下段左から 『千里山タイムス』S40.5.9、『千里山タイムス』S40.5.23、『ニュータウン』S45.2.1
39
      入居以来築かれていた関係が「街角広場」へ
Xさん:PTAはもうずっと関わって、現役のPTAが終わったら、教育委員会との縁がずっと切
   れずに。・・・・・・、自治会関連の仕事したり、地域とはずっと関わって。・・・・・・、
   「街角広場」開いた時に、地域の人の知り合いが山ほどいる、色んな関係で。

    Xさんが携わってきた主な活動       「街角広場」のスタッフ相関図




                         *右図は 立川弥生子ほか(2004)より
40
       「まち」の歴史が「街角広場」へ
●入居から約40年を経たニュータウンという「まち」
・地域の核として計画された近隣センターが空店舗に(機能の空白)
・入居以来築かれてきた同世代の人々の関係
・第一世代の人々が高齢を迎えつつある時期

→このような歴史を経た「まち」において開かれたのが「街角広場」
・「まち」の歴史が顕在化

●毎日場所を開ける
●お店として運営する
●「まち」の情報が集まる場所にする
●過ごし方を強要しない                 今後も継続可能?
●主客の関係を固定しない
●ありあわせのものでしつらえていく
●運営内容・目的をあらかじめ決めてしまわない
41




4.「ひがしまち街角広場」の課題・これから
42
 近年、新千里東町では集合住宅の建替えが進む
                          写真:太田博一




  分譲マンションの建替え       府営住宅の建替え




中央地区センターのタワーマンション   府営住宅の建替え
43
              新千里東町の人口の推移
 12000人

  8000人

  4000人

     0人
           1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年

          1970年            1980年           1990年                          2000年                          2010年
                  80歳以上       80歳以上               80歳以上                          80歳以上
70歳以上             70∼79歳      70∼79歳              70∼79歳                         70∼79歳
60∼69歳            60∼69歳      60∼69歳              60∼69歳                         60∼69歳
50∼59歳            50∼59歳      50∼59歳              50∼59歳                         50∼59歳
40∼49歳            40∼49歳      40∼49歳              40∼49歳                         40∼49歳
30∼39歳            30∼39歳      30∼39歳              30∼39歳                         30∼39歳
20∼29歳            20∼29歳      20∼29歳              20∼29歳                         20∼29歳
10∼19歳            10∼19歳      10∼19歳              10∼19歳                         10∼19歳
 0∼9歳              0∼9歳        0∼9歳                     0∼9歳                           0∼9歳
            0
          500
         1000
         1500
         2000
         2500




                              0
                            500
                           1000
                           1500
                           2000
                           2500
                                       0
                                           500
                                                 1000
                                                        1500
                                                               2000
                                                                      0
                                                                          500
                                                                                1000
                                                                                       1500
                                                                                              2000
                                                                                                     0
                                                                                                         500
                                                                                                               1000
                                                                                                                      1500
                                                                                                                             2000
                                       ※国勢調査における東丘小学校区の人口をもとに作成
44
近隣センターの役割の変化

      (左)近隣センターが描かれていない地図
             *分譲マンションのウェブサイト


      (下)近隣センター自体の建替えも計画
            *『建設工業新聞』2012年5月11日
45
    「街角広場」の課題・これから
2012月10月、オープン11周年記念行事において、
「街角広場」の課題・これからについて意見交換するワークショップを開催




 *「千里グッズの会+大阪大学建築・都市計画論領域」による「大きな本」プロジェクトの一貫として実施
                          *「大きな本」はおおさかカンヴァス2011選出作品
46
    「街角広場」に関する主な意見
■場所の確保
□ 「今は大家さんのご好意でここでやっているが、近隣センターが建替わると、やっていけ
なくなるのではないか。」
□ 「建替えられて新しく街角広場の場所が確保されても、小学校から遠くなると子どもたち
が来なくなって、(交流の場としての)街角の意味がなくなる。」

      ・空店舗(機能の空白状態)がなくなる
      ・近隣センターの他に代わりとなる場所がない(住宅+諸施設として計画)
      ・住戸が全て集合住宅であるため、空家の転用ができない


近隣センターの「東町会館」(市が所有する集会所)について
Aさん:それで会館というのは不思議なことにね、個人がね、何か勝手なことする言って借
   りれないんですよ。何かの団体がね、・・・・・・、はっきりした目的をもって、あの申
   請書を書いて。・・・・・・。もし、そんなに常設でそういうふうに〔=「街角広場」の
   ように〕使ってしまうっていうことは、・・・・・・、今の運営委員会の、運営委員会規
   則からしたら、ちょっとそれは難しいですね。
47
    「街角広場」に関する主な意見
■世代を超えた継承
□ 街角広場の継続よりも、自分自身の体力が続かない。ここに来れば話し相手がいるのでや
りたい気はあるのだけれど。
□ 子育て中の若い母親は、子どもを預けてまでボランティアをしようという余裕はないと思
います。

       ・同世代の人が一斉に入居したため、第一世代と第二世代の間の人が少ない


■主客の関係
□ 街角を利用される方にお願い。接客する人達もボランティアで入っています。ということ
です。(例えば100円払ってやったという感じが時折します。)
□ 弁当代ぐらいは欲しい。交通費も弁当代も自分持ちでボランティアをやるのは大変。

       ・無償ボランティアで、主客の関係を固定しないというあり方は今後も継承?


→ニュータウンという「まち」の特質は「街角広場」の課題としても顕在化
48




5.まとめ
「まちの居場所」は専門家ではない人々が必要にせまられて開き、運営             49

  • 近代の施設計画に対する異議申立て

「セミパブリックな空間」としての「街角広場」
  •   毎日場所を開ける
  •   お店として運営する
  •   地域情報が集まる場所にする
  •   過ごし方を強要しない
  •   主客の関係を固定しない
  •   ありあわせのものでしつらえていく
  •   運営内容・目的をあらかじめ決めてしまわない

「まち」の歴史・人々の関係が顕在化(可視化)
  • 過去の関係が顕在化しているだけでなく、新たな関係も生み出されている
  • 「街角広場」を参照した場所が周囲に開かれている
  • 入居から50年を経ても、ニュータウンの特質が「街角広場」の課題として顕在化


「街角広場」は今後もニュータウンという人工的な「まち」と付き合っていかざるを得ない
→他のニュータウンと情報交換するために、
 ニュータウンではない「まち」と互いに無いものを補い合うために、関係を築くことが必要
ご清聴ありがとうございました。
51
                 参考文献・ウェブサイト
■参考文献
• 五十嵐太郎 大川信行(2002)『ビルディングタイプの解剖学』王国社 2002年
• 直田春夫(2008)「市民の力と都市戦略」・『地方自治職員研修』第41巻 No.1 通巻567号
• 立川弥生子ほか(2004)「「ひがしまち街角広場」を支える人々による口述からみた、生きられた千里ニュ
 ータウン」・『日本建築学会近畿支部研究報告集』pp49-52
• ジャック・デリダ(1999)「歓待の歩み=歓待はない」・ジャック・デリダ アンヌ・デュフールマンテル
 (廣瀬浩司訳)『歓待について』産業図書
• 日本建築学会編(2010)『まちの居場所−まちの居場所をみつける/つくる』東洋書店
• 平田オリザ(1998)『演劇入門』講談社現代新書
• 平田オリザ(2012)『わかりあえないことから』講談社現代新書
• クラレンス・A・ペリー(倉田和四生訳)(1975)『近隣住区論』鹿島出版会 1975年
• 三浦展(1999)『「家族」と「幸福」の戦後史』講談社現代新書
• 山本哲士(2006)『ホスピタリティ原論』新曜社


■ウェブサイト
• ひがしまち街角広場 http://e-machikado.jimdo.com/
• ニュータウン・スケッチ http://senri.xii.jp/newtown-sketch
• 新千里東町 大阪府豊中市自治会 http://e-senri.jp/index.shtml

More Related Content

What's hot

こもゆうチーム活動報告書Vol.2
こもゆうチーム活動報告書Vol.2こもゆうチーム活動報告書Vol.2
こもゆうチーム活動報告書Vol.2aoesupport
 
H28年度城東区地域振興会研修会
H28年度城東区地域振興会研修会H28年度城東区地域振興会研修会
H28年度城東区地域振興会研修会
Akira Inada
 
Nt金沢2013をやってみた
Nt金沢2013をやってみたNt金沢2013をやってみた
Nt金沢2013をやってみた
Junichi Akita
 
Well Yokodai Outline ver.2.4
Well Yokodai Outline ver.2.4Well Yokodai Outline ver.2.4
Well Yokodai Outline ver.2.4
hirotaka akemi
 
「ツール・ド」コースクリエイター教本
「ツール・ド」コースクリエイター教本「ツール・ド」コースクリエイター教本
「ツール・ド」コースクリエイター教本
KOU HAKA
 
【公開用】成果発表資料 Ver.2.0
【公開用】成果発表資料 Ver.2.0【公開用】成果発表資料 Ver.2.0
【公開用】成果発表資料 Ver.2.0
Misako Uehara
 
七尾組(公開用)
七尾組(公開用)七尾組(公開用)
七尾組(公開用)Seiji Kajimura
 
「ロケ地 × 謎解き!」企画プレゼン資料
「ロケ地 × 謎解き!」企画プレゼン資料「ロケ地 × 謎解き!」企画プレゼン資料
「ロケ地 × 謎解き!」企画プレゼン資料
浦安ロケーションボックス
 
Library seminar in kagawa
Library seminar in kagawaLibrary seminar in kagawa
Library seminar in kagawa
Manabu Shimada
 

What's hot (9)

こもゆうチーム活動報告書Vol.2
こもゆうチーム活動報告書Vol.2こもゆうチーム活動報告書Vol.2
こもゆうチーム活動報告書Vol.2
 
H28年度城東区地域振興会研修会
H28年度城東区地域振興会研修会H28年度城東区地域振興会研修会
H28年度城東区地域振興会研修会
 
Nt金沢2013をやってみた
Nt金沢2013をやってみたNt金沢2013をやってみた
Nt金沢2013をやってみた
 
Well Yokodai Outline ver.2.4
Well Yokodai Outline ver.2.4Well Yokodai Outline ver.2.4
Well Yokodai Outline ver.2.4
 
「ツール・ド」コースクリエイター教本
「ツール・ド」コースクリエイター教本「ツール・ド」コースクリエイター教本
「ツール・ド」コースクリエイター教本
 
【公開用】成果発表資料 Ver.2.0
【公開用】成果発表資料 Ver.2.0【公開用】成果発表資料 Ver.2.0
【公開用】成果発表資料 Ver.2.0
 
七尾組(公開用)
七尾組(公開用)七尾組(公開用)
七尾組(公開用)
 
「ロケ地 × 謎解き!」企画プレゼン資料
「ロケ地 × 謎解き!」企画プレゼン資料「ロケ地 × 謎解き!」企画プレゼン資料
「ロケ地 × 謎解き!」企画プレゼン資料
 
Library seminar in kagawa
Library seminar in kagawaLibrary seminar in kagawa
Library seminar in kagawa
 

Viewers also liked

120601Design Methods of Community Cafés
120601Design Methods of Community Cafés120601Design Methods of Community Cafés
120601Design Methods of Community Cafést-yasuhiro
 
120616グリーンベルト(アメリカニュータウンの75周年記念行事)
120616グリーンベルト(アメリカニュータウンの75周年記念行事)120616グリーンベルト(アメリカニュータウンの75周年記念行事)
120616グリーンベルト(アメリカニュータウンの75周年記念行事)t-yasuhiro
 
150714居場所ハウスの紹介
150714居場所ハウスの紹介150714居場所ハウスの紹介
150714居場所ハウスの紹介t-yasuhiro
 
101007海外ニュータウンの地域アーカイブ・プロジェクト
101007海外ニュータウンの地域アーカイブ・プロジェクト101007海外ニュータウンの地域アーカイブ・プロジェクト
101007海外ニュータウンの地域アーカイブ・プロジェクトt-yasuhiro
 
110126まちの居場所における主
110126まちの居場所における主110126まちの居場所における主
110126まちの居場所における主t-yasuhiro
 
100529子どもと大人との中間的な関係が生まれる地域の場所
100529子どもと大人との中間的な関係が生まれる地域の場所100529子どもと大人との中間的な関係が生まれる地域の場所
100529子どもと大人との中間的な関係が生まれる地域の場所t-yasuhiro
 
111008欧米の計画住宅地のアーカイブ
111008欧米の計画住宅地のアーカイブ111008欧米の計画住宅地のアーカイブ
111008欧米の計画住宅地のアーカイブt-yasuhiro
 

Viewers also liked (7)

120601Design Methods of Community Cafés
120601Design Methods of Community Cafés120601Design Methods of Community Cafés
120601Design Methods of Community Cafés
 
120616グリーンベルト(アメリカニュータウンの75周年記念行事)
120616グリーンベルト(アメリカニュータウンの75周年記念行事)120616グリーンベルト(アメリカニュータウンの75周年記念行事)
120616グリーンベルト(アメリカニュータウンの75周年記念行事)
 
150714居場所ハウスの紹介
150714居場所ハウスの紹介150714居場所ハウスの紹介
150714居場所ハウスの紹介
 
101007海外ニュータウンの地域アーカイブ・プロジェクト
101007海外ニュータウンの地域アーカイブ・プロジェクト101007海外ニュータウンの地域アーカイブ・プロジェクト
101007海外ニュータウンの地域アーカイブ・プロジェクト
 
110126まちの居場所における主
110126まちの居場所における主110126まちの居場所における主
110126まちの居場所における主
 
100529子どもと大人との中間的な関係が生まれる地域の場所
100529子どもと大人との中間的な関係が生まれる地域の場所100529子どもと大人との中間的な関係が生まれる地域の場所
100529子どもと大人との中間的な関係が生まれる地域の場所
 
111008欧米の計画住宅地のアーカイブ
111008欧米の計画住宅地のアーカイブ111008欧米の計画住宅地のアーカイブ
111008欧米の計画住宅地のアーカイブ
 

Similar to 130221「まち」と「居場所」

たつみ自己紹介用_2019.08ver
たつみ自己紹介用_2019.08verたつみ自己紹介用_2019.08ver
たつみ自己紹介用_2019.08ver
ssuserab9114
 
【10/18@リトルトーキョー】久米島町地域おこし協力隊 採用メッセージ by島ぐらしコンシェルジュ 石坂
【10/18@リトルトーキョー】久米島町地域おこし協力隊 採用メッセージ by島ぐらしコンシェルジュ 石坂【10/18@リトルトーキョー】久米島町地域おこし協力隊 採用メッセージ by島ぐらしコンシェルジュ 石坂
【10/18@リトルトーキョー】久米島町地域おこし協力隊 採用メッセージ by島ぐらしコンシェルジュ 石坂
shimagurashi
 
社会の隙間で暮らしをDiy!
社会の隙間で暮らしをDiy!社会の隙間で暮らしをDiy!
社会の隙間で暮らしをDiy!
iketo hirokuni
 
自分ごと → 自分たちごと → ? 何のためのソーシャルデザイン? あるいは、芸術とデモクラシーをめぐる覚え書き
自分ごと → 自分たちごと → ? 何のためのソーシャルデザイン? あるいは、芸術とデモクラシーをめぐる覚え書き自分ごと → 自分たちごと → ? 何のためのソーシャルデザイン? あるいは、芸術とデモクラシーをめぐる覚え書き
自分ごと → 自分たちごと → ? 何のためのソーシャルデザイン? あるいは、芸術とデモクラシーをめぐる覚え書き
Yoshihiro Kanematsu
 
掲示板プロジェクト
掲示板プロジェクト掲示板プロジェクト
掲示板プロジェクトYukie Tamagawa
 
「まち、ときどきむら」イベント資料1016
「まち、ときどきむら」イベント資料1016「まち、ときどきむら」イベント資料1016
「まち、ときどきむら」イベント資料1016Etsuko Nagayama
 
「まち、ときどきむら」イベント資料
「まち、ときどきむら」イベント資料「まち、ときどきむら」イベント資料
「まち、ときどきむら」イベント資料Etsuko Nagayama
 
東京の若者はなぜ利賀村を訪れるのか
東京の若者はなぜ利賀村を訪れるのか東京の若者はなぜ利賀村を訪れるのか
東京の若者はなぜ利賀村を訪れるのか
Etsuko Nagayama
 
川崎オープンデータデイ2014 街歩きワークショップ
川崎オープンデータデイ2014 街歩きワークショップ川崎オープンデータデイ2014 街歩きワークショップ
川崎オープンデータデイ2014 街歩きワークショップ
s3works
 

Similar to 130221「まち」と「居場所」 (9)

たつみ自己紹介用_2019.08ver
たつみ自己紹介用_2019.08verたつみ自己紹介用_2019.08ver
たつみ自己紹介用_2019.08ver
 
【10/18@リトルトーキョー】久米島町地域おこし協力隊 採用メッセージ by島ぐらしコンシェルジュ 石坂
【10/18@リトルトーキョー】久米島町地域おこし協力隊 採用メッセージ by島ぐらしコンシェルジュ 石坂【10/18@リトルトーキョー】久米島町地域おこし協力隊 採用メッセージ by島ぐらしコンシェルジュ 石坂
【10/18@リトルトーキョー】久米島町地域おこし協力隊 採用メッセージ by島ぐらしコンシェルジュ 石坂
 
社会の隙間で暮らしをDiy!
社会の隙間で暮らしをDiy!社会の隙間で暮らしをDiy!
社会の隙間で暮らしをDiy!
 
自分ごと → 自分たちごと → ? 何のためのソーシャルデザイン? あるいは、芸術とデモクラシーをめぐる覚え書き
自分ごと → 自分たちごと → ? 何のためのソーシャルデザイン? あるいは、芸術とデモクラシーをめぐる覚え書き自分ごと → 自分たちごと → ? 何のためのソーシャルデザイン? あるいは、芸術とデモクラシーをめぐる覚え書き
自分ごと → 自分たちごと → ? 何のためのソーシャルデザイン? あるいは、芸術とデモクラシーをめぐる覚え書き
 
掲示板プロジェクト
掲示板プロジェクト掲示板プロジェクト
掲示板プロジェクト
 
「まち、ときどきむら」イベント資料1016
「まち、ときどきむら」イベント資料1016「まち、ときどきむら」イベント資料1016
「まち、ときどきむら」イベント資料1016
 
「まち、ときどきむら」イベント資料
「まち、ときどきむら」イベント資料「まち、ときどきむら」イベント資料
「まち、ときどきむら」イベント資料
 
東京の若者はなぜ利賀村を訪れるのか
東京の若者はなぜ利賀村を訪れるのか東京の若者はなぜ利賀村を訪れるのか
東京の若者はなぜ利賀村を訪れるのか
 
川崎オープンデータデイ2014 街歩きワークショップ
川崎オープンデータデイ2014 街歩きワークショップ川崎オープンデータデイ2014 街歩きワークショップ
川崎オープンデータデイ2014 街歩きワークショップ
 

More from t-yasuhiro

120414都市住宅学会「「住みこなし」によるニュータウンの新しい価値」:千里ニュータウンをフィールドにして
120414都市住宅学会「「住みこなし」によるニュータウンの新しい価値」:千里ニュータウンをフィールドにして120414都市住宅学会「「住みこなし」によるニュータウンの新しい価値」:千里ニュータウンをフィールドにして
120414都市住宅学会「「住みこなし」によるニュータウンの新しい価値」:千里ニュータウンをフィールドにして
t-yasuhiro
 
181201ホームホスピス全国合同研修会
181201ホームホスピス全国合同研修会181201ホームホスピス全国合同研修会
181201ホームホスピス全国合同研修会
t-yasuhiro
 
181020第43回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナー
181020第43回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナー181020第43回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナー
181020第43回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナー
t-yasuhiro
 
180430ディスカバー千里〜ニュータウンを歴史と空間から考える〜
180430ディスカバー千里〜ニュータウンを歴史と空間から考える〜180430ディスカバー千里〜ニュータウンを歴史と空間から考える〜
180430ディスカバー千里〜ニュータウンを歴史と空間から考える〜
t-yasuhiro
 
160929新千里東町団地 ひがしまち街角広場
160929新千里東町団地 ひがしまち街角広場160929新千里東町団地 ひがしまち街角広場
160929新千里東町団地 ひがしまち街角広場
t-yasuhiro
 
160523写真でみる居場所ハウスの歩み
160523写真でみる居場所ハウスの歩み160523写真でみる居場所ハウスの歩み
160523写真でみる居場所ハウスの歩み
t-yasuhiro
 
150518都市の歩き方
150518都市の歩き方150518都市の歩き方
150518都市の歩き方
t-yasuhiro
 
150518車止図鑑
150518車止図鑑150518車止図鑑
150518車止図鑑
t-yasuhiro
 
150518大きな本 新千里東町編
150518大きな本 新千里東町編150518大きな本 新千里東町編
150518大きな本 新千里東町編
t-yasuhiro
 
150518千里今昔
150518千里今昔150518千里今昔
150518千里今昔
t-yasuhiro
 
150518千里のみんなでつくった大きな本
150518千里のみんなでつくった大きな本150518千里のみんなでつくった大きな本
150518千里のみんなでつくった大きな本
t-yasuhiro
 
150518ひがしまち街角広場 2001 2012
150518ひがしまち街角広場 2001 2012150518ひがしまち街角広場 2001 2012
150518ひがしまち街角広場 2001 2012
t-yasuhiro
 
150518こどもたちにとってのひがしまち
150518こどもたちにとってのひがしまち150518こどもたちにとってのひがしまち
150518こどもたちにとってのひがしまち
t-yasuhiro
 
150517大きな本〜人が読む風景〜
150517大きな本〜人が読む風景〜150517大きな本〜人が読む風景〜
150517大きな本〜人が読む風景〜
t-yasuhiro
 
150213豊能地区の事例から学ぶみんなで取り組む協働のまちづくり
150213豊能地区の事例から学ぶみんなで取り組む協働のまちづくり150213豊能地区の事例から学ぶみんなで取り組む協働のまちづくり
150213豊能地区の事例から学ぶみんなで取り組む協働のまちづくり
t-yasuhiro
 
150103府営新千里東住宅の住まい方の変遷
150103府営新千里東住宅の住まい方の変遷150103府営新千里東住宅の住まい方の変遷
150103府営新千里東住宅の住まい方の変遷
t-yasuhiro
 
130113千里ニュータウンの初期の住区別世帯数の推移
130113千里ニュータウンの初期の住区別世帯数の推移130113千里ニュータウンの初期の住区別世帯数の推移
130113千里ニュータウンの初期の住区別世帯数の推移t-yasuhiro
 
130131千里ニュータウンの初期の住区別世帯人数の推移
130131千里ニュータウンの初期の住区別世帯人数の推移130131千里ニュータウンの初期の住区別世帯人数の推移
130131千里ニュータウンの初期の住区別世帯人数の推移t-yasuhiro
 
130131千里ニュータウンの初期の住区別人口の推移
130131千里ニュータウンの初期の住区別人口の推移130131千里ニュータウンの初期の住区別人口の推移
130131千里ニュータウンの初期の住区別人口の推移t-yasuhiro
 
121211千里ニュータウンの人口ピラミッド[2012年春]
121211千里ニュータウンの人口ピラミッド[2012年春]121211千里ニュータウンの人口ピラミッド[2012年春]
121211千里ニュータウンの人口ピラミッド[2012年春]t-yasuhiro
 

More from t-yasuhiro (20)

120414都市住宅学会「「住みこなし」によるニュータウンの新しい価値」:千里ニュータウンをフィールドにして
120414都市住宅学会「「住みこなし」によるニュータウンの新しい価値」:千里ニュータウンをフィールドにして120414都市住宅学会「「住みこなし」によるニュータウンの新しい価値」:千里ニュータウンをフィールドにして
120414都市住宅学会「「住みこなし」によるニュータウンの新しい価値」:千里ニュータウンをフィールドにして
 
181201ホームホスピス全国合同研修会
181201ホームホスピス全国合同研修会181201ホームホスピス全国合同研修会
181201ホームホスピス全国合同研修会
 
181020第43回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナー
181020第43回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナー181020第43回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナー
181020第43回法政大学大学院まちづくり都市政策セミナー
 
180430ディスカバー千里〜ニュータウンを歴史と空間から考える〜
180430ディスカバー千里〜ニュータウンを歴史と空間から考える〜180430ディスカバー千里〜ニュータウンを歴史と空間から考える〜
180430ディスカバー千里〜ニュータウンを歴史と空間から考える〜
 
160929新千里東町団地 ひがしまち街角広場
160929新千里東町団地 ひがしまち街角広場160929新千里東町団地 ひがしまち街角広場
160929新千里東町団地 ひがしまち街角広場
 
160523写真でみる居場所ハウスの歩み
160523写真でみる居場所ハウスの歩み160523写真でみる居場所ハウスの歩み
160523写真でみる居場所ハウスの歩み
 
150518都市の歩き方
150518都市の歩き方150518都市の歩き方
150518都市の歩き方
 
150518車止図鑑
150518車止図鑑150518車止図鑑
150518車止図鑑
 
150518大きな本 新千里東町編
150518大きな本 新千里東町編150518大きな本 新千里東町編
150518大きな本 新千里東町編
 
150518千里今昔
150518千里今昔150518千里今昔
150518千里今昔
 
150518千里のみんなでつくった大きな本
150518千里のみんなでつくった大きな本150518千里のみんなでつくった大きな本
150518千里のみんなでつくった大きな本
 
150518ひがしまち街角広場 2001 2012
150518ひがしまち街角広場 2001 2012150518ひがしまち街角広場 2001 2012
150518ひがしまち街角広場 2001 2012
 
150518こどもたちにとってのひがしまち
150518こどもたちにとってのひがしまち150518こどもたちにとってのひがしまち
150518こどもたちにとってのひがしまち
 
150517大きな本〜人が読む風景〜
150517大きな本〜人が読む風景〜150517大きな本〜人が読む風景〜
150517大きな本〜人が読む風景〜
 
150213豊能地区の事例から学ぶみんなで取り組む協働のまちづくり
150213豊能地区の事例から学ぶみんなで取り組む協働のまちづくり150213豊能地区の事例から学ぶみんなで取り組む協働のまちづくり
150213豊能地区の事例から学ぶみんなで取り組む協働のまちづくり
 
150103府営新千里東住宅の住まい方の変遷
150103府営新千里東住宅の住まい方の変遷150103府営新千里東住宅の住まい方の変遷
150103府営新千里東住宅の住まい方の変遷
 
130113千里ニュータウンの初期の住区別世帯数の推移
130113千里ニュータウンの初期の住区別世帯数の推移130113千里ニュータウンの初期の住区別世帯数の推移
130113千里ニュータウンの初期の住区別世帯数の推移
 
130131千里ニュータウンの初期の住区別世帯人数の推移
130131千里ニュータウンの初期の住区別世帯人数の推移130131千里ニュータウンの初期の住区別世帯人数の推移
130131千里ニュータウンの初期の住区別世帯人数の推移
 
130131千里ニュータウンの初期の住区別人口の推移
130131千里ニュータウンの初期の住区別人口の推移130131千里ニュータウンの初期の住区別人口の推移
130131千里ニュータウンの初期の住区別人口の推移
 
121211千里ニュータウンの人口ピラミッド[2012年春]
121211千里ニュータウンの人口ピラミッド[2012年春]121211千里ニュータウンの人口ピラミッド[2012年春]
121211千里ニュータウンの人口ピラミッド[2012年春]
 

130221「まち」と「居場所」

  • 2. 2 『まちの居場所』 「私的な場所でもなく、形式ばった場所でもなく、人が思い思いに居合わせられる場 所。そして、新たに地縁を結びなおす場所」 01 やゑさん家 02 グループホームなも 03 はっぴいひろば 04 ひがしまち街角広場 05 ワタミチ 06 育ち愛ほっと館 07 佐倉市ヤングプラザ 08 フリースクール 東京シューレ 09 紺屋2023 10 仮設de仮設カフェ 11 親と子の談話室・とぽす 12 下新庄さくら園 13 いちょう団地 14 覚王山アパート・覚王山商店街 15 住宅街の公園「烏山プレーパーク」 16 万代池公園 17 御射山公園 建築学会 18 島原湧水群「浜ん川」洗い場 19 湊町リバープレイス 環境行動研究小委員会
  • 3. 3 施設/まちの居場所 「近代は純粋なビルディングタイプ〔=構成や形式がある特徴をもつ施設の類型〕を想定しなが ら、必要とされる機能を計画学〔=建築計画学〕が解析し、設計のための資料集成を整備した時 代だった。学校、工場、病院、美術館など、それぞれの施設の各部分の推奨すべき寸法や空間の 組み合わせは、研究によって集積され、マニュアルとして本にまとめられる。 近代化とは各地に 標準のビルディングタイプをそろえることでもあったから、設計資料集成の恩恵は計り知れな い。」(五十嵐・大川, 2002) ■施設=institution=制度 機能が外部化 教育施設 医療施設 住 宅 専門家/非専門家の役割分離 商業施設 ○○施設 →非専門家は施設の開設者・運営者ではなく、利用者 ■「まちの居場所」 ・専門家ではない人々が必要にせまられて開き、運営 ・担っている機能が多様 →近代の施設計画に対する異議申立て
  • 4. 4 ニュータウン 専門家によって「住宅+諸施設」として隅々まで計画 郊外の問題(三浦, 1999) ①共同性の欠如 / ②働く姿が見えない / ③均質性 ④生活空間が機能主義的すぎる / ⑤すべてが私有財産でありすぎる 2001年9月30日、千里ニュータウンに 「ひがしまち街角広場」が開かれた ■「街角広場」元代表のAさん ニュータウンの中には、そういう、何となく過ご せる、みんなが何となくぶらっと集まって喋れ る、ゆっくり過ごせるっていう場所はございませ んでした。そういう場所が欲しいなと思ってたん ですけど、なかなかそういう場所、こういう地域 写真:井上博道 で確保することができなかったんです。 (「ディスカバー千里」収集資料より)
  • 5. 5 「ひがしまち街角広場」(以下「街角広場」) ○「街角広場」の研究 ○「街角広場」の記録 ○「街角広場」で出会った方々との活動  ・千里グッズの会  ・千里ニュータウン研究・情報センター
  • 6. 6 発表の内容 1.「ひがしまち街角広場」の紹介 2.「ひがしまち街角広場」のしつらえ 3.千里ニュータウンと「ひがしまち街角広場」 4.「ひがしまち街角広場」の課題・これから 5.まとめ
  • 8. 8 「街角広場」 • 所在地:大阪府豊中市新千里東町 • オープン:2001年9月30日 / 2006年5月に移転 • 運営日:月曜∼土曜日 • 時間:11:00∼16:00 (16:00以降はミーティングの場として貸切可能) 移転前 • 運営主体:ひがしまち街角広場運営委員会 • 代表:Aさん(女性/∼2011) Yさん(男性/2011∼) • スタッフ:約12名のボランティア(2013年2月時点) • 建物:近隣センターの空き店舗を活用 • 面積:移転前:約30㎡ / 移転後:約75㎡ • 来訪者:1日に約30∼40人 • 高齢者、子育て中の母親、近くの小学校の子ども 等 移転後
  • 9. 9 新千里東町近隣センター 写真:太田博一
  • 10. 10 オープンのきっかけ・歩み • 2000年:新千里東町が国土交通省の「歩いて暮らせるまちづくり」事業のモデル地区に指 定(全国で20地区が指定) • 2001年9月:豊中市の半年間の社会実験としてスタート • 2002年3月: 運営継続の希望に応えて「自主運営」開始 (補助金に頼らず、飲物等の売上げで家賃・光熱費等を賄う) • 2006年5月:店舗の利用契約が切れたため他の空店舗に移転 • 2011年10月:オープン10周年記念パーティ開催
  • 11. 11 日常の様子 移転前 移転後
  • 12. 12 「お水ちょ∼だい」とやって来る子どもたち 移転前 移転後 写真:尹俊到 写真:尹俊到
  • 13. 13 日々の運営を担うボランティアスタッフ 年 月 日 a t m I y k f n y t I t o h I u n y 1 7 月 ● ● ● 1 8 火 ● ● ● 1 9 水 ● ● ● ● 2002 1 10 木 ● ● ● 1 11 金 ● ● 1 12 土 ● ● ● 1 17 月 ● ● ● 1 18 火 ● ● ● 1 19 水 ● ● 2005 1 20 木 ● ● ● 1 21 金 ● ● 1 22 土 ● ● 1 7 月 ● ● 1 8 火 ● ● ● • 現在(2013年2月)、ボランティア 1 9 水 ● ● スタッフのほとんどが女性 2008 1 10 木 ● ● ● (男性は1人)。 1 11 金 ● ● ● • イベント、移転作業等の際は男性 1 12 土 ● ● ● の協力もある。 *「街角広場」運営日誌より
  • 14. 14 飲物は「お気持ち料」100円 Aさん:定価いくらとは書いてない、「お気持ち 料」という。だから、100円以上いくら でもいいですよって言うの。・・・・・・、基 本はそれぐらいですよっていうことだけ で、営業というかたちをとってません。 Aさん: 営業としてね、大きく構えてするとなっ たら、もう絶対かちっとしないとダメだ と、・・・・・・、ここは、ただ家へ来た人に お茶出してるという感がある。そういう のをメインにして。・・・・・・、置いてある お茶を勝手にいれて飲んでるという建て 前です。 ●当初:テーブルの上の貯金箱に入れる ●現在:スタッフに直接渡すかたちに変更 貯金箱
  • 15. 15 「街角広場」から生まれた活動/を拠点とする活動 千里ニュータウンにおける市民活動の連鎖(直田, 2008) 千里竹の会 千里・住まいの学校 東丘ダディーズクラブ 千里グッズの会 →「街角広場」は活動のミーティングにも利用(主に夕方以降)
  • 16. 16 周年記念行事(10月)・たけのこ祭り(5月) 写真:東町新聞委員会 写真:尹俊到 写真:東町新聞委員会 周年記念行事 たけのこ祭り
  • 18. 18 「しつらえ」としてのホスピタリティ(歓待) 「ホスピタリティは「もてなし」ではない、むしろ《しつらえ》である。 人と人との関係が成立しうるために、場を〈しつらえる〉のだ。モノによ って雰囲気によって、言葉にならぬものによって《しつらえ》がなされ る。つまり、人とモノと場所とが非分離になる環境がしつらえられること である。したがって、ホスピタリティは「コミュニケーション」ではな い。ある場の《気》をつくりだすことだ。「気に入る」「気がおちつく」 「気がやすまる」場をつくりだす。」 * 山本哲士(2006)『ホスピタリティ原論』新曜社 →どのようにしつらえられた場所なのかに注目
  • 19. 19 「会話」と「対話」(劇作家・平田オリザによる) 「会話」=価値観や生活習慣なども近い親しい者同士のおしゃべり。 「対話」=あまり親しくない人同士の価値観や情報の交換。 *平田オリザ(2012) 写真:尹俊到 「街角広場」 会 対 話 話 ※研究者(調査者)と地域の人との「対話」 「街角広場」は、地域の人同士の「会話」「対話」の場面に研究者が居合わせること(写真 を撮影すること)が可能な場所でもある。 →どのような場所であれば「対話」が生じやすいか?
  • 20. 20 「セミパブリックな空間」 平田オリザによる空間の分類(平田, 1998) プライベートな空間 セミパブリックな空間 パブリックな空間 父 母 他者 内部 内部 姉 弟 他者 家の茶の間 大学研究室 / 美術館ロビー 道ばた / 広場 • 知り合いしか登場しないので、 • 内部の人々がいて、そこに外部 • 人々はその場所を通り過ぎるだ 「会話」は弾むが「対話」は生 の人々が出入り自由 けだから、「会話」すら成り立 まれない。 • 「対話」が生まれる ちにくい。 ※自由に出入りできない ※内部の人々がいない 内部の人 外部の人 スタッフ、常連の人、時々やって来る人、子ども、研究者、学生、見学者
  • 21. 21 「セミパブリックな空間」を実現する 「街角広場」のしつらえ ●毎日場所を開ける ●お店として運営する ●「まち」の情報が集まる場所にする ●過ごし方を強要しない ●主客の関係を固定しない ●ありあわせのものでしつらえていく ●運営内容・目的をあらかじめ決めてしまわない
  • 22. 22 毎日場所を開ける ・気が向いた時にふらっと立ち寄れる ・わざわざ予定・予約しなくていい Aさん:始めた時の趣旨としましては、何はともあれ、毎日する。・・・・・・、週に1回とか、月 に何回というのは、誰でもいつでも行ってみようかなと思った時に行けない、自由 に出入りしてもらえない。・・・・・・、いつでも行ったら開いてるという安心感が一つ の目的で毎日やっておりました。 Aさん:団地にあります集会所っていうのは、要するに目的がきっちりしていて、申し込ん でおかないと使えないんですね。 お店として運営する ・「お気持ち料」だがお店のかたちで運営されている ・訪れるため、過ごすための大義名分が無くてもよい
  • 23. 23 「まち」の情報が集まる場所にする ・「まち」の人が運営している/集まる ・「まち」(「まち」の情報)の窓口になる Aさん:「あそこへ預けとくから、あそこで、言っとくから」っていうふうな地域の情報の 交差点にもなっております。 Aさん:直接誰に言ってわからないことを、ここで大きな声で叫べば誰かが聞いてくれる。 Aさん:私はもう学校へ働きかけて、「せっかくだから、ここを起点として学校の情報を外 に出すことを考えたらどうですか?」っていうふうに言って。で、「街角」にはい つでも学校の関係の、学校通信が貼られたり。 掲示期間の過ぎた掲示物 の整理が毎朝の仕事
  • 24. 24 過ごし方を強要しない ・一人でも居られる/居合わせた人と無理に関わらなくていい ・みなで一緒の活動(会話)に参加しなくてもいい Aさん:大きなテーブルで周りにいるのもいいだろうと思うけども、やっぱりそんなんだっ たら、自分1人だけのテーブルでこうやりたい時もあるかもしれない。それは、そ の時々で、自由に使いこなせるようなものがいいみたいに思いますね。
  • 25. 25 主客の関係を固定しない ・サービスを提供する側/受ける側の関係ではない ・地域組織の役割(分担)として運営に関わるわけではない Aさん: 来る方もボランティア、お手伝いしてる方もボランティアっていう感じで、いつでもお互い は何の上下の差もなく、フラットな関係でいられるっていうのがあそこは一番いい。 ●歓待の掟(ジャック・デリダ, 1999『歓待について』産業図書) 「そして客(hôte)すなわち招かれた人質(guest)は招待者の招待者となり主人(host)の主となるので す。・・・・・・。つまり客(guest)が主人(host)の主人(host)となるのです。/この置き換え(=身代わり) によって全員が互いの人質となります。これこそが歓待の掟なのです。」
  • 26. 26 主客の関係を固定しない ・サービスを提供する側/受ける側の関係ではない ・地域組織の役割(分担)として運営に関わるわけではない Aさん:〔有償ボランティアとして〕1円でもお金もらったらね、サービスする方とされる方 になってしまうでしょ。・・・・・・。そしたら座ってて、「お茶遅いなぁ」とかね、 「わしのコーヒーどうなってん?」って言われたって文句言えないでしょ。でも、 ここはそんなんじゃない、みんなボランティアと同じレベルの人間同士だから、暇 やったらこうやって座ってしゃべって、一緒にしゃべりますやん。 Aさん:初めはボランティアの確保が心配だったんです。ですから、・・・・・・、地域の団体で 当番制にしましょう。・・・・・・。ところが半月も経たないうちに、都合が悪いから今 日は出られないからって。そうすると、何か今日は、福祉の日ですよとか、福祉関 係以外の人が何か入りづらい。・・・・・・。それで、それも一切なしにしましょう、こ こに入るボランティアは、みな裃脱いで、肩書き脱いで、個人として入りましょう ということにしました。それで、全くそういう何の団体にも関係の無い方々のボラ ンティアで今もずっときております。
  • 27. 27 ありあわせのものでしつらえていく • 写真や絵画、作品を展示したり、食器や家具等を持ち寄ったりしてしつらえる • 日々の運営を担うスタッフ以外の人でも、運営に関われる余地がある。 ペンキ職人が移転作業に協力 地域の人々の作品が展示 「千里竹の会」による門松 Aさん: もう一から十までありあわせを集めてこしらえたような場所ですから、もうそれこそ、 スプーン1本、 1本、全部持ち寄りのありあわせです。あそこにあるもので買ったもの っていったら、今度できましたカウンターだけです。 Aさん: ゆるやかな規制っていうか、誰が入っていっても、そこでは何かの仕事ができるって。 まぁ普通は、・・・・・・、スタッフ以外の人手出ししたら、ややこしい、邪魔なるから叱ら れるじゃないですか、・・・・・・。ここは、誰が手出ししてもね、「あぁ、じゃあ、そこや っといてくれる」って言って、すぐスタッフになってしまう。その日の、インスタント スタッフ、即席で何でも、スタッフになってもらえるっていう。
  • 28. 28 運営内容・目的をあらかじめ決めてしまわない ・人々の声に応えるかたちで運営していく ・目的の中身が事後的に形成される(場所の意味が事後的に明らかになる) Aさん: あんまり場所づくりしたところで、こちらの押し付けがあったらだめなんですよね。だか ら、はっきり言えば来る人がつくっていく、来る人のニーズに合ったものをつくっていく。 こちらの押し付けはね、やっぱり無理なところがあると思いますね。 Aさん: 企画書よりも、現実にやってみてね、軌道修正はやりながらね、日々の中で軌道修正してい けばいいんだと。 Aさん: 「まず地域交流、コミュニケーションの場所が欲しいんだから、まぁお茶ぐらい飲めるよう にしましょうよ」。・・・・・・、「じゃあ、素人ができることだから、紅茶かコーヒーぐらいし かないねぇ、日本茶も出しましょう」、それぐらい、誰がどんなふうに入れるかかも何も決 まっていません。・・・・・・。明日はどうしたらいいか、今、次の時間はどうしたらいいか、そ ういうことの連続でずっとまいりましたが、オープンからみなさんが、たくさん訪ねて来て くださって、「こういう場所が欲しかったんだ」、「こういう場所っていいね」って言っ て、毎日毎日訪ねて来てくださる方が、色んなところから口コミで増えまして、・・・・・・
  • 29. 29 「まち」(新千里東町)への広がり 街角広場 街角広場 3・3ひろば (分譲マンション) (府営住宅の集会所) コラボ交流カフェ 茶話会 (文化センター) (URの団地集会所) 「街角広場」では「まち」の人々の関係が顕在化(可視化) →「『街角広場』のような場所を作りたい(作れるかもしれない)」  というかたちで、参照することができる
  • 30. 30 住宅と施設(プライベートとパブリック)の間 ニュータウン = 専門家が「住宅+諸施設」として計画 機能が外部化 教育施設 医療施設 住 宅 専門家/非専門家の役割分離 商業施設 ○○施設 →非専門家は施設の開設者・運営者ではなく、利用者 生活を施設(institution)から解放 街角広場 Aさん:ここは、ただ家へ来た人にお茶出してるという感がある。そういうのをメインにし て。・・・・・・、置いてあるお茶を勝手にいれて飲んでるという建て前です。 ・水を飲みに立ち寄った子どもと、大人とが顔見知りになる → 教育 ・常連の人がしばらく顔を見せないと気になって確認する → 福祉 ・母親が買い物をしている間、小さな子どもを預かる → 保育 など、多様な意味を担う
  • 32. 32 戦後の都市への人口集中と千里ニュータウン計画 人口の推移 • まちびらき: 1962(昭和37)年 800万 • 位置:大阪都心から北に約15km 千里NT(1962年∼) • 開発面積:1,160ha 700万 (吹田:791ha、豊中:369ha) • 計画人口:15万人 600万 大阪府 • 計画住戸数:3万7330戸 500万 (大阪市を除く) 400万 300万 200万 大阪市 19分 28分 100万 0万 1945 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 *国勢調査より。1945年のみ推計人口。
  • 33. 33 近隣住区論 クラレンス・ペリー(社会・教育運動家、地域計画研究者)による近隣住区論 (Neighborhood Unit)をベースに計画された。 (1) 規模:小学校1校分の人口 (2) 境界:幹線道路で取り囲まれた住区 (3) 小公園とレクリエーション・スペー スの体系 (4) 住区の中央部か公共広場まわりにま とめられた公共施設 (5) 住区の周辺に配置された商店街地区 (6) 循環交通を促進し、通過交通を防ぐ 住区内の街路網 *クラレンス・A・ペリー(1975)
  • 34. 34 千里ニュータウンの住区 北地区 • 12住区 センター (吹田市8住区・豊中市4住区) • 住区の半径は約500m 新千里東町 • 3つの地区センター • 各住区に1校ずつの小学校 • 2つの住区に1校の中学校 • 住区の中心に近隣センター →歩いて日常生活を送れるように 中央地区 するため、日用品を扱うお店や公 南地区 センター センター 衆浴場、銀行などが営業 ※ 当初計画された住区では、2つの「分 区」から「住区」が構成され、各「分 区」に近隣センターと幼低校(小学校低 学年+幼稚園)が計画された。
  • 35. 35 新千里東町 ・1966年入居 ・全戸が集合住宅 中央地区センター 中学校 幼稚園 府営住宅 分譲マンション 小学校 分譲マンション 保育園 近隣センター UR(旧公団) 0 100m 500m 1,000m
  • 36. 36 近隣センターの役割の変化 • 歩いて日常生活を送れるよう、日用品を扱うお店や公衆浴場、銀行などが計画 • モータリゼーションや府営住宅の風呂場の設置などの影響で、次第に空店舗が増加 入居当初 2000年頃 (上)『千里山タイムス』S42.02.10 (下)『ニュータウン』S41.06.05 空店舗=機能の空白
  • 37. 37 新千里東町の人口の推移 12000人 8000人 4000人 0人 1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 1970年 1980年 1990年 2000年 2010年 80歳以上 80歳以上 80歳以上 80歳以上 70歳以上 70∼79歳 70∼79歳 70∼79歳 70∼79歳 60∼69歳 60∼69歳 60∼69歳 60∼69歳 60∼69歳 50∼59歳 50∼59歳 50∼59歳 50∼59歳 50∼59歳 40∼49歳 40∼49歳 40∼49歳 40∼49歳 40∼49歳 30∼39歳 30∼39歳 30∼39歳 30∼39歳 30∼39歳 20∼29歳 20∼29歳 20∼29歳 20∼29歳 20∼29歳 10∼19歳 10∼19歳 10∼19歳 10∼19歳 10∼19歳 0∼9歳 0∼9歳 0∼9歳 0∼9歳 0∼9歳 0 500 1000 1500 2000 2500 0 500 1000 1500 2000 2500 0 500 1000 1500 2000 0 500 1000 1500 2000 0 500 1000 1500 2000 ※国勢調査における東丘小学校区の人口をもとに作成
  • 38. 38 千里ニュータウンにおける住民活動 千里ニュータウンは最初から完成された「まち」だったわけではない →まちびらき当初、住民が様々な活動・場所を立ち上げたという歴史がある 自治会 カークラブ 団地神社 保育所 生協活動 とんど祭り *上段左から 『千里タイムズ』S44.5.2、『千里山タイムス』S42.5.26、『千里タイムズ』S43.5.17 *下段左から 『千里山タイムス』S40.5.9、『千里山タイムス』S40.5.23、『ニュータウン』S45.2.1
  • 39. 39 入居以来築かれていた関係が「街角広場」へ Xさん:PTAはもうずっと関わって、現役のPTAが終わったら、教育委員会との縁がずっと切 れずに。・・・・・・、自治会関連の仕事したり、地域とはずっと関わって。・・・・・・、 「街角広場」開いた時に、地域の人の知り合いが山ほどいる、色んな関係で。 Xさんが携わってきた主な活動 「街角広場」のスタッフ相関図 *右図は 立川弥生子ほか(2004)より
  • 40. 40 「まち」の歴史が「街角広場」へ ●入居から約40年を経たニュータウンという「まち」 ・地域の核として計画された近隣センターが空店舗に(機能の空白) ・入居以来築かれてきた同世代の人々の関係 ・第一世代の人々が高齢を迎えつつある時期 →このような歴史を経た「まち」において開かれたのが「街角広場」 ・「まち」の歴史が顕在化 ●毎日場所を開ける ●お店として運営する ●「まち」の情報が集まる場所にする ●過ごし方を強要しない 今後も継続可能? ●主客の関係を固定しない ●ありあわせのものでしつらえていく ●運営内容・目的をあらかじめ決めてしまわない
  • 42. 42 近年、新千里東町では集合住宅の建替えが進む 写真:太田博一 分譲マンションの建替え 府営住宅の建替え 中央地区センターのタワーマンション 府営住宅の建替え
  • 43. 43 新千里東町の人口の推移 12000人 8000人 4000人 0人 1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 1970年 1980年 1990年 2000年 2010年 80歳以上 80歳以上 80歳以上 80歳以上 70歳以上 70∼79歳 70∼79歳 70∼79歳 70∼79歳 60∼69歳 60∼69歳 60∼69歳 60∼69歳 60∼69歳 50∼59歳 50∼59歳 50∼59歳 50∼59歳 50∼59歳 40∼49歳 40∼49歳 40∼49歳 40∼49歳 40∼49歳 30∼39歳 30∼39歳 30∼39歳 30∼39歳 30∼39歳 20∼29歳 20∼29歳 20∼29歳 20∼29歳 20∼29歳 10∼19歳 10∼19歳 10∼19歳 10∼19歳 10∼19歳 0∼9歳 0∼9歳 0∼9歳 0∼9歳 0∼9歳 0 500 1000 1500 2000 2500 0 500 1000 1500 2000 2500 0 500 1000 1500 2000 0 500 1000 1500 2000 0 500 1000 1500 2000 ※国勢調査における東丘小学校区の人口をもとに作成
  • 44. 44 近隣センターの役割の変化 (左)近隣センターが描かれていない地図 *分譲マンションのウェブサイト (下)近隣センター自体の建替えも計画 *『建設工業新聞』2012年5月11日
  • 45. 45 「街角広場」の課題・これから 2012月10月、オープン11周年記念行事において、 「街角広場」の課題・これからについて意見交換するワークショップを開催 *「千里グッズの会+大阪大学建築・都市計画論領域」による「大きな本」プロジェクトの一貫として実施 *「大きな本」はおおさかカンヴァス2011選出作品
  • 46. 46 「街角広場」に関する主な意見 ■場所の確保 □ 「今は大家さんのご好意でここでやっているが、近隣センターが建替わると、やっていけ なくなるのではないか。」 □ 「建替えられて新しく街角広場の場所が確保されても、小学校から遠くなると子どもたち が来なくなって、(交流の場としての)街角の意味がなくなる。」 ・空店舗(機能の空白状態)がなくなる ・近隣センターの他に代わりとなる場所がない(住宅+諸施設として計画) ・住戸が全て集合住宅であるため、空家の転用ができない 近隣センターの「東町会館」(市が所有する集会所)について Aさん:それで会館というのは不思議なことにね、個人がね、何か勝手なことする言って借 りれないんですよ。何かの団体がね、・・・・・・、はっきりした目的をもって、あの申 請書を書いて。・・・・・・。もし、そんなに常設でそういうふうに〔=「街角広場」の ように〕使ってしまうっていうことは、・・・・・・、今の運営委員会の、運営委員会規 則からしたら、ちょっとそれは難しいですね。
  • 47. 47 「街角広場」に関する主な意見 ■世代を超えた継承 □ 街角広場の継続よりも、自分自身の体力が続かない。ここに来れば話し相手がいるのでや りたい気はあるのだけれど。 □ 子育て中の若い母親は、子どもを預けてまでボランティアをしようという余裕はないと思 います。 ・同世代の人が一斉に入居したため、第一世代と第二世代の間の人が少ない ■主客の関係 □ 街角を利用される方にお願い。接客する人達もボランティアで入っています。ということ です。(例えば100円払ってやったという感じが時折します。) □ 弁当代ぐらいは欲しい。交通費も弁当代も自分持ちでボランティアをやるのは大変。 ・無償ボランティアで、主客の関係を固定しないというあり方は今後も継承? →ニュータウンという「まち」の特質は「街角広場」の課題としても顕在化
  • 49. 「まちの居場所」は専門家ではない人々が必要にせまられて開き、運営 49 • 近代の施設計画に対する異議申立て 「セミパブリックな空間」としての「街角広場」 • 毎日場所を開ける • お店として運営する • 地域情報が集まる場所にする • 過ごし方を強要しない • 主客の関係を固定しない • ありあわせのものでしつらえていく • 運営内容・目的をあらかじめ決めてしまわない 「まち」の歴史・人々の関係が顕在化(可視化) • 過去の関係が顕在化しているだけでなく、新たな関係も生み出されている • 「街角広場」を参照した場所が周囲に開かれている • 入居から50年を経ても、ニュータウンの特質が「街角広場」の課題として顕在化 「街角広場」は今後もニュータウンという人工的な「まち」と付き合っていかざるを得ない →他のニュータウンと情報交換するために、  ニュータウンではない「まち」と互いに無いものを補い合うために、関係を築くことが必要
  • 51. 51 参考文献・ウェブサイト ■参考文献 • 五十嵐太郎 大川信行(2002)『ビルディングタイプの解剖学』王国社 2002年 • 直田春夫(2008)「市民の力と都市戦略」・『地方自治職員研修』第41巻 No.1 通巻567号 • 立川弥生子ほか(2004)「「ひがしまち街角広場」を支える人々による口述からみた、生きられた千里ニュ ータウン」・『日本建築学会近畿支部研究報告集』pp49-52 • ジャック・デリダ(1999)「歓待の歩み=歓待はない」・ジャック・デリダ アンヌ・デュフールマンテル (廣瀬浩司訳)『歓待について』産業図書 • 日本建築学会編(2010)『まちの居場所−まちの居場所をみつける/つくる』東洋書店 • 平田オリザ(1998)『演劇入門』講談社現代新書 • 平田オリザ(2012)『わかりあえないことから』講談社現代新書 • クラレンス・A・ペリー(倉田和四生訳)(1975)『近隣住区論』鹿島出版会 1975年 • 三浦展(1999)『「家族」と「幸福」の戦後史』講談社現代新書 • 山本哲士(2006)『ホスピタリティ原論』新曜社 ■ウェブサイト • ひがしまち街角広場 http://e-machikado.jimdo.com/ • ニュータウン・スケッチ http://senri.xii.jp/newtown-sketch • 新千里東町 大阪府豊中市自治会 http://e-senri.jp/index.shtml