SlideShare a Scribd company logo
1 of 1
Download to read offline
郊外型キャンパスの路線バス利用の需要と輸送キャパシティの解明	
慶應義塾大学 環境情報学部 司隆, 慶應義塾大学政策・メディア研究科 佐藤雅明, 東京大学 生産技術研究所 伊藤昌毅, 慶應義塾大学 環境情報学部 村井純
1,研究動機
実地で以下のことを測定した。
• バス停からの距離と人数の関係
• バスに乗り込む人数
また通学に関するアンケートを
SFC生234人に実施した。
4,結果 バス停からの距離と人数の関係
•朝の湘南台駅(最寄駅)-
SFC(キャンパス)間のバス
はかなり混雑している。
•バスの積み残しを無くすた
めに、まずこの混雑の原因
と状況を測定した。
4,結果 各バスに乗り込む人数
6,結論
• 神奈川中央交通 (2013) 連節バス「ツインライナー」の導入について http://www.mlit.go.jp/common/001020738.pdf
• 杉山 公一郎(2007) バス通学の快適化を目的とした Web ページの基盤作成 http://jre.sfc.keio.ac.jp/final/sugiyama.pdf
時刻 種別
満員の
最大値
満員の
平均値
時刻 種別
満員の
最大値
満員の
平均値
08:28 バス 68 54 08:59 バス 558 471
08:35連節 171 140 09:04連節 680 573
08:40 バス 228 186 09:08 バス 748 632
08:45連節 331 275 09:12 バス 811 687
08:49 バス 391 326 09:16 バス 874 740
08:55連節 496 417 09:22連節 968 823
現在のSFCは、輸送容量の限界から、遅刻者が必ず出るキャンパスであるということが判明した。
早急な改善策が必要であり、鉄道を通すなど輸送容量を増やす、バスで行かなければならない人員を減らすことなどが考えられる。
5,考察
0
20
40
60
80
100
120
連節バスの満員の人数
平均91.5人
N=37
8:35 8:45 8:55 9:04 9:22
(人)
連節バス 凡例 バス
18m 全長 約10m
127人 定員 75人程度
124人 最大値 72人
91.5人 満員平均 54.7人
0
10
20
30
40
50
60
70
8:30 9:00 9:30 10:00 10:30 11:00 11:30
バスの満員の人数
平均54.7人
標準偏差 6.4
(人)
N=205
※満員とは積み残しがある状態で発車したバスのことを指す。
• SFCは大学で5000人在籍
• 隣のSFC中高に1200人通う
• 7:40~8:24はSFC中高生が
大学生以上に列をなす
• 1,2限前は100m以上並ぶ
• スクールバスではない
• 湘南台駅-SFC が3.6km
• 湘南台駅-SFC バスで15分
2,現在までに分かっていること 3,方法
・アンケートの結果、湘南台駅-
SFC間のバスの利用割合は晴れ
の日が72%, 雨の日が80%で大学
生 が 1 限 (9:25~) 通 え る 時 間 は
8:28~9:08である。(図8)春学期の
その時間に発車したバスの乗客
の最大数を満員の最大とした。そ
のためこれ以上は確実に輸送で
きない値である。(図9)授業調査
よりSFCの1限授業履修者数は
1500人いることもある。(図10)そ
のため計算上、授業開始時に履
修者全員がSFCに辿り着けない
状況の日がある。2016年春期前
半は月・火・水・木、後半は月・水、
秋期前半は水曜日が該当。雨天
時になると春期後半木・金曜、秋
期前半の月曜日も遅刻者が出る。
積み残しの実態によればバスを5
台見送らないと路線バスに乗れな
い時もあることがわかった。
1限に間に合う時間に乗れる輸送キャパシティ
2016年
月 火 水 木 金
春前半 880 880 872 1011 657
春後半 869 667 798 687 683
秋前半 701 437 1090 526 433
1限履修者の晴天時のバス需要
湘南台駅からSFCまでの移動経路
7,参考文献
y	=	1.6089x	- 5.9558
R²	=	0.9954
0
50
100
150
200
250
0 50 100 150
行列の人数(人)
行列の長さ(m)
• 行列の長さと行列
の人数は強相関
• 列は一列で、一人
63cm間隔となる
0
100
200
300
400
500
600
700
800
0
100
200
300
400
500
600
700
800
8:28
8:35
8:40
8:45
8:49
8:55
8:59
9:04
9:08
9:12
9:16
9:22
バス乗車人数累計 バス停への到着人数累計
(人)
4月12日(火)の積み残しの実態

More Related Content

What's hot

角速度センサによる 歩行および階段昇降の識別
角速度センサによる 歩行および階段昇降の識別角速度センサによる 歩行および階段昇降の識別
角速度センサによる 歩行および階段昇降の識別Sozo Inoue
 
Urban challenge ver3
Urban challenge ver3Urban challenge ver3
Urban challenge ver3zhangzijie
 
医療領域を対象としたサービスデザインの試み(2) 八王子の医療サービスのデザイン
医療領域を対象としたサービスデザインの試み(2) 八王子の医療サービスのデザイン医療領域を対象としたサービスデザインの試み(2) 八王子の医療サービスのデザイン
医療領域を対象としたサービスデザインの試み(2) 八王子の医療サービスのデザイン昭夫 吉橋
 
140510_jsisse_第1回研究会
140510_jsisse_第1回研究会140510_jsisse_第1回研究会
140510_jsisse_第1回研究会Yoshikazu Asada
 
20200529 shibayama
20200529 shibayama20200529 shibayama
20200529 shibayamamasa_f
 
20190305_栃木県_標準的なバス情報フォーマット勉強会
20190305_栃木県_標準的なバス情報フォーマット勉強会20190305_栃木県_標準的なバス情報フォーマット勉強会
20190305_栃木県_標準的なバス情報フォーマット勉強会Kenji Morohoshi
 
ロボット手術における医療者-患者間の 情報伝達ツールのデザイン(2) ー患者視点から見た医療情報の視覚化とサービス提供方法の研究
ロボット手術における医療者-患者間の 情報伝達ツールのデザイン(2) ー患者視点から見た医療情報の視覚化とサービス提供方法の研究ロボット手術における医療者-患者間の 情報伝達ツールのデザイン(2) ー患者視点から見た医療情報の視覚化とサービス提供方法の研究
ロボット手術における医療者-患者間の 情報伝達ツールのデザイン(2) ー患者視点から見た医療情報の視覚化とサービス提供方法の研究昭夫 吉橋
 

What's hot (8)

角速度センサによる 歩行および階段昇降の識別
角速度センサによる 歩行および階段昇降の識別角速度センサによる 歩行および階段昇降の識別
角速度センサによる 歩行および階段昇降の識別
 
Urban challenge ver3
Urban challenge ver3Urban challenge ver3
Urban challenge ver3
 
医療領域を対象としたサービスデザインの試み(2) 八王子の医療サービスのデザイン
医療領域を対象としたサービスデザインの試み(2) 八王子の医療サービスのデザイン医療領域を対象としたサービスデザインの試み(2) 八王子の医療サービスのデザイン
医療領域を対象としたサービスデザインの試み(2) 八王子の医療サービスのデザイン
 
140510_jsisse_第1回研究会
140510_jsisse_第1回研究会140510_jsisse_第1回研究会
140510_jsisse_第1回研究会
 
20200529 shibayama
20200529 shibayama20200529 shibayama
20200529 shibayama
 
kataoka m
kataoka mkataoka m
kataoka m
 
20190305_栃木県_標準的なバス情報フォーマット勉強会
20190305_栃木県_標準的なバス情報フォーマット勉強会20190305_栃木県_標準的なバス情報フォーマット勉強会
20190305_栃木県_標準的なバス情報フォーマット勉強会
 
ロボット手術における医療者-患者間の 情報伝達ツールのデザイン(2) ー患者視点から見た医療情報の視覚化とサービス提供方法の研究
ロボット手術における医療者-患者間の 情報伝達ツールのデザイン(2) ー患者視点から見た医療情報の視覚化とサービス提供方法の研究ロボット手術における医療者-患者間の 情報伝達ツールのデザイン(2) ー患者視点から見た医療情報の視覚化とサービス提供方法の研究
ロボット手術における医療者-患者間の 情報伝達ツールのデザイン(2) ー患者視点から見た医療情報の視覚化とサービス提供方法の研究
 

Similar to SFCバス列(161115CSIS版)

バス列の現状(2016ORFバージョン)
バス列の現状(2016ORFバージョン)バス列の現状(2016ORFバージョン)
バス列の現状(2016ORFバージョン)tan tan
 
2017情報処理学会ITS71WiPバス列
2017情報処理学会ITS71WiPバス列2017情報処理学会ITS71WiPバス列
2017情報処理学会ITS71WiPバス列tan tan
 
01 ムロタクシェア
01 ムロタクシェア01 ムロタクシェア
01 ムロタクシェアCSISi
 
160511 バス列(内部向け10分)
160511 バス列(内部向け10分)160511 バス列(内部向け10分)
160511 バス列(内部向け10分)tan tan
 
【B03】津軽線プロジェクトを通してみた沿線振興~動画・ガニ線カード制作とオンデマンド交通調査から~【青森大学/相坂 匠飛】
【B03】津軽線プロジェクトを通してみた沿線振興~動画・ガニ線カード制作とオンデマンド交通調査から~【青森大学/相坂 匠飛】【B03】津軽線プロジェクトを通してみた沿線振興~動画・ガニ線カード制作とオンデマンド交通調査から~【青森大学/相坂 匠飛】
【B03】津軽線プロジェクトを通してみた沿線振興~動画・ガニ線カード制作とオンデマンド交通調査から~【青森大学/相坂 匠飛】aomorisix
 
公共交通をデータで捉える: 東京都と全国の現状と可能性
公共交通をデータで捉える: 東京都と全国の現状と可能性公共交通をデータで捉える: 東京都と全国の現状と可能性
公共交通をデータで捉える: 東京都と全国の現状と可能性Masaki Ito
 
わたしの考える未来の交通事業
わたしの考える未来の交通事業わたしの考える未来の交通事業
わたしの考える未来の交通事業Masaki Ito
 
大学生のバス利用と若年交通弱者(170619交通ジオメディアサミット版)
大学生のバス利用と若年交通弱者(170619交通ジオメディアサミット版)大学生のバス利用と若年交通弱者(170619交通ジオメディアサミット版)
大学生のバス利用と若年交通弱者(170619交通ジオメディアサミット版)tan tan
 
京都市バスを利用する観光客の満足度調査
京都市バスを利用する観光客の満足度調査京都市バスを利用する観光客の満足度調査
京都市バスを利用する観光客の満足度調査和裕 黒田
 
ここまで来た!公共交通オープンデータ最新事情
ここまで来た!公共交通オープンデータ最新事情ここまで来た!公共交通オープンデータ最新事情
ここまで来た!公共交通オープンデータ最新事情Masaki Ito
 
GTFSデータ整備から始める公共交通の未来像
GTFSデータ整備から始める公共交通の未来像GTFSデータ整備から始める公共交通の未来像
GTFSデータ整備から始める公共交通の未来像Masaki Ito
 
鳥取大学が創る新しい地域公共交通案内サービス
鳥取大学が創る新しい地域公共交通案内サービス鳥取大学が創る新しい地域公共交通案内サービス
鳥取大学が創る新しい地域公共交通案内サービスMasaki Ito
 
公共交通オープンデータの現状と将来展望
公共交通オープンデータの現状と将来展望公共交通オープンデータの現状と将来展望
公共交通オープンデータの現状と将来展望Masaki Ito
 
公共交通オープンデータ最新事情 〜地域にデータを定着させるために〜
公共交通オープンデータ最新事情 〜地域にデータを定着させるために〜公共交通オープンデータ最新事情 〜地域にデータを定着させるために〜
公共交通オープンデータ最新事情 〜地域にデータを定着させるために〜Masaki Ito
 
福岡県内での公共交通オープンデータ整備への取組み
福岡県内での公共交通オープンデータ整備への取組み福岡県内での公共交通オープンデータ整備への取組み
福岡県内での公共交通オープンデータ整備への取組みKentaro Inenaga
 
公共交通オープンデータの現在地と今後の展望
公共交通オープンデータの現在地と今後の展望公共交通オープンデータの現在地と今後の展望
公共交通オープンデータの現在地と今後の展望Masaki Ito
 
データはどのように地域交通を支え、変えてゆけるか 〜コロナ禍後の地域交通をより良いものにするために〜
データはどのように地域交通を支え、変えてゆけるか 〜コロナ禍後の地域交通をより良いものにするために〜データはどのように地域交通を支え、変えてゆけるか 〜コロナ禍後の地域交通をより良いものにするために〜
データはどのように地域交通を支え、変えてゆけるか 〜コロナ禍後の地域交通をより良いものにするために〜Masaki Ito
 
デマンド型交通と組み合わせた バス輸送導入効果分析
デマンド型交通と組み合わせたバス輸送導入効果分析デマンド型交通と組み合わせたバス輸送導入効果分析
デマンド型交通と組み合わせた バス輸送導入効果分析Daisuke Hasegawa
 
標準的バスオープンデータの実現に向けて ~広島を再びバス情報の最先端へ~
標準的バスオープンデータの実現に向けて ~広島を再びバス情報の最先端へ~標準的バスオープンデータの実現に向けて ~広島を再びバス情報の最先端へ~
標準的バスオープンデータの実現に向けて ~広島を再びバス情報の最先端へ~Kohei Ota
 
データ分析でバスをより便利に!
データ分析でバスをより便利に!データ分析でバスをより便利に!
データ分析でバスをより便利に!Masaki Ito
 

Similar to SFCバス列(161115CSIS版) (20)

バス列の現状(2016ORFバージョン)
バス列の現状(2016ORFバージョン)バス列の現状(2016ORFバージョン)
バス列の現状(2016ORFバージョン)
 
2017情報処理学会ITS71WiPバス列
2017情報処理学会ITS71WiPバス列2017情報処理学会ITS71WiPバス列
2017情報処理学会ITS71WiPバス列
 
01 ムロタクシェア
01 ムロタクシェア01 ムロタクシェア
01 ムロタクシェア
 
160511 バス列(内部向け10分)
160511 バス列(内部向け10分)160511 バス列(内部向け10分)
160511 バス列(内部向け10分)
 
【B03】津軽線プロジェクトを通してみた沿線振興~動画・ガニ線カード制作とオンデマンド交通調査から~【青森大学/相坂 匠飛】
【B03】津軽線プロジェクトを通してみた沿線振興~動画・ガニ線カード制作とオンデマンド交通調査から~【青森大学/相坂 匠飛】【B03】津軽線プロジェクトを通してみた沿線振興~動画・ガニ線カード制作とオンデマンド交通調査から~【青森大学/相坂 匠飛】
【B03】津軽線プロジェクトを通してみた沿線振興~動画・ガニ線カード制作とオンデマンド交通調査から~【青森大学/相坂 匠飛】
 
公共交通をデータで捉える: 東京都と全国の現状と可能性
公共交通をデータで捉える: 東京都と全国の現状と可能性公共交通をデータで捉える: 東京都と全国の現状と可能性
公共交通をデータで捉える: 東京都と全国の現状と可能性
 
わたしの考える未来の交通事業
わたしの考える未来の交通事業わたしの考える未来の交通事業
わたしの考える未来の交通事業
 
大学生のバス利用と若年交通弱者(170619交通ジオメディアサミット版)
大学生のバス利用と若年交通弱者(170619交通ジオメディアサミット版)大学生のバス利用と若年交通弱者(170619交通ジオメディアサミット版)
大学生のバス利用と若年交通弱者(170619交通ジオメディアサミット版)
 
京都市バスを利用する観光客の満足度調査
京都市バスを利用する観光客の満足度調査京都市バスを利用する観光客の満足度調査
京都市バスを利用する観光客の満足度調査
 
ここまで来た!公共交通オープンデータ最新事情
ここまで来た!公共交通オープンデータ最新事情ここまで来た!公共交通オープンデータ最新事情
ここまで来た!公共交通オープンデータ最新事情
 
GTFSデータ整備から始める公共交通の未来像
GTFSデータ整備から始める公共交通の未来像GTFSデータ整備から始める公共交通の未来像
GTFSデータ整備から始める公共交通の未来像
 
鳥取大学が創る新しい地域公共交通案内サービス
鳥取大学が創る新しい地域公共交通案内サービス鳥取大学が創る新しい地域公共交通案内サービス
鳥取大学が創る新しい地域公共交通案内サービス
 
公共交通オープンデータの現状と将来展望
公共交通オープンデータの現状と将来展望公共交通オープンデータの現状と将来展望
公共交通オープンデータの現状と将来展望
 
公共交通オープンデータ最新事情 〜地域にデータを定着させるために〜
公共交通オープンデータ最新事情 〜地域にデータを定着させるために〜公共交通オープンデータ最新事情 〜地域にデータを定着させるために〜
公共交通オープンデータ最新事情 〜地域にデータを定着させるために〜
 
福岡県内での公共交通オープンデータ整備への取組み
福岡県内での公共交通オープンデータ整備への取組み福岡県内での公共交通オープンデータ整備への取組み
福岡県内での公共交通オープンデータ整備への取組み
 
公共交通オープンデータの現在地と今後の展望
公共交通オープンデータの現在地と今後の展望公共交通オープンデータの現在地と今後の展望
公共交通オープンデータの現在地と今後の展望
 
データはどのように地域交通を支え、変えてゆけるか 〜コロナ禍後の地域交通をより良いものにするために〜
データはどのように地域交通を支え、変えてゆけるか 〜コロナ禍後の地域交通をより良いものにするために〜データはどのように地域交通を支え、変えてゆけるか 〜コロナ禍後の地域交通をより良いものにするために〜
データはどのように地域交通を支え、変えてゆけるか 〜コロナ禍後の地域交通をより良いものにするために〜
 
デマンド型交通と組み合わせた バス輸送導入効果分析
デマンド型交通と組み合わせたバス輸送導入効果分析デマンド型交通と組み合わせたバス輸送導入効果分析
デマンド型交通と組み合わせた バス輸送導入効果分析
 
標準的バスオープンデータの実現に向けて ~広島を再びバス情報の最先端へ~
標準的バスオープンデータの実現に向けて ~広島を再びバス情報の最先端へ~標準的バスオープンデータの実現に向けて ~広島を再びバス情報の最先端へ~
標準的バスオープンデータの実現に向けて ~広島を再びバス情報の最先端へ~
 
データ分析でバスをより便利に!
データ分析でバスをより便利に!データ分析でバスをより便利に!
データ分析でバスをより便利に!
 

SFCバス列(161115CSIS版)

  • 1. 郊外型キャンパスの路線バス利用の需要と輸送キャパシティの解明 慶應義塾大学 環境情報学部 司隆, 慶應義塾大学政策・メディア研究科 佐藤雅明, 東京大学 生産技術研究所 伊藤昌毅, 慶應義塾大学 環境情報学部 村井純 1,研究動機 実地で以下のことを測定した。 • バス停からの距離と人数の関係 • バスに乗り込む人数 また通学に関するアンケートを SFC生234人に実施した。 4,結果 バス停からの距離と人数の関係 •朝の湘南台駅(最寄駅)- SFC(キャンパス)間のバス はかなり混雑している。 •バスの積み残しを無くすた めに、まずこの混雑の原因 と状況を測定した。 4,結果 各バスに乗り込む人数 6,結論 • 神奈川中央交通 (2013) 連節バス「ツインライナー」の導入について http://www.mlit.go.jp/common/001020738.pdf • 杉山 公一郎(2007) バス通学の快適化を目的とした Web ページの基盤作成 http://jre.sfc.keio.ac.jp/final/sugiyama.pdf 時刻 種別 満員の 最大値 満員の 平均値 時刻 種別 満員の 最大値 満員の 平均値 08:28 バス 68 54 08:59 バス 558 471 08:35連節 171 140 09:04連節 680 573 08:40 バス 228 186 09:08 バス 748 632 08:45連節 331 275 09:12 バス 811 687 08:49 バス 391 326 09:16 バス 874 740 08:55連節 496 417 09:22連節 968 823 現在のSFCは、輸送容量の限界から、遅刻者が必ず出るキャンパスであるということが判明した。 早急な改善策が必要であり、鉄道を通すなど輸送容量を増やす、バスで行かなければならない人員を減らすことなどが考えられる。 5,考察 0 20 40 60 80 100 120 連節バスの満員の人数 平均91.5人 N=37 8:35 8:45 8:55 9:04 9:22 (人) 連節バス 凡例 バス 18m 全長 約10m 127人 定員 75人程度 124人 最大値 72人 91.5人 満員平均 54.7人 0 10 20 30 40 50 60 70 8:30 9:00 9:30 10:00 10:30 11:00 11:30 バスの満員の人数 平均54.7人 標準偏差 6.4 (人) N=205 ※満員とは積み残しがある状態で発車したバスのことを指す。 • SFCは大学で5000人在籍 • 隣のSFC中高に1200人通う • 7:40~8:24はSFC中高生が 大学生以上に列をなす • 1,2限前は100m以上並ぶ • スクールバスではない • 湘南台駅-SFC が3.6km • 湘南台駅-SFC バスで15分 2,現在までに分かっていること 3,方法 ・アンケートの結果、湘南台駅- SFC間のバスの利用割合は晴れ の日が72%, 雨の日が80%で大学 生 が 1 限 (9:25~) 通 え る 時 間 は 8:28~9:08である。(図8)春学期の その時間に発車したバスの乗客 の最大数を満員の最大とした。そ のためこれ以上は確実に輸送で きない値である。(図9)授業調査 よりSFCの1限授業履修者数は 1500人いることもある。(図10)そ のため計算上、授業開始時に履 修者全員がSFCに辿り着けない 状況の日がある。2016年春期前 半は月・火・水・木、後半は月・水、 秋期前半は水曜日が該当。雨天 時になると春期後半木・金曜、秋 期前半の月曜日も遅刻者が出る。 積み残しの実態によればバスを5 台見送らないと路線バスに乗れな い時もあることがわかった。 1限に間に合う時間に乗れる輸送キャパシティ 2016年 月 火 水 木 金 春前半 880 880 872 1011 657 春後半 869 667 798 687 683 秋前半 701 437 1090 526 433 1限履修者の晴天時のバス需要 湘南台駅からSFCまでの移動経路 7,参考文献 y = 1.6089x - 5.9558 R² = 0.9954 0 50 100 150 200 250 0 50 100 150 行列の人数(人) 行列の長さ(m) • 行列の長さと行列 の人数は強相関 • 列は一列で、一人 63cm間隔となる 0 100 200 300 400 500 600 700 800 0 100 200 300 400 500 600 700 800 8:28 8:35 8:40 8:45 8:49 8:55 8:59 9:04 9:08 9:12 9:16 9:22 バス乗車人数累計 バス停への到着人数累計 (人) 4月12日(火)の積み残しの実態