1. 電子メディア論
－ネットから生まれた『ろうそく集 会 』－

2. 韓国における抗議デモ
・ 2008年 4月米韓首脳会談
韓国政府がＢＳＥ（牛海綿状脳症）対策で禁止していた
米国産牛肉の輸入を段階的に認める
＜詳細＞
生後 30カ月未満の骨なし肉という条件で米国産牛肉を
輸入
骨付き肉も含め輸入許可
→ BSE( 牛海綿状脳症 ) いわゆる「狂牛病」に感染した
牛肉が
韓国の食卓へ上がる
韓国社会に不安感が広まり、政府に対する批判

3. 抗議デモの流れ
政府：「米牛肉は安全でＢＳＥの心配はない」
新聞：「米牛肉は安全でおいしく韓国料理にもぴった
り！」
在米韓国人主婦の集いの声明
「家族の健康を守る主婦として言いたい。決して米牛肉
は安全でなくＢＳＥの危険を抱えている。動物性飼料が
まだ完全に禁止されておらず、非人道的で非衛生的な畜
産環境も度々指摘されている。米国内でも米牛肉に不信
を抱く消費者が多い。国民の健康を脅かす輸入交渉をも
う一度考え直してほしい」
韓国のポータルサイト「ＤＡＵＭ」のブロガーニュース
「米国の牛肉を食べると脳に穴が開く。輸入をとめなく
ては！」

4. 抗議デモの流れ
「ＤＡＵＭ」に掲載された政府の米牛肉輸入交渉に関す
る記事
← 次々に批判のコメント
その他のポータルサイト、コミュニティーサイト、インタ
ーネット新聞など、あらゆるサイトへ波及（ 4000件のコ
メントがつく記事も）
政府：「インターネットで怪談が出回っている」まとも
に対応せず
放送局のＭＢＣ
欧米でＢＳＥで死んでゆく人々のドキュメンタリーを
放映
国民の不安は頂点に達する

5. ろうそく集会の開催
＜内容＞
ろうそくを持ってソウル市の中心部を歩く講義集会
＜参加者＞
・ビジネスマン
・ベビーカーを押した主婦
・中高校生
・芸能人
＜主張＞
ＢＳＥ牛肉問題
「国民の健康を売ってまで米国に媚びることはな
い」
イミョンバク政権への不満
「 メディアの統制や大運河、医療の市場化、教育
の自律化、公企業の民営化反対闘争をともに展開して
いく」

6. 「ろうそく集会」の由来
2002年「女子中学生れき殺事件」
米軍の装甲車に女子中学生２人が無残にもひき殺され
たにもかかわらず、駐韓米軍地位協定により犯人が米
軍に保護される
→２人の魂を象徴するろうそくを持って抗議した
2004年「ノ・ムヒョン大統領弾劾事件」
国会による強制弾劾に国民が大反発
→ノ・ムヒョン大統領にろうそくを捧げる
2008年「ＢＳＥ米国産牛肉輸入問題」
→ 3度目の大規模なろうそく集会となる

7. ろうそく集会の特徴
＜毎回＞
インターネットがきっかけで集まる
＜今回＞
①全国のネットユーザーに向けて動画を生中継
ろうそく集会の様子を、参加した多くの個人が個人
放送局システムと無線 LANや Wibro （モバイル高速
無線）、 HSDPAといった高速ネットワークを駆使
・生中継動画 1 万 7222件
・視聴者数は約 775万人
（ 5月 25日から 6月 10日までの累
計）
→通常の 10倍を超えるアクセス数
②中高校生がデモの中心
→参加者の 6割が学生（特に女子中高生が多数）

8. 評価できる点
・インターネットでの動画生中継
個人メディアを駆使した結果、国全体の注目を
集める。
テレビカメラよりも早く、集会のすみずみまで
映し出し、
リアルな現場を国民に伝える。
・韓国の学生の行動
「学校給食にアメリカ産牛肉を使うな！」とい
う自分
たちの切実な思いを意思表示し、行動に移して

9. 評価できない点
・デモの暴動化
デモ隊の一部がハンマーを使ってドアのガラスを破壊、
周辺にゴミを積み上げる。テレビ局のカメラマンは取材
中、デモ隊に引きずり回されたあげく殴られて失神、病
院に運ばれた。他局カメラマンも酒ビンを投げつけられ
て負傷。女性市民がデモ隊に取り囲まれ乱暴を止めよう
とした男性市民とともに殴られた。
・ネット上の書き込み「嘘」と「真実」
狂牛病に関する虚々実々の情報がネット上に溢れている
状態。こうした情報は、ケータイやモバイルブロードバ
ンドを通じて瞬く間に広がる。
・日本での報道数の少なさ
日本においては軽視されている。他にもっと大事なニュ
ースがある？

10. 考察・まとめ
・インターネットから世論が喚起された場合、そのも
とと
なる情報の真否を国民がしっかり見極める必要性が
ある
・インターネットは世論を形成する媒体であると言え
る
・それは現代社会において信ぴょう性の高い世論かも
しれ
ない
←既存の世論調査より大規模だから

11. 参考文献
・ http://www.zenshin.org/blog/2008/06/post-124.html
・ http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0807/07/
news124.html
・ http://journal.mycom.co.jp/news/2008/05/19/021/
index.html
・ http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n
=MMIT13000001072008
・
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-100368-storytopic-86.html
・ http://bund.jp/md/antenna001/index.php?page=clipping
&clipping_id=18070