Advertisement

More Related Content

More from じょいとも (20)

Recently uploaded(20)

Advertisement

[土曜会]諸芸術の中のループ的なもの

  1. 諸芸術の中のループ的なもの 2019.01.26 土曜会#12 じょいとも
  2. 本論の目的 • 「反復」は現代芸術および現代世界に
 おいて重要なテーマの一つです。 • 反復的な作品を芸術作品やポップカルチャー から抽出し、その系譜と論点を整理します。 • そして「反復芸術の地図」をつくることが 目的であり、個別の詳細な議論や、
 全く新しい論点の提示は行いません。
  3. ネタバレ注意! 本論には物語の重要なネタバレが 含まれる場合があります。
  4. 本論の流れ • 本論の目的 • ループ的諸作品を振り返る • ループ的諸作品の分類 • 主要な論点 • 我々のとってのループ
  5. 本論の流れ • 本論の目的 • ループ的諸作品を振り返る • ループ的諸作品の分類 • 主要な論点 • 我々のとってのループ
  6. 監督:新海誠 ヒロインを死ぬ運命から
 救うために時間遡行して 憑依する。 君の名は。(2017)
  7. 脚本:虚淵玄 親友が死ぬ運命から
 逃れるために巻き戻す。 世界を作り変えることで 運命を変える。 新世界では、異なる敵と 戦い続ける。 魔法少女まどか☆マギカ(2011)
  8. 作:谷川流 夏休みを繰り返す。 2009年のアニメ版も
 話題に。 涼宮ハルヒの暴走
 エンドレスエイト(2003)
  9. 作:小川洋子 80分で記憶が消える博士と、 そのホームヘルパーと
 なった親子の交流を描く。 博士の愛した数式(2003)
  10. 脚本:井上敏樹 ループする世界のなかで 戦い続ける。複数のエン ディングが存在する。 妹が死ぬ運命に抗い、
 同じ時間を繰り返す。 白倉伸一郎P 「セルフパロディからの  脱却」 仮面ライダー龍騎(2002)
  11. ケン・グリムウッド
 「リプレイ(1990)」の翻案 1995年から1999年までを繰 り返す。 自分が死ぬ運命のなかで、 最後の思い出を作るために 繰り返す。 君といた未来のために
 ーI'll be backー(1999)
  12. 監督:ハロルド・ライミス 田舎町の祭りの一日を
 繰り返す。
 ループする世界を通じて 偏屈な主人公が変わって いく。 恋はデジャ・ブ(1993)
  13. 作:岩井俊雄 回転する装置とストロボ で、あたかも動いている ように見せる。 時間層Ⅱ(1987)
  14. 監督/脚本:押井守 文化祭の前日を繰り返す。 「夢」として幸せな時間 を繰り返す。最後には
 「現実」を選択する。 うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984)
  15. 監督/脚本:押井守 文化祭の前日を繰り返す。 「夢」として幸せな時間 を繰り返す。最後には
 「現実」を選択する。 うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984) これ以前の作品と これ以後の作品を 結びつけることが、 本論の主要な関心の一つです。
  16. 作:佐野洋子 様々な死に方をし、
 生まれ変わりを繰り返す。 100万回生きたねこ(1977)
  17. 監督:ユーリー・
   ノルシュテイン 互いにプロポーズと
 失恋を繰り返し続ける。 アオサギとツル(1974)
  18. 作:エドワード・ゴーリー 子供達が名前順に
 様々な死に方をする。 ギャシュリークラムの
 ちびっ子たち(1963)
  19. 作:アンディ・ウォーホル キャンベルスープ缶(1962)
  20. 監督:ロッサー・リーヴス リフレインと画像の
 繰り返しによるCM。 コルゲート歯磨きTVCM(1960)
  21. 作:サミュエル・ベケット 二人の男がゴドーという
 男を待つ。 同じような場面が2回
 繰り返されるが、
 ゴドーは来ない。 不条理演劇の代表作。 ゴドーを待ちながら(1953)
  22. 作:M・C・エッシャー 描く手(1948)
  23. 作:夢野久作 精神病患者の視点で
 描かれるメタフィクション。 物語の前後がループする
 循環構造でもある。 ドグラ・マグラ(1935)
  24. 作:芥川龍之介 同じ場面が様々な人の
 視点で繰り返し描かれる。 藪の中(1922)
  25. 作:素戔嗚尊 現存初出:古事記 最初の和歌とされる。 世界的にも、詩歌は
 リフレインを多用する。 和歌の場合、本歌取りの 文化も生まれた。 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣つくる その八重垣を(715)
  26. 輪廻転生を扱った
 最初期の文献。 ブラーフマナ(前5世紀頃)
  27. 本論の流れ • 本論の目的 • ループ的諸作品を振り返る • ループ的諸作品の分類 • 主要な論点 • 我々のとってのループ
  28. ループ的諸作品を分類する • ループもの
 • 再発と輪廻転生
 • メタフィクション • メディア性 • 記憶の断片化 • 強調・重層化
  29. 悲劇の 回避 ループもの(超常現象) 日常へ
 の耽溺 理想の 獲得 2010 2000 1990 1980
  30. 恋愛 再発と輪廻転生(運命) 死 1980 1970 1960 1950 …
  31. メタ フィクション その他 記憶の 断片化 メディア性 強調・ 重層化
  32. 本論の流れ • 本論の目的 • ループ的諸作品を振り返る • ループ的諸作品の分類 • 主要な論点 • 我々のとってのループ
  33. ループ的諸作品の論点とは何か? • 現実の写生から
 虚構の写生へ • 離見の見 • シミュレーション • ループと変容
  34. 現実の写生から虚構の写生へ(1/4) • 1950年代にポップアートが 登場。 • 日本でも反復性が重視され た作品が生まれる。 • 彦坂尚嘉は反復芸術に対し、 「実践を可能にするための 方法であるにもかかわらず、 方法の実践化におちいって しまう。」と批判。 反復 彦坂尚嘉 1974 篠原有司男 イミテーションアート
  35. 現実の写生から虚構の写生へ(2/4) • ボードリヤールは、
 実像に対する虚像
 (シミュラークル)を論じ、 現代の消費物が虚像の循環 によってのみ存在している ことを指摘。 シミュラークルと シミュレーション ジャン・ ボードリヤール 1981
  36. 現実の写生から虚構の写生へ(3/4) 物語消費論 大塚英志 1989 • 大塚英志はライトノベル が「虚構を写生するもの」 だと結論づける。 • 庵野秀明は「コピー世代」 を自称。  方法の実践化  = 自己目的化を肯定する 庵野秀明 1995 新世紀エヴァンゲリオン これらも?
  37. 現実の写生から虚構の写生へ(4/4) ゴジラ(1954) シン・ゴジラ(2017) 写生 写生 東京大空襲(1945) 第五福竜丸事件(1954) 「ゴジラ」の写生形式を 写生しているだけ? 福島第一 原発事故(2011)
  38. 離見の見(1/3) • 能の大成者である世阿弥は
 その演技論の中で、
 演技にのめり込む自分と
 それを客観視する自分を
 同時存在させることを支持。 • ハイデガーにも似たような 理論があるらしい。
 (詳細調べてません) 風姿花伝 世阿弥 15世紀 存在と時間 マルティン・ ハイデガー 2006
  39. 離見の見(2/3) • シェクナーはそれを
 現代の演技論から
 分析した。 パフォーマンス 研究 リチャード・ シェクナー 1988
  40. 離見の見(3/3) • レヴィ・ストロースも
 何か論じているらしい。 (詳細調べてません)
 • メタフィクションと
 ループ性は密接な
 関わりがある。 はるかなる視線 レヴィ・ ストロース 2006
  41. ループ的諸作品の論点とは何か? • 現実の写生から
 虚構の写生へ • 離見の見 • シミュレーション • ループと変容 省略
  42. 本論の流れ • 本論の目的 • ループ的諸作品を振り返る • ループ的諸作品の分類 • 主要な論点 • 我々のとってのループ
  43. じょいとも 現代美術のキュレーターです。 作家もやってます。 <最近の展示歴> 2019: 富士山展2.0 2018: GFC 鯛 切断芸術運動 2018: パパたちに明日はない <主な展示企画> 2018: ループアニメの世界 2016: バラックアウト 2014: いつも以上にHappyLife
Advertisement