SlideShare a Scribd company logo
第1回OSCE評価開発検討委員会
121015@日本看護協会看護研修学校




                    OSCE評価検討委員会勉強会

     OSCEとシミュレーション教育について

                                池上敬一
               獨協医科大学越谷病院救命救急センター
       Japan Society for Instructional Systems in Healthcare (JSISH)


                                      1
12年10月15日月曜日                                                           1
話題

          特定行為を行なう能力となどのような能力か

               医療行為を確実・安全に実施できる能力

          能力を獲得するために必要な教育・研修

               効果的・効率的・集中できる学習デザイン

          能力を獲得したことを評価する方法

               社会に質を保証する評価法と継続的な発達
                         2
12年10月15日月曜日                         2
医療行為を確実・安全に実施できる能力
               卒前教育・新人看護師レベル・・・ガニェの学習成果の分類



          医療行為の実施に必要な知識(質問して口頭で答える、紙に書ける)がある

               AEDについて説明できる・・・言語情報

          医療行為の手順について説明でき、かつ実施できる

               AEDで除細動する手順について説明でき、かつシミュレーションで除細
               動を実施できる・・・知的スキル+運動スキル

          ある行動を「行なう」か「行なわない」かを意思表明・・・態度

               救急外来で具合の悪そうな人がいる→声をかける・かけない

          自らの学習を効果的にするための方法を考えるスキル・・・学習技能
                              3
12年10月15日月曜日                                       3
医療行為を確実・安全に実施できる能力
                  認定看護師・特定看護師の標準的能力



          ノン・テクニカルスキル (Non-Technical Skill)

               医療事故の原因・・・70%はNTS

          認知スキル



                     *危機対応能力
                     *認知スキル

                              4
12年10月15日月曜日                                  4
危機対応能力
                      Crisis Resource Management; CRM




          状況を知る                             思い込みエラーを防止する

          先を見越して考え計画する                      ダブルチェックの習慣

          助けは早めに                            「頭」(認知スキル)を使う

          チームワーク                            評価は繰り返し行なう

          タスク量を分配する                         状況の変化に素早く対応する

          リソースをすべて投入する                      臨機応変に優先順位を設定する

          情報はすべて活用する
                                      5
12年10月15日月曜日                                                 5
認知スキル

          概念形成         分析能力      社会スキル

               予測       診断       影響力

               モデリング    プラン      チーム医療

               実験       因果関係     交渉

               評価       意思決定     記述

                             6
12年10月15日月曜日                             6
Dreyfus model




                     7
12年10月15日月曜日                   7
特定看護師・スタート時




               問題を探し出し解決できる.
               チームのリーダー、初心者への助言、
               医師のサポートができる.
                        8
12年10月15日月曜日                       8
OSCEのレベル




                  今回必要となるOSCEのレベル

                       卒前教育のOSCEのレベル


                   9
12年10月15日月曜日                           9
業務、シミュレーション、評価

          業務

               コンピテンシー「・・・ができる」(抽象的)

                   目標行動「・・・ができる」(具体的)

          シミュレーション

               学習目標:「・・・ができる」(具体的)

          評価

               OSCEタイプ

               パフォーマンス評価
                             10
12年10月15日月曜日                            10
コンピテンシーと標的行動の例
                           C: competency, PS: performance statement




        C1: プロトコールにしたがって、救急患者の受け入れ準備・初期治療・ハンヅオフができる

               PS1: 事前情報から患者の病態・緊急度を予測し受入れ準備ができる

               PS2: 総合救急診療パスに従って、臨床推論と処置を同時に進めることができる

               PS3: 必要に応じて医師への報告・相談・連絡ができる

               PS4: 患者急変、暴力、感染症など危機的状況への対応ができる

        C2: 救急外来が円滑に機能するよう他部署・多職種間の連携を良好に保つ

               PS1: 部署や職種間のコミュニケーションを良好に保つ

               PS2: 患者受け入れ・初期治療・ハンズオフと後治療がストレスなく行なえる

               PS3:

                                               11
12年10月15日月曜日                                                          11
標的行動を獲得する準備としてのシミュレーション


        C1: プロトコールにしたがって、救急患者の受け入れ準備・初期治療・ハンヅオフが
        できる

               PS1: 事前情報から患者の病態・緊急度を予測し受入れ準備ができる

               PS2: 総合救急診療パスに従って、臨床推論と処置を同時に進めることができる

        シミュレーション医療学習

               医療現場でPSができるためのリハーサル

               状況再現(真正、authentic)、集中(engagement)できる環境

               シミュレーション学習環境でPSに相当する学習目標(Learning Objective; LO)を
               達成する
                                    12
12年10月15日月曜日                                                       12
経験学習


          看護師→認定看護師→特定看護師の成長・発達を支

          える学習方法・・・経験学習

          経験学習理論に則ったシミュレーション教育

          シミュレーション教育を経験しながら、経験学習の
          方法を獲得する

                      13
12年10月15日月曜日                        13
シミュレーションと実習の関係

                         シミュレーション
                         ・経験                        行動変容
                 前状態     ・デブリーフィング        リフレクション



               シミュレーション医療学習により行動変容を引き起こす一連のプロセス・・・ユニット


         スキル・パフォーマンス




                                                           時間
       シミュレーションとデブリーフィングで行動変容を継続する・・・成長と発達を支援

                                     14
12年10月15日月曜日                                                    14
スパイラルな成長


                      学習者                    ゴール

               Learning studio
                 (研修の学び)         ファシリテーター    (現場の学び)




                                 Workplace
                     個人および組織のパフォーマンス向上を目的
                     ファシリテーター(指導者)が共通
                     行動変容の評価・強化・デブリーフィングが可能
                     必要なら再び研修の学びを行うこともできる

                                       15
12年10月15日月曜日                                           15
インストラクショナル・システムズ・デザイン



          Instructional Systems Design (ISD)

          組織のミッションを遂行するために必要となる、人
          材・チームのパフォーマンスを向上する教育・研修プ
          ログラムを開発・実施・改善するサイエンスと方法論

          適用範囲

               義務教育、高等教育、専門教育、生涯発達
                                       16
12年10月15日月曜日                                   16
インストラクショナル・システムズ・デザイン


                      テクノロジー:現実の問題をシステマ
               教育工学
                      ティックに解決する考え方・方法論


         心理学、認知心理学、発達心理学、社会科
         学、教育学、コンピュータサイエンス

         学習科学


                          17
12年10月15日月曜日                              17
学習設計の基本

          モジュールででできるようになる行動(出口)を決める

          出口に到達したことを確認する方法を決める(評価)

               何ができたら合格なのかを決める

               評価の条件を決める

          入口を決める(前提条件)

          入口から出口に至る学習プロセスを設計する
                           18
12年10月15日月曜日                          18
医療行為の評価



          言語情報・・・口頭諮問、筆記テスト

          知的スキル、態度、CRM、認知スキル

               シミュレーション:模擬患者、シミュレータ



                        19
12年10月15日月曜日                          19
シミュレーションと評価

          知的スキル(アルゴリズム、手続き)

               アルゴリズムを、□選択した、□選択しなかった

               アルゴリズムが、□できた、□できなかった

          CRM、認知スキル

               どの程度できたか:段階評価(ルーブリック)

                         20
12年10月15日月曜日                            20
評価の基本

          評価の種類

               社会に対し質を保証する

               成長の段階を示す(ポートフォリオ)

               インストラクションの効果を評価する

          評価の方法

               チェックリスト

               ルーブリックによるパフォーマンス評価
                             21
12年10月15日月曜日                        21
特定看護師養成における評価の特色

          標準的な問題に対し一人で問題解決ができる、というレベ
          ルからスタートする

               ガニェの学習成果の分類だけでなく、CRM、認知スキル
               の評価が必要

          資格取得後の成長を支援する評価であることが望ましい

               ポートフォリオタイプの評価

               継続的な活用が可能
                           22
12年10月15日月曜日                                22
ディスカッション




                   23
12年10月15日月曜日              23

More Related Content

Similar to 121015特定看護師・osce評価勉強会 当日用スライドセット

ID説明資料20130107ver1.0
ID説明資料20130107ver1.0ID説明資料20130107ver1.0
ID説明資料20130107ver1.0Norihiro Oku
 
120301池上imshサマリー
120301池上imshサマリー120301池上imshサマリー
120301池上imshサマリー
Ikegami Keiichi
 
kurimimiプログラム資料(1~4)
kurimimiプログラム資料(1~4)kurimimiプログラム資料(1~4)
kurimimiプログラム資料(1~4)
kurimimi
 
140628 シム医療教育の科学と実践@宮崎
140628 シム医療教育の科学と実践@宮崎140628 シム医療教育の科学と実践@宮崎
140628 シム医療教育の科学と実践@宮崎Ikegami Keiichi
 
Id説明資料20130107Ver1.1
Id説明資料20130107Ver1.1Id説明資料20130107Ver1.1
Id説明資料20130107Ver1.1Norihiro Oku
 
120616 rrsデザイン
120616 rrsデザイン120616 rrsデザイン
120616 rrsデザイン
Ikegami Keiichi
 
130216関東地方会・rrs2
130216関東地方会・rrs2130216関東地方会・rrs2
130216関東地方会・rrs2Ikegami Keiichi
 
採用と育成スキームの科学13(配布用資料)
採用と育成スキームの科学13(配布用資料)採用と育成スキームの科学13(配布用資料)
採用と育成スキームの科学13(配布用資料)
Yohei SUZUKI
 
130308 jsish・活動計画
130308 jsish・活動計画130308 jsish・活動計画
130308 jsish・活動計画Ikegami Keiichi
 
NCPR
NCPRNCPR
教授システム学の大学授業への応用 (Application of Instructional Systems Design in classrooms)
教授システム学の大学授業への応用 (Application of Instructional Systems Design in classrooms)教授システム学の大学授業への応用 (Application of Instructional Systems Design in classrooms)
教授システム学の大学授業への応用 (Application of Instructional Systems Design in classrooms)
Takahiro Matsumoto
 
20130413m
20130413m20130413m
20130413m
fukuokantabi
 
埼玉県東部地域MC・気管挿管再教育プログラム
埼玉県東部地域MC・気管挿管再教育プログラム埼玉県東部地域MC・気管挿管再教育プログラム
埼玉県東部地域MC・気管挿管再教育プログラムIkegami Keiichi
 
スキルアップのヒント
スキルアップのヒントスキルアップのヒント
スキルアップのヒントashizawa1 Ashizawa
 
コンセプチュアルスキル説明資料(公開版)
コンセプチュアルスキル説明資料(公開版)コンセプチュアルスキル説明資料(公開版)
コンセプチュアルスキル説明資料(公開版)
Tetsuto Yoshikawa
 
【PMIJF2011】次世代のプロジェクト人財を育成する
【PMIJF2011】次世代のプロジェクト人財を育成する【PMIJF2011】次世代のプロジェクト人財を育成する
【PMIJF2011】次世代のプロジェクト人財を育成するPMeducaiton
 
医療者教育のためのフィードバック・デブリーフィングの応用 (feedback_and_debriefing_for_healthcare_professi...
医療者教育のためのフィードバック・デブリーフィングの応用 (feedback_and_debriefing_for_healthcare_professi...医療者教育のためのフィードバック・デブリーフィングの応用 (feedback_and_debriefing_for_healthcare_professi...
医療者教育のためのフィードバック・デブリーフィングの応用 (feedback_and_debriefing_for_healthcare_professi...
Takahiro Matsumoto
 

Similar to 121015特定看護師・osce評価勉強会 当日用スライドセット (20)

ID説明資料20130107ver1.0
ID説明資料20130107ver1.0ID説明資料20130107ver1.0
ID説明資料20130107ver1.0
 
120301池上imshサマリー
120301池上imshサマリー120301池上imshサマリー
120301池上imshサマリー
 
kurimimiプログラム資料(1~4)
kurimimiプログラム資料(1~4)kurimimiプログラム資料(1~4)
kurimimiプログラム資料(1~4)
 
140628 シム医療教育の科学と実践@宮崎
140628 シム医療教育の科学と実践@宮崎140628 シム医療教育の科学と実践@宮崎
140628 シム医療教育の科学と実践@宮崎
 
Id説明資料20130107Ver1.1
Id説明資料20130107Ver1.1Id説明資料20130107Ver1.1
Id説明資料20130107Ver1.1
 
120616 rrsデザイン
120616 rrsデザイン120616 rrsデザイン
120616 rrsデザイン
 
第4回「試す」applim キックオフイベント基調講演
第4回「試す」applim キックオフイベント基調講演第4回「試す」applim キックオフイベント基調講演
第4回「試す」applim キックオフイベント基調講演
 
130216関東地方会・rrs2
130216関東地方会・rrs2130216関東地方会・rrs2
130216関東地方会・rrs2
 
採用と育成スキームの科学13(配布用資料)
採用と育成スキームの科学13(配布用資料)採用と育成スキームの科学13(配布用資料)
採用と育成スキームの科学13(配布用資料)
 
130308 jsish・活動計画
130308 jsish・活動計画130308 jsish・活動計画
130308 jsish・活動計画
 
NCPR
NCPRNCPR
NCPR
 
5
55
5
 
教授システム学の大学授業への応用 (Application of Instructional Systems Design in classrooms)
教授システム学の大学授業への応用 (Application of Instructional Systems Design in classrooms)教授システム学の大学授業への応用 (Application of Instructional Systems Design in classrooms)
教授システム学の大学授業への応用 (Application of Instructional Systems Design in classrooms)
 
20130413m
20130413m20130413m
20130413m
 
Challenge
ChallengeChallenge
Challenge
 
埼玉県東部地域MC・気管挿管再教育プログラム
埼玉県東部地域MC・気管挿管再教育プログラム埼玉県東部地域MC・気管挿管再教育プログラム
埼玉県東部地域MC・気管挿管再教育プログラム
 
スキルアップのヒント
スキルアップのヒントスキルアップのヒント
スキルアップのヒント
 
コンセプチュアルスキル説明資料(公開版)
コンセプチュアルスキル説明資料(公開版)コンセプチュアルスキル説明資料(公開版)
コンセプチュアルスキル説明資料(公開版)
 
【PMIJF2011】次世代のプロジェクト人財を育成する
【PMIJF2011】次世代のプロジェクト人財を育成する【PMIJF2011】次世代のプロジェクト人財を育成する
【PMIJF2011】次世代のプロジェクト人財を育成する
 
医療者教育のためのフィードバック・デブリーフィングの応用 (feedback_and_debriefing_for_healthcare_professi...
医療者教育のためのフィードバック・デブリーフィングの応用 (feedback_and_debriefing_for_healthcare_professi...医療者教育のためのフィードバック・デブリーフィングの応用 (feedback_and_debriefing_for_healthcare_professi...
医療者教育のためのフィードバック・デブリーフィングの応用 (feedback_and_debriefing_for_healthcare_professi...
 

121015特定看護師・osce評価勉強会 当日用スライドセット

  • 1. 第1回OSCE評価開発検討委員会 121015@日本看護協会看護研修学校 OSCE評価検討委員会勉強会 OSCEとシミュレーション教育について 池上敬一 獨協医科大学越谷病院救命救急センター Japan Society for Instructional Systems in Healthcare (JSISH) 1 12年10月15日月曜日 1
  • 2. 話題 特定行為を行なう能力となどのような能力か 医療行為を確実・安全に実施できる能力 能力を獲得するために必要な教育・研修 効果的・効率的・集中できる学習デザイン 能力を獲得したことを評価する方法 社会に質を保証する評価法と継続的な発達 2 12年10月15日月曜日 2
  • 3. 医療行為を確実・安全に実施できる能力 卒前教育・新人看護師レベル・・・ガニェの学習成果の分類 医療行為の実施に必要な知識(質問して口頭で答える、紙に書ける)がある AEDについて説明できる・・・言語情報 医療行為の手順について説明でき、かつ実施できる AEDで除細動する手順について説明でき、かつシミュレーションで除細 動を実施できる・・・知的スキル+運動スキル ある行動を「行なう」か「行なわない」かを意思表明・・・態度 救急外来で具合の悪そうな人がいる→声をかける・かけない 自らの学習を効果的にするための方法を考えるスキル・・・学習技能 3 12年10月15日月曜日 3
  • 4. 医療行為を確実・安全に実施できる能力 認定看護師・特定看護師の標準的能力 ノン・テクニカルスキル (Non-Technical Skill) 医療事故の原因・・・70%はNTS 認知スキル *危機対応能力 *認知スキル 4 12年10月15日月曜日 4
  • 5. 危機対応能力 Crisis Resource Management; CRM 状況を知る 思い込みエラーを防止する 先を見越して考え計画する ダブルチェックの習慣 助けは早めに 「頭」(認知スキル)を使う チームワーク 評価は繰り返し行なう タスク量を分配する 状況の変化に素早く対応する リソースをすべて投入する 臨機応変に優先順位を設定する 情報はすべて活用する 5 12年10月15日月曜日 5
  • 6. 認知スキル 概念形成 分析能力 社会スキル 予測 診断 影響力 モデリング プラン チーム医療 実験 因果関係 交渉 評価 意思決定 記述 6 12年10月15日月曜日 6
  • 7. Dreyfus model 7 12年10月15日月曜日 7
  • 8. 特定看護師・スタート時 問題を探し出し解決できる. チームのリーダー、初心者への助言、 医師のサポートができる. 8 12年10月15日月曜日 8
  • 9. OSCEのレベル 今回必要となるOSCEのレベル 卒前教育のOSCEのレベル 9 12年10月15日月曜日 9
  • 10. 業務、シミュレーション、評価 業務 コンピテンシー「・・・ができる」(抽象的) 目標行動「・・・ができる」(具体的) シミュレーション 学習目標:「・・・ができる」(具体的) 評価 OSCEタイプ パフォーマンス評価 10 12年10月15日月曜日 10
  • 11. コンピテンシーと標的行動の例 C: competency, PS: performance statement C1: プロトコールにしたがって、救急患者の受け入れ準備・初期治療・ハンヅオフができる PS1: 事前情報から患者の病態・緊急度を予測し受入れ準備ができる PS2: 総合救急診療パスに従って、臨床推論と処置を同時に進めることができる PS3: 必要に応じて医師への報告・相談・連絡ができる PS4: 患者急変、暴力、感染症など危機的状況への対応ができる C2: 救急外来が円滑に機能するよう他部署・多職種間の連携を良好に保つ PS1: 部署や職種間のコミュニケーションを良好に保つ PS2: 患者受け入れ・初期治療・ハンズオフと後治療がストレスなく行なえる PS3: 11 12年10月15日月曜日 11
  • 12. 標的行動を獲得する準備としてのシミュレーション C1: プロトコールにしたがって、救急患者の受け入れ準備・初期治療・ハンヅオフが できる PS1: 事前情報から患者の病態・緊急度を予測し受入れ準備ができる PS2: 総合救急診療パスに従って、臨床推論と処置を同時に進めることができる シミュレーション医療学習 医療現場でPSができるためのリハーサル 状況再現(真正、authentic)、集中(engagement)できる環境 シミュレーション学習環境でPSに相当する学習目標(Learning Objective; LO)を 達成する 12 12年10月15日月曜日 12
  • 13. 経験学習 看護師→認定看護師→特定看護師の成長・発達を支 える学習方法・・・経験学習 経験学習理論に則ったシミュレーション教育 シミュレーション教育を経験しながら、経験学習の 方法を獲得する 13 12年10月15日月曜日 13
  • 14. シミュレーションと実習の関係 シミュレーション ・経験 行動変容 前状態 ・デブリーフィング リフレクション シミュレーション医療学習により行動変容を引き起こす一連のプロセス・・・ユニット スキル・パフォーマンス 時間 シミュレーションとデブリーフィングで行動変容を継続する・・・成長と発達を支援 14 12年10月15日月曜日 14
  • 15. スパイラルな成長 学習者 ゴール Learning studio (研修の学び) ファシリテーター (現場の学び) Workplace  個人および組織のパフォーマンス向上を目的  ファシリテーター(指導者)が共通  行動変容の評価・強化・デブリーフィングが可能  必要なら再び研修の学びを行うこともできる 15 12年10月15日月曜日 15
  • 16. インストラクショナル・システムズ・デザイン Instructional Systems Design (ISD) 組織のミッションを遂行するために必要となる、人 材・チームのパフォーマンスを向上する教育・研修プ ログラムを開発・実施・改善するサイエンスと方法論 適用範囲 義務教育、高等教育、専門教育、生涯発達 16 12年10月15日月曜日 16
  • 17. インストラクショナル・システムズ・デザイン テクノロジー:現実の問題をシステマ 教育工学 ティックに解決する考え方・方法論 心理学、認知心理学、発達心理学、社会科 学、教育学、コンピュータサイエンス 学習科学 17 12年10月15日月曜日 17
  • 18. 学習設計の基本 モジュールででできるようになる行動(出口)を決める 出口に到達したことを確認する方法を決める(評価) 何ができたら合格なのかを決める 評価の条件を決める 入口を決める(前提条件) 入口から出口に至る学習プロセスを設計する 18 12年10月15日月曜日 18
  • 19. 医療行為の評価 言語情報・・・口頭諮問、筆記テスト 知的スキル、態度、CRM、認知スキル シミュレーション:模擬患者、シミュレータ 19 12年10月15日月曜日 19
  • 20. シミュレーションと評価 知的スキル(アルゴリズム、手続き) アルゴリズムを、□選択した、□選択しなかった アルゴリズムが、□できた、□できなかった CRM、認知スキル どの程度できたか:段階評価(ルーブリック) 20 12年10月15日月曜日 20
  • 21. 評価の基本 評価の種類 社会に対し質を保証する 成長の段階を示す(ポートフォリオ) インストラクションの効果を評価する 評価の方法 チェックリスト ルーブリックによるパフォーマンス評価 21 12年10月15日月曜日 21
  • 22. 特定看護師養成における評価の特色 標準的な問題に対し一人で問題解決ができる、というレベ ルからスタートする ガニェの学習成果の分類だけでなく、CRM、認知スキル の評価が必要 資格取得後の成長を支援する評価であることが望ましい ポートフォリオタイプの評価 継続的な活用が可能 22 12年10月15日月曜日 22
  • 23. ディスカッション 23 12年10月15日月曜日 23