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水平線検出による船体動揺映像の安定化
      Stabilization of Ship Rolling Video Images by Horizon Line Detection

                                       松永 力
                                  Chikara Matsunaga
                           株式会社朋栄 佐倉研究開発センター
                          FOR-A Co., Ltd. Sakura R&D Center
                            E-mail: matsunaga@for-a.co.jp

               Abstract                    定化は,連続する画像のグローバルな動きを推定する
                                           問題に帰着される.
    映像における揺れの存在は,監視作業を妨げる大き                  画像の動きの推定は画像処理・コンピュータビジョン
な要因のひとつであり,その安定化は大変重要である.                  における基本的な問題であり,これまでに多くの研究
画像処理による映像の揺れの安定化は,画像のグロー                   がなされてきたが,それらは大きく領域ベースによる
バルな動きを推定する問題に帰着される.                        手法と,特徴ベースによる手法に分けられる.動画像
    海洋上の船舶から撮影される映像には画像の回転揺                圧縮符号化の国際標準規格 MPEG では,ブロックマッ
れが含まれているが,海洋上では明るさが一様な空の                   チング [16] が用いられ,コンピュータビジョンではオ
ように画像特徴を得ることが困難だったり,海面も常                   プティカルフロー [7] がよく用いられるが,いずれも濃
に波が細かく動いていたり,波飛沫がかかる窓を掃く                   淡画素を直接処理するものである.一方,位相相関法
ワイパーのような移動物体や船の舳先等の静止物体が                   [5, 18] のように,画像を周波数変換することによって
存在する.これらはいずれも画像のグローバルな動き                   周波数領域で行う処理もある.特徴ベースの方法とし
の推定にとっては大きな障害となる.                          ては,ハリス作用素 [4] によって抽出したコーナー等の
    本論文は,船体動揺時に撮影された映像に含まれる                画像特徴点を用いるものがあり,金澤・金谷は,特徴点
画像の回転と上下動を除去するために,映像中の水平                   から二画像間の射影変換を最適に計算した [14].
線を検出することにより動揺映像の安定化を行うもの                     カメラ映像の揺れと言えば,いわゆる手ぶれを指す
である.                                       ことが多いが,撮影条件に固有な揺れというものも存
                                           在する.海洋上の船舶から撮影される映像には画像面
                                           を中心とする回転揺れが含まれている.海洋上では,明
1    はじめに
                                           るさが一様な空のように画像特徴を得ることが困難な
    昨今のテロ事件,不審船事件,海上犯罪や海難事故                場合が多い.また,海面も常に波が細かく動いていた
の増加に伴い,監視カメラの設置数のみならず,カメ                   り,波飛沫がかかる窓を掃くために画面全体を覆うよ
ラ映像そのものの品質の向上が期待される.カメラ映                   うに動くワイパーのような大きな移動物体が存在する
像における揺れの存在は,監視作業を妨げる大きな要                   場合がある.船の舳先等の画像中に大きな静止物体領
因のひとつであり,その安定化は大変重要である.                    域が存在する場合もある.これらはいずれも画像のグ
    カメラ映像の揺れの安定化を実現する方式は,カメ                ローバルな動きの推定にとって大きな障害となる.
ラに取り付けた速度・加速度センサからの情報に基づ                     本論文は,船体動揺時に撮影された映像に含まれる
いてカメラのレンズやカメラ自身を動かすことにより                   画像の回転,上下動を除去した安定化映像を得ること
揺れを補正する光学式,機械式と呼ばれるものと,画                   を目的として,映像中の水平線をハフ変換 [3, 8] を用い
像処理による電子式と呼ばれるものに分けられる.                    て検出することにより安定化を行う.勾配法を用いた
    これらの装置は,一般に画像スタビライザと呼ばれ                剛体フロー推定による安定化手法との比較を実画像実
るが,画像処理による電子式スタビライザは揺れの補                   験により行い,その有効性を確認する.画像中に大き
正可能な範囲や装置の耐久性等,多くの点で優位であ                   な移動物体や静止物体領域の存在する場合でも,船体
る.二画像間のグローバル動きの推定をオプティカル                   動揺の固有な撮影条件における画像であることを考慮
フローによって行い,カメラ映像の揺れを安定化させ                   することによって,ロバストに画像のグローバルな動
た例がある [9].画像処理によるカメラ映像の揺れの安                き推定が行えることを示す.
本論文の構成は,2 章で画像面の回転を含めた剛体                            式(2)の左辺は,
運動と勾配法を用いた剛体フロー推定とそれによる連
続画像列の安定化処理について説明する.3 章では,ハ
                                                           I(1) (Rθ x + t)
フ変換を用いた水平線検出による安定化処理について                                           cos θ      − sin θ         x          tx
                                                        = I(1) (                                    +         )
説明する.ハフ変換のための前処理や画像中の静止物                                           sin θ       cos θ          y          ty
体領域を検出したマスク画像の生成,連続画像列にお                                = I(1) (x cos θ − y sin θ + tx , x sin θ + y cos θ + ty ) (4)
ける水平線の検出結果に対して適用するカルマンフィ
                                                       であり,θ が十分小さいときに sin θ ≈ θ, cos θ ≈ 1 と
ルタ [10] について説明する.4 章で実画像実験として,
                                                       近似して,さらにテイラー展開すると I(1) は
ハフ変換を用いた水平線検出による安定化の結果,勾
配法を用いた剛体フロー推定による安定化の結果との                                    I(1) (Rθ x + t)
比較,カルマンフィルタを適用した時系列処理の結果,
                                                         ≈ I(1) (x + tx − yθ, y + ty + xθ)
波飛沫による水平線消失時を含む場合の結果を示し,5
                                                                                   ∂I(1)             ∂I(1)
章でまとめる.                                                  = I(1) (x, y) + (tx − yθ)       + (ty + xθ)       (5)
                                                                                    ∂x                ∂y

2     勾配法を用いた剛体フロー推定による                                と書ける.したがって,t, θ を求めるために次の目的関

      安定化                                              数 J(t, θ) を最小化する.

                                                                   1                                              2
    隣接する二画像間のグローバルな動きを推定するた                            J(t, θ) =
                                                                   2
                                                                             (tx − yθ)Ix + (ty + xθ)Iy + It            (6)
めに勾配法を用いて剛体フローを推定する.はじめに
                                                       ここで,
ガウシアンフィルタによる平滑化を行い,間引き画像
を順次生成する [1].低解像度における二画像間の動き
                                                                            ∂I(1)            ∂I(1)
                                                                       Ix =        , Iy =           ,
                                                                             ∂x                ∂y
を差分絶対値総和を最小とする探索によるブロックマッ
                                                                       It = I(1) (x, y) − I(2) (x, y)                  (7)
チングを用いて検出する.その結果を,順次高解像度
における二画像間に伝播させて,整数画素精度の並進                               であり,        は二画像の重複した領域中のすべての画素
動き量を推定した後,勾配法によって剛体フローを非                               に渡る和を表す.式(6)は勾配拘束条件の最小二乗推
整数画素精度で推定する.これはいわゆるオプティカ                               定であり,一般に勾配法と呼ばれているが,これは,い
ルフロー [7] に回転を含めた拡張である.得られた剛体                           わゆるオプティカルフロー [7] に回転を含めた拡張に
フローを用いて,連続する画像列を剛体変換すること                               なっている.そこで,勾配法によって求めた剛体運動
によって安定化を実現する.剛体フローの推定とそれ                               を剛体フローと呼ぶことにする.
による連続画像列の安定化処理について説明する.                                 式(6)を最小にする tx , ty , θ を定める.式(6)を tx ,
2.1   剛体フロー                                            ty , θ でそれぞれ微分して 0 と置くと次のようになる.
    連続する二枚の画像 I(1) , I(2) があるとき,第二画像
                                                           ∂J
I(2) を原点の周りに θ だけ回転し,t だけ平行移動する
                                                                          2
                                                               =        (Ix tx + Ix Iy ty + zIx θ + Ix It ) = 0 (8)
                                                           ∂tx
と第一画像 I(1) と重なるとする.このとき重なり部分                               ∂J                        2
                                                               =        (Ix Iy tx + Iy ty + zIy θ + Iy It ) = 0 (9)
では次の関係が成り立つ.                                               ∂ty
                                                           ∂J
           I(2) (Rθ (x − t)) ≈ I(1) (x)          (1)           =        (Ix tx + Iy ty + z 2 θ + zIt ) = 0            (10)
                                                           ∂θ

式(1)とは逆に第一画像 I(1) を第二画像 I(2) に重ねる                      ここで,
とすると,重なり部分では次の関係が成り立つ.                                                        z = −yIx + xIy                          (11)

                                                       である.したがって,次の正規方程式を解いて tx , ty , θ
            I(1) (Rθ x + t) ≈ I(2) (x)           (2)
                                                       が求められる.
ただし次のように置いた.                                                   2
                                                                                                            
                                                              Ix                      Ix Iy   zIx        tx
                                                                                        2
                                                             Ix Iy                    Iy      zIy   ty 
                                                                                                      
                  x                     tx                
          x=              ,    t=            ,
                  y                     ty                             zIx            zIy     z2      θ
                                                                                     
                  cos θ       − sin θ                             −           Ix It
         Rθ =                                    (3)
                                                               = −           Iy It                                  (12)
                                                                                   
                  sin θ        cos θ
                                                                  −           zIt
2.2    連続画像列の安定化
  連続する二画像間で画像座標 (x, y), (x , y ) を持つ画
像点が対応しているとし,次のような三次元ベクトル
で表す [11, 13, 14].
                                      
               x/f0                x /f0
         ˜
         x =  y/f0  ,      ˜
                             x =  y /f0           (13)
                                      

                1                    1

f0 は x/f0 , y/f0 , x /f0 , y /f0 を 1 のオーダーにする適
当な定数1 である.二画像が異なる位置から平面または
遠景を撮影したものであれば,ある 3 × 3 正則行列 H
が存在して次のように表せる [11, 13, 14].

                      ˜       ˜
                      x = Z[H x]                    (14)

ただし Z[ · ] は第 3 成分を 1 とする正規化であり,ベクト
ル a = (a1 , a2 , a3 ) に対して Z[a] = (a1 /a3 , a2 /a3 , 1)
= a/a3 である.式(14)の関係は射影変換と呼ばれ,
H を射影変換行列と呼ぶ.
  剛体フローによる剛体変換は射影変換の部分群であ
り [13],次のような射影変換行列として表される.                                   図 1        水平線検出による安定化処理の流れ図
                                                          (Flowchart of our stabilization procedure.).
                cos θ      − sin θ   tx /f0
          H =  sin θ
              
                            cos θ    ty /f0 
                                            
                                                    (15)   ここで,
                  0           0         1                        n−1                   n−1                    n−1
                                                            Θ=         θ(k) ,   Tx =         tx(k) ,   Ty =         ty(k) (17)
  画像動揺補正処理は,基準となる第一画像 I(1) から                                    k=1                   k=1                    k=1
動揺を含む第二画像 I(2) への射影変換行列 H 12 を用い
                                                           すなわち,基準となる第一画像から連続する二画像間の
て,第二画像 I(2) を第一画像 I(1) に一致する様に変換
                                                           剛体フローを累積加算することによって H 1n が計算さ
すればよい.その手順は次のようになる.
                                                           れる.第 n 画像の各画素位置 (i , j ) のベクトル x の射
                                                                                          ˜
 1. 第二画像の射影変換後の画素座標 (i , j ) を表すベ                          影変換の逆像 x = Z[H −1 x ] の濃淡画素値 I(n) (i, j) を
                                                                  ˜       1n ˜
                                                                                         C

    クトル x を計算する.
        ˜                                                  画素位置 (i , j ) に書き込むことにより,基準となる第
 2. その射影変換の逆像 x = Z[H −1 x ] を計算する.
               ˜         12 ˜
                                                           一画像に対する第 n 画像の動揺補正画像が生成される.
 3. ベクトル x の画素座標 (i, j) を計算する.
          ˜                                                 H 1n を用いて画像の剛体変換を行うが,剛体変換に
 4. 第二画像 I(2) を画素補間によって連続化した画像                             よる補正の結果,画素の存在しない領域が見えてしま
    I(2) の画素位置 (i, j) の濃淡画素値 I(2) (i, j) を画素
     C                        C                            う.そこで,予想される動揺による移動・回転量を考慮
    位置 (i , j ) に書き込む.                                     して,画像が見切れない様に拡大処理を施す方法が考
                                                           えられるが,ここでは,次のような簡易な方法を用い
 (i , j ) は整数であるが(ピクセル精度),ステップ 3
                                                           る.まず,有効画素領域を指定して,その上下領域を
で計算される (i, j) は一般には実数である.したがって
                                                           反射境界拡張した画像を剛体変換により補正する.左
非整数画素(サブピクセル精度)に対しても値が定義
                                                           右に関しては,そのようにして補正した画像を反射境
されるように画素補間による画素座標の連続化を行う.
                                                           界拡張する.これによって,水平線の見た目の連続性
  いま連続する画像 1, 2, . . ., n があり,第 i − 1 画像と
                                                           が保存される.
第 i 画像の間の剛体フローを {tx(i−1) , ty(i−1) , θ(i−1) } と
すると,第一画像から第 n 画像への射影変換行列 H 1n
                                                           3 ハフ変換を用いた水平線検出による安定化
は式(15)より,第一近似において次のように表される.
                                                         3.1   ハフ変換による水平線検出
              cos Θ − sin Θ Tx /f0
     H 1n =  sin Θ cos Θ Ty /f0    (16)                  前処理
                                  

                      0        0         1                 ハフ変換 [3, 8] による水平線検出の前処理として,まず
  1 例えば画像サイズである.                                           最初に,インタレース走査による空間的なオフセット
を解除する処理を行う [2].これは,フィールド間の動
きを推定するために,インタレース走査によるフィー
ルド画像をプログレッシブ画像に変換するものである.
フィールド間のグローバルな動きを推定する場合には,
同一フィールド内の上下の走査線における画素から,そ
の間の走査線の画素を補間生成することによって行わ
れる2 [2].
 そのように変換したプログレッシブ画像に対して,処
理全体にかかる計算量を削減するための画素間引き処
理及びノイズ除去のために平滑化処理を行う.ここで                                図 2 ハフ変換による直線検出(Line detection
は,標準偏差 1.0 のガウシアンフィルタにより平滑化を                            by Hough transform.).
行い,画像サイズを水平垂直ともに 1/2 に間引く.
                                                       したがって,検出した画像の回転角 θ, 垂直方向の上
 その後,水平線を検出するため,水平エッジ検出を
                                                      下動 ρ による動揺補正のための射影変換行列は次のよ
ソーベル作用素により行う.その結果の濃淡エッジ強
                                                      うになる.
度画像を大津の二値化法 [17] によって二値画像に変換
する.さらに,二値画像において,孤立エッジ画素や
                                                                                           
                                                           cos(−θ)      − sin(−θ)    −ρ /f0
ノイズ除去を行うために,注目画素の近傍 3 × 3 画素領                             sin(−θ)       cos(−θ)       0        (20)
                                                                                           
                                                                                            
域を用いた二値メジアンフィルタ処理を施す.                                          0            0          1

ハフ変換による直線検出
そのようにして得られた二値化水平エッジ画素に対し                              静止物体領域マスク画像の生成
てハフ変換を用いて水平線を検出する.画像の左下を                              船の舳先等の画像中における大きな静止物体領域の存
原点として,水平方向を y 軸,垂直方向を x 軸とする                          在は,画像のグローバルな動きの推定にとって大きな
と,画像面上の直線は,原点からの距離 ρ と,原点か                            障害となる.そこで,静止物体領域を表すマスク画像
らの垂線と x 軸のなす角度 θ によって,次のように表                          を予め生成する.ここでは,離散的なある時間間隔の
せる(図 2).                                              水平エッジ画像の二値化二画像間の論理積画像に注目
                                                      画素の近傍 3 × 3 画素領域を用いた二値メジアンフィル
           ρ = x cos θ + y sin θ               (18)
                                                      タ処理を行い,さらに,近傍 3 × 3∼5 × 5 画素領域を
ハフ変換領域における投票に要するセル数は,船体動                              用いたモルフォロジーフィルタによる膨張処理 [15] を
揺時の映像は経験上,概ね ±20◦ 以内であることから,                          行う.適当な時間間隔の二画像を取れば,船体動揺の
θ に関しては,0.05◦ 精度で 800 セル,ρ に関しては,処                    影響を排除した画像中における静止物体領域画素のみ
理画像の垂直方向サイズの画素精度で 240 セルとする.                          の抽出が可能になる.静止物体領域画素以外の水平エッ
                                                      ジ画素において,ハフ変換を行う.
(ρ, θ) 補正
                                                      3.2   カルマンフィルタ
ハフ変換により検出した水平線が画像中央部で水平に
                                                       ハフ変換領域における水平線を表すピーク位置 (ρ, θ)
なるように動揺を補正する.直線の自由度は 2 であり,
                                                      の時系列データに対して,カルマンフィルタ [10] を適
検出した水平線から画像の回転,垂直方向の上下動を
                                                      用し,滑らかな軌跡を得るとともに,次フレームにお
決めることは可能であるが,水平方向の動揺を補正す
                                                      ける水平線のピーク位置を予測して,ハフ変換による
るためには自由度が足らない.しかし,画像の回転,垂
                                                      水平線の検出の効率化と安定化を図る.さらに,ハフ
直方向の上下動を補正することにより,十分安定化さ
                                                      変換領域における水平線を表すピーク値にもカルマン
れた映像が得られるものと考えられる.
                                                      フィルタを適用し,その共分散行列の変化から水平線
 座標系の原点を画像左下から中心になる様,座標変
                                                      の消失を判定する.
換すると,検出された直線は次のように表される.
                V                  H                  カルマンフィルタによるろ波と予測
     ρ =   x−
                2
                    cos θ + y −
                                   2
                                       sin θ          ハフ変換により検出された水平線のピーク位置の観測
          V          H                                系列 {η (t) } = (ρ(t), θ(t)) に対して,次のような状態
       = ρ−  cos θ −   sin θ (19)
           2         2                                空間モデルを仮定する [6].
ここで,H, V はそれぞれ画像の水平,垂直方向の画素
サイズである.                                                            ξ(t) = F ξ (t−1) + Gw(t)     (21)
 2 勾配法による動き推定においても,同様に行った.                                         η (t) = Lξ(t) + e(t)         (22)
w(t) はシステムノイズであり,平均 0,共分散行列 Q                                         水平線消失の判定と対応
= diag(τρ , τθ ) とする.e(t) は観測ノイズであり,平均
        2 2
                                                                      カルマンフィルタによる予測結果を中心とする標準領
0,平均共分散行列 P = diag(σρ , σθ ) とする.
                    2    2
                                                                      域の三倍領域におけるピーク位置を探索することから,
 状態ベクトル ξ (t) は,ハフ変換により検出された水                                         ハフ変換による水平線の検出の効率化と安定化を図る
平線のピーク位置の観測系列 {η (t) } に対応する.これ                                       ことができるが,水平線が見えない場合に処理は破綻
を推定することで,滑らかな位置系列が得られる.二                                              する.濃霧等の気象条件によって水平線が常に観測不能
階差分モデルの場合には,現時刻 t 及び一時刻前 t − 1                                        な場合には処理を行うことはできない.しかし,水平線
の座標を,それぞれ以下のように持つ.                                                    が検出されて補正処理を行っている途中に波飛沫等に
                                                                      よって一時的に観測不能に陥るような場合には,処理
  ξ(t) =                                                       (23)
                                                                      を中断し,再び水平線が検出されると処理を再開する
              ρ(t)    θ(t) ρ(t − 1) θ(t − 1)

状態遷移行列 F ,システムノイズ行列 G,及び観測行                                           ことは可能であろう.そこで,検出されていた水平線が
列 L には,それぞれ以下のものを用いる.                                                 消失したことの判定方法とその場合の対応処理,再び
                                                                  水平線が検出されたことの判定方法について説明する.
           2 0 −1 0         1                          0
                                                                   ハフ変換領域における水平線を表すピーク値に対し
          0 2 0 −1      0                           1
      F =
         1 0 0
                     , G=                              ,           てもカルマンフィルタを適用し,カルマンフィルタか
                  0      0                           0
                                                                  ら計算される標準領域の三倍区間が負の値を含む場合
           0 1 0  0         0                          0
                                                                      に水平線消失と判定することにする3 .ハフ変換領域に

           L=
                  1 0 0 0
                                                               (24)   おける水平線のピーク位置の観測系列にピーク値 h(t)
                  0 1 0 0                                             を加えて,{η(t)} = (ρ(t), θ(t), h(t)) とすると,状態
 カルマンフィルタのアルゴリズムは次のようになる                                              ベクトル ξ (t) は次のようになる.
[6].
                                                                          ξ (t) =   ρ(t)     θ(t)   h(t)
 1. 時刻 t = 1 における一期先予測分布として,平均
                                                                                                                               (32)
   ベクトル ξ (0) ,共分散行列 V (0) の正規分布を初期
                                                                                           ρ(t − 1) θ(t − 1) h(t − 1)

   分布として仮定する.                                                         システムノイズ w(t) による共分散行列 Q =
 2. ろ波を次式により行う.                                                       diag(τρ , τθ , τh ),観測ノイズ e(t) による共分散行列 P
                                                                            2 2 2


        K (t) = V (t|t−1) L (LV (t|t−1) L + P )−1              (25)   = diag(σρ , σθ , σh ) とする.状態遷移行列 F ,システム
                                                                                 2    2  2

                                                                      ノイズ行列 G,及び観測行列 L は次のようになる.
       ξ (t|t) = ξ (t|t−1) + K (t) (η (t) − Lξ (t|t−1) )       (26)
                                                                                                      
       V (t|t) = (I − K (t) L)V (t|t−1)                        (27)        2 0 0 −1 0    0         1 0 0
                                                                                                      
                                                                          0 2 0 0 −1 0         0 1 0
    ここで,I は四次の単位正方行列である.
                                                                                                      
                                                                         0 0 2 0    0 −1       0 0 1
 3. 一期先予測を次式により行う.                                                    F =                  , G=       ,
                                                                                                      
                                                                         1 0 0 0    0   0 
                                                                                                0 0 0
                                                                                                       
                                                                         0 1 0 0    0   0      0 0 0
                 ξ (t+1|t) = F ξ (t|t)                         (28)                                   
                                                                           0 0 1 0   0   0         0 0 0
                V (t+1|t) = F V (t|t) F    + GQG               (29)                   
                                                                           1 0 0 0 0 0
   式中,添字 (t |t) は,時刻 t における時刻 t の推定                                   L=0 1 0 0 0 0
                                                                                      
                                                                                                        (33)
   値を表す.                                                                      0 0 1 0 0 0
 一期先予測による平均ベクトルを ξ ,共分散行列を
                 ˆ
                                                                      式(25)における I は六次の単位正方行列になる.
V とする.観測系列 {η (t) } の最適推定値 η は式(22)
ˆ                          ˆ
                                                                       水平線消失の判定後,カルマンフィルタの最終予測
より,次のようになる.
                                                                      値による補正量を指数関数的に減少させてゆく(忘却
                         ˆ    ˆ
                         η = Lξ                                (30)   補正処理).

∆ξ を V の対角要素の平方根からなるベクトルとする
 ˆ   ˆ                                                                ρ(t) ← ρ0 e−αρ t ,    θ(t) ← θ0 e−αθ t ,   t = 1, 2, . . . (34)
と,ξ, η の標準領域は,
   ˆ ˆ
                                                                      ここで,ρ0 , θ0 は消失フレーム判定後の最終予測値で
                   ˆ    ˆ
           ξ (±) = ξ ± ∆ξ,       η (±) = Lξ(±)                 (31)   あり,αρ , αθ は適当な時定数である.t は,忘却補正処
                                                                      理を始めるフレームからのフレーム数である.
と計算されるベクトルによる領域である.ここで,ベ
クトル a(±) は二つのベクトル a(+) , a(−) を表す.                                      3h   はハフ変換領域における投票数であるから必ず 0 以上である.
(a)                            (b)                                 (c)




              (d)                                             (e)

    図3   (a) 原画像(Original image with detected line.) (b) 二値化及びメジアンフィルタ画像(Binarized
                                                    .
    median filter image.) (c) ハフ変換領域の画像表示(Hough transform.) (d) 補正画像(The corrected
                        .                                      .
    image.) (e) 推定パラメータの時系列変化(Time series of rigid flow and horizon line parameters.)
           .                                                                        .


    水平線が消失したと判定されると,ハフ変換領域の                         ハフ変換により検出した水平線により動揺補正した
全探索を開始する.水平線が再び検出されたことは,ハ                          結果が図 3(d) である.水平線が画像中央で水平になる
フ変換領域における最大ピーク値 h が水平線消失時の                         ように補正した.補正結果がわかりやすいように補正
直前の値における標準領域の三倍区間の上限値を越え                           による画像の見切れはそのままにしてある.
たことから判定する.補正処理の開始時にも,補正画                            図 3(d) は,動揺映像の勾配法によって推定した剛体
像の不連続性を避けるために,補正量を指数関数的に                           フローの式(17)により計算される各パラメータの累
増加させてゆく(漸次補正処理).                                   積加算結果とハフ変換により検出された水平線の直線
                                                   パラメータの時系列変化のグラフである.横軸はインタ
4     実画像実験                                        レース走査されたビデオにおけるフィールド単位であ
                                                   る6 .いずれもカルマンフィルタ処理を行っている.剛
    図 3(a) は船体動揺時に撮影された映像中の一枚の画                    体フローにおける並進ベクトルの垂直成分 Tx と回転角
像であり,ハフ変換により検出した水平線を重ねて表                           Θ,ハフ変換による水平線の直線パラメータ (ρ , θ) は,
示している.画像のサイズは 720 × 480 画素4 である.                   いずれも動揺による周期的な変化が見られるが7 ,動
    はじめに,インタレース−プログレッシブ変換した                        揺補正結果の隣接二画像間の二乗誤差画像のピーク SN
後,標準偏差 1.0 のガウシアンフィルタにより平滑化し                       比により定量的に評価する.ピーク SN 比 P SN R は二
て,画像サイズを水平垂直ともに 1/2 に間引いた画像                        乗誤差画像の平均輝度値(平均ノイズ電力)M SE 及び
をソーベル作用素により水平エッジを検出する.濃淡                           最大輝度値(最大信号電力)Imax から次のように求め
                                                                 2

エッジ強度画像を大津の二値化法によって 2 値化して,                        られる8 .
二値メジアンフィルタにより処理した結果が図 3(b) で
                                                                                   2
                                                                                  Imax
ある5 .                                                   P SN R [dB] = 10 log10           (35)
                                                                                  M SE
    二値メジアンフィルタ結果に対してハフ変換を行い,
ハフ変換領域への投票結果を画像として表示したものが                          P SN R の平均値は,剛体フローの場合に 38.86(±0.394)
図 3(c) である.その最大ピーク位置を検出し,式(19)                     [dB] であり,ハフ変換の場合に 38.06(±0.515)[dB] で
により変換すると,ρ = −33.614 画素, θ = −3.8 で    ◦           あった(括弧内は標準偏差を表す)   .剛体フローの並進
あった.                                                6 日本の場合,1   フィールドは 1/59.94[秒] である.
                                                    7 剛体フローによる安定化処理は,第一フレームを基準として補

                                                   正パラメータが得られるが,ハフ変換による方法は常に水平線が画
    4 ただし,フレームである.                                 像中央で水平になるような補正パラメータが得られる.
    5 見易さのために白黒反転して表示している.図      3(c) も同様.          8 実験では,I
                                                            max を 8 ビット最大画素値 255 とした.
(a)                           (b)                      (c)




           (d)                                            (e)

 図 4   (a) 原画像(Original image with detected line.).(b) 静止領域マスク画像(Still pixel mask
 image.).(c) ハフ変換領域の画像表示(Hough transform.).(d) 補正画像(The corrected image.).
 (e) 水平線の直線パラメータの時系列変化(Time series of horizon line parameters.)  .


ベクトルの水平成分 Ty はほぼ無視できて,ハフ変換に                    平になる様に補正されると,逆に静止物体領域である
よる安定化は剛体フローによる安定化の良い近似と見                       舳先が動いてしまうが,水平線が常に固定されること
なせる.                                           によって船の進行方向前方の監視には効果的である.
 図 4(a) は,水平線は見えているものの,画像中に船                       図 4(e) は動揺映像の水平線の直線パラメータの時系
の舳先が静止物体領域として存在し,波飛沫がかかる                       列変化のグラフである.動揺による周期的な変化が見
窓を掃くワイパーが画面全体を覆うように動いている                       られるが,カルマンフィルタのろ波の効果により推定
場合の画像である.静止物体領域のマスク画像を用い                       結果の軌跡が滑らかであることがわかる.これにより,
たハフ変換により検出された水平線も重ねて表示する.                      さらに動揺補正の結果が安定になることが期待される.
このような画像中に大きな静止物体や,移動物体が存                           図 5 は水平線が波飛沫により一時的に消失した場合
在するような画像は,単純な勾配法を用いた剛体フロー                      を含む水平線の直線パラメータとそのハフ変換の投票
推定による安定化では不可能である.                              によるピーク値の時系列変化のグラフである.h はカル
 図 4(b) は予め適当な間隔の二画像から求めたマスク                   マンフィルタにおける共分散行列から計算される標準
画像である .船の舳先が静止物体領域として抽出され
       9
                                               領域の三倍区間も表示している.h の標準領域の三倍区
ている.動揺補正処理に際して事前にこのような処理                       間が負の値を含む矢印の箇所で水平線が消失したと判
を行うことは可能である.                                   定した.その後,忘却補正処理が行われ,ハフ変換領
 ハフ変換領域への投票結果を画像として表示したも                       域における最大ピーク値 h が水平線消失時の直前の値
のが図 4(c) である.ハフ変換により検出された水平線                   における標準領域の三倍区間の上限値を越えたことか
の直線のパラメータは,ρ = 57.59 画素,θ = 1.35 で  ◦
                                               ら,水平線が再び検出されたと判定して,漸次補正処
あった.検出した直線により動揺補正した結果が図 4(d)                   理が行われている.
である.動揺補正において,上下左右の画素の存在し
ない領域は,反射境界拡張による補正としている.左                       5    まとめ
右の反射境界拡張により水平線の見た目の連続性が保
存されている.                                            本論文では,船体動揺時に撮影された映像に含まれ
 船の舳先の手すりを水平線と誤検出することなく,正                      る画像の回転,上下動を除去した安定化映像を得るこ
しい水平線が検出されており,水平線が画像中央で水                       とを目的として,映像中の水平線をハフ変換を用いて
平になるように補正した.水平線が常に画像中央で水                       検出することにより安定化を行った.勾配法を用いた
                                               剛体フロー推定による安定化手法との比較を実画像実
 9 見易さのために白黒反転して表示している.図     4(c) も同様.
図5      水平線の直線パラメータの時系列変化(水平線消失時を含む) Time series of horizon line param-
                                    (
 eters with vanishing horizon.).


験により行い,その有効性を確認した.画像中に大き                                      [4] C. Harris and M. Stephens, A combined corner and
な移動物体や静止物体領域の存在する場合でも船体動                                          edge detector, Proceedings of the 4th ALVEY vision
揺の固有な撮影条件における画像であることを考慮す
                                                                  conference, September 1988, University of Manch-
                                                                  ester, England, 147–151.
ることによってロバストに画像のグローバルな動き推                                      [5] L. Hill and T. Vlachos, On the estimation of global
定が行えることを示した.一時的な水平線消失時の判                                          motion using phase correlation for broadcast ap-
定方法とその場合の対応処理,水平線の再検出の判定                                          plications, IEE International Conference on Image
方法について説明し,実画像実験の結果を示した.                                           Processing and it’s Applications (IPA), Manchester,
                                                                  1999, 721–725.
 本論文における水平線検出による動揺補正処理のた
                                                              [6] 廣田薫,生駒哲一, 確率過程の数理」
                                                                                   「                  ,朝倉書店,2001.
めの動き推定は,ブロックマッチングやオプティカル                                      [7] B. K. P. Horn and B. G. Schunck, Determining optical
フローの領域ベースの方法に対して,直線という画像                                          flow, Artificial Intelligence, 17 (1981), 185–203.
特徴を検出する特徴ベースの方法を用いたものと位置                                      [8] P. V. C. Hough, Methods and means for recognition
付けられる.今後の課題としては,                                                  complex pattern, U. S. Patent 3,069,654 (1962).
                                                              [9] M. Irani, B. Rousso and S. Peleg, Recovery of ego-
• リアルタイム処理の実装                                                     motion using region alignment, IEEE Transactions
• 剛体フローによる安定化手法の組み合わせや使い                                          on Pattern Analysis and Machine Intelligence, 19-3
                                                                  (1997), 268–272.
   分けによる様々な船体動揺映像への対応
                                                             [10] R. E. Kalman, A new approach to linear filtering
• 船体動揺周期の解析による水平線消失フレームの                                          and prediction problems, Transactions of the ASME–
  長期予測                                                            Journal of Basic Engineering, 82-D (1960), 35–45.
                                                             [11] K. Kanatani, Statistical Optimization for Geometric
等があげられる.                                                          Computation: Theory and Practice, Elsevier Science,
 本論文における動揺補正処理は,船体動揺時の映像                                          Amsterdam, The Netherlands, April 1996.
のみならず,ヘリコプターや航空機からの映像におい                                     [12] 金谷健一,     「これなら分かる応用数学教室—最小二乗法
                                                                  からウェーブレットまで—」, 共立出版,2003 年 6 月.
ても水平線或いは地平線を検出することから同様に行
                                                             [13] 金澤 靖,金谷 健一,幾何学的 AIC による画像モザイ
うことが考えられる.そのような応用も今後の課題と                                          ク生成の安定化, 電子情報通信学会論文誌 A, J83-A-6
したい.                                                              (2000), 686–693.
                                                             [14] 金澤 靖,金谷 健一,段階的マッチングによる画像モザ
参考文献                                                              イク生成, 電子情報通信学会論文誌 D-II, J86-D-II-6
                                                                  (2003), 816–824.
[1] P. Burt and E. H. Adelson, The Laplacian pyramid as      [15] 小畑 秀文,     「モルフォロジー」         ,コロナ社,1996 年.
    a compact image code, IEEE Transactions on Com-          [16] ISO/IEC-11172, Coding of moving pictures and as-
    munication, 31 (1983), 532–540.                               sociated audio for digital storage media up to 1.5
[2] G. de Haan and E. B. Bellers, Deinterlacing–An                Mbits/s, 1993.
    overview, Proceedings of the IEEE, 86-9 (1998),          [17] N. Otsu, A threshold selection method from gray-
    1839–1857.                                                    level histograms, IEEE Transaction on System, Man,
[3] R. O. Duda and P. E. Hart, Use of the Hough trans-            and Cybernetics, 9, (1979), 62–66.
    formation to detect lines and curves in pictures, Com-   [18] G. A. Thomas, Television motion measurement for
    munications of ACM, 15-1 (1972), 11–15.                       DATV and other applications, BBC R&D Reports
                                                                  RD1987/11, 1987.

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水平線検出による船体動揺映像の安定化論文

  • 1. 水平線検出による船体動揺映像の安定化 Stabilization of Ship Rolling Video Images by Horizon Line Detection 松永 力 Chikara Matsunaga 株式会社朋栄 佐倉研究開発センター FOR-A Co., Ltd. Sakura R&D Center E-mail: matsunaga@for-a.co.jp Abstract 定化は,連続する画像のグローバルな動きを推定する 問題に帰着される. 映像における揺れの存在は,監視作業を妨げる大き 画像の動きの推定は画像処理・コンピュータビジョン な要因のひとつであり,その安定化は大変重要である. における基本的な問題であり,これまでに多くの研究 画像処理による映像の揺れの安定化は,画像のグロー がなされてきたが,それらは大きく領域ベースによる バルな動きを推定する問題に帰着される. 手法と,特徴ベースによる手法に分けられる.動画像 海洋上の船舶から撮影される映像には画像の回転揺 圧縮符号化の国際標準規格 MPEG では,ブロックマッ れが含まれているが,海洋上では明るさが一様な空の チング [16] が用いられ,コンピュータビジョンではオ ように画像特徴を得ることが困難だったり,海面も常 プティカルフロー [7] がよく用いられるが,いずれも濃 に波が細かく動いていたり,波飛沫がかかる窓を掃く 淡画素を直接処理するものである.一方,位相相関法 ワイパーのような移動物体や船の舳先等の静止物体が [5, 18] のように,画像を周波数変換することによって 存在する.これらはいずれも画像のグローバルな動き 周波数領域で行う処理もある.特徴ベースの方法とし の推定にとっては大きな障害となる. ては,ハリス作用素 [4] によって抽出したコーナー等の 本論文は,船体動揺時に撮影された映像に含まれる 画像特徴点を用いるものがあり,金澤・金谷は,特徴点 画像の回転と上下動を除去するために,映像中の水平 から二画像間の射影変換を最適に計算した [14]. 線を検出することにより動揺映像の安定化を行うもの カメラ映像の揺れと言えば,いわゆる手ぶれを指す である. ことが多いが,撮影条件に固有な揺れというものも存 在する.海洋上の船舶から撮影される映像には画像面 を中心とする回転揺れが含まれている.海洋上では,明 1 はじめに るさが一様な空のように画像特徴を得ることが困難な 昨今のテロ事件,不審船事件,海上犯罪や海難事故 場合が多い.また,海面も常に波が細かく動いていた の増加に伴い,監視カメラの設置数のみならず,カメ り,波飛沫がかかる窓を掃くために画面全体を覆うよ ラ映像そのものの品質の向上が期待される.カメラ映 うに動くワイパーのような大きな移動物体が存在する 像における揺れの存在は,監視作業を妨げる大きな要 場合がある.船の舳先等の画像中に大きな静止物体領 因のひとつであり,その安定化は大変重要である. 域が存在する場合もある.これらはいずれも画像のグ カメラ映像の揺れの安定化を実現する方式は,カメ ローバルな動きの推定にとって大きな障害となる. ラに取り付けた速度・加速度センサからの情報に基づ 本論文は,船体動揺時に撮影された映像に含まれる いてカメラのレンズやカメラ自身を動かすことにより 画像の回転,上下動を除去した安定化映像を得ること 揺れを補正する光学式,機械式と呼ばれるものと,画 を目的として,映像中の水平線をハフ変換 [3, 8] を用い 像処理による電子式と呼ばれるものに分けられる. て検出することにより安定化を行う.勾配法を用いた これらの装置は,一般に画像スタビライザと呼ばれ 剛体フロー推定による安定化手法との比較を実画像実 るが,画像処理による電子式スタビライザは揺れの補 験により行い,その有効性を確認する.画像中に大き 正可能な範囲や装置の耐久性等,多くの点で優位であ な移動物体や静止物体領域の存在する場合でも,船体 る.二画像間のグローバル動きの推定をオプティカル 動揺の固有な撮影条件における画像であることを考慮 フローによって行い,カメラ映像の揺れを安定化させ することによって,ロバストに画像のグローバルな動 た例がある [9].画像処理によるカメラ映像の揺れの安 き推定が行えることを示す.
  • 2. 本論文の構成は,2 章で画像面の回転を含めた剛体 式(2)の左辺は, 運動と勾配法を用いた剛体フロー推定とそれによる連 続画像列の安定化処理について説明する.3 章では,ハ I(1) (Rθ x + t) フ変換を用いた水平線検出による安定化処理について cos θ − sin θ x tx = I(1) ( + ) 説明する.ハフ変換のための前処理や画像中の静止物 sin θ cos θ y ty 体領域を検出したマスク画像の生成,連続画像列にお = I(1) (x cos θ − y sin θ + tx , x sin θ + y cos θ + ty ) (4) ける水平線の検出結果に対して適用するカルマンフィ であり,θ が十分小さいときに sin θ ≈ θ, cos θ ≈ 1 と ルタ [10] について説明する.4 章で実画像実験として, 近似して,さらにテイラー展開すると I(1) は ハフ変換を用いた水平線検出による安定化の結果,勾 配法を用いた剛体フロー推定による安定化の結果との I(1) (Rθ x + t) 比較,カルマンフィルタを適用した時系列処理の結果, ≈ I(1) (x + tx − yθ, y + ty + xθ) 波飛沫による水平線消失時を含む場合の結果を示し,5 ∂I(1) ∂I(1) 章でまとめる. = I(1) (x, y) + (tx − yθ) + (ty + xθ) (5) ∂x ∂y 2 勾配法を用いた剛体フロー推定による と書ける.したがって,t, θ を求めるために次の目的関 安定化 数 J(t, θ) を最小化する. 1 2 隣接する二画像間のグローバルな動きを推定するた J(t, θ) = 2 (tx − yθ)Ix + (ty + xθ)Iy + It (6) めに勾配法を用いて剛体フローを推定する.はじめに ここで, ガウシアンフィルタによる平滑化を行い,間引き画像 を順次生成する [1].低解像度における二画像間の動き ∂I(1) ∂I(1) Ix = , Iy = , ∂x ∂y を差分絶対値総和を最小とする探索によるブロックマッ It = I(1) (x, y) − I(2) (x, y) (7) チングを用いて検出する.その結果を,順次高解像度 における二画像間に伝播させて,整数画素精度の並進 であり, は二画像の重複した領域中のすべての画素 動き量を推定した後,勾配法によって剛体フローを非 に渡る和を表す.式(6)は勾配拘束条件の最小二乗推 整数画素精度で推定する.これはいわゆるオプティカ 定であり,一般に勾配法と呼ばれているが,これは,い ルフロー [7] に回転を含めた拡張である.得られた剛体 わゆるオプティカルフロー [7] に回転を含めた拡張に フローを用いて,連続する画像列を剛体変換すること なっている.そこで,勾配法によって求めた剛体運動 によって安定化を実現する.剛体フローの推定とそれ を剛体フローと呼ぶことにする. による連続画像列の安定化処理について説明する. 式(6)を最小にする tx , ty , θ を定める.式(6)を tx , 2.1 剛体フロー ty , θ でそれぞれ微分して 0 と置くと次のようになる. 連続する二枚の画像 I(1) , I(2) があるとき,第二画像 ∂J I(2) を原点の周りに θ だけ回転し,t だけ平行移動する 2 = (Ix tx + Ix Iy ty + zIx θ + Ix It ) = 0 (8) ∂tx と第一画像 I(1) と重なるとする.このとき重なり部分 ∂J 2 = (Ix Iy tx + Iy ty + zIy θ + Iy It ) = 0 (9) では次の関係が成り立つ. ∂ty ∂J I(2) (Rθ (x − t)) ≈ I(1) (x) (1) = (Ix tx + Iy ty + z 2 θ + zIt ) = 0 (10) ∂θ 式(1)とは逆に第一画像 I(1) を第二画像 I(2) に重ねる ここで, とすると,重なり部分では次の関係が成り立つ. z = −yIx + xIy (11) である.したがって,次の正規方程式を解いて tx , ty , θ I(1) (Rθ x + t) ≈ I(2) (x) (2) が求められる. ただし次のように置いた.  2   Ix Ix Iy zIx tx 2 Ix Iy Iy zIy   ty     x tx  x= , t= , y ty zIx zIy z2 θ   cos θ − sin θ − Ix It Rθ = (3) = − Iy It  (12)   sin θ cos θ − zIt
  • 3. 2.2 連続画像列の安定化 連続する二画像間で画像座標 (x, y), (x , y ) を持つ画 像点が対応しているとし,次のような三次元ベクトル で表す [11, 13, 14].     x/f0 x /f0 ˜ x =  y/f0  , ˜ x =  y /f0  (13)     1 1 f0 は x/f0 , y/f0 , x /f0 , y /f0 を 1 のオーダーにする適 当な定数1 である.二画像が異なる位置から平面または 遠景を撮影したものであれば,ある 3 × 3 正則行列 H が存在して次のように表せる [11, 13, 14]. ˜ ˜ x = Z[H x] (14) ただし Z[ · ] は第 3 成分を 1 とする正規化であり,ベクト ル a = (a1 , a2 , a3 ) に対して Z[a] = (a1 /a3 , a2 /a3 , 1) = a/a3 である.式(14)の関係は射影変換と呼ばれ, H を射影変換行列と呼ぶ. 剛体フローによる剛体変換は射影変換の部分群であ り [13],次のような射影変換行列として表される. 図 1 水平線検出による安定化処理の流れ図   (Flowchart of our stabilization procedure.). cos θ − sin θ tx /f0 H =  sin θ  cos θ ty /f0   (15) ここで, 0 0 1 n−1 n−1 n−1 Θ= θ(k) , Tx = tx(k) , Ty = ty(k) (17) 画像動揺補正処理は,基準となる第一画像 I(1) から k=1 k=1 k=1 動揺を含む第二画像 I(2) への射影変換行列 H 12 を用い すなわち,基準となる第一画像から連続する二画像間の て,第二画像 I(2) を第一画像 I(1) に一致する様に変換 剛体フローを累積加算することによって H 1n が計算さ すればよい.その手順は次のようになる. れる.第 n 画像の各画素位置 (i , j ) のベクトル x の射 ˜ 1. 第二画像の射影変換後の画素座標 (i , j ) を表すベ 影変換の逆像 x = Z[H −1 x ] の濃淡画素値 I(n) (i, j) を ˜ 1n ˜ C クトル x を計算する. ˜ 画素位置 (i , j ) に書き込むことにより,基準となる第 2. その射影変換の逆像 x = Z[H −1 x ] を計算する. ˜ 12 ˜ 一画像に対する第 n 画像の動揺補正画像が生成される. 3. ベクトル x の画素座標 (i, j) を計算する. ˜ H 1n を用いて画像の剛体変換を行うが,剛体変換に 4. 第二画像 I(2) を画素補間によって連続化した画像 よる補正の結果,画素の存在しない領域が見えてしま I(2) の画素位置 (i, j) の濃淡画素値 I(2) (i, j) を画素 C C う.そこで,予想される動揺による移動・回転量を考慮 位置 (i , j ) に書き込む. して,画像が見切れない様に拡大処理を施す方法が考 えられるが,ここでは,次のような簡易な方法を用い (i , j ) は整数であるが(ピクセル精度),ステップ 3 る.まず,有効画素領域を指定して,その上下領域を で計算される (i, j) は一般には実数である.したがって 反射境界拡張した画像を剛体変換により補正する.左 非整数画素(サブピクセル精度)に対しても値が定義 右に関しては,そのようにして補正した画像を反射境 されるように画素補間による画素座標の連続化を行う. 界拡張する.これによって,水平線の見た目の連続性 いま連続する画像 1, 2, . . ., n があり,第 i − 1 画像と が保存される. 第 i 画像の間の剛体フローを {tx(i−1) , ty(i−1) , θ(i−1) } と すると,第一画像から第 n 画像への射影変換行列 H 1n 3 ハフ変換を用いた水平線検出による安定化 は式(15)より,第一近似において次のように表される.   3.1 ハフ変換による水平線検出 cos Θ − sin Θ Tx /f0 H 1n =  sin Θ cos Θ Ty /f0  (16) 前処理   0 0 1 ハフ変換 [3, 8] による水平線検出の前処理として,まず 1 例えば画像サイズである. 最初に,インタレース走査による空間的なオフセット
  • 4. を解除する処理を行う [2].これは,フィールド間の動 きを推定するために,インタレース走査によるフィー ルド画像をプログレッシブ画像に変換するものである. フィールド間のグローバルな動きを推定する場合には, 同一フィールド内の上下の走査線における画素から,そ の間の走査線の画素を補間生成することによって行わ れる2 [2]. そのように変換したプログレッシブ画像に対して,処 理全体にかかる計算量を削減するための画素間引き処 理及びノイズ除去のために平滑化処理を行う.ここで 図 2 ハフ変換による直線検出(Line detection は,標準偏差 1.0 のガウシアンフィルタにより平滑化を by Hough transform.). 行い,画像サイズを水平垂直ともに 1/2 に間引く. したがって,検出した画像の回転角 θ, 垂直方向の上 その後,水平線を検出するため,水平エッジ検出を 下動 ρ による動揺補正のための射影変換行列は次のよ ソーベル作用素により行う.その結果の濃淡エッジ強 うになる. 度画像を大津の二値化法 [17] によって二値画像に変換 する.さらに,二値画像において,孤立エッジ画素や   cos(−θ) − sin(−θ) −ρ /f0 ノイズ除去を行うために,注目画素の近傍 3 × 3 画素領  sin(−θ) cos(−θ) 0 (20)    域を用いた二値メジアンフィルタ処理を施す. 0 0 1 ハフ変換による直線検出 そのようにして得られた二値化水平エッジ画素に対し 静止物体領域マスク画像の生成 てハフ変換を用いて水平線を検出する.画像の左下を 船の舳先等の画像中における大きな静止物体領域の存 原点として,水平方向を y 軸,垂直方向を x 軸とする 在は,画像のグローバルな動きの推定にとって大きな と,画像面上の直線は,原点からの距離 ρ と,原点か 障害となる.そこで,静止物体領域を表すマスク画像 らの垂線と x 軸のなす角度 θ によって,次のように表 を予め生成する.ここでは,離散的なある時間間隔の せる(図 2). 水平エッジ画像の二値化二画像間の論理積画像に注目 画素の近傍 3 × 3 画素領域を用いた二値メジアンフィル ρ = x cos θ + y sin θ (18) タ処理を行い,さらに,近傍 3 × 3∼5 × 5 画素領域を ハフ変換領域における投票に要するセル数は,船体動 用いたモルフォロジーフィルタによる膨張処理 [15] を 揺時の映像は経験上,概ね ±20◦ 以内であることから, 行う.適当な時間間隔の二画像を取れば,船体動揺の θ に関しては,0.05◦ 精度で 800 セル,ρ に関しては,処 影響を排除した画像中における静止物体領域画素のみ 理画像の垂直方向サイズの画素精度で 240 セルとする. の抽出が可能になる.静止物体領域画素以外の水平エッ ジ画素において,ハフ変換を行う. (ρ, θ) 補正 3.2 カルマンフィルタ ハフ変換により検出した水平線が画像中央部で水平に ハフ変換領域における水平線を表すピーク位置 (ρ, θ) なるように動揺を補正する.直線の自由度は 2 であり, の時系列データに対して,カルマンフィルタ [10] を適 検出した水平線から画像の回転,垂直方向の上下動を 用し,滑らかな軌跡を得るとともに,次フレームにお 決めることは可能であるが,水平方向の動揺を補正す ける水平線のピーク位置を予測して,ハフ変換による るためには自由度が足らない.しかし,画像の回転,垂 水平線の検出の効率化と安定化を図る.さらに,ハフ 直方向の上下動を補正することにより,十分安定化さ 変換領域における水平線を表すピーク値にもカルマン れた映像が得られるものと考えられる. フィルタを適用し,その共分散行列の変化から水平線 座標系の原点を画像左下から中心になる様,座標変 の消失を判定する. 換すると,検出された直線は次のように表される. V H カルマンフィルタによるろ波と予測 ρ = x− 2 cos θ + y − 2 sin θ ハフ変換により検出された水平線のピーク位置の観測 V H 系列 {η (t) } = (ρ(t), θ(t)) に対して,次のような状態 = ρ− cos θ − sin θ (19) 2 2 空間モデルを仮定する [6]. ここで,H, V はそれぞれ画像の水平,垂直方向の画素 サイズである. ξ(t) = F ξ (t−1) + Gw(t) (21) 2 勾配法による動き推定においても,同様に行った. η (t) = Lξ(t) + e(t) (22)
  • 5. w(t) はシステムノイズであり,平均 0,共分散行列 Q 水平線消失の判定と対応 = diag(τρ , τθ ) とする.e(t) は観測ノイズであり,平均 2 2 カルマンフィルタによる予測結果を中心とする標準領 0,平均共分散行列 P = diag(σρ , σθ ) とする. 2 2 域の三倍領域におけるピーク位置を探索することから, 状態ベクトル ξ (t) は,ハフ変換により検出された水 ハフ変換による水平線の検出の効率化と安定化を図る 平線のピーク位置の観測系列 {η (t) } に対応する.これ ことができるが,水平線が見えない場合に処理は破綻 を推定することで,滑らかな位置系列が得られる.二 する.濃霧等の気象条件によって水平線が常に観測不能 階差分モデルの場合には,現時刻 t 及び一時刻前 t − 1 な場合には処理を行うことはできない.しかし,水平線 の座標を,それぞれ以下のように持つ. が検出されて補正処理を行っている途中に波飛沫等に よって一時的に観測不能に陥るような場合には,処理 ξ(t) = (23) を中断し,再び水平線が検出されると処理を再開する ρ(t) θ(t) ρ(t − 1) θ(t − 1) 状態遷移行列 F ,システムノイズ行列 G,及び観測行 ことは可能であろう.そこで,検出されていた水平線が 列 L には,それぞれ以下のものを用いる. 消失したことの判定方法とその場合の対応処理,再び     水平線が検出されたことの判定方法について説明する. 2 0 −1 0 1 0     ハフ変換領域における水平線を表すピーク値に対し  0 2 0 −1  0 1 F = 1 0 0  , G= , てもカルマンフィルタを適用し,カルマンフィルタか 0  0 0     ら計算される標準領域の三倍区間が負の値を含む場合 0 1 0 0 0 0 に水平線消失と判定することにする3 .ハフ変換領域に L= 1 0 0 0 (24) おける水平線のピーク位置の観測系列にピーク値 h(t) 0 1 0 0 を加えて,{η(t)} = (ρ(t), θ(t), h(t)) とすると,状態 カルマンフィルタのアルゴリズムは次のようになる ベクトル ξ (t) は次のようになる. [6]. ξ (t) = ρ(t) θ(t) h(t) 1. 時刻 t = 1 における一期先予測分布として,平均 (32) ベクトル ξ (0) ,共分散行列 V (0) の正規分布を初期 ρ(t − 1) θ(t − 1) h(t − 1) 分布として仮定する. システムノイズ w(t) による共分散行列 Q = 2. ろ波を次式により行う. diag(τρ , τθ , τh ),観測ノイズ e(t) による共分散行列 P 2 2 2 K (t) = V (t|t−1) L (LV (t|t−1) L + P )−1 (25) = diag(σρ , σθ , σh ) とする.状態遷移行列 F ,システム 2 2 2 ノイズ行列 G,及び観測行列 L は次のようになる. ξ (t|t) = ξ (t|t−1) + K (t) (η (t) − Lξ (t|t−1) ) (26)     V (t|t) = (I − K (t) L)V (t|t−1) (27) 2 0 0 −1 0 0 1 0 0      0 2 0 0 −1 0  0 1 0 ここで,I は四次の単位正方行列である.     0 0 2 0 0 −1  0 0 1 3. 一期先予測を次式により行う. F =  , G= ,     1 0 0 0 0 0   0 0 0    0 1 0 0 0 0  0 0 0 ξ (t+1|t) = F ξ (t|t) (28)     0 0 1 0 0 0 0 0 0 V (t+1|t) = F V (t|t) F + GQG (29)   1 0 0 0 0 0 式中,添字 (t |t) は,時刻 t における時刻 t の推定 L=0 1 0 0 0 0   (33) 値を表す. 0 0 1 0 0 0 一期先予測による平均ベクトルを ξ ,共分散行列を ˆ 式(25)における I は六次の単位正方行列になる. V とする.観測系列 {η (t) } の最適推定値 η は式(22) ˆ ˆ 水平線消失の判定後,カルマンフィルタの最終予測 より,次のようになる. 値による補正量を指数関数的に減少させてゆく(忘却 ˆ ˆ η = Lξ (30) 補正処理). ∆ξ を V の対角要素の平方根からなるベクトルとする ˆ ˆ ρ(t) ← ρ0 e−αρ t , θ(t) ← θ0 e−αθ t , t = 1, 2, . . . (34) と,ξ, η の標準領域は, ˆ ˆ ここで,ρ0 , θ0 は消失フレーム判定後の最終予測値で ˆ ˆ ξ (±) = ξ ± ∆ξ, η (±) = Lξ(±) (31) あり,αρ , αθ は適当な時定数である.t は,忘却補正処 理を始めるフレームからのフレーム数である. と計算されるベクトルによる領域である.ここで,ベ クトル a(±) は二つのベクトル a(+) , a(−) を表す. 3h はハフ変換領域における投票数であるから必ず 0 以上である.
  • 6. (a) (b) (c) (d) (e) 図3 (a) 原画像(Original image with detected line.) (b) 二値化及びメジアンフィルタ画像(Binarized . median filter image.) (c) ハフ変換領域の画像表示(Hough transform.) (d) 補正画像(The corrected . . image.) (e) 推定パラメータの時系列変化(Time series of rigid flow and horizon line parameters.) . . 水平線が消失したと判定されると,ハフ変換領域の ハフ変換により検出した水平線により動揺補正した 全探索を開始する.水平線が再び検出されたことは,ハ 結果が図 3(d) である.水平線が画像中央で水平になる フ変換領域における最大ピーク値 h が水平線消失時の ように補正した.補正結果がわかりやすいように補正 直前の値における標準領域の三倍区間の上限値を越え による画像の見切れはそのままにしてある. たことから判定する.補正処理の開始時にも,補正画 図 3(d) は,動揺映像の勾配法によって推定した剛体 像の不連続性を避けるために,補正量を指数関数的に フローの式(17)により計算される各パラメータの累 増加させてゆく(漸次補正処理). 積加算結果とハフ変換により検出された水平線の直線 パラメータの時系列変化のグラフである.横軸はインタ 4 実画像実験 レース走査されたビデオにおけるフィールド単位であ る6 .いずれもカルマンフィルタ処理を行っている.剛 図 3(a) は船体動揺時に撮影された映像中の一枚の画 体フローにおける並進ベクトルの垂直成分 Tx と回転角 像であり,ハフ変換により検出した水平線を重ねて表 Θ,ハフ変換による水平線の直線パラメータ (ρ , θ) は, 示している.画像のサイズは 720 × 480 画素4 である. いずれも動揺による周期的な変化が見られるが7 ,動 はじめに,インタレース−プログレッシブ変換した 揺補正結果の隣接二画像間の二乗誤差画像のピーク SN 後,標準偏差 1.0 のガウシアンフィルタにより平滑化し 比により定量的に評価する.ピーク SN 比 P SN R は二 て,画像サイズを水平垂直ともに 1/2 に間引いた画像 乗誤差画像の平均輝度値(平均ノイズ電力)M SE 及び をソーベル作用素により水平エッジを検出する.濃淡 最大輝度値(最大信号電力)Imax から次のように求め 2 エッジ強度画像を大津の二値化法によって 2 値化して, られる8 . 二値メジアンフィルタにより処理した結果が図 3(b) で 2 Imax ある5 . P SN R [dB] = 10 log10 (35) M SE 二値メジアンフィルタ結果に対してハフ変換を行い, ハフ変換領域への投票結果を画像として表示したものが P SN R の平均値は,剛体フローの場合に 38.86(±0.394) 図 3(c) である.その最大ピーク位置を検出し,式(19) [dB] であり,ハフ変換の場合に 38.06(±0.515)[dB] で により変換すると,ρ = −33.614 画素, θ = −3.8 で ◦ あった(括弧内は標準偏差を表す) .剛体フローの並進 あった. 6 日本の場合,1 フィールドは 1/59.94[秒] である. 7 剛体フローによる安定化処理は,第一フレームを基準として補 正パラメータが得られるが,ハフ変換による方法は常に水平線が画 4 ただし,フレームである. 像中央で水平になるような補正パラメータが得られる. 5 見易さのために白黒反転して表示している.図 3(c) も同様. 8 実験では,I max を 8 ビット最大画素値 255 とした.
  • 7. (a) (b) (c) (d) (e) 図 4 (a) 原画像(Original image with detected line.).(b) 静止領域マスク画像(Still pixel mask image.).(c) ハフ変換領域の画像表示(Hough transform.).(d) 補正画像(The corrected image.). (e) 水平線の直線パラメータの時系列変化(Time series of horizon line parameters.) . ベクトルの水平成分 Ty はほぼ無視できて,ハフ変換に 平になる様に補正されると,逆に静止物体領域である よる安定化は剛体フローによる安定化の良い近似と見 舳先が動いてしまうが,水平線が常に固定されること なせる. によって船の進行方向前方の監視には効果的である. 図 4(a) は,水平線は見えているものの,画像中に船 図 4(e) は動揺映像の水平線の直線パラメータの時系 の舳先が静止物体領域として存在し,波飛沫がかかる 列変化のグラフである.動揺による周期的な変化が見 窓を掃くワイパーが画面全体を覆うように動いている られるが,カルマンフィルタのろ波の効果により推定 場合の画像である.静止物体領域のマスク画像を用い 結果の軌跡が滑らかであることがわかる.これにより, たハフ変換により検出された水平線も重ねて表示する. さらに動揺補正の結果が安定になることが期待される. このような画像中に大きな静止物体や,移動物体が存 図 5 は水平線が波飛沫により一時的に消失した場合 在するような画像は,単純な勾配法を用いた剛体フロー を含む水平線の直線パラメータとそのハフ変換の投票 推定による安定化では不可能である. によるピーク値の時系列変化のグラフである.h はカル 図 4(b) は予め適当な間隔の二画像から求めたマスク マンフィルタにおける共分散行列から計算される標準 画像である .船の舳先が静止物体領域として抽出され 9 領域の三倍区間も表示している.h の標準領域の三倍区 ている.動揺補正処理に際して事前にこのような処理 間が負の値を含む矢印の箇所で水平線が消失したと判 を行うことは可能である. 定した.その後,忘却補正処理が行われ,ハフ変換領 ハフ変換領域への投票結果を画像として表示したも 域における最大ピーク値 h が水平線消失時の直前の値 のが図 4(c) である.ハフ変換により検出された水平線 における標準領域の三倍区間の上限値を越えたことか の直線のパラメータは,ρ = 57.59 画素,θ = 1.35 で ◦ ら,水平線が再び検出されたと判定して,漸次補正処 あった.検出した直線により動揺補正した結果が図 4(d) 理が行われている. である.動揺補正において,上下左右の画素の存在し ない領域は,反射境界拡張による補正としている.左 5 まとめ 右の反射境界拡張により水平線の見た目の連続性が保 存されている. 本論文では,船体動揺時に撮影された映像に含まれ 船の舳先の手すりを水平線と誤検出することなく,正 る画像の回転,上下動を除去した安定化映像を得るこ しい水平線が検出されており,水平線が画像中央で水 とを目的として,映像中の水平線をハフ変換を用いて 平になるように補正した.水平線が常に画像中央で水 検出することにより安定化を行った.勾配法を用いた 剛体フロー推定による安定化手法との比較を実画像実 9 見易さのために白黒反転して表示している.図 4(c) も同様.
  • 8. 図5 水平線の直線パラメータの時系列変化(水平線消失時を含む) Time series of horizon line param- ( eters with vanishing horizon.). 験により行い,その有効性を確認した.画像中に大き [4] C. Harris and M. Stephens, A combined corner and な移動物体や静止物体領域の存在する場合でも船体動 edge detector, Proceedings of the 4th ALVEY vision 揺の固有な撮影条件における画像であることを考慮す conference, September 1988, University of Manch- ester, England, 147–151. ることによってロバストに画像のグローバルな動き推 [5] L. Hill and T. Vlachos, On the estimation of global 定が行えることを示した.一時的な水平線消失時の判 motion using phase correlation for broadcast ap- 定方法とその場合の対応処理,水平線の再検出の判定 plications, IEE International Conference on Image 方法について説明し,実画像実験の結果を示した. Processing and it’s Applications (IPA), Manchester, 1999, 721–725. 本論文における水平線検出による動揺補正処理のた [6] 廣田薫,生駒哲一, 確率過程の数理」 「 ,朝倉書店,2001. めの動き推定は,ブロックマッチングやオプティカル [7] B. K. P. Horn and B. G. Schunck, Determining optical フローの領域ベースの方法に対して,直線という画像 flow, Artificial Intelligence, 17 (1981), 185–203. 特徴を検出する特徴ベースの方法を用いたものと位置 [8] P. V. C. Hough, Methods and means for recognition 付けられる.今後の課題としては, complex pattern, U. S. Patent 3,069,654 (1962). [9] M. Irani, B. Rousso and S. Peleg, Recovery of ego- • リアルタイム処理の実装 motion using region alignment, IEEE Transactions • 剛体フローによる安定化手法の組み合わせや使い on Pattern Analysis and Machine Intelligence, 19-3 (1997), 268–272. 分けによる様々な船体動揺映像への対応 [10] R. E. Kalman, A new approach to linear filtering • 船体動揺周期の解析による水平線消失フレームの and prediction problems, Transactions of the ASME– 長期予測 Journal of Basic Engineering, 82-D (1960), 35–45. [11] K. Kanatani, Statistical Optimization for Geometric 等があげられる. Computation: Theory and Practice, Elsevier Science, 本論文における動揺補正処理は,船体動揺時の映像 Amsterdam, The Netherlands, April 1996. のみならず,ヘリコプターや航空機からの映像におい [12] 金谷健一, 「これなら分かる応用数学教室—最小二乗法 からウェーブレットまで—」, 共立出版,2003 年 6 月. ても水平線或いは地平線を検出することから同様に行 [13] 金澤 靖,金谷 健一,幾何学的 AIC による画像モザイ うことが考えられる.そのような応用も今後の課題と ク生成の安定化, 電子情報通信学会論文誌 A, J83-A-6 したい. (2000), 686–693. [14] 金澤 靖,金谷 健一,段階的マッチングによる画像モザ 参考文献 イク生成, 電子情報通信学会論文誌 D-II, J86-D-II-6 (2003), 816–824. [1] P. Burt and E. H. Adelson, The Laplacian pyramid as [15] 小畑 秀文, 「モルフォロジー」 ,コロナ社,1996 年. a compact image code, IEEE Transactions on Com- [16] ISO/IEC-11172, Coding of moving pictures and as- munication, 31 (1983), 532–540. sociated audio for digital storage media up to 1.5 [2] G. de Haan and E. B. Bellers, Deinterlacing–An Mbits/s, 1993. overview, Proceedings of the IEEE, 86-9 (1998), [17] N. Otsu, A threshold selection method from gray- 1839–1857. level histograms, IEEE Transaction on System, Man, [3] R. O. Duda and P. E. Hart, Use of the Hough trans- and Cybernetics, 9, (1979), 62–66. formation to detect lines and curves in pictures, Com- [18] G. A. Thomas, Television motion measurement for munications of ACM, 15-1 (1972), 11–15. DATV and other applications, BBC R&D Reports RD1987/11, 1987.