Successfully reported this slideshow.
We use your LinkedIn profile and activity data to personalize ads and to show you more relevant ads. You can change your ad preferences anytime.
1 of 69

クリエイティブ・コモンズと著作権の新しい潮流

5

Share

Download to read offline

クリエイティブ・コモンズは、2004年に米国で提唱されたデジタル時代の著作権に関する新しい考え方です。この10年強の間、クリエイティブ・コモンズは世界中の情報コンテンツ分野において広がってきました。そのなかには、出版業界も含まれます。本セミナーでは、出版分野における著作権の取扱い、クリエイティブ・コモンズの採用例などをご紹介することで、著作権、あるいはクリエイティブ・コモンズという法的な観点から、複製から配信(公衆送信)へと移行しつつある出版業界を概観します。

Related Books

Free with a 30 day trial from Scribd

See all

Related Audiobooks

Free with a 30 day trial from Scribd

See all

クリエイティブ・コモンズと著作権の新しい潮流

  1. 1. クリエイティブ・コモンズと著作権の新しい潮流 Nov. 4, 2016 @JEPA MIZUNO, Tasuku (CityLights Law Office) tasukumizuno@citylights-law.com Tw : @TasukuMizuno Except where otherwise noted, content on this site is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International license.
  2. 2. 自己紹介 • 弁護士(シティライツ法律事務所) • Creative Commons Japan理事 • 慶應義塾大学SFC研究所上席所員(リーガルデザイン・ラボ) • Arts and Law代表理事 • 3Dプリンティング・サービスを展開する(株)カブクの社外監査役など • 総務省『ファブ社会の展望に関する検討会』(2014)、『ファブ社会の基盤設計に関する検討会』(2015)委員 、経産省『3Dプリンタ等による新たなものづくりの健全な発展に向けた委員会』委員など • クリエイティブ分野(映像、映画、音楽、デザイン、アート、ゲーム、ファッション、出版など)、IT分野(ソ フトウェア、ウェブなど)、建築・不動産分野に特化して活動している • 著作『デジタルで変わる宣伝広告の基礎』(共著)、『クリエイターの渡世術』(共著)、『オープンデザイン 参加と共創からはじまるつくり方の未来』(共同翻訳・執筆)、連載に『法のデザイン インターネット社会にお ける契約とアーキテクチャの設計と協働』。
  3. 3. 電子書籍、オンライン出版の普及 Kindle Unlimited, ドコモ dマガジン、Google Books, iPad(http://hudemozi.club/wp-content/uploads/2016/05/100316ipadbook.jpg)
  4. 4. 電子書籍、オンライン出版の特徴 1. 媒体のデジタル化(電子書籍) 2. 出版システムのオンライン化(オンライン出版) A. 権利者と出版者やユーザーとの権利関係が「複製」から「公衆送信 」へ変化 B. 電子書店としてのプラットフォーム(Kindle、iBooksなど)の登場 と役割の強大化 C. 企画(作家の発見、育成、編集、校正)、製造(印刷、製本)、流 通という各段階のオンライン化・ピア化と、それに基づくプレイヤ ーの増減、内容の変化
  5. 5. 「複製」から「公衆送信」へ 拙著『法のデザイン 第2回本、出版のデザイン』
  6. 6. 従来の著作権制度の考え方
  7. 7. 20世紀後半の著作権制度 米国を中心とした著作権保護期間の延長や権利行使の濫用などにより、著作権に基づく 情報の囲い込みが激化
  8. 8. クリエイティブ・コモンズの考え方
  9. 9. クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの仕組み: ライセンスとマークの種類 http://file.freebsd.blog.shinobi.jp/cc.gif http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%BA 4つの条件 6つのライセンス (マーク)
  10. 10. クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの仕組み: 三層構造のライセンス記述 http://creativecommons.jp/licenses/#licenses
  11. 11. クリエイティブ・コモンズ活用例:Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:Text_of_Creative_Commons_Attribution-ShareAlike_3.0_Unported_License
  12. 12. クリエイティブ・コモンズ活用例:Flickr https://www.flickr.com/creativecommons/
  13. 13. クリエイティブ・コモンズ活用例:Sound Cloud https://soundcloud.com/stream
  14. 14. クリエイティブ・コモンズ活用例:YouTube https://www.youtube.com/editor#
  15. 15. クリエイティブコモンズ活用例:Vimeo
  16. 16. クリエイティブコモンズ活用例:Wired
  17. 17. クリエイティブコモンズ活用例:Wired
  18. 18. クリエイティブコモンズ活用例:Al Jazeera
  19. 19. クリエイティブ・コモンズ活用例:Europiana http://www.europeana.eu/
  20. 20. クリエイティブ・コモンズ活用例:森美術館 http://www.mori.art.museum/html/contents/aiweiwei/related/index.html
  21. 21. クリエイティブ・コモンズ活用例:White House http://www.whitehouse.gov/copyright
  22. 22. クリエイティブ・コモンズ活用例:Open Data METI http://datameti.go.jp/
  23. 23. クリエイティブ・コモンズ活用例:Arduino http://www.arduino.cc/
  24. 24. Thingiverse http://www.thingiverse.com/thing:667127
  25. 25. クリエイティブ・コモンズ活用例:Local Motors http://www.gizmag.com/local-motors-strati-imts/33846/
  26. 26. クリエイティブ・コモンズ活用例:Honda http://www.honda-3d.com/
  27. 27. クリエイティブ・コモンズ(・ライセンス)とは? • さまざまなコンテンツやマテリアルの作者が、「この条件を守れば、私 の作品を自由に利用してよい」と意思表示をするためのツール • インターネット/デジタル技術を前提に、著作者/著作権者に選択肢を 増やす仕組み(著作権の放棄ではなく、留保しつつ一部を開放) • 契約や権利処理のコストを削減し、合法的に作品の共有や継承を促す仕 組み • 国が作った法律ではなく、コンテンツを作り出した作者とそれを利用す るユーザーとの間の契約により、コンテンツの届け方や使われ方を自発 的に「デザイン」するための仕組み
  28. 28. クリエイティブコモンズの現況(2015) https://stateof.creativecommons.org/2015/
  29. 29. クリエイティブコモンズの現況(2015) https://stateof.creativecommons.org/2015/
  30. 30. クリエイティブコモンズの現況(2015) https://stateof.creativecommons.org/2015/
  31. 31. クリエイティブコモンズの現況(2015) https://stateof.creativecommons.org/2015/
  32. 32. クリエイティブコモンズの現況(2015) https://stateof.creativecommons.org/2015/
  33. 33. PHOTO METI (CC BY 4.0 International) https://photo.kankouyohou.com/
  34. 34. exiii/HACKberry http://exiii-hackberry.com/
  35. 35. exiii/HACKberry (CC BY-SA 4.0 International) https://github.com/exiii/HACKberry
  36. 36. David Bowie’s “Black Star” Artworks (CC BY NC SA 4.0 International) http://www.bowieblackstar.net/
  37. 37. なぜクリエイティブ・コモンズか? • 利用条件が明確になり、利用者が萎縮せず再利用できる → 流通促進 • 著作権制度と調和的である(権利放棄を求めるドラスティックな変化を求 める仕組みではない) • 世界標準の画一化した仕組み(CC ver4.0)→ 国際発信力の強化 • 世界中のオープンデータ、オープンアクセス、デジタルアーカイヴなどの 領域において、すでにデファクト・スタンダード化している(CC BY or CC0 ) • 政府の知財戦略などにおいても、オープン化のツールとして普及が促され ている
  38. 38. クリエイティブ・コモンズのデメリット • パクられるリスクが高くなる? • インターネットで公開する以上、©でも無表示でもCCでもパクられるリスクは変わらない! • ライセンスが守られない場合、紛争リスクが高まる? • ライセンスが守られない場合、ライセンスが失効し、翻って著作権侵害となる(通常の著作権侵害と変わらない) • CCが生まれたこの10年強で日本ではCCに関する紛争は起きていない(むしろ良質なコミュニティにより紛争の低減 につながっている可能性も) • マネタイズが難しい? • フリーミアムなど、さまざまな収益モデルが生まれてきている(むしろ収益を加速するケースも) • カスタマイズがききにくい
  39. 39. 表示(BY)の方法 https://wiki.creativecommons.org/wiki/Best_practices_for_attribution#This_is_an_ideal_attribution
  40. 40. NC(非営利)の定義 「「非営利」とは、商業的な利得や金銭的報酬を、主たる 目的とせず、それらに主に向けられてもいないことを意味 します。本パブリック・ライセンスにおいては、デジタル ・ファイル共有または類似した手段による、ライセンス対 象物と、著作権およびそれに類する権利の対象となるその 他のマテリアルとの交換は、その交換に関連して金銭的報 酬の支払いがない場合は、非営利に該当します。」 (CCライセンス・バージョン4.0 第1条 定義 i.)
  41. 41. 間違えられやすいCCのポイント • 著作権の「譲渡」ではない • あくまで権利者への連絡なしで利用できる場合のライ センスである(権利者に別途許諾を得て、別の利用方 法をすることは可能) • ex. 非営利(NC)が付与されていても、別途許諾を得て営利利用することは可能
  42. 42. PLOS (Public Library of Science) • CC BY 4.0を採 用 https://www.plos.org/
  43. 43. DOAJ (Directory of Open Access Journals) • 登録されてい るOA誌でCCL 採用誌は約 40% • CC BYとCC BY- SAが半分ず つくらい https://doaj.org/
  44. 44. ROAD (the Directory of Open Access scholarly Resources) http://road.issn.org/en
  45. 45. RCUK (Research Councils UK) • CC BYを推奨 • 希望があればCC BY-NCもOK http://www.rcuk.ac.uk/research/openaccess/
  46. 46. Nature Publishing Group (NPG) • 標準ライセンスと して、CC BY 4.0を採 用 • 編集部へのリクエ ストにより、CC BY- NC-ND 4,0か、CC BY-NC-SAを選択で きる http://www.nature.com/index.html
  47. 47. J-STAGE • 別途条件等が明示 されていない限り 、発行機関によっ てCC BY、CC BY-NC 、CC BY-NC-NDのい ずれかを付与。 • ジャーナル単位の みの導入(論文ご とではない) https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/
  48. 48. ティム・オライリー(Tim O'Reilly) https://en.wikipedia.org/wiki/Tim_O%27Reilly
  49. 49. 日本の書籍での採用例
  50. 50. 今日マチ子『みかこさん』、『センネン画報』 (CC BY-NC-ND) http://www.moae.jp/comic/mikakosanhttp://juicyfruit.exblog.jp/7780275/
  51. 51. 中村光『聖☆おにいさん』第1話 (CC BY-ND 2.1) http://morningmanga.com/st023cc/
  52. 52. 同人マーク 赤松健『UQ HOLDER!』 弐瓶勉『シドニアの騎士』
  53. 53. 佐藤秀峰『ブラックジャックによろしく』 http://mangaonweb.com/
  54. 54. 上海アリス幻樂団『東方プロジェクト』
  55. 55. 「複製」から「公衆送信」へ 拙著『法のデザイン 第2回本、出版のデザイン』
  56. 56. 出版契約の種類 1. 作家と出版者との間で出版権が設定される場合 (3-5年が一般的。定めがない場合には3年) 2. 作家が出版者に対し独占的に出版の許諾を与える場合 3. 作家が出版者に対し非独占的に出版の許諾を与える場合 4. 作家が出版者に対し著作権を譲渡する場合(欧米)
  57. 57. 出版権の法改正と出版に関する契約の多様化 • 2015にこれまで紙媒体に限定されていた出版権の対象 が、公衆送信権にも対応することになった • Amazon、Googleなどのプラットフォーマーとの契約の 重要性 • ダイレクト・パブリッシングなどにより、出版社はも はや出版者として唯一無二の立場を取れなくなってい る
  58. 58. CC x 出版の現況のまとめ 1. 出版分野でCCが普及しているとは言い難い(ウィキペディア、学術誌、教育素 材は除く) 2. 理由は、マネタイズが見えづらいこと、出版契約が限定的な利用許諾にとどま っていることや契約がひな型化していること、等が挙げられる(逆に学術誌や サイエンス系は引用数が伸びるメリットがあり、一定の効果) 3. 漫画などではCCの派生も含め、一定の役割?(漫画やライトノベルなどのいわ ゆる「柔らかいコンテンツ」は電子書籍、オンライン出版の柔軟性に整合的? ) 4. 出版に関する契約が多様化していくなかで、ロングテール・モデルの構築に一 定の役割を果たす可能性?→CCライセンスではなくても、著作権法に限らない 柔軟な著作権ルールを契約で実現していくことは可能
  59. 59. クリエイティブ・コモンズと著作権の新しい潮流 Thank you! MIZUNO, Tasuku (CityLights Law Office) tasukumizuno@citylights-law.com Tw : @TasukuMizuno Except where otherwise noted, content on this site is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International license.

×