驕る曹操、月下の下に詩を吟ず
- 2. 第 37 集 横槊賦詩(戦勝を確信した曹操、長矛を携え詩に興じる)2009.6.25 更新
―「3 時間で~」では省略
チャプター① 曹操のとりでの全景。鐘や太鼓が鳴り響く中、大勢の兵士たちが隊列を作って行
進。そこへ曹操が白馬にまたがり登場~
チャプター② 酒に酔い上機嫌の曹操、兵士に向って長矛を持って来るよう命じる~
チャプター③ 部下を引きつれ馬に乗って師勖の棺おけの前にやって来る曹操~
チャプター④ 曹操の連環船に敗れた韓当と周泰、周瑜のところへ謝罪しに来る~
~風向きを見て驚き、血を吐いて倒れた周瑜を、魯粛ら大急ぎで担ぎ出す。
②呉軍には絶対に勝てると確信した曹操、なんと戦いの前に大宴会を開く。が、その時、カラス
の大群が真夜中にもかかわらず一斉に南(周瑜軍がいる方)に向って飛び立った。ふと不安を覚
えた曹操、急いで「これは一体どういう事だ」と参謀たちに尋ねる。参謀たちは曹操のご機嫌
を損ねてはならじと「今夜は月が明るいためカラスは夜が明けたと思って飛び立ったのでしょ
う」とごまかした。曹操もその一言で一応安心するが、その後、即興で作った詩の一節に思わ
ずそのことを言及してしまう。
曰く:月明星稀、烏鵲南飛;繞樹三匝、無枝可依(月明るく、星はまばら。カラスとカササギ
は南に向う。3 度木を巡れども止まる枝なし)
ところがこの一節を楽師・師勖が聞きとがめ、曹操に「不吉な言葉です」と注意する。曹操は
彼の言葉から「不吉=今回の戦いは負けるかもしれない」というニュアンスを敏感に読み取り、
怒り狂って師勖を突き殺してしまうのである。
←酒に酔った曹操、 自分の
「
詩の欠点を大いに指摘して
くれ」と言ったくせに、師
勖の指摘が気に入らず、手
に持っていた長矛で、ひと
思いに突き刺してしまう