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リアルタイム型のオンライン授業とは
• インターネットを利用して、
離れた場所(自宅など)にいる各生徒に、一斉に授業
を配信する。
→指定された時間に、教員も生徒も
パソコンやスマホの画面に向かう。
• リアルタイム型では、ビデオ通話ソフトウェアを使用
する。(Zoom、Google Meet、Teams、Skypeなど)
リアルタイム型は、対面型に近い??
• リアルタイム型の授業では、教員は、
オンライン上で、これまでの対面型と同じように
授業を行うイメージ
しかし、対面型とは異なる点もある。
対面型との違いを認識しないと、失敗する
対面授業からオンライン授業への移行が楽にできる。
→急なオンライン授業の実施には有効
リアルタイム型と対面型
教員
• パソコン画面に映っている
全生徒を見ながら授業を行う。
生徒
• 自分の家など、それぞれの
プライベートな場所で受けている。
教室での授業と同じような感覚!
教室での授業とは全く別の感覚!
プライベートな場所で受講している
• 生徒全員が、
最適の場所で授業を受けているとは限らない。
• 勉強机と椅子があり、静かな個室
• リビングや食卓での受講
• 家族共有のパソコン
• 同居する人やペットの存在
• 手伝い、介護、その他
さまざまな事情に配慮
することがとても大切
プライベートな場所で受講している
• 自宅などのプライベート空間での受講について、
事前に調査をすることもできるが、、、
• 生徒の申告に基づく個別の調整ではなく、
そういう事情の生徒もいることを認識して、
また、事情は常に変化することを認識して、
生徒全員に向けた配慮を行うべき。
リアルタイム型オンライン授業の工夫
生徒のシステム環境に対する配慮
• 使用するシステムはパソコンなのか、タブレットなのか、
スマートフォンなのか
• 画面の大きさが違う。
→ 教材の文字や図を大きくする。
• スマホでは複数のファイルを同時に表示しにくい。
• 文字の入力のしやすさ(最近はスマホの入力になれている生徒も多い)
• 使用できないソフト(Word、Excel、PowerPointなど)がある。
→教材・資料はPDFファイルで配付する。
リアルタイム型オンライン授業の工夫
生徒のネットワーク環境に対する配慮
• リアルタイム型では、授業中は
ネットワークにつなぎっぱなしである。
→生徒の使用するネットワークが、
安定していて高速であるとは限らない。
早退?欠席??・・・このようなとき生徒はとても不安になる。
事前にルールを決めておく
授業の途中あるいは最初から授業に参加できない場合もある。
リアルタイム型オンライン授業の工夫
ネットワークトラブル時のルールの例
• 事前に、授業を行う教員がリアルタイムで
確認できるメールアドレスを伝えておく。
(1)授業の前や授業中にトラブルが生じた場合には、
必ず「その授業の時間内」にトラブル内容を連絡する。
(2)事前に配付した資料※を見て、演習課題を行い、
期限内に課題を提出する。(※次スライドで説明します)
• (1)(2)を行うことで、出席と同様の扱いとする。
生徒のネットワークトラブルに対する不安を軽減できる
リアルタイム型オンライン授業の工夫
事前配付資料、課題の例
• 当日使用する「教材」を事前に準備する。
• また、当日行う「演習」も事前に準備する。
→オンライン授業では、講義だけでは、
聞いている生徒は退屈で苦痛である。(←対面型との違い)
授業の中で、授業画面を見なくてもできる演習を入れる。
• 授業の流れの説明の「補足資料」も事前に準備する。
→「教材」と「演習」を
どの段階・順番で行うかなどの補足説明の資料
リアルタイム型オンライン授業の工夫
配付資料の送付の工夫
• 送信のタイミング
(1)授業の前日の正午までなど、直前ではなく、
ある程度時間的に余裕をもって送信する。
(2)毎回届く時期が異なるのは混乱の原因になるため、
送るタイミングを毎回同じになるようにする。
• 送信メールの[件名(タイトル)]
(1)日にちと曜日、授業名、担当教員名を入れる。
(2)毎回、同じ[件名(タイトル)]の書き方にする。
→生徒にはたくさんの授業関連のメールが届くことを意識して、
混乱低減に配慮する。
リアルタイム型オンライン授業の工夫
リアルタイム型授業中の工夫
• 最初は生徒側を「ミュート」にしておく。
→ビデオ通話ソフトでは、生徒がオンライン教室に入室した
ときに「ミュート」になるように事前に設定できる。
• 毎回の授業の最初に、教員の音声が聞こえるかを、生徒に
問いかけて確認する。
• 生徒の「顔出し」をどうするか?
• 授業内容によっても異なるが、授業の間ずっと「顔出し」
を求めるより、時間を限定して「顔出し」を求めるとよい。
→プライベート空間への配慮、ネットワーク容量への配慮
リアルタイム型オンライン授業の工夫
真面目に受けているか気になる
• 教員は誰もが不安になること
授業中に、他ごとをしたり、飲食をしているかもしれない。
ビデオ通話ソフトに「入室」しているだけで、画面の前に
いないかもしれない。
• 現在の多くのシステムでは、受講者がこれをできてしまう
ことは、システムの特性として理解する必要がある。
→特性を認めた上で、工夫をする。→「顔出し」もあるが・・・
最も有効なことは「演習」を工夫することである。
リアルタイム型オンライン授業の工夫
オンライン授業における演習
• 通常の授業では、特に大学の授業では「講義」と「演習」に
科目によって分かれていることが多い。
• オンライン授業では、科目にかかわらず「演習」を加える
ことが重要。
→従来の授業の考え方との変化が求められる。
• 生徒が教員の話を聞くことに重点をおくのではなく、
生徒が「演習」を行うことを中心に、毎回の授業を
組み立てていく。
リアルタイム型オンライン授業の工夫
最後に
• 2020年度、オンライン授業が一気に広がりました。
• それに伴い、インターネット上で、これらの実践事例が
多く掲載・報告されています。
• ここでは、全般的な「考え方」を中心に述べましたが、
個別事例について触れておりません。
• 先生方の担当される科目や授業に応じて、具体的な事例
をインターネットで、ぜひ検索し活用してください。

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