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男It番長 データセンタの選び方
- 1. るシリーズ
で使 え
! !会社
押っ 忍
データセンタサービスの選び方
データセンタを
賢く使う
- 2. 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
目次
★
1、目的/目標 03
2、どんなときデータセンタを利用するか? 04
3、企業がデータセンタを利用する理由 05
4、データセンタサービスの変貌 06
5、データセンタサービスのメニュー 07
6、データセンターの選定ポイント 11
7、データセンター利用の例 15
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- 3. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
1、目的/目標
<目的>
・自社の目的/状況に応じたデータセンタの
・利用
<目標>
・データセンタのサービスを正しく理解する
・要件に応じたデータセンタサービスを
・選択できる
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- 4. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
2、どんなときデータセンタを利用するか?
社内で管理しているサーバやネットワークの運用を“面倒くさい”と思ったことはないでしょうか?
システムの安定運用は想像以上に困難です。以下の点に当てはまるのであれば、データセンタの利用を
検討する価値があるといえます。
機器の量
機器の量
設置する機材がオフィス内のいたるところを占領している場合があります。
設置する機材がオフィス内のいたるところを占領している場合があります。
データセンタへ設置することで、スペースの有効活用ができるだけでなく、
データセンタへ設置することで、スペースの有効活用ができるだけでなく、
電源容量、騒音問題などの解決にもつながります。
電源容量、騒音問題などの解決にもつながります。
○
トラフィック
トラフィック
の量
の量
インターネットを利用したサービスを行っている場合には、レスポンスや
インターネットを利用したサービスを行っている場合には、レスポンスや
回線障害などが常に気になります。帯域の豊富さや冗長化対策を検討
回線障害などが常に気になります。帯域の豊富さや冗長化対策を検討
する場合は、データセンタへの移設も候補のひとつでしょう。
する場合は、データセンタへの移設も候補のひとつでしょう。
○
システムの
システムの
安定性
安定性
システムを安定運用させるためには、物理的な高信頼性対策も重要です。
システムを安定運用させるためには、物理的な高信頼性対策も重要です。
電源ケーブルやネットワークケーブルをしっかり固定し、場合によっては
電源ケーブルやネットワークケーブルをしっかり固定し、場合によっては
UPSなども用意する必要がでてくることでしょう。
UPSなども用意する必要がでてくることでしょう。
○
データの
データの
機密性
機密性
企業活動で取り扱う情報は適切なセキュリティ対策がなされている
企業活動で取り扱う情報は適切なセキュリティ対策がなされている
必要があります。自社で適切なコントロールができない場合は、
必要があります。自社で適切なコントロールができない場合は、
データセンタへの移設も対策のひとつになります。
データセンタへの移設も対策のひとつになります。
○
運用費用削減
運用費用削減
データセンタへの移設、データセンタサービスの利用は
データセンタへの移設、データセンタサービスの利用は
運用費用の削減につながる場合がありますが
運用費用の削減につながる場合がありますが
費用対効果の見極めが重要です。
費用対効果の見極めが重要です。
○
システム運用管理上のメリットを得るために、データセンタを利用する。
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- 5. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
3、企業がデータセンタを利用する理由
システムのダウンがビジネスの停滞に直結する時代には、ネットワークの高可用性、安全性の高いサーバ
ルームの構築、十分な電力供給など、システムの安定的運用には、多くのコストと労力が必要とされます
が、安定的運用に必要なすべての要件を自社で満たすのは、至難の業といっても過言ではありません。
策 ・要員、教育費用の拡大
自 社で対 ・IT投資の分野が限定
【システム支出の現状】 多くのコストが増加し、 ・企業競争力の低下
戦略的な投資は
より限定的に
システム安定運用の要件 定常費用>>戦略
不正アクセス対策
情報漏洩対策
災害対策
電源対策
多くの企業はビジネス 発熱対策 etc
効果創出に向けての ・新規ビジネスの創出
IT投資が十分ではない ・新技術への取り組み
外
定常費用>戦略 ( デ ー 部 に委託 コストを削減して ・コア事業への集中投資
タ セン 戦略的投資を増加
タ利 用
)
定常費用≦戦略
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- 6. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
4、データセンタサービスの変貌
ここ数年のデータセンタサービスを見ると、システム構築から運用保守に至るまで、 トータルにユーザー
企業をサポートするサービスを提供し始めたことがわかる。きめ細かいサービスを含む、フルアウトソー
シングが可能なデータセンタも多く有り、データセンタ活用の幅は広がっています。
ハウジング/ホスティング
ハウジング/ホスティング 運用
運用 サービス
サービス
~~ ・ハウジング
・ハウジング ・サーバーの死活監視 ・ホームページ
22 ‐電源/空調に多少の不安
・サーバーの死活監視 ・ホームページ
‐電源/空調に多少の不安 ・バックアップ取得
・バックアップ取得 ・メール
・メール
00 ‐セキュリティ対策が不十分
‐セキュリティ対策が不十分 ・バッチジョブ管理
・バッチジョブ管理 ・独自ドメイン取得
・独自ドメイン取得
00 ・ホスティング
・プロセス監視
・プロセス監視 ・ウィルス対策
・ウィルス対策
22 ・ホスティング
‐スペックの柔軟性に欠ける
・URL監視
・URL監視 ・メールフィルター
・メールフィルター
‐スペックの柔軟性に欠ける ・リソース監視 ・スクリプト(CGI)
‐ネットワーク接続は低帯域
‐ネットワーク接続は低帯域 ・リソース監視 ・スクリプト(CGI)
で比較的高価 ・レポーティング 等
・レポーティング 等 ・専用ファイアウォール 等
・専用ファイアウォール 等
で比較的高価
22 ・ハウジング
・ハウジング
上記に加え
上記に加え 上記に加え
00 ‐電源/空調が高度に整備
‐電源/空調が高度に整備
・運用設計
・運用設計
・ITIL準拠の障害対応、復旧支援
上記に加え
・サーバ証明書
00 ‐セキュリティ対策が充実
‐セキュリティ対策が充実
・ITIL準拠の障害対応、復旧支援
・構成管理
・サーバ証明書
・ブログ、 SNS、Wiki
・ブログ、 SNS、Wiki
・構成管理
33 ・ホスティング
・ホスティング ・障害履歴管理
・障害履歴管理 ・コミュニティサイト
・コミュニティサイト
~~ ‐スペックの柔軟性あり
‐スペックの柔軟性あり
‐ネットワーク接続は高帯域
・セキュリティアップデート
・セキュリティアップデート ・決済付ネットショップ
・決済付ネットショップ
‐ネットワーク接続は高帯域 ・専用サーバーの独自運用 ・アクセス解析
‐専用、共用の他に仮想化 ・専用サーバーの独自運用 ・アクセス解析
‐専用、共用の他に仮想化 ・VPN接続
・VPN接続 ・SEO対策 等
ッ プ での
サーバが登場
サーバが登場 ・SEO対策 等
かつワンスト
・高度な災害対策 等
・高度な災害対策 等
多階層 !!
ドサ ー ビ スが 可 能
フル マ ネー ジ
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6
- 7. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
5、データセンタサービスのメニュー①
ここ数年のデータセンタサービスメニューはファシリティからハード、ソフト、監視と様々です。
各社のサービス内容を正しく理解して、賢く活用しましょう。
多くのセンターで10U※1、20U、40Uとスペースの選択が
多くのセンターで10U※1、20U、40Uとスペースの選択が
①ハウジング
可能。システムの拡張性を考慮し、多少余裕をもっておく。
可能。システムの拡張性を考慮し、多少余裕をもっておく。
(自社のサーバが離れて設置されてしまうとケーブリング等
(自社のサーバが離れて設置されてしまうとケーブリング等
不都合が生じることがある)
不都合が生じることがある)
高度なセキュリティ(入退室管理、監視カメラ等)と 電源は基本AC100V/20Aが用意される。
電源は基本AC100V/20Aが用意される。
必要に応じて拡張が可能。
必要に応じて拡張が可能。
ファシリティ(耐震対策、電源冗長化等)を備えた
データセンタ資産のラックに、自社資産のサーバ
機器等を預ける。 メリット
自社での機材の設置スペース、
電源、空調管理に手間取らない
②ホスティング Internet
データセンタが用意したサーバをレンタルする
サービスで運用管理、保守はホスティング
事業者が行う。専用/共用の選択、CPU、
メモリ等スペックの選択の幅がある。
予算、スペック等の要件により、
予算、スペック等の要件により、
専用サーバ、共有サーバの選択が可能
メリット
専用サーバ、共有サーバの選択が可能
であり、最近は仮想サーバで両方のメ
であり、最近は仮想サーバで両方のメ イニシャルコストの削減
リット教授できるサービスも登場している。
リット教授できるサービスも登場している。 サービス開始までのリードタイム短縮
※1 U(ゆー)・・・ラックマウント型のサーバなど、ラック搭載製品の単位。 高さを示す。 1 U は 44.5 mm
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- 8. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
5、データセンタサービスのメニュー②
ここ数年のデータセンタサービスメニューはファシリティからハード、ソフト、監視と様々です。
各社のサービス内容を正しく理解して、賢く活用しましょう。
メリット
③運用監視サービス 障害の検知、発見 維持管理はアウトソースし
自社の要員はより重要な
運用・監視を行う専門技術者を常時 業務に集中できる。
配置し、障害監視、プロセス監視、
リソース監視、URL監視、定期ジョブ
監視など、24時間365日体制で行い、
ITシステムの安定稼動を実現する。 データセンター
障害の連絡、通知 お客様
自社のシステムリスク <サービスメニュー>
<サービスメニュー>
④セキュリティサービス に必要な対策の有無
を確認する。
・Firewallサービス、アクセスログ保管
・Firewallサービス、アクセスログ保管
・不正アクセス検知サービス 等
・不正アクセス検知サービス 等
<設備>
<設備>
・入退館管理
・入退館管理
物理的な対策に加え、セキュリティパ 検知 ・監視カメラ 等
・監視カメラ 等
ッチの適用作業などソフトウェアに係 プライバシーマークやISMS等の認証取得の有
プライバシーマークやISMS等の認証取得の有
無も確認すべきポイントである。
わる対策、また企業では運用が困難 無も確認すべきポイントである。
な不正アクセスの検知まで、24時間
遮断
×
駆除
365日リアルタイムで運用を代行しま
××
す。もちろんハードの調達は不要。 メリット
最新のセキュリティ対策を
管理 データセンター 利用することができる
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- 9. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
5、データセンタサービスのメニュー③
ここ数年のデータセンタサービスメニューはファシリティからハード、ソフト、監視と様々です。
各社のサービス内容を正しく理解して、賢く活用しましょう。
メリット
⑤ネットワークサービス grobal IP
grobal IP
100Mbps
100Mbps 大容量の回線や高信頼性の
環境を利用できる。障害時の
グローバルIP、DNS、回線等の自社 復旧作業もIDCが行う。
サーバーをインターネット公開する為に 1Gbps
1Gbps
必要な環境をワンストップで用意できる。 独自ドメイン
独自ドメイン
必要に応じた帯域、回線は専用タイプや
共有タイプを選択可能である。 回線の冗長化など、信頼性の高い
DNS
DNS 回線の冗長化など、信頼性の高い
接続であることがほとんど。
接続であることがほとんど。
また回線種別、回線帯域にも幅があり、
また回線種別、回線帯域にも幅があり、
柔軟なネットワーク環境を構築可能である。
柔軟なネットワーク環境を構築可能である。
⑥アプリケーションサービス 大規模なサイト運営
大規模なサイト運営
も可能であり、ビジネス用途にも耐えうる
も可能であり、ビジネス用途にも耐えうる
十分な機能を備えている。
ECサイト、コミュニティサイトのみならず 十分な機能を備えている。
セキュリティに配慮されたグループウェア
なども利用可能です。ビジネスニーズに ホームページ
メリット
ホームページ
合わせて、効率かつ合理的なサイト構築 サービス開始までの期間が短く
が可能。 ショッピングサイト
ショッピングサイト Xoops 自社のサービス停止時の
Xoops
コストリスクも低い。
グループウェア
グループウェア MovableType
MovableType
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- 10. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
5、データセンタサービスのメニュー④
ここ数年のデータセンタサービスメニューはファシリティからハード、ソフト、監視と様々です。
各社のサービス内容を正しく理解して、賢く活用しましょう。
⑦その他サービス
企業とデータセンタのVPN接続、ウェブアクセスの メリット
負荷分散、アクセスログのレポーティング、 運用のプロが行う、
障害の復旧作業、バックアップメディアの交換など、 高品質なサービスメニューが
企業の要件に応じたサービスメニュー 利用可能
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- 11. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
6、データセンターの選定ポイント①
データセンタの選択は、サーバやネットワーク機器の選択以上に選択の幅があります。キャリアが運営
するもの、インテグレーターが運営するもの、専用ベンダーが運営するもの、様々な分類がありますが、
以下のポイントを調査し、自社の要件に応じたサービスが提供されるセンターを選択しましょう。
【設備編】
●建物設備の構造
建物構造には、耐震構造、制震構造、免震構造とありますが、データセンターとしては免震構造が望ましい
と言えるでしょう。サーバ等の機器は、地震による急激な振動を受けると障害を起こす恐れがあります。
●立地条件
万が一の駆けつけ時を想定して、自社からの距離やアクセスについては最低限、考慮すべきでしょう。
また、近隣の活断層の有無(無いほうが○)、液状化指定地域かどうか(該当しない方が○)、近隣の
河川等との位置関係はどうか、海岸線からは適当な距離があるかどうかなど。
●電源
給電ルートの二重化や自家発電装置の設置などは一般的になってきましたが、大事なチェック項目です。
ラック単位のUPS設置や電源の冗長化などは、追加費用が必要な場合があるのでチェックが必要です。
●空調
冷風をラック下から噴出する方法では熱が上部にこもり、熱をラック背面に噴出する方法では他社のラック
の噴出熱が自社ラックの吸引になってしまうなど、実はデータセンタ内で温度対策は難しい。自社の設置箇
所が十分に冷える場所なのか、または温度管理がなされているかを確認して下さい。
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- 12. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
6、データセンターの選定ポイント②
データセンタの選択は、サーバやネットワーク機器の選択以上に選択の幅があります。キャリアが運営
するもの、インテグレーターが運営するもの、専用ベンダーが運営するもの、様々な分類がありますが、
以下のポイントを調査し、自社の要件に応じたサービスが提供されるセンターを選択しましょう。
【ホスティング編】
●サーバスペック
最近のホスティングサービスは質量ともに幅広いサービス体系を持ち、ニーズに合わないことはほとんど無いと言ってもいい
かもしれません。ただし、大規模サイトを構築する場合は、CPUやメモリなど必要な分だけ追加できるようになっていることが
望ましいと言えます。またOSについてもwindowsの利用が可能かどうかもチェックポイントです。
●インテグレーションサービス
ホスティングを選択するユーザは、環境構築の手間の削減、サービス開始までのリードタイムも同時に望むことが多い。この
ため、データセンタのサービスとして、アプリの設定やバックアップ設計など運用に必要な環境設定も行ってくれるサービスが
あれば、技術的なスキルいらずでサービスを開始できる。
●システム構成の柔軟性
基本メニューでは、どうしても自社のニーズを満たせない場合があります。ウェブアクセスの量が増えて負荷分散を行いたい
場合にロードバランサを設置してくれるなど、想定されるニーズにどれだけ対応できるかどうか、または相談に乗ってもらえる
かどうかを予め確認しておくとよいでしょう。
●管理権限
専用サーバをレンタルする場合は、サーバのroot権限が付与されることが望ましいといえます。ソフトのインストールやアカウ
ントの設定など、自由度の高い管理が可能です。共有サーバーや仮想プライベートサーバでの管理者権限の内容を確認すべ
きでしょう。
●利用可能なアプリ
いまや、ホームページやメールだけがホスティングのメインサービスではない。ECサイト、ネットショップ、コミュニケーションサ
イト、グループウェア等、自社のニーズに必要なアプリの有無を確認し、サポートまで含めた調査が必要である。構築事例が
公開されているサイトも少なくないので参考にするとよいでしょう。
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- 13. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
6、データセンターの選定ポイント③
データセンタの選択は、サーバやネットワーク機器の選択以上に選択の幅があります。キャリアが運営
するもの、インテグレーターが運営するもの、専用ベンダーが運営するもの、様々な分類がありますが、
以下のポイントを調査し、自社の要件に応じたサービスが提供されるセンターを選択しましょう。
【ハウジング】
●ラック
ラックは基本的には共有と専用のものが用意されている。システムの変更時や障害時にシステム関係者が入館して作業する
ことを考えると、よほどのことが無い限り、専用タイプを選びたい。その場合、1/4ラック、1/2ラックと選択できると費用を抑える
ことができます。
●ラック箇所の連続性
特段制限が無い限りは、契約の順番にラックを埋めていきます。つまり自社の契約と次の自社の契約の間に他社の契約がは
いれば、ラックは離れた場所に設置されることが通常です。システムの拡張性が有る程度見えて、コンソール等を共有する予
定の有る場合は、ラックの設置箇所がまとめられないかどうかを交渉するとよいでしょう。
●運用内容
サーバ等をハウジングした場合は、テープ交換や障害復旧対応など、リモートからはできない運用が少なからず生じます。ま
たレポーティングやパッチ適用などの基本的な運用は比較的安価で提供しているデータセンタもある。現在の運用コストと移
管できる作業の内容を吟味し、費用効果を考慮した選択が重要です。
●備品貸し出しの柔軟性
ビスが数個足りない、ケーブルが二本足りなくなったなど、現地作業ではいろいろ備品が必要になりますが、そういったものを
(販売でも構いませんが)貸してくれると助かります。
●廃棄ゴミの処理方法
サーバ等を持ち込みした場合や現地納入する場合など、後のゴミのことを忘れがちです。データセンタ側で処理を行っていな
い場合は、持ち帰りしなければならないなど、廃棄ゴミ処理は意外と重要です。
●バックヤードの設備
作業は長時間にわたり、時には夜間に行われることもしばしばです。休憩ルーム等の存在も確認しておきたい。
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- 14. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
6、データセンターの選定ポイント④
データセンタの選択は、サーバやネットワーク機器の選択以上に選択の幅があります。キャリアが運営
するもの、インテグレーターが運営するもの、専用ベンダーが運営するもの、様々な分類がありますが、
以下のポイントを調査し、自社の要件に応じたサービスが提供されるセンターを選択しましょう。
【他、共通事項】
●ヘルプデスク
やはり何かあったときに問い合わせできる相談窓口があると心強いものです。
●対応内容のカスタマイズ、柔軟性
企業によってシステムの構築目的、重要性、規模はそれぞれです。アウトソーシングする目的も様々ですのでデータセンタの
用意するメニューではニーズに適合しないこともあります。この部分を理解してくれ、個別の相談に乗ってくれるデータセンタで
あるかどうかは、極めて重要な選定ポイントと言えます。
●セキュリティ
データセンタには、様々な重要なシステム、情報が集中しています。入退室管理システム等の物理的なセキュリティから、共有
システム環境のFirewallやアクセスログ管理等、自社の情報、システムのリスクとなりえる脅威から回避、防御できる仕組みが
備わっている事を確かめましょう。
●認証取得の有無
運用の実態、品質を見極めるのは実は大変困難です。ホームページの見栄えや営業との会話からではなかなか、実態を知る
事は出来ません。大手だからと言って必ずしも運用品質が高いともいえません。そこで外部機関の認証取得を目安にする方
法があります。ISMSやプライバシーマーク、ISO20000などを中心に検討し、SAS70やFISC、LGWAN-ASPなども必要に応じて
確認するとよいでしょう。
●財務状況
大手ベンダーを利用する場合にはあまり必要はないかもしれませんが、この業界は絶えずM&Aや事業撤退の脅威にさらされ
ています。また、経営状況の悪化に伴うサービス品質、もしくは提供の維持不可の状況に陥る可能性が無いとは限りません。
製品の調達とは異なり、データセンタサービスは安定供給されてこそ、意味をなすサービスですので、ベンダーの財務状況も
検討に入れておかなければならないポイントです。
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- 15. データセンタの選び方 押っ忍!!会社で使えるシリーズ
7、データセンター利用の例
下記は、データセンタサービスを利用した場合のシステム環境の例です。
死活パフォーマンス監視
アクセス解析 SNS
Internet
Firewall
Firewall
ホスティング エンドユーザ
100Mbps回線
100Mbps回線
ネットショップ
データバックアップ
独自ドメイン
データセンター サービス契約者
コスト 自社構築 サービス開始 運用品質
自社構築
データセンタ利用
一時:65万円
リードタイム データセンタ利用
自社構築
一時:28万円 低~中
月額:23万円 自社構築 総じて高い
月額:14万円 データセンタ利用
7日 40日
※ 筆者の試算です。利用するデータセンタによって、 ※ 電源空調管理、監視、セキュリティなど
または調達するハードの内容によって前後します。 ※ 自社構築の場合、新規に回線の敷設や システムの安定運用には高いスキルと設備が必要です。
ハードの調達を行った場合を想定しています。
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