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京大サマーデザインスクール2014 
  
京大サマーデザイン 
スクール2014 
  
(c)2014 西尾泰和(サイボウズ・ラボ) 
西尾泰和 
1
断片的情報の構造化 
  
断片的情報の構造化 
   
2 
2
断片的情報の構造化 
  
みなさんの前には 
たくさんの付箋 
“断片的情報”がある 
   
3 
3
断片的情報の構造化 
  
これをどうするのか? 
   
4 
4
断片的情報の構造化 
  
情報を構造化したい 
   組織化したい 
  統合したい 
  整理したい 
   
5 
5
断片的情報の構造化 
  
色々な言い方はあるが 
要は「まとめたい」 
   
6 
6
断片的情報の構造化 
  
なぜまとめられない? 
「まとめたい→まとめられない」のギャップはなぜ? 
  
7 
7
断片的情報の構造化 
  
情報が多すぎて混乱 
人間の認知能力の限界 
   
8 
8
やり方の工夫で 
乗り越えよう 
断片的情報の構造化 
  
   
9 
9
そこで 
KJ法 
断片的情報の構造化 
  
   
10 
10
KJ法の流れ 
KJ法の実践 
KJ法の背景 
断片的情報の構造化 
  
   
11 
11
KJ法の流れ 
KJ法の実践 
KJ法の背景 
断片的情報の構造化 
  
   
12 
12
雰囲気をつかむために 
流れを追ってみよう 
実録 KJ法の流れ 
  
   
13 
13
京大サマーデザインスクール2014 
  
   
実録 
KJ法の流れ 
14 
14
実録 KJ法の流れ 
  
今回このKJ法の資料作り自体を 
KJ法でやって過程を記録した 
   
15 
15
実録 KJ法の流れ 
まず2分半で脳内の思いついたことを書きだしてみた(7枚) 
   
16 
16
実録 KJ法の流れ 
次に25分で「発想法」を読みながら思いついたことを書きだしたり抜き書き 
   
17 
17
実録 KJ法の流れ 
「そもそも何のためなの」が抜けていると思ったので2分半で書き出し 
   
18 
18
実録 KJ法の流れ 
さらに25分「発想法」を読む。手法の章だったので抜き書きの枚数が多い。 
27分で41枚 
  
19 
19
実録 KJ法の流れ 
「知の探検学」を25分読んで付箋づくり 
   
20 
20
実録 KJ法の流れ 
実は講義の全体像を練るために事前に書いていた付箋がいくつかあるので回収 
   
21 
21
実録 KJ法の流れ 
適当な空いている机を見つけたのでここに広げることに決めた 
   
22 
22
実録 KJ法の流れ 
付箋を広げた(6分かかった) 
(実はまだホワイトボードに貼られていた付箋は合流していない) 
  
23 
23
実録 KJ法の流れ 
3分後、徐々にまとまってきた 
隙間が増えたのでホワイトボードの付箋も合流させた 
  
24 
24
実録 KJ法の流れ 
まとめ始めて10分経過 
   
25 
25
実録 KJ法の流れ 
一部拡大 
   
26 
26
実録 KJ法の流れ 
20分経過、表札は赤丸で囲むことにした 
   
27 
27
実録 KJ法の流れ 
どんどん束ねて表札をつけ、圧縮していく 
25分やって、休憩して、再開して10分目の写真 
  
28 
28
実録 KJ法の流れ 
イレギュラーな「図の付箋」が動き始める 
17分目 
  
29 
29
実録 KJ法の流れ 
  
   
30 
30
実録 KJ法の流れ 
50分経過 
正確には「25分のセッションの2回目が終了」途中に休憩が入っている 
  
31 
31
実録 KJ法の流れ 
「離れザル」を集めてみた 
どこに入れるか悩ましい… 
  
32 
32
実録 KJ法の流れ 
空間的配置に意味をもたせた 
離れザルは未解決 
  
33 
33
実録 KJ法の流れ 
おおまかに2つのグループがあるが、継ぎ目にある付箋をどちらに入れるか悩む 
   
34 
34
実録 KJ法の流れ 
おおまかに2つのグループがあるが、継ぎ目にある付箋をどちらに入れるか悩む 
   
35 
35
実録 KJ法の流れ 
75分経過、束を更に束ねて離れザルも吸収 
第3セッション終了時  
  
36 
36
実録 KJ法の流れ 
あらためて空間的配置 
自宅に持ち帰っているので背景が変わっている 
  
37 
37
実録 KJ法の流れ 
KJ法A型(図解化)途中 
よくあるクロッキー帳(30.7cmx25.3cm)を使っている 
  
38 
38
実録 KJ法の流れ 
もう片方も空間的配置 
   
39 
39
実録 KJ法の流れ 
KJ法A型(図解化)完了 
   
40 
40
実録 KJ法の流れ 
話の流れを描き入れた 
実は図解化してから2日後。A4にコピーして書き込んでいる 
  
41 
41
実録 KJ法の流れ 
「KJ法の背景」の「まとめる」をスライド化(KJ法B型の亜種) 
スライドを作る過程で机に並べた。25分、付箋23枚、スライド20枚 
  
42 
42
実録 KJ法の流れ 
「KJ法の背景」の「実験科学」「問題理解の必要」をスライド化 
43 
つなぎがスムーズでないので「実験科学は万能ではない」を追加 
25分、付箋18枚、スライド15枚 
43
実録 KJ法の流れ 
「KJ法の背景」の「チームワーク」「関係するかもしれない」をスライド化 
44 
スムーズでないのでかなり組み替えた。特に「関係するかもしれない」は 
個人とチームの両方に入っていたので、くくりだして「KJ法の実践」の中に移動 
25分、付箋20枚、スライド12枚 
44
実録 KJ法の流れ 
修正された図解 
   
45 
45
実録 KJ法の流れ 
「KJ法の実践」スライド作成後の図解 
25分×3、付箋87枚、スライド74枚 
  
46 
46
実録 KJ法の流れ 
規模感 
   
付箋148枚 
所要時間7.5時間 
47 
47
実録 KJ法の流れ 
規模感 
『発想法』p69 
  
2時間のブレストが 
数十枚~百数十枚の 
付箋になる 
48 
48
実録 KJ法の流れ 
規模感 
   
1人でやっても 
2時間で百数十枚の 
付箋になった 
49 
49
実録 KJ法の流れ 
規模感 
◯1個が25分 
  
付箋づくり◯◯◯◯ 
まとめ作業◯◯◯  
図解化  ◯◯   
スライド化◯◯◯◯◯◯  
50 
50
実録 KJ法の流れ 
規模感 
このWSの大まかな時間配分 
◯1個が25分 
  
付箋づくり◯◯◯◯ 
まとめ作業◯◯◯◯  
図解化  ◯◯◯   
口頭説明 ◯◯◯ 
51 
51
付録 
付録 
  
   
52 
52
付録 
  
   
情報収集・構造化を 
KJ法で行って講義資料を 
作るとどうなるか? 
53 
53
付録 
  
   
取捨選択のフェーズが 
含まれていない 
↓ 
資料は初期に「必要かも」 
と思った内容を全部含む 
54 
54
付録 
  
   
出来上がりを見て 
「やっぱりいらない」 
の枝刈りが必要 
55 
55
付録 
  
   
具体例 
アイデアの干渉作用 
→付録へ移動 
56 
56
付録 
  
   
第1版ができてから 
他の章と見比べて 
 再構築(リファクタ) 
57 
57
付録 
  
   
・データ集め・ラベル作り 
→2章にマージ 
・2章にもかかれていた 
「チームでの書き出し法」 
→3章にマージ 
58 
58
付録 
  
   
スライドの再構成は 
16upでプリントして 
再度KJ法した 
59 
59
付録 
  
  
Why 16up? 
付箋とほぼ 
同サイズに 
なるから 
60 
その後はさみで切る回数を減らすために 
25upマージンなしのPDFを作るツールを作った 
60
付録 
  
「はがせるスティックのり」を試してみた→イマイチ 
  
未解決問題 
切り抜くのがめんどくさい 
裏に糊がついていない 
↓ 
印刷できる付箋が欲しい 
61 
61
  
このスライドについて 
このスライドは、サイボウズ・ラボの西尾泰和 
と竹迫良範が、 京都大学サマーデザインスクー 
ル 2014で行った「学び方のデザイン」の講義資 
料の一部です。 
他のスライドは http://nhiro.org/kuds2014/ で見つ 
けることができます。 
   
62

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