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MERA / 110129
田中康裕
まちの居場所における
主(あるじ)
2
1.まちの居場所/場所の主
2.注目する3つのカフェ
3.運営者の観点から
4.来訪者の観点から
5.まとめ
1.居場所の概観/場所の主
居場所という言葉
4
版 出版年 意味
初版 1955 いる所。いどころ。
第二版 1969 いるところ。また、すわるところ。いどころ。
第二版補訂版 1976 いるところ。また、すわるところ。いどころ。
第三版 1983 いるところ。いどころ。
第四版 1991 いるところ。いどころ。
第五版 1998 いるところ。いどころ。
第六版 2008 いるところ。いどころ。
●元々は物理的な位置を表す言葉であった。
『広辞苑』に掲載されている「居場所」の意味
●1980年代になり、「学校以外の行き場」という意味で使われるようになる
「居場所」という言葉がマスコミにしばしば登場するようになってきたのは、1980年代に入っ
てからになる。その頃、学校に行かない・行けない子どもたちが目立ち始め、登校拒否現象と
して社会問題になってきたことと深く関わってのことであった。・・・・・・
1980年代半ば、「居場所」といえば、学校に行けない子どもたちのフリースクールやフリース
ペースをさしていた。もともと学校以外の行き場として居場所ということがいわれだしたわけ
だが、・・・・・・
 *荻原健次郎「子ども・若者の居場所の条件」・田中治彦編『子ども・若者の居場所の構想』学陽書房 2001
51975
1977
1979
1981
1983
1985
1987
1989
1991
1993
1995
1997
1999
2001
2003
2005
2007
2009
0 5 10 15 20
*国立国会図書館の蔵書検索システム
「NDL-OPAC」で、「居場所」or「いば
しょ」をキーワードとして「和図書」を
検索した結果をもとに作成。
「居場所」をタイトルに含む単行本の出版数
1975
1977
1979
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「まちの居場所」一覧
(2008)紺屋2023
(2005)ワタミチ
    仮設de仮設カフェ
(2002)湊町リバープレイス
(2003)覚王山アパート・覚王山商店街
(1985)フリースクール 東京シューレ
(1987)親と子の談話室・とぽす
(1995)住宅街の公園「烏山プレーパーク」
(1998)佐倉市ヤングプラザ
子ども
(2004)やゑさん家
    グループホームなも
高齢者
(2000)下新庄さくら園
フリー
スペース(2001)はっぴいひろば
 ひがしまち街角広場
    育ち愛ほっと館
7
お店
学び・ケアの場 住宅
「自分達が生活する地域を、自分達の手で、住みやすいものにしたい」
という思いをきっかけに、様々な場所が開かれている。
:子育て・介護の支援、仕事の創出、既存ストックの活用etc
1975
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「まちの居場所」一覧
(2008)紺屋2023
(2005)ワタミチ
    仮設de仮設カフェ
(2002)湊町リバープレイス
(2003)覚王山アパート・覚王山商店街
(1985)フリースクール 東京シューレ
(1987)親と子の談話室・とぽす
(1995)住宅街の公園「烏山プレーパーク」
(1998)佐倉市ヤングプラザ
(2004)やゑさん家
    グループホームなも
(2000)下新庄さくら園
(2001)はっぴいひろば
 ひがしまち街角広場
    育ち愛ほっと館
場所の主(あるじ)
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ある場所に(いつも)居て、その場所を大切に思い、
その場所(の運営)において何らかの役割を担っている人であり、
その場所とセットでしか語り得ない人 (p45)
赤井さん
(街角広場代表)
和南さん
(さくら園代表)
・彼女ら抜きでは、今のような場所として成立することはなかった。
・場所のあり方についての考えに共通点が多い。
白根さん
(とぽす運営者)
場所に対して「私」が責任をもつという名乗り
10
和南:新しいお客さんとか、ちょっと難しそうなお客さんはね。ボランティアさん泣
かせる人もあるからね。そういう時、私出ていくんですよねぇ。・・・・・・だから
色んな人来られるから、守らないかんし、私が守っていかな。
和南:[大阪府は「さくら園の」]運営委員は自治会の会員がなるとかいう、ひとつ
の枠を作って持って来たんです。でもそれは、私の方で消していったのね。そ
れはできないと。自治会の会長で、毎年替わっていくと、こういうものは運営
できない。
白根:[校長先生が]「そこで何か事件が起きたらどうするんですか?」って言うか
ら、「いや、私が全部責任持ちます」って返事をしたんです。「じゃあ、わか
りました」って言って。
赤井:もし[ボランティアをする人が]誰もいなかったら、私1人でもいいわと思って
たんですけど、色んなところから、協力者が出てきてくれて、
(実際に責任をとるか否かではなく、名乗り自体が意味をもつ)
平田オリザ(劇作家)による空間の分類
11
演劇では、知り合い同士の「会話」ではなく、互いに相手のことをよく知らない人同
士の「対話」によって、観客に情報を伝える必要がある。
プライベートな空間 セミパブリックな空間 パブリックな空間
家の茶の間 大学研究室 / 美術館ロビー 道ばた / 広場
• 知り合いしか登場しないの
で、「会話」は弾むが「対
話」は生まれない。
• 内部の人々がいて、そこに外
部の人々が出入り自由
• 「対話」が生まれる
• 人々はその場所を通り過ぎる
だけだから、「会話」すら成
り立ちにくい。
父 母
姉 弟
内部
他者
他者
内部
自由に出入りできない
(そこに誰もいなければ)
出入りの自由さは意識されない
ある特定の人物(主)との関係性によって、自由な出入りが実現される
→自由な出入りを可能とするために、どのようなことが考えられているか?
「主」と「客」
12
host(英語) guest(英語)
hôte(仏語)hôte(仏語)
hostis 自分の贈与を反対贈与(給付)によって埋め合わせる者 = 客
-pet- 個人のアイデンティティ
*エミール・バンヴェニスト『インド=ヨーロッパ諸制度語彙集I』言叢社 1986年
hospes(ラテン語) hostis (ラテン語)
「主」とは「お返しをする者」によりアイデンティティを与えられる者
= hosti -pet-
主 客
あらゆる場所・施設には、開設者、運営の中心となる人物が存在する。
(館長、店長、施設長、校長、園長など)
→このような人物が「主」であるかどうかは、客によって変えられるかどう
か、客からの手助けを受けられる存在であるかどうかによるのではないか?
他者に対して開かれた存在としての「主」
13
和南:私ね、思ってることね、「2人、大将はいらん」いうこと、・・・(略)・・・。だか
ら、何でも、ここやり出したら、あの子に「喫茶」を任せる。そしたら、私が
口出ししない。2人が口出しするとね、迷うでしょ。・・・(略)・・・。私ずっとそ
んなんですから、「よきにはからえ」いう感じだから。だから、任せてしま
うっていうような感じ。
白根:お客さんによって自分も変わっていくんですね。で、いいことばっかりではな
くて、やっぱり大変なこともなんかも、起こる。・・・・・・。そういう時に、色ん
なことを学ぶんですよね、みんなでね。
赤井:私自身としてはね、持ち場、持ち場がみなあって、やり出したら、その人たち
の責任でもってやってもらってるから、あまり細かいことに口出しはしないけ
れども、・・・(略)・・・。一々こちらがね、一から十まで指図しながらやってた
らね、全部細かく、そんなことできないでしょ。
(自分だけで完結しないこと)
主 客
14
○開設・運営の中心となる人は、
 どのようにして人々の自由な出入りを実現しようとしているのか。
 :「主→客」の観点から「まちの居場所」を捉える。  3
○「まちの居場所」を訪れる人々は、
 その場所の運営にどう関わっているか、協力しているのか。
 :「主→客」の観点から「まちの居場所」を捉える。  4
2.注目する3つのカフェ
親と子の談話室・とぽす
16
親と子の談話室・とぽす
17
• 所在地:東京都江戸川区
• オープン:1987年4月
• 運営日:月曜∼金曜日(現在)
• 時間:11:00∼19:00頃(現在)
• 運営者:白根良子さん
• 建物:知人に設計を依頼し、自宅の敷地の一
画に新築
• 面積:約65㎡
• オープンの経緯:思春期の子どもたちには、ゆっくりできる場所、様々な大人と出
会える場所が必要だという白根さんの個人的な思いをきっかけとしてオープン。
• 来訪者:現在は30∼50代の人(女性)が1人で訪れることが多くい。精神の病を抱え
る人も訪れる。学校帰りの小学生が、水を飲みに立ち寄ることもある。
親と子の談話室・とぽす
19
• コーヒー:450円
• アイスコーヒー:500円
• 紅茶:500円
• ココア:500円
• ミルクティ:500円
• カフェオレ:500円
• ランチ(12∼14時):980円
 スープ・サラダ・コーヒー付き
親と子の談話室・とぽす
20
化粧室
本棚
本棚
厨
房
▲
桜並木
0 1 5m N
本棚
カ
ウ
ン
タ
白根:一人で入れる喫茶店はどんな喫茶店がいいかなっていうんで、本を置きまし
た。自分が持ってる本を喫茶店で読んでると、「早く出たらいいのにな、こん
なとこで本なんか読んで」なんて思われてるのがとても嫌で。自分が本を置け
ば、どうぞごゆっくりっていう感じで、いれるかなと思って、・・・・・・
とぽすで行われている活動
21
白根さんを講師とする絵手紙教室、ギャラリーを借りての展示会、精神の病を抱える
人々との出会いから生まれた「響きの会」などの活動が行われるようになっている。
1990年 2000年 2009年
とぽすコーラス 第1・3月 第1・3月
聖書を読む会 第2火 金 第1土
生と死を考える会 第2土 第4月 第4月
とぽす読書会 第4月
ヤングタイムサービス 水・土 水・土 水・土
絵手紙教室 水・木 水・木
とぽす響きの会 第3木 第3木
英会話教室 火
とぽす花の絵展 5月 5月
とぽすとその仲間展 9月 9月
モッキンバード
・セッション
偶数月
第2金
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
0 50 100 150 200
仲間展への出展数
花の絵展への出展数
●とぽすとその仲間展:1994年∼
●とぽす花の絵展:1997年∼
活動が立ち上げられた経緯
22
●絵手紙教室
[お店に飾っていた絵手紙を見て] 来るお客さんたちがね「これいいね」って言って
くれて、「習いたいなぁ」って言ったんですよ。それで、「じゃあ絵手紙を描く?  1 回
ここで、・・・・・・、○○さん呼んで絵手紙を描く会やろうか?」って、それが始まりね。
●とぽすとその仲間展
一人の自閉症の青年がお店に来た時、粘土でつくった彼の作品を見ました時にとても
感動しまして、この作品を皆に見せたいと思ったのが最初のきっかけです。それでお
店に来てくださる、色んなものをつくっていらっしゃる方の作品の発表会っていうも
のを年に1度やりまして、・・・・・・
●とぽす響きの会
心の病気の人もここへお茶飲みに来るようになって、そして、色んな話を聞い
ていたんですね。そしたらたまたま、[作業所の職員の] 彼が、「白根さん、支える
会を作ってください」って言うの、・・・・・・。それで私はこに来てる心の病気の人たち
に、・・・・・・、「どんなふうな支えられ方が気持ちいいの?」とか聞いたの。・・・・・・。
だから、病気を体験してない人を私が意図的に集めてね、・・・・・・、「精神の患者さん
たちの気持ちを、聞いてあげてよね」っていう会から始まった。
親と子の談話室・とぽす
23
親と子の談話室・とぽす
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親と子の談話室・とぽす
25
親と子の談話室・とぽす
26
親と子の談話室・とぽす(展示会)
27
ふれあいリビング・下新庄さくら園
28
ふれあいリビング・下新庄さくら園
29
• 所在地:大阪市東淀川区
• オープン:2000年5月
• 運営日:月曜∼土曜日
• 時間:9:00∼16:00頃
• 代表者:和南治子さん
• 運営:約10人のボランティア
• 建物:下新庄鉄筋住宅に、既存の集会所とは
別に新築
• 面積:約75㎡
• オープンの経緯:大阪府の「ふれあいリビング」の整備事業の第一号としてオープ
ン。団地の高齢者が家に閉じこもることなく、気軽に訪れることのできる場所にす
ることが目的としている。
• 来訪者:1日に約30人が訪れる。来訪者の大半は高齢者。
下新庄さくら園
31
0
20
40
60
80
4月 6月 8月 10月 12月 2月
01年度 02年度 03年度 04年度
1日の平均来訪者数
下新庄さくら園
32
▼
だんらんコーナー
喫茶コーナー
カウンター
厨房
事務コーナー倉庫
トイレ
N0 1 5m
「100円コーヒー」の売上げだけでは運営を継続することが困難であると考えられ、
「だんらんコーナー」と「厨房」を貸すことで運営経費を賄う計画。
→ 「喫茶コーナー」が予想以上に好評であったため、「だんらんコーナー」も喫茶の
場所として利用されている。
さくら園の活動
33
●社協アワー
・抹茶の日:第1木曜日
・ぜんざいの日:第3木曜日
●食事サービス:第3月曜日
●小物づくり:第2月曜日
現在、下新庄鉄筋住宅は建替えが行われている
→一時的に移転中の人が、団地の人に会うために訪れる場所
下新庄さくら園
34
下新庄さくら園
35
下新庄さくら園
36
大阪府の「ふれあいリビング」の整備事業
37
• 府営住宅に入居する高齢者が、住み慣れた地域に少しでも長く暮らし続けることを
支援することを目的とする。
• あらかじめ予定を立て、 を借りて利用する集会所と異なり、気軽に訪れることの
できる「協同生活の場」。
• 一からコミュニティを築いていくのでなく、既存の地域コミュニティ(自治会)を
発展させる。
• 建物の新築・改修費用のみ大阪府が負担
• 毎年2∼3カ所ずつオープンし、2010年現在、18カ所の府営住宅で運営
• 集会所とは別に新築された「モデルタイプ」と、集会所を増築・改修した「改修タ
イプ」の2種類
• 「さくら園」で喫茶が好評であったため、以降、喫茶を中心とする場所として開設
されている。
• 大阪府からは、最低週に2回は運営することが依頼
• 飲物(コーヒーや紅茶)が100円で提供
• トーストなどの軽食も提供されている(食事を提供している場所もある)
ふれあいリビング一覧
38
名称 タイプ オープン 戸数 府営住宅 日数 月 火 水 木 金 土 日
下新庄さくら園 モデル 2000 252 下新庄鉄筋 6 ● ● ● ● ● ●
五領けやき館 モデル 2001 180 高槻五領 5 ● ● ● ● ●
ふれあいリビング花水木 モデル 2001 496 金岡東第4 5 ● ● ● ● ●
三井ヶ丘はちかづき 改修 2005 510 寝屋川三井 4 ● ● ● 2
梅の郷 改修 2005 805 交野梅ケ枝 3 ● ● ●
らん 改修 2005 268 東大阪玉串 3 ● ● ●
リビングはなみずき 改修 2006 465 寝屋川御幸西 2 ● ●
いこいの館 改修 2006 690 清滝 3 ● 1-3 ●
水仙 改修 2006 312 和泉北信太 2 ● ●
うの花 改修 2007 1188 高槻芝生 4 ● ● ● ●
幸の風 改修 2007 450 堺高松 3 ● ● 1
春ヶ丘の郷 改修 2007 254 岸和田春木 2 ● ●
ひまわり 改修 2008 329 焼野 6 ● ● ● ● ● ●
サロンチェリー 改修 2008 335 貝塚半田 2 ● ●
ほしがおか 改修 2008 654 岸和田荒木 4 ● ● ● ●
たてづか 改修 2009 240 藤井寺道明寺 3 ● ● ●
ふくちゃん 改修 2009 476 堺福田 3 ● ● ●
ひまわり 改修 2009 532 松原一津屋 3 ● ● ●
ふれあいリビング一覧
39
名称 タイプ オープン 戸数 府営住宅 日数 月 火 水 木 金 土 日
うの花 改修 2007 1188 高槻芝生 4 ● ● ● ●
梅の郷 改修 2005 805 交野梅ケ枝 3 ● ● ●
いこいの館 改修 2006 690 清滝 3 ● 1-3 ●
ほしがおか 改修 2008 654 岸和田荒木 4 ● ● ● ●
ひまわり 改修 2009 532 松原一津屋 3 ● ● ●
三井ヶ丘はちかづき 改修 2005 510 寝屋川三井 4 ● ● ● 2
ふれあいリビング花水木 モデル 2001 496 金岡東第4 5 ● ● ● ● ●
ふくちゃん 改修 2009 476 堺福田 3 ● ● ●
リビングはなみずき 改修 2006 465 寝屋川御幸西 2 ● ●
幸の風 改修 2007 450 堺高松 3 ● ● 1
サロンチェリー 改修 2008 335 貝塚半田 2 ● ●
ひまわり 改修 2008 329 焼野 6 ● ● ● ● ● ●
水仙 改修 2006 312 和泉北信太 2 ● ●
らん 改修 2005 268 東大阪玉串 3 ● ● ●
春ヶ丘の郷 改修 2007 254 岸和田春木 2 ● ●
下新庄さくら園 モデル 2000 252 下新庄鉄筋 6 ● ● ● ● ● ●
たてづか 改修 2009 240 藤井寺道明寺 3 ● ● ●
五領けやき館 モデル 2001 180 高槻五領 5 ● ● ● ● ●
ふれあいリビング一覧
40
ひがしまち街角広場
41
ひがしまち街角広場
42
• 所在地:大阪府豊中市(千里ニュータウン)
• オープン:2001年9月/2006年5月に移転
• 運営日:月曜∼土曜日
• 時間:11:00∼16:00
• 運営:ひがしまち街角広場運営委員会
• 代表:赤井直さん
• スタッフ:約12名のボランティア
• 建物:近隣センターの空き店舗を活用
• 面積:移転前:約30㎡/移転後:約75㎡
• オープンの経緯::国土交通省の「歩いて暮らせるまちづくり」事業がきっかけ。
半年間の社会実験以降は、運営の継続を希望する声に応えて補助金に頼らず自主運
営されている。
• 来訪者:1日に40∼50人程。高齢者、子連れの母親などが訪れる。近くの小学校に通
う子どもたちが、学校帰りに水を飲みに立ち寄る。
街角広場
44
2001.10∼2002.03
2002.10∼2003.03
2003.10∼2004.03
2004.10∼2005.03
2005.10∼2006.03
2006.10∼2007.03
2007.10∼2008.03
2008.10∼2009.03
0 10 20 30 40 50
1日の平均来訪者数
ひがしまち街角広場
45
長机
アーケード
掲示板
掲
示
板
カ
ウ
ン
タ
ー
倉庫
空
き
店
舗
美容室
▲
▲
アーケード
N0 1 5m
アーケード
掲
示
板
カ
ウ
ン
タ
ー
倉庫
倉庫
酒屋
▲
インテリアショップ
本棚
N0 1 5m
赤井:「街角広場」の場合は、・・・(略)・・・、もう一から十までありあわせを
集めてこしらえたような場所ですから、もうそれこそ、スプーン1本、
1本、全部持ち寄りのありあわせです。あそこにあるもので買ったものっ
ていったら、今度できましたあのカウンターだけです。
街角広場のボランティア・スタッフ
46
年 月 日 曜日 赤井 t m I y k f n y t I t o h I u n y
2002
1 7 月 ● ● ●
2002
1 8 火 ● ● ●
2002
1 9 水 ● ● ● ●
2002
1 10 木 ● ● ●
2002
1 11 金 ● ●
2002
1 12 土 ● ● ●
2005
1 17 月 ● ● ●
2005
1 18 火 ● ● ●
2005
1 19 水 ● ●
2005
1 20 木 ● ● ●
2005
1 21 金 ● ●
2005
1 22 土 ● ●
月
火
水
木
金
土
*「街角広場」運営日誌より
ひがしまち街角広場(移転前)
47
ひがしまち街角広場(移転作業)
48
ひがしまち街角広場(移転後)
49
ひがしまち街角広場
50
ひがしまち街角広場
51
ひがしまち街角広場(周年記念行事)
52
地域(新千里東町)への影響
53
街角広場
URの集会所
コラボひろば
街角広場
(桜ヶ丘メゾンシティ)
3・3ひろば
(府営住宅の集会所)
3.運営者の観点から
3つのカフェの特徴
55
とぽす さくら園 街角広場
オープン 1987年4月 2000年5月 2001年9月
所在地 東京都江戸川区 大阪市東淀川区 大阪府豊中市
代表 白根さん 和南さん 赤井さん
運営 個人で運営 ボランティアで運営 ボランティアで運営
運営日 月∼金 月∼土 月∼土
運営時間 11∼19 9∼16 11∼16
面積 65㎡ 75㎡ 30㎡ → 75㎡
メニュー
コーヒー:450円
アイスコーヒー:500円
紅茶:500円
ココア:500円
ミルクティ:500円
カフェオレ:500円
ランチ(12∼14時):980円
コーヒー:100円
紅茶:100円
ハーブティー:150円
(冷)ハーブティー(夏):100円
ジュース:100円
トースト:100円
ゆで玉子:30円
コーヒー:100円
コー茶:100円
日本茶:100円
カルピス:100円
ジュース:100円
主な行事
聖書を読む会:第1土
生と死を考える会:第4月
ヤングタイムサービス:水・土
絵手紙教室:水・木
とぽす響きの会:第3木
とぽす花の絵展:5月
とぽすとその仲間展:9月
モッキンバード:偶数月第2金
社協アワー
・抹茶の日:第1木
・ぜんざいの日:第3木
食事サービス:第3月
小物づくり:第2月
周年記念行事:10月
たけのこ祭り
(千里竹の会と共催):5月
3つのカフェの特徴
56
街角広場さくら園
とぽす新築
・
席は固定
改修
・
席は自由に移動
個人で運営 ・ お店
複数のスタッフ ・ ボランティア(100円)
場所のあり方についての
3人の考えには共通点が多い。
人々の出入りが自由であるとは、
57
• ふらっと気軽に立ち寄れる(いつでも立ち寄れる)
• 誰でも立ち寄れる
• 過ごし方が決められていない
(居合わせた人と無理に関わらなくていい)
• 助けを求めることができる
(抱えている問題を持ち込むことができる)
• 地域の人々の関係を築いていくことができる
• 新たな活動を始めたり、参加したりできる
• 自分の役割を見出すことができる
自由さを実現するために
58
●いつでも開いているお店であること
●主客の関係を固定しないこと
(既存の組織・肩書きによらずに運営すること)
●無理な関わりを求めないこと
●あらかじめ運営内容を固定してしまわないこと
(徐々に場所を作っていくこと)
●地域の拠点とすること
(地域とつながりをもって運営すること)
●場所に対して「私」が責任をもち続けると名乗ること
●他者に対して開かれた存在であること
(自分だけで完結しないこと)
場所のあり方についての3人の考え方には次のような共通点が見られる。
いつでも開いているお店であること
59
白根:児童館とかね、子どもの城とか、子どもの遊び場とか、フリースペースっていう
言葉は一切。・・・・・・、何か入ってくるのに、制限されてるっていう響きがある
でしょ。喫茶店って言えば誰でも入れるかなって、子ども以外は。だから、
「子どもも入れる喫茶店」っていうふうにしたんです。
和南:[毎日運営するの] じゃないと、集会所があるの必要ないもん。ね、集会所だ
けでいいと思う。・・・・・・。だからそれは、私は嫌だった。だから、それだから
[毎日運営するから]魅力もあったし、だからやろうとしたし。
赤井:始めた時の趣旨としましては、何はともあれ、毎日する。・・・・・・、週に1回と
か、月に何回というのは、誰でもいつでも行ってみようかなと思った時に行け
ない、自由に出入りしてもらえない。・・・・・・、いつでも行ったら開いてるとい
う安心感が一つの目的で毎日やっておりました。
主客の関係を固定しないこと
60
(既存の組織・肩書きによらずに運営すること)
白根:私は、医者でもないし、保健士でもないし、何でもない普通の街に住むおばさ
んなんですけど、そういう人の方がかえってね、子どもも安心だし、精神の病
を病む人も安心みたいですね。何話してもいい、みたいな。
白根:無彩色な立場
和南:私は、ボランティアさんとお客さんは同じ立場だと思ってるわけね。・・・
(略)・・・。だから、私、お客さまも、ボランティアさんも等々(とうとう)、
対々(たいたい)だと思うのね、あの、立場上ね。
赤井:来る方もボランティア、お手伝いしてる方もボランティアっていう感じで、いつ
でもお互いは何の上下の差もなく、フラットな関係でいられるっていうのがあ
そこは一番いい。
街角広場
61
無理な関わりを求めないこと
62
白根:お互いにそれぞれが自分のところに座ってて、誰からも見張られ感がなく、
ゆっくりしてられるっていう。だけども、「何か困った時があったよね」って
言った時には側にいてくれるっていう、そういう空間って必要だなと思って。
白根:だから、ここへ来た子どもたちに、何をやらせるとか、私が本を読んであげる
とか、そういう教育的な配慮は全く抜きにして、ただ居るだけでいいよってい
うね、そういう場所にしたかったから、・・・・・・
和南:1人で来られる方は、そっとして欲しい人もあるからねぇ。あの、お話がしたい
と思う人もあるし。だから、何回も来られてる人で、ちょっとされる方はもう
その方がいいんじゃないかなと思う、思ってね、そっとしとくんですけど。
赤井:大きなテーブルで周りにいるのもいいだろうと思うけども、やっぱりそんなん
だったら、自分1人だけのテーブルでこうやりたい時もあるかもしれない。そ
れは、その時々で自由に使いこなせるようなものがいいみたいに思いますね。
とぽす
63
街角広場
64
あらかじめ運営内容を固定してしまわないこと
65
白根:ここは喫茶店なので人との出会いがその流れをつくっていっているんですよ。
人との出会いがつくっていってるので、「ちょっと待って」とは絶対私は言え
ない。「そういう要求ならそれもやりましょうね」っていうかたちで、だんだ
ん渦巻きが広くなっちゃうって言うかな。
和南:あんまり前へ前へ心配しないで、会うた時会うた時の事件で処理していく。
和南:それもひとつの「ふれあい」をやりながらしていってる、幅がどんどん広がっ
てる感じで、まぁ、それはいいことだなぁと思って。こっちから何かしなくて
もね、受けながら受けながらやっていったらねぇ、なんぼでも、うん、あると
思うよ。
赤井:あんまり場所づくりしたところで、こちらの押し付けがあったらだめなんです
よね。だから、はっきり言えば来る人がつくっていく、来る人のニーズに合っ
たものをつくっていく。こちらの押し付けはね、やっぱり無理なところがある
と思いますね。
地域の拠点とすること
66
(地域とつながりをもって運営すること)
白根: だからここは、保健所と提携して、[精神の病を抱える]色んな人にサービスを、
「こういうとこ[病院]行ったらいいよ、ああいうとこ[病院]行ったらいい
よ」っていう、そういう場でもあるんですね。
和南: 最初はうちらだけ[団地住民だけで]で運営委員会を開いてましたんだけど、それ
に途中から、運営委員会を幅広げて、地域の3役さん入ってもらって、地域ぐるみで
作ったわけなんです、こういうのを進めていったんです。
和南: 私らの信念だけど、私がやってるのは、地域の財産としてかたちを作っていくって
いうのが、私らが、それをまずやらないけんっていうことに。だから、今日のボラ
ンティアさんも、お1人は地域の、こっちの団地やないですわ。
赤井: 私はもう学校へ働きかけて、「せっかくだから、ここを起点として学校の情報を外
に出すことを考えたらどうですか?」っていうふうに言って。で、「街角」にはい
つでも学校の関係の、学校通信が貼られたり。
赤井: 「街角広場」で必要なものは、この商店街ですべて調達しております。この商店街
で調達できるものは全て。
さくら園
67
街角広場
68
4.来訪者の観点から
主ではない人々による運営への関わり
70
・「さくら園」「街角広場」は複数のボランティアにより運営されている。
・和南さん、赤井さんが毎日「さくら園」「街角広場」にいるわけでもない。
・来訪者による運営への手助け、空間のしつらえも行われている。
一方、「とぽす」は白根さんが毎日運営している。
→「とぽす」を訪れる人々は、どのように「とぽす」に関わっているかを調査
●さくら園 ●街角広場:周年記念行事 ●街角広場:移転作業
アンケート調査の概要
71
対象者 「とぽす」の来訪者
回答期間 2009年10月∼11月
配布・
回収方法
白根さんより配布
・その場で記入
回収数 24人
男性
女性
0 5 10 15 20
∼19歳
20∼29歳
30∼39歳
40∼49歳
50∼59歳
60∼69歳
70∼79歳
80歳∼
0 5 10 15
11
1
2
2
2
1 1 1
3
7
〈性別〉
〈年齢〉
22年
21年
20年17年
15年
10年
8年
6年
4年
3年
10ヶ月
〈来るようになって何年?〉
住まい・頻度
72
〈交通手段〉
江戸川区
23区内
23区外
0 5 10 15
〈住まい〉
歩いて
自転車
自動車
電車・バス
0 3 6 9
〈頻度〉
5分以内
10分以内
30分以内
1時間以内
1時間よりかかる
0 3 6 9
〈自宅からの距離〉
ほぼ毎日
週に3∼4回
週に1∼2回
2週間に1回
1ヶ月に1回
2∼3ヶ月に1回
半年に1回
年に1回
0 3 6 9
「とぽす」に来るようになったきっかけ
73
◇友人の紹介(⑥)
• 友人からとぽす花の絵展に誘われ、白根先生にお会いし、先生の魅力にひかれました。
(60代・女性)
• 友人に絵手紙の話を聞いた事。(60代・女性)
◇絵・絵手紙(③)
• 絵に興味があったから(60代・女性)
◇家族の紹介(③)
• 夫が散歩中に発見。カフェであること、ママが音楽の先生をしていた事、子供の為の喫茶
店である事etcの様子を聞いて興味が湧いた。(60代・女性)
• 父に連れられて、小学生ぐらいから来ています。(20代・男性)
◇子どもが不登校(②)
• 子どもが不登校をしたのをきっかけにして近所で行くようになり利用する様になりました
(50代・女性)
◇新聞記事を読んで(③)
• 新聞で見た なやみを聞いてくれると書いてあった(30代・男性)
◇教会(②)
• 教会員(60代・男性)
活動への参加/知人への紹介
74
〈知人に「とぽす」を紹介〉
絵手紙教室
響きの会
花の絵展(出展)
花の絵展
仲間展(出展)
仲間展
生と死を考える会
クリスマスの集い
モッキンバード
白根さんの個展
0 5 10 15
したことがある
したことがない
0 5 10 15 20 25
〈1人で/誘い合って来る〉
1人で来る
誘い合って来る
0 5 10 15
(複数回答)
ふらっと気が向いた時
活動に参加
イベントがある時
その他
0 5 10 15
〈どのような時に訪れる?〉〈参加した・訪れた活動〉 (複数回答)
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
n
0 6 12 18
いつ行ってもよいから
様々な人々(年齢層・職業)が訪れるから
思い思いに過ごせるから
様々な活動が行われているから
展示会に自分の作品を出展できるから
ここでしか知り合えないような人と知り合えるから
親しい人同士で集まれるから
悩み事の相談ができるから
地域について知ることができるから
教育や福祉、心の病などについて知ることができるから
食事(昼食)できるから
白根さんと顔を合わせることができるから
誰か知り合い(白根さん以外)に会えるから
その他
「とぽす」の魅力
75
(複数回答)
「とぽす」に来てよかったこと
76
◆楽しい・リフレッシュできる
• 絵手紙教室に来ていますが、毎回とても楽しい時間を過ごせることです。(50代・−)
• ママと知り合えた。仕事と仕事の合間などに気分転換できる場所がもてた。本がたくさんあっ
たこと。(60代・女性)
◆話を聞いてもらえる/元気づけられる
• 長い間、心にたまっていた気持を、話せる様になった。しっかりと静かに聞いてくれる人がい
るから。(60代・女性)
• 気持ちが沈んでいる時等 時に(特に)勇気をいただけること。(60代・女性)
◆他者との出会い/自分自身が変えられた
• 閉さ的な家庭から一歩外へ出て、もっと自由な考え方、自分を変革していけた。知らなかった
人の関わりの方で、いろいろな事に興味を持つ事ができた。心のより所。落ちつく場所。(50
代・女性)
• 人生の生方が・・・見方がかわった 多〔大〕ぜいの人達とめぐり会えた事(60代・女性)
• さまざまな人の状況がわかった。というより、意識の中に、かんがえなければならないこと
が、はいってきた。(60代・男性)
◆地域での生活
• 地域での生活を大切に思う様になりました。
どのような過ごし方が一番魅力的ですか?
77
a
b
c
d
0 3 6 9
1人でお茶を飲んだり、本を読んだりできる
親しくなくとも、居合わせた人とおしゃべりできる
親しい人とおしゃべりできる
同じ関心や考え共有する人と一緒に活動できる
一人
居合わせ
友人
「とぽす」を訪れる人々が求める関わり方は多様。
→この違いは、どのような要因によって生まれているのか?
(*長い年月訪れる人は、親しい常連ばかりで固まるようになるのか?)
6年
1
10年
1
15年
1
17年
1
22年
2
10ヶ月
1
3年
1
4年
1
21年
2
22年
1
6年
18年
1
10年
1
20年
1
21年
1
22年
4
〈一人〉 〈居合わせ〉 〈友人〉
78男性
女性
0 3 6 9
一人 居合わせ 友人
ふらっと気が向いた時
活動に参加
イベントがある時
0 3 6 9
〈どのような時に訪れる?〉(複数回答)
〈性別〉
20∼29歳
30∼39歳
50∼59歳
60∼69歳
0 1 2 3 4 5
〈年齢〉
〈自宅からの距離〉
5分以内
10分以内
30分以内
1時間以内
1時間よりかかる
0 1 3 4 5
江戸川区
23区内
23区外
0 3 6 9
〈住まい〉
a
b
c
d
e
f
g
h
i
0 4 8 12 16
「とぽす」で意識していること(複数回答)
79
旅行したり帰省した時には、お土産を買って帰る
花や野菜など、絵手紙の題材になるものを差し入れる
知らない人であっても、なるべく挨拶したり話しかる
親しい人だけで固まらないようにする
他の人が大事な話や相談をしている時には静かに過ごす
お客さんが多い時には、改めて出直す
忙しい時は飲物を運んだり、テーブルを片付けを手伝う
混んできた時には席を譲る
困っている人には情報を提供する等、できる限り手助けする
a
b
c
d
e
f
g
h
i
0 2 4 6 8
「とぽす」で意識していること(複数回答)
80
旅行したり帰省した時には、お土産を買う
花や野菜など、絵手紙の題材になるものを差し入れる
知らない人であっても、なるべく挨拶したり話しかる
親しい人だけで固まらないようにする
他の人が大事な話や相談をしている時には静かに過ごす
お客さんが多い時には、改めて出直す
忙しい時は飲物を運んだり、テーブルを片付けを手伝う
混んできた時には席を譲る
困っている人には情報を提供する等、できる限り手助けする
一人
居合わせ
友人
好きな席
81
大きなテーブル
小さなテーブル
入口脇のテーブル
カウンター
0 2 4 6
化粧室
本棚
本棚
厨
房
▲
桜並木
0 1 5m N
本棚
カ
ウ
ン
タ
一人 居合わせ 友人
大きなテーブル
小さなテーブル 入口脇のテーブル
カウンター
●大きなテーブル
• 白根さんと、おしゃべりできるから。カウン
ターに白根さんがいても。(50代・女性)
• お話しながら絵手紙を教えていただけるの
で。(50代・−)
• 他の方の絵をのぞいたり、絵や、話題が楽
しい。(60代・女性)
• なぜか、らく、又は友人といっしょだから
(60代・女性)
●小さなテーブル
• 日当りが良い。景色が良い。(50代・女
性)
• 外の景色がみえて、気持がゆったりする(60
代・女性)
• コーナーで、外がながめられる(50代・女性)
席の使い分け
82
化粧室
本棚
本棚
厨
房
▲
桜並木
0 1 5m N
本棚
カ
ウ
ン
タ
絵手紙を書く時(60代・女性)
一人で本を読む時(60代・女性)
おしゃべりする時(60代・女性)
絵てがみの時(60代・女性)
コーヒーを飲むなら(60代・女性)
小学生の頃。本が読める(30代・男性)
中学生の頃。勉強するため(30代・男性)
高校生∼。
コーヒーを作っているのが見える
白根さんと話ができる(30代・男性)
アンケート調査のまとめ
83
• 「とぽす」には人々が訪れるための様々なきっかけ(入口)がある。
→絵手紙教室、不登校等の相談、食事ができる、教会。
• 最大の魅力は白根さんと会えること。いつ行ってもよいという自由さ、様々な人に出
会えることも魅力。
→出会いを通して、地域や他者に対する認識、自身の生き方が変えられていく。
• 一人で過ごす、居合わせた人とおしゃべりする、友人とおしゃべりするというよう
に、様々な思いが受けとめられている。
→友人とおしゃべりできるのが魅力だと感じている人は、遠方から来ている人、長
年訪れている人の割合が大きい傾向。
• 「とぽす」では、「さくら園」「街角広場」のように訪れた人が運営に直接携わること
はないが、「知らない人に対しても、なるべく挨拶したり話しかける」、(友人同士で
過ごしていても)「大事な話や相談をしている時は静かに過ごす」というように、「居
合わせる」状況を成立させることで、場所を成立させるための手助けがなされている。
→「「とぽす」とはこういう場所だ」という認識(価値)の共有。
5.まとめ
オープンから10年、20年を経て
85
いずれの場所も、様々な人々との出会いによって、
当初想定されなかったような意味を担うようになっている。
◆とぽす
「親と子」(白根さんの「子」世代)のための場所として開かれたが、絵手紙教室や
展示会、音楽のライブ、「響きの会」など人々との出会いにより多くの活動が始めら
れている。近年では、白根さんの「孫」世代の子どもの姿も見られる。
◆さくら園
「厨房」「だんらんコーナー」をグループ活動に貸すことが計画されたが、喫茶が予
想以上に好評であったため、喫茶の場所となっている。車椅子の貸出しなど「駆け込
み寺」の役割、団地の建替え時には転居中の人が顔を出せる場所にもなっている。
◆街角広場
近隣の小・中学校との連携がなされ、また、「写真クラブ」「千里竹の会」「千里
グッズの会」「千里・住まいの学校」等のグループが立ち上げられた。新千里東町に
「街角広場」を参考とする場所もオープン。
オープン当初に掲げられた目的
86
◆とぽす
年齢を越えて、お互いに、心よりそうような出合いをして欲しい。「とぽす」で、新しい
コミュニケーションの心を探り当てていただきたいと思う。(『ΤΟΡΟΣ』'87 4 Vol.1)
◆さくら園
ふれあいリビング「下新庄さくら園」は、高齢者が気軽に出入りして、いろんな人と
交流したり、さまざまな活動に参加することで、ふれあいのある生活が送れることを
目的につくられた施設です。(開設時のパンフレット)
◆街角広場
「街角広場」は・・・・・・、作品展示やフリーマーケット講習会など地域の方々に利用し
ていただくと同時に、喫茶コーナーが住民交流の場となることで、近隣センターの活
性化に役立てれば幸いである。(『ひがしおか』2001年11月1日 第6号)
10年後、20年後の場所の姿も、
「新しいコミュニケーション」「ふれあい」「住民交流」という
当初の目的の大枠から外れているわけではない。
当初の目的と実現されたものとの関係は?
目的の事後的な形成
87
• 主(を中心とする人々)が「コミュニケーション」「ふれあい」「地域交
流」という目的を掲げて場所を開く。
• 人々が訪れ、それぞれなりの関わりがなされることを通して、その都度具体
的な「コミュニケーション」「ふれあい」「地域交流」が生まれていく。
• 当初掲げられた「コミュニケーション」「ふれあい」「地域交流」という言
葉が、その場所において意味するものが豊かになっていく。
• その意味が、場所の価値として共有されていく。
• そこに、また人々が訪れて、・・・・・・
• このような履歴が、場所の歴史として蓄積されていく。
時
間
「まちの居場所」においては、目的(の中身)が事後的にかたちづくられていく。
(「まちの居場所」におけるトランザクション)
目的の事後的な形成
88
「まちの居場所」が開かれることの意味:
「まちの居場所」で実現された「コミュニケーション」「ふれあい」
「地域交流」の具体的なかたちを見ることによって、その地域がどのよ
うなものであるか(地域にはこんな人が生活している、地域にはこんな
魅力・可能性があるetc...)が発見されていく。
地域に「まちの居場所」が開かれるというより、
「まちの居場所」が(人々に生きられたものとしての)地域をかたちづ
くっていく。