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終末期の兆候・身体機能の低下 パート1 基礎知識.
- 10. Do Not Attempt Resuscitation(DNAR)
指示のあり方
• 日本集中治療医学会のステートメントでは以下が記載されている.
• DNAR指示は心停止時のみに有効.心肺蘇生不開始以外は集中治療室入室
を含めて通常の医療・看護については別に議論すべき.
• DNAR指示と終末期医療は同義ではない。DNAR指示に関わる合意形成と
終末期医療実践の合意形成はそれぞれ別個に行うべきである。
• DNAR指示に関わる合意形成は終末期医療ガイドラインに準じて行うべき
である。
• DNAR指示の妥当性を患者と医療・ケアチームが 繰り返して話合い評価
すべきである。
日本集中治療医学会.Do Not Attempt Resuscitation(DNAR)指示のあり方についての勧告.日集中医誌 2017;24:208-9.
- 11. DNRからDNAR そしてANDへ
•2000年にDNRに変わる言葉としてDo Not Attempt Resuscitation
(DNAR)が推奨され,2010年にDNARに替わりAllow Natural Death
(AND)が使用される機会が増えていることが紹介されている.
日本集中治療医学会倫理委員会. DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)の考え方.日集中医誌 2017;24:210-5.
•筆者は,DNARが確認されている患者であっても,蘇生処置以外の薬物
治療や酸素療法は実施され,それでも救命困難な際にはANDとする方針
が良いのではないかと考える.
- 16. 摂食・嚥下障害
• 摂食嚥下は先行期,準備期,口腔期,咽頭期,食道期の5相よりなる.
• 摂食嚥下障害時に,どの相で障害されているかを見極め,必要な介入を行う.
• 誤嚥性肺炎を疑う患者でも,安易に絶食としない.絶食で嚥下筋の廃用障害が進み,更
に嚥下機能が低下する.ST介入を行い,食事形態調整,補助食品提供を組み合わせ,
治療に並行して食事摂取を進める.
• 嚥下障害に対してベッドサイドや外来で行えるスクリーニングは,反復唾液嚥下テスト
(30秒間で2回以上空嚥下できるか),改定水飲みテスト(冷水3mLの嚥下).
• より詳細な嚥下評価は,嚥下造影検査やビデオ嚥下内視鏡検査を依頼する.
• 嚥下障害には低栄養,廃用症候群,サルコペニアを合併している事が多く,リハビリテ
ーション処方に加え栄養療法を行う.
若林秀隆.その患者さん,リハ必要ですよ!! 病棟で,外来で,今すぐ役立つ!評価・オーダー・運動療法,実践リハ
ビリテーションのコツ.羊土社.東京.2016.