「今日のチューリング賞」はチューリング賞受賞者を簡単に紹介するシリーズです。 今回は、アメリカの計算機科学者であり、TCP/IPを開発し、現代のインターネットの基盤を作るなどの貢献で「インターネットの父」と呼ばれるボブ・カーンとヴィント・サーフを紹介します。

1. 今日のチューリング賞
15.ボブ・カーン
ヴィント・サーフ(2004年受賞)

2. コンピュータ・サイエンス分野において、
大きな功績を挙げた人物に対して送られる賞。
1966年開始。
受賞者は一年に一人のみ。
2018年6月現在、52名(組)。
よって、チューリング賞受賞者を知れば
コンピュータの歴史が大体わかる。
チューリング賞とは

3. ボブ・カーン
今日紹介するチューリング賞受賞者
1943-
アメリカの計算機科学者
「インターネットの父」
2004年チューリング賞受賞
1938-
ヴィント・サーフ

4. インターネットの登場と発展に大きく貢献した人々
1920 19601940
※青枠はチューリング賞受賞者
1938カーン
1943サーフ 1955リー
1947カイリュー
1917リックライダー
1925エンゲルバート 1971アンドリーセン
1932テイラー

5. TCP/IPの開発
カーン&サーフの主な功績

6. カーン&サーフ登場以前のインターネット
1962:銀河間コンピュータネットワーク
・現代のインターネットに通じる
世界規模のネットワーク構想。
1963:Project MAC
・構想: コンピュータリソースを
「電気や水道のように」提供する。
リックライダー
ミンスキー コルバトファーノ
+

7. カーン&サーフ登場以前のインターネット
1966〜:ARPANET
・リックライダーの構想をテイラーらが
引き継ぐ。
・世界初のパケット通信ネットワークとして
誕生。
テイラー サザランド ロバーツ

8. カーン&サーフ登場以前のインターネット
コンピュータが通信できるとはどういうことか？
・何かで繋がっている。
・お互いのデータを解釈できる
共通の規格を持っている。
= インターネット・プロトコル

9. カーン&サーフ登場以前のインターネット
コンピュータが通信できるとはどういうことか？
・何かで繋がっている。
・お互いのデータを解釈できる
共通の規格を持っている。
= インターネット・プロトコル
しかし、初期のインターネット・プロトコルは
煩雑で責任範囲が曖昧であり、信頼性が低く、
諸々の問題があった。

10. カーン&サーフの登場
1973: ARPANETにカーンとサーフが参画。
プロトコルの改良と標準化に乗り出す。
そうしてできたのがTCP/IP
カーン サーフ

11. TCP/IPの階層

12. TCP/IPの階層
• イーサネット
• DSL
• ISDN
• Wi-Fi
データ転送と
物理接続

13. TCP/IPの階層
• IP
• NDP
ネットワーク間の
ルーティング

14. TCP/IPの階層
• TCP
• UDP
ネットワークの
接続と終了

15. TCP/IPの階層
• HTTP
• FTP
• DNS
• DHCP
具体的な
通信サービス

16. カーン&サーフ以後
1991:World Wide Webの登場
・HTML、CSSを表示可能な
世界初のウェブブラウザ
1993:実用的ブラウザ「Mosaic」
↓
現代のインターネット
リー カイリュー
アンドリーセン

17. まとめ

18. TCP/IPを開発し、現代のインター
ネットの基盤を作った。
1993年にインターネット協会を
設立し、仕様の策定や啓発を
行う国際的な活動を行なった。
カーン&サーフまとめ