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大図研	
 全国大会@札幌	
  
参加報告	
 
小村	
 愛美
参考:大会のToge&er	
 
l 大図研第46回全国大会	
  
h%p://toge%er.com/li/864780	
  
1日目:研究発表①	
 
l 「イングランドの大学図書館における
特別支援担当の取組みにみる役割」	
  
 松戸宏予氏(佛教大学)
1日目:研究発表①	
 
l イギリスの大学図書館にアンケート調
査	
  
l 特別支援の必要な学生の多くはディス
レクシアを持っている学生	
  
1日目:研究発表①	
 
l 特別支援担当の4つの役割	
  
「職員意識の啓蒙」	
  
「仲介者(学生と図書館をつなぐ)」
「安心の窓口」	
  
「情報資源へのアクセスの担保」
1日目:研究発表①	
 
l 「安心の窓口」:	
  
 図書館特別支援担当がいなくては果 	
  
 たせない役割	
  
1日目:研究発表①	
 
l 「情報資源へのアクセスの担保」	
  
l ①代替フォーマットの入手	
 
l ②アクセシビリティ環境整備評価	
  (書架見出	
  
  しの工夫。白地に黒字は見づらいなど)	
 
l ③学習環境の整備(文字拡大機器など)	
  
l ④図書館利用者教育	
  (基本は特別支援担当)
1日目:研究発表①	
 
l 日本ですぐ取り入れられる部分は?	
  
 →職員意識の啓蒙。障害者差別解消	
  
  法への対応も。
1日目:研究発表②	
 
l 「オープンアクセスは被引用率を上昇
させるのか Scopusによる京都大学の
生命科学系論文の調査から見えるも
の」	
  
 坂本拓氏(京都大学附属図書館)
1日目:研究発表②	
 
l 調査動機:研究者をオープンアクセスに
巻き込みたい	
 
l 「OAにすると被引用率が上昇する」とい
われるが、本当か?	
  
l SCOPUS掲載の生命科学分野論文、2014年
を調査
1日目:研究発表②	
 
l 「生命科学系分野の論文は良く引用され
る」	
  
l 「生命科学系分野の雑誌はOAになってい
る可能性が高い」	
  
l 定説に当てはまることを確認	
  
l 1回も引用されない確率も低い
1日目:研究発表②	
 
l 質疑	
  
l 「数字の有意性について」	
  
l 「GoldとGreenの差も考える必要があるの
では」	
  
l 「2014年以外の調査も必要」
1日目:研究発表②	
 
l 発表の草稿段階は京都支部支部報に掲載	
 
l 支部報No.305(2015/4/15)	
  10月頃OA化	
  
 daitoken.com/kyoto/
2日目	
 午前:第2分科会	
 
l 高等教育政策:国立大学を中心に	
  
l テキスト:	
  
 池内了『大学と科学の岐路』	
  
 吉見俊哉『大学とは何か』
2日目	
 午前:第2分科会	
 
l 主な改革:91年「大学設置基準の大綱化」(教養部の
廃止)、「大学院重点化」、01年「遠山プラン」など。
04年法人化実施	
  
l 科学技術基本計画と一体になって国立大学は変貌	
 
l 池内「90年代以降、大学審議会(中教審大学部会)の
答申という形で国家の介入が強まった」
2日目	
 午前:第2分科会	
 
l 教養教育が手薄に、大学の専門学校化	
  
l 大学院定員増、助手ポスト減、ポスドク問題	
  
l 財界からの大学批判	
  
l 運営費交付金減、競争的資金、中期計画	
  
l 「選択と集中」のゆがみ、教職員の多忙化、評価
漬け	
  
l 文科省の意向が強まっている財政	
  
2日目	
 午前:第2分科会	
 
l ディスカッション	
  
l 法人化:私大→国立と協力とかできる?	
  
l 一般に国立大学で、運営費交付金中の人件費割合
は6〜8割。私大では5割程度が良好な経営状態	
  
l 私立大学教職員の帰属意識は強い?
2日目	
 午前:第2分科会	
 
l 企業にとっての即戦力。人間的な基礎力。どんな
教育で身につくのか	
  
l 大学の評価は研究面に偏っているのでは。教育効
果を測るのは難しい。本当は分離していない?	
  
l 「大学は教育機関」と言いきる文科省関係者も。	
 
 最新の研究成果を踏まえた教育はやはり大学。
2日目	
 午前:第2分科会	
 
l 国立大の第3期中期計画を、私立大学も注視した
い	
 
l 2018年問題はすべての大学にとって切実	
  
l 大学→文科への働きかけも要る。データをもとに
しないと、文科省も財務省と戦えない。データや
研究はあちこち転がってるはず、図書館が貢献で
きるところ?
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 午後:第8分科会	
 
l 資料保存	
  
l 「自動書庫と資料保存」	
  
l 金剛・オカムラ・日本ファイリング	
  
l 自動書庫の保存環境、収容効率を議論
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保存環境の整備(実装可能)	
 
l 空調、温湿度センサー	
  
l クレーンカメラで庫内モニタリング	
  
l 微生物センサー	
  
l 抜取検査・クリーニング用出庫プログラム	
  
l メンテナンス要員による検査・清掃	
  
l 小環境整備=保存箱	
  
l 皮脂付着の防止	
  
l 新規入庫図書のクリーニング	
  
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l 保存環境の整備(開発中)	
  
l 庫内空調の偏りを自動調節、送風	
  
l 集密書架+空気清浄機能	
  →	
  自動書庫
に応用	
  
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 午後:第8分科会	
 
l もしカビ被害が起こったら…	
  
l 庫内をブロック分割、発生場所をク
リーニング	
  
2日目	
 午後:第8分科会	
 
l 実際の導入館でのカビ・虫害事例	
  
l アルコール拭き、空調	
  
l 建物の構造・設計も重要	
  
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l 自動書庫の収容効率	
  
l 集密書架の最大効率には及ばない	
  
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l 天井高が高いほど効率は上がる	
  
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 午後:第8分科会	
 
l ディスカッション	
  
l 固定ロケーションとフリーロケーション	
  
l 保存環境が自動書庫の要素になった転機は?	
  
l 建物の基本設計からの参入例は?	
  
l 自動書庫のメリットを活かした運用の提案は?	
  
l 自動書庫でのICタグ運用は?	
  
l 保存対策の追加実装は可能?	
  
3日目:シンポジウム	
  
「学術雑誌問題の今後を考える:eDDSとPPV」	
 
l 東邦大学	
  
l Elsevier	
  :	
  Prepaid	
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l Nature	
  :	
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  on	
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l 2002年→2015年	
  
l EJ支払い総額:51%減	
  
l EJ利用数:3倍
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l  成果上げた要因	
  
l  PPV単価の値下げ(大量購入の評価)	
  
l  円高(PPVはドル建て)	
  
l  翌年持ち越し可能な有効期限	
  
l  購読雑誌の見直し	
  
l  Back	
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l  PPV利用の制御	
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「学術雑誌問題の今後を考える:eDDSとPPV」	
 
l 電子の特徴:	
  
l 詳細な利用状況がわかる	
  
l 利用頻度高いものに絞れる=使われないものを省ける	
  
l 東邦大での考え:	
  
l 利用が少ない雑誌=PPV、印刷版	
  
l 利用が多い雑誌=個別/パッケージ契約	
  
3日目:シンポジウム	
  
「学術雑誌問題の今後を考える:eDDSとPPV」	
 
l PPV有効活用の課題:	
  
l 無駄なアクセス(同じ利用者が同じ論
文を複数回。印刷版を利用しない)	
  
l 出版社への要望	
  
3日目:シンポジウム	
  
「学術雑誌問題の今後を考える:eDDSとPPV」	
 
l Reprints	
  Desk(ユサコ)	
  
l RightFind(ジー・サーチ)	
  
l 民間のDDSサービス。本家はアメリカ	
  
3日目:シンポジウム	
  
「学術雑誌問題の今後を考える:eDDSとPPV」	
 
l 著作権処理済みの学術文献をPDF配信	
  
l 文献利用料のみ月払い	
  
l 8割の文献が数分〜数時間で届く	
  
l 大学図書館と:サービス連携(リンク
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終わり	
 
	
  
来年は皆さんも行きましょう!	
  

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