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インタラクションデザインにおけるオープンソース及びライセンスの役割Mizuno20121024

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慶応義塾大学SFCの「インタラクション(デザイン戦略)」(筧康明、Mozilla Japan)の講義で使用したスライドです。

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インタラクションデザインにおけるオープンソース及びライセンスの役割Mizuno20121024

  1. 1. インタラクションデザインにおける  オープンソース及びライセンスの役割  OpenSource  and  Licenses  in  Interac2on  Design    2012.10.24  @慶応義塾大学SFC Crea2ve  Commons  Japan  弁護士  水野 祐(MIZUNO,  Tasuku)    tasukumizuno@gmail.com  tw  :  @taaaaaaaaaask  K  :  Tasuku  Mizuno  
  2. 2. 自己紹介 Self-­‐Introduc2on •  弁護士(Lawyer)  •  Crea2ve  Commons  Japan  •  Arts  and  Law代表理事  •  FabLab  Japan(Fab  Commons)  •  LiFETONES  •  連載  「写真とLaw」(betwennthebooks)  「カルチュラル・ランドスケープ・アーキテクチャ・バイ・ロー」(Hitspaper)  
  3. 3. 目次 Agenda 1.  はじめに  2.  クリエイティブ・コモンズとは?  3.  インタラクションデザインにおけるオープン ソース及びライセンスの役割  4.  ライセンス(リーガル)・デザイン   
  4. 4. 01  はじめに Intro
  5. 5. インターネット/デジタル技術の発達によりデザインのプロダクションの小規模化・個人化が進んでいる Small  or  Personal  produc2on     in  internet  /  digital  technology
  6. 6. 小規模なデザイン・プロダクションが、活発かつ創造的・挑戦的に活動し、業界・市場を牽引している Small  or  personal  produc2ons  play     ac2ve,  experimental.
  7. 7. インタラクションデザインの分野において、どのように知的財産を運用・活用していくのが好ましいか? How  is  it  appropriate  to  u2lize   intellectual  property  ?
  8. 8. (従来の)exclusive(排他的・独占的)な知財の運用(特許、実用新案、意匠など)    ・権利化までの費用が高額  ・権利化までのスピードが遅い  ・柔軟性に欠ける  ・未成熟なマーケットに不整合  ・互助的・オープンな文化・背景と不整合      
  9. 9. openな知財運用・活用の可能性 The  possibility  of  open  u2liza2on    of  intellectual  Property  
  10. 10. 02  クリエイティブ・コモンズ(CC)とは? What’s  Crea2ve  Commons  ?
  11. 11.  クリエイティブ・コモンズとは•  さまざまな作品の作者が、「この条件を守れ ば、私の作品を自由に利用してよい」という意 思表示をするためのツールである。  
  12. 12. 著作権は実はいろいろな権利の束 著作者 公表権、氏名表示権、同一性保持権 人格権 複製権 上演権・演奏権 著作権 上映権 公衆送信権等 口述権 著作権 (財産権) 展示権 頒布権 譲渡権 貸与権 翻訳・翻案権 二次著作物利用権
  13. 13. All  Rights  Researved Some  Rights  Researved Public  Domain  (No  Right)  
  14. 14.      【BY】        【NC】        【SA】      【ND】
  15. 15. まとめると、クリエイティブ・コモンズ(CC)とは、•  インターネット/デジタル技術を前提に、著作者/著作権 に選択肢を増やす仕組みである(著作権の放棄ではなく、 留保)"•  (ほぼ)世界標準の画一化した仕組み"•  契約や権利処理のコストを削減し、合法的に、作品の共有 や継承を促す仕組み"•  自らの作品のクオリティだけではなく、ユーザーへの届け 方や、使われる条件についても作家自身が決めていくた めのツール  
  16. 16. CCライセンスの活用事例 Case  Studies  of  CC  License
  17. 17. プラットフォーム型 CC  License  in  Pla`orms
  18. 18. flickr 写真の撮影者が写真をサイトにアップする際、CCライセンスを選択できる  CCライセンスがついた写真を条件ごとに検索できる仕組みも
  19. 19. Vimeo 映像をアップロードする際にCCライセンスを選択できる
  20. 20. You  Tube 映像にCCライセンス(現時点では【CC  BY】のみ)をつけることが可能  CCライセンスつきのビデオも検索できる
  21. 21. Sound  Cloud 音楽にCCライセンスをつけることができる
  22. 22. Wikipedia CCライセンス(CC  BY-­‐SA)を採用  GNU  Free  Documenta2on  License(GFDL)と互換性のある仕様
  23. 23. Withehouse 提供情報にCCライセンス(CC  BY)を採用
  24. 24. TED 映像コンテンツにCCライセンス(CC  BY-­‐NC-­‐SA)を採用
  25. 25. プロジェクト型 CC  License  in  Projects
  26. 26. Stop  Rokkasyo CCライセンス(CC  BY-­‐NC-­‐Sampling  plus)を採用  ※Sampling  plusライセンスは現在廃止
  27. 27. CC  in  Museum 来場者が撮影する作品写真にCCライセンスを採用  森美術館「Ai  Weiwei」展、「アラブ・エキスプレス」展、東京都現代美術館「こどものにわ」展、広島現代美術館「オノ・ヨーコ」展など  上記写真は大巻伸嗣”Echoes-­‐Infinity”「こどものにわ」展より  
  28. 28. CC  House 建築家吉村靖孝氏が建築の設計図をCCライセンスをつけて販売するというプロジェクト
  29. 29. オープン出版 ドミニク・チェン『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック』の購入者に無償でPDF版を配布  PDF版にはCCライセンス(CC  BY-­‐NC-­‐SA)を採用
  30. 30. Crea@ve  Commands  Compila@on  Data(分解系レコード) CCライセンス(CC  BY-­‐NC-­‐SA)を採用
  31. 31. 03   インタラクションデザインにおける  オープンソース及びライセンスの役割   OpenSource  and  Licenses     in  Interac2on  Design
  32. 32. インタラクションデザインの領域は、ソフトウェア、ハードウェア、コンテンツ等、他分野にまたがる Interac2on  Design  covers  the  fields  of   Soeware,  Hardware,  Contents,  etc.
  33. 33. CCライセンスは、  あくまで情報コンテンツを前提としたライセンス CC  License  premises  digital  contents.
  34. 34. OpenSource  Soeware、  OpenSource  Hardware、  Open  Contents  など様々な領域にまたがる、  より幅広いオープンな知財「戦略」が必要になる A  wider  open  strategy  of     intellectual  property    is  necessary
  35. 35. OpenFrameworks インタラクションデザインやメディアアート制作に特化したフレームワークの提供  ソフトウェアにMITライセンスを採用
  36. 36. Arduino 電子基盤の回路設計にCCライセンス(CC  BY-­‐SA)を採用  ソフトウェアにはGPLライセンスを採用
  37. 37. クリプトン「初音ミク」 【独自ライセンス(ピアプロ・キャラクター・ライセンス)】  キャラクターの著作権に限り、営利を目的とせず、かつ、対価を受け取らない場合(非営利かつ無償の場合)に限り、二次使用OKとしている
  38. 38. HIVE  (ICC) 映像等のコンテンツ・アーカイヴにCCライセンス(CC  BY-­‐NC-­‐SA)を採用
  39. 39. Perfume  Global  Project  #001 【独自ライセンス(利用規約)】  音源データは、非営利目的に限り、使用可能(ただし、改変不可)  モーションデータは、非営利目的に限り、使用可能(改変可)  
  40. 40. Perfume  Global  Site  #001 ユーザーが独自開発したコードやexampleはgithubで共有
  41. 41. THEATRE  PRODUCTS  “Theatre,  yours”     服の型紙にCCライセンス(CC  BY-­‐NC)を採用  ワークショップを活用し、ユーザーが制作した服をTumblrにて公開
  42. 42. YCAM  InterLab
  43. 43. YCAM  InterLab  “Guest  Research  Project”  (2011-­‐)
  44. 44. YCAM  InterLab  “Guest  Research  Project”  (2011-­‐) ソフトウェア、ハードウェア、映像・写真・ドキュメント(契約書を含む)等のコンテンツを幅広くopenにしていく予定
  45. 45. 無印良品「家具のかたがみ」展 家具の設計図をCCライセンス(CC  BY-­‐NC-­‐SA)で公開予定  2012年10月26日(金)から、有楽町無印良品2F  ATELIER  MUJIにて
  46. 46. (従来の)exclusive(排他的・独占的)な知財の運用(特許、実用新案、意匠など)    ・権利化までの費用が高額  ・権利化までのスピードが遅い  ・柔軟性に欠ける    ・未成熟なマーケットに不整合   ・互助的・オープンな文化・背景と不整合      
  47. 47. Openな知財戦略の活用 •  ライセンスによって法律をオーバーライドしていく 仕組み  •            ↓  •  権利化へのコスト(費用・時間)の減縮化  •  未成熟なマーケットに対応して、柔軟な運用が 可能  •  互助的な文化・背景に整合的  
  48. 48. 04  ライセンス(リーガル)・デザインとは? What’s  License  (Regal)  Design  ?
  49. 49. Openな知財戦略、共有を促す互助的な制度設計には、  ライセンス・デザインの思考が必須
  50. 50. ライセンス・デザインとは?•  ライセンス(私人間における契約)により、あ る特定の仕組み・環境(アーキテクチャ)をデ ザインする考え方  •  ex.  ネット上の利用規約、            CCライセンス
  51. 51. ライセンス・デザインの思想的な背景•  直接規制(法律によるトップダウン式の 規制)が機能不全  •  ex.  著作権法、風営法  •  特にインターネット上における問題は、国家 機能の限界や国際私法(準拠法)・管轄の問 題により、直接規制が無効化している面があ る  
  52. 52. ライセンス・デザインの思想的な背景 •  インターネットを構成するアーキテクチャ、すなわち ハードウェアとソフトウェアに組み込まれた「コード」 が、法規制と並んで人間の行動を規制する手段とし て中心的な機能を担っている(ローレンス・レッシグ 『コード』)  •  直接規制でなく、アーキテクチャによる規制(事 前的規制)     ex.有害情報規制のフィルタリング、DRMなど  
  53. 53. ライセンス・デザインの思想的な背景  •  しかし、アーキテクチャによる規制は、アーキ テクチャの構造的欠陥や、管理者による恣 意により実効性が担保できない面がある     ex.2ちゃんねる、コピーコントロール回避技術など  
  54. 54. ライセンス・デザインの思想的な背景 •  そこで、   間接規制(法によるアーキテクチャの規制)、   共同規制(公私協同による規制)  が注目されている  •  このような規制の設計にもライセンスは不可 欠
  55. 55. ライセンス・デザインの思考 •  法律や契約というものを何かを規制するもの から、ものごとを促進したり活性化するため の潤滑油として捉えることができるのではな いか?  •  規制を逆にクリエイティブに転用していくマイ ンドの必要性  •  国家に頼らないルール・メイキング
  56. 56. 吉村靖孝『超合法建築図鑑』 建築基準法、都市計画法、条例などにより、変容した建築物を集めた図鑑  規制に潜むクリエイティブな側面に気づかせてくれる
  57. 57. 藤原徹平『7inchProject  #01  Teppei  Fujiwara』 景観条例により、敷地境界線から建物外壁のセットバック(壁面後退)が義務づけられていること、敷地外周部の緑化を誘導されていること、の2点をポジディブに捉えた建築家の思考を垣間見ることができる
  58. 58. ライセンス・デザインの思考 •  openな知財戦略においては、ライセンス・デ ザインの思考が不可欠  •  「共有」したものを、どう「共振」・「共鳴」させて いくのか?そのための互助的な仕組み・生態 系作りをどうやっていくか?
  59. 59. ライセンス・デザインの思考 •  クリエイティブ・コモンズやオープンマインドな 利用規約など、私人間のライセンスによって 法律をオーバーライドしていく(ライセンス・デ ザイン) ← 契約自由の原則  •  ライセンス・デザインの積層が、逆に法律に 影響していく可能性(リーガル・デザイン)     ex.DMCA(デジタルミレミアム著作権法)、           プロバイダー責任法、『憲法2.0』(東浩紀)
  60. 60. Fab  Commonsの試み
  61. 61. CCライセンスは情報コンテンツを前提としたライセンス  
  62. 62. ハードウェア(物質)を前提とした  プロダクトデザインには整合しない部分があるのではないか?
  63. 63. しかし、プロダクトデザインにおいても、Openな知財戦略の必要性は  変わらない(オープン・デザイン)
  64. 64. プロダクトデザインを前提としたオープン・ライセンスの必要性?
  65. 65. Fab Commonsの試案•  「オープン・デザインの仕組みを設計する鍵は、「個々のデザ インがユーザーの生活に、よりしっくりと適合するようになる 可能性を増やすこと」であると同時に、「デザインプロダクト全 体の生態系を豊かにすること」である」  •  (川本大功『オープンデザインにおけるインセンティブ設計と してのコモンズライセンスの提案  “Fab  Commons”  』(2011))  •  この一挙両得をうまくうながす仕組みが必要とされている  •  (田中浩也『  FabLife』194P)  
  66. 66. FabCommonsの試案•  「デジタル・ファブリケーション環境では、データをオープンに 共有したとしても、完全に同じものをつくることのほうがむしろ 少ない。」(田中『  FabLife』196P)  •  「改変必須」:  Fab  Commonsライセンスでは、「改変必須」とす る(CCライセンスでは「改変不可」というライセンスを選択でき る)。  •  「報告」:プロダクトが派生し進化していく様子を、なんらかの 方法で可視化する。もしくは、二時利用者がオリジナル利用 者に改変の事実または内容を「報告」する。  
  67. 67. 本日のまとめ Abstract 1.  インタラクションデザインの分野においては、プロダクショ ン機能の小規模化・個人化が進み、実験的・挑戦的なプ ロジェクトを求められる傾向がある  2.  インタラクションデザインの分野においては、従来の exclusiveな知財「運用」ではなく、openな知財「戦略」がよ り効果を発揮する  3.  インタラクションデザインの分野においては、ソフトウェア、 ハードウェア、コンテンツなど、より幅広い領域の知財戦 略が必要になる  4.  openな知財戦略を促進するためには、共有・改変を促す 互助的な仕組み・制度設計が重要である  5.  制度設計におけるライセンスの役割が増大(ライセンス (リーガル)・デザインの思考)  
  68. 68. 参考・参照 •  ドミニク・チェン『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック−クリ エイティブ・コモンズによる創造の循環』(フィルムアート社)  •  田中浩也『FabLife』(オライリー・ジャパン)  •  野口祐子『デジタル時代の著作権』(ちくま新書)  •  坂井洋祐「インタラクションデザインにおけるオープン化事例の 検討」(hnp://www.slideshare.net/sakaiy/ss-­‐14235100)  •  池貝直人『情報社会と共同規制』(勁草書房)  •  成原彗『情報社会における法とアーキテクチャの関係について の試論的考察』(東京大学大学院学際情報学部・情報学研究 No.81)(hnp://www.iii.u-­‐tokyo.ac.jp/blog/media/ 7/20111019-­‐81_5.pdf)  •  川本大功「オープンデザインにおけるインセンティブ設計としての コモンズライセンスの提案〜Fab  Commons〜」    (hnp://halu9.com/file/fabcommonsv1.pdf)  
  69. 69. インタラクションデザインにおける  オープンソース及びライセンスの役割  OpenSource  and  Licenses  in  Interac2on  Design    ご清聴ありがとうございました! Thank  you  ! Crea2ve  Commons  Japan  弁護士  水野 祐(MIZUNO,  Tasuku)    tasukumizuno@gmail.com  tw  :  @taaaaaaaaaask  K  :  Tasuku  Mizuno  

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