防災教育に携わる一般社団法人の支援に参加しつつ、故郷・秋田県能代市と青森県内の防災教育の共通点と相違点を検討しながら、男女共同参画の必要性、実践形式の防災教育の必要性などを説く。

1. 学校における防災教育の行方に迫る
～青森県の事例からみる現状と課題～
2118009 大鐘 慧汰
社会学部卒業論文要旨
2022年1月
場所：340教室

2. 研究目的
• 防災教育の目的、効果の明確化
• 身を守るための術を考察
• 防災教育の課題と展望について考察

3. 調査方法
➀文献調査
②ネット調査
③ヒアリング調査（2021年10月4日）
④フィールドワーク
• 青森市立戸山中学校（2021年10月28日）
• 青森市立青森北中学校（2021年12月7日）

4. 調査結果
目的：4つの能力を身につけさせる
➀それぞれが暮らす地域の災害や社会の特性、防災科学技術の知見等
につい ての知識を身に付け、防災・減災のために事前に備え、行動す
る能力
② 自然災害から身を守り、被災した場合でもその後の生活を
乗り切る能力
③災害からの復興を成し遂げ、安全・安心な社会に
建て直す能力
④ 進んで他の人々や地域の安全を支える能力
文部科学省 防災教育支援の基本的考え方
（ https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/002/shiryo/07102303/002/003.htm）

5. 考え方
➀ 防災教育で目指す能力を育む
－自然災害に対する正しい理解－
② 防災への自発的・能動的な取組を促す－学びへの動機付
け－
③ 「災害文化」を発展・浸透させる
－現状に合致した「災害文化」－
文部科学省 防災教育支援の基本的考え方
（ https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/002/shiryo/07102303/0
02/003.htm）

6. 総務省消防庁（2018）平成30年版自主防災組織の都道府県別結成状況
（https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/h30/data/38235.html）
管内市町村数
管内世帯数
（A)
自主防災組織を有
する市町村数
自主防災組織がその
活動範囲としている
地域の世帯数
（B)
自主防災
組織活動
カバー率
（％）
（B/A）
北 海 道 179 2,660,261 144 1,589,398 59.7%
青 森 県 40 589,003 40 312,142 53.0%
岩 手 県 33 523,433 33 455,005 86.9%
宮 城 県 35 996,339 35 824,360 82.7%
秋 田 県 25 416,393 25 293,614 70.5%
山 形 県 35 412,017 35 363,105 88.1%
福 島 県 59 772,248 57 593,114 76.8%
東北ではほぼすべて
の市町村で結成
カバー率低い

7. 総務省消防庁（2018）平成30年版自主防災組織の都道府県別結成状況より独自作成
（https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/h30/data/38235.html）
管内市町村数
管内世帯数
（A)
自主防災組織を有
する市町村数
自主防災組織がそ
の活動範囲としてい
る地域の世帯数
（B）
自主防災
組織活動
カバー率
（％）
（B/A）
北 海 道 地
方
179 2,660,261 144 1589398 59.7%
東北地方 227 3,709,433 225 2,841,340 76.3%
関東地方 316 20,171,443 306 15,995,365 95.2%
中部地方 316 8,934,693 314 7,991,459 89.9%
近畿地方 227 10,098,643 226 9,236,476 89.5%
中国地方 107 3,331,771 107 2,896,693 84.8%
四国地方 95 1,779,922 95 1,680,579 94.4%
九州地方 274 6,544,210 262 5,370,989 78.3%
北海道、関東、九州
以外の5つはほぼ全
て有している
5つの中で東北だけ
70％台。
全体ワースト2位
東北地方の防災力は低い？

8. 学校防災のねらい
➀自然災害等の現状、原因及び減災等について理解
的確な思考・判断に基づく適切な意志決定や行動選択ができるようにする。
②地震、台風の発生等に伴う危険を理解・予測
自らの安全を確保するための行動、日常的な備えができるようにする。
③自他の生命を尊重し、安全で安心な社会づくりの重要性を認識
学校、家庭及び地域社会の安全活動に進んで参加・協力し、貢献する。
• 発達段階的な教育
• 正常化バイアスに注意する
文部科学省（2013）「生きる力をはぐくむ学校での安全教育」
（https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/04
/03/1289314_02.pdf）

9. ヒアリング調査
実施日：2021年10月4日（月）
場所：アピオあおもり2階 団体事務所
対象：男女共同参画地域みらいねっと
代表理事 小山内世喜子氏

10. 復興庁 東日本大震災における震災関連死の死者数
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-6/20210630_kanrenshi.pdf
473
1218
1901
2373
2808
3218
344135423648370837463766377237743774
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
～
H23.3.18
H23.3.19
～
H23.4.11
H23.4.12
～
H23.6.11
H23.6.12
～
H23.9.11
H23.9.12
～
H24.3.10
H24.3.11
～
H25.3.10
H25.3.11
～
H26.3.10
H26.3.11
～
H27.3.10
H27.3.11
～
H28.3.10
H28.3.11
～
H29.3.10
H29.3.11
～
H30.3.10
H30.3.11
～
H31.3.10
R1.3.11
～
R2.3.10
R2.3.11
～
R3.3.10
R3.3.11
～
R3.3.31
死者数（人）
時期（年）
まだ課題が
残っている
増加傾向にある

11. フィールドワーク
➀実施日：2021年10月28日
場所：青森市立戸山中学校
②実施日：2021年12月7日
場所：青森市立青森北中学校

12. • 各生徒に役割があり実際の避難想定
• 学校のみで行う場合は工夫が必要
• 大型の防災教育は正常化バイアスにつながるかも？
• 内陸（戸山中）と沿岸（北中）で防災意識に差があった
→内陸：一般の参加者なし
沿岸：一般の参加者あり、生徒の食いつき◎
• 県内全域、全国的に同じ傾向が見られるかは不明
→今後も調査する

13. まとめ
• 4つの能力を身につけさせる目的がある
• 身を守る方法だけでなく、災害に対する知識を得る効果がある
• 実践形式の防災教育の推進
• 災害関連死を減らす努力を！
• →男女の格差（女性リーダーの推進）、物資の補充・管理

14. 防災×教育をして
大鐘の考える教育とは・・・
➀装備を整える（知識を集める）
②戦闘（相手に教える）
③エンディング（相手が理解、実践してくれればクリア）
（相手の理解がイマイチなら➀に戻る）
ゲーム感覚（RPG系）