04 tm1 backuprestore

Printed on 2017/12/27
Title 4. バックアップ・リストア
4. バックアップ・リストア
4.1バックアップ・リストアの基本的な考え方
4.1.1 TM1データ・バックアップの基本的な考え方
TM1のデータフォルダとログフォルダをフォルダごとコピーしたものがバックアップになります。
フォルダのコピーと保管には、一般的なログファイルのバックアップなどと同じように、OSの機能またはBackup Execなどの別製品の機能を利用します。
TM1サービスを停止させてから、（オフラインで）バックアップを行なうのが一般的な方法です。
TM1サービスを起動したまま、（オンラインで）バックアップを取る方法もありますが、実績としてはオフラインで取得するケースが圧倒的に多いです。
データフォルダとログフォルダは、Tm1s.cfgに記載されている以下のパラメータで指定します。
要素設定内容
DataBaseDirectory TM1のキューブ、ディメンションの保存先フォルダ
LoggingDirectory TM1のログ情報の保存先フォルダ
※LoggingDirectoryを記述しなかった場合は、DataBaseDirectory パラメーターで指定された最初のデータ・ディレクトリにログファイルが保存されます。
4.1.2 TM1データ・リストアの基本的な考え方
TM1サーバーを停止した状態で、データフォルダとログフォルダをフォルダごと元の場所に戻します。
バックアップと同様に、フォルダを戻す方法も、OSの機能またはBackup Execなどの別製品の機能を利用します。
その後、TM1サーバーのサービスを起動します。
4.1.3 TM1データ・バックアップタイミング、頻度の考え方
データ更新の頻度、サービス時間に依存します。
・日々、データ更新があり、かつTM1サーバーのサービスを停止できるタイミングがあるシステムの場合
　⇒１日１回、TM1サーバーサービスを停止し、バックアップを取る運用が勧められます。
・日々、データ更新があるが、TM1サーバーのサービスを停止する時間を設けられないシステムの場合、
　⇒週次バックアップが勧められます。週次バックアップの場合、TM1サーバー障害時に再起動時のクラッシュリカバリーが非常に長くなりますので、
　　定期的にSaveDataAll (DISKへのデータ書き込み)を行う運用が勧められます。
　　または、TM1サーバーを２セット以上用意しておき、複製機能で同期を取り、それぞれバックアップを取る運用も可能です。
　　TM1サーバーを起動した状態でデータ保存（SaveDataAll）を行なうことも可能です。このときの注意点については4.3節で説明します。
4.2 バックアップ・リストア手順（TM1サーバーを停止する方式）
※ここでは以下のシナリオに沿って手順を説明します。
1) ある時点の断面のバックアップを取得します。
2) データを一部更新します。
3) バックアップからリストアし、データが元に戻っていることを確認します。
4.2.1 TM1データ・バックアップ
04_バックアップ・リストア.xls 1/28 4. バックアップ・リストア

準備1. ログフォルダをTm1s.cfgに設定します。
この例でのログフォルダのパス　⇒　C:Program FilesIBMcognostm1samplestm1PlanSamplog
準備2. Windows上にフォルダを作成しておきます。

準備3. TM1サーバーを起動します。
ログファイルが作成されています。

4.2.1.1 TM1サーバーを停止します。
tm1s.log にタイムスタンプが付与されたファイルが作成されます。

4.2.1.2 TM1データ・バックアップを取得します。
ここでは、データフォルダとログフォルダをフォルダごとMy Documentにコピーします。

4.2.2 TM1データ・バックアップのリストア
※シナリオに沿って、データ更新後にデータ・バックアップからリストアします。
準備4. TM1サーバーを起動し、TM1 Webにログインします。

準備5. ログフォルダを確認します。新しいtm1s.logが作成されています。

準備6. plan_BudgetPlanキューブ -> Budget Input Detailedビューの画面を表示します。

準備7. Budget Input Detailedビューで値を更新＆保存します。
ここでは例として、Sales行のQ1-2004の値を、938,285から300,000に変更しました。

準備8. データフォルダを確認します。更新日時順にソートすると更新されたファイルがいくつかあることが分かります。

4.2.2.1. TM1サーバーを停止します。
TM1 Webからログアウトして、TM1サーバーを停止します。
tm1s.logのタイムスタンプ付きファイルが作成されました。

4.2.2.2 TM1データをリストアします。
My Document以下のバックアップから、データフォルダとログフォルダをフォルダごとコピーします。
ここでは、リストア先のデータフォルダとログフォルダを削除してからコピーしました。新しいファイルが残るのを避けるためです。
ファイルのタイムスタンプも、準備8.の画面と比較して戻っていることが分かります。

4.2.2.3 TM1データがリストアされたことを確認します。
TM1サーバーを起動して、TM1 Webからログインします。
Sales行のQ1-2004の値が、938,285に戻っていることが確認できました。

4.3 バックアップ・リストア手順（TM1サーバーを停止しない方式）
一般的にはTM1サーバーを停止してからバックアップを取得することが多いため、ここでは手順の紹介にとどめます。
準備1. TM1s.cfg構成ファイルを開き、データフォルダ（DataBaseDirectory）とログフォルダ（LoggingDirectory）を別々のフォルダ名に設定します。
準備2. TM1s.cfg構成ファイルを開き、AuditLogOn=F に設定されていることを確認します。
⇒本バックアップ方式ではAuditLogOn=Tに設定出来ない、つまり監査ログを記録できないということを意味します。
TM1データのバックアップ
キューブデータを更新した際には、データの保存を行います。例) Plannning Sample -> データの保存を実行します。
その後、TM1サーバーを停止させずに、データフォルダだけをバックアップ（フォルダごとコピー）します。
※注意事項
バックアップ中（データフォルダコピー中）は、データ更新（データの保存処理）を行わないでください。
TM1データのリストア
TM1サーバーを停止し、バックアップからデータフォルダをコピーし、TM1サーバーを再起動します。
4.4 トランザクション・ログを利用したバックアウト手順
※ここでは以下のシナリオに沿って手順を説明します。
1) データを更新します。
2) データを保存します。
3) トランザクション・ログからバックアウトし、データが元に戻っていることを確認します。

4.4.1 TM1データの更新
4.4.1.1 キューブ・ビューアーを開きます。
TM1 Architect で、キューブ -> plan_BugetPlan -> ビュー -> Budget Input Detailed をダブルクリックします。
4.4.1.2 値を編集します。
この例では、Sales行のJan-2004を315,513から600,000に編集しています。

4.4.1.3 値を更新します。
再計算ボタンを押します。

4.4.2 TM1データの保存
4.4.2.1 Planning Sampleのデータを保存します。
SaveDataの前にCubeの更新時間を確認しておきます。

Planning Sampleを右クリックして保存を選択します。

Cubeのタイムスタンプが更新されています。

4.4.2.2 ログフォルダを確認します。
tm1s.logにタイムスタンプが付いたファイルが作成されました。

4.4.3 トランザクション・ログのバックアウト
4.4.3.1 トランザクション・ログを表示します。
TM1 Architectで、Planning Sampleを右クリック->トランザクション・ログの表示を選びます。

参考）
トランザクション・ログの表示を選んだときに、以下のようなエラーが表示されることがあります。
msmask32というVisual Basic 6.0付属のActive X コントロールが入っていないとエラーになるようです。
インターネットで探してダウンロード＆インストールします。例えば、Vector などからダウンロードできます。
http://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/util/se308404.html
キューブの右三角をクリックして、Cube名を選択します。（ここではplan_BugetPlanを選択します）

OKを押すと、トランザクションログが表示されます。

4.4.3.2 トランザクション・ログをバックアウトします。
トランザクションログを選択します。
ここでは編集->全て選択を選びます。左端にチェックが入ります。

編集 -> 取り消しを選びます。（これでデータの変更を取り消します）

参考)
再度、4.4.3.1の手順に従ってトランザクションログのクエリー結果を表示すると、
データを戻すクエリーがログに追加されていることが分かります。
4.4.3.3 キューブ・ビューアーでデータを確認します。
TM1Architectで、キューブ -> plan_BugetPlan -> ビュー -> Budget Input Detailed をダブルクリックします。
SalesのJan-2004を600,000から315,513に戻っています。値が戻っていることが確認できした。

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