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COVID-19レクチャー(第2弾)
2021年3月23日
一宮西病院呼吸器内科 城下彰宏 (PGY6) 1
世界の感染状況
2
少し増加傾向!
WHO 16 March Weekly reportより
世界の感染状況
3
発表内容
 COVID-19変異株
 COVID-19後遺症
4
発表内容
 COVID-19変異株
 COVID-19後遺症
5
どのように情報収集する?
6
エビデンスレベル
The U.S. GRADE Networkより
7
普段の文献検索を普段通りに!+α(再掲)
 二次文献検索
✓ WHO, CDC website, NIH, IDSA, SCCM, BMJ, ATS/ERS
✓ Cochrane review
✓ UpToDate, Dynamed, etc.
 一次文献検索
✓ Institute of Social and Preventive Medicine (ISPN) website
✓ Pubmed, Embase, Central, etc.
✓ BioRxiv, MedRxiv, etc.
8
+αの情報ソース(再掲)
 疫学情報
✓ WHO
✓ Johns Hopkins Center for System Science and Engineering (CSSE)
✓ The Weather Channel
✓ Worldometer
 臨床試験サイト
✓ Global Coronavirus COVID-19 Clinical Trial Tracker
✓ ICTRP, Clinical trial.gov, UMIN, etc.
 その他:FDA Press release
9
今回は疫学情報を収集したい.
10
WHO 国立感染症研究所ウェブサイト
COVID-19の主な変異株
 B.1.1.7 lineage (20B/501Y.V1 Variant of Concern [VOC] 202012/01)
 B.1.351 lineage (20C/501Y.V2 Variant of Concern [VOC] 202012/02)
 P.1 lineage (20J/501Y.V3)
11
COVID-19変異株
 B.1.1.7 lineage (20B/501Y.V1 Variant of Concern [VOC] 202012/01)
主なスパイク変異:H69/V70 deletion, Y144 deletion, N501Y, A570D, P681H.
2020年9月に英国で初めて報告された.
 B.1.351 lineage (20C/501Y.V2 Variant of Concern [VOC] 202012/02)
主なスパイク変異:L242/A243/L244 deletion, K417N, E484K, N501Y.
2020年10月に南アフリカで初めて報告された.
 P.1 lineage (20J/501Y.V3)
主なスパイク変異:K417N, E484K, N501Y.
2020年12月に日本におけるブラジルからの入国者で初めて報告された.
12
COVID-19変異株の特徴
13
B.1.1.7 lineage B.1.351 lineage P.1 lineage
伝播リスク ↑ ↑ ↑
重症度 死亡率, 重症度→~↑ 死亡率→, 他? ?
再感染リスク →~↑ ↑ ↑
ワクチン耐性 →, ? →~↓, ? ?
PCR検査偽陰性 ± ? ?
WHO 9 March Weekly reportより
B.1.1.7 lineage
14
B.1.351 lineage
15
P.1 lineage
16
変異株の国内状況(国立感染症研究所)
2021年3月8日時点で,
 全体:国内158人, 検疫49人.
 B.1.1.7 lineage:国内152人, 検疫36人
 B.1.351 lineage:国内4人, 検疫8人
 P.1 lineage:国内2人, 検疫5人
(COVID-19感染者の約10%程度のみ変異株に対する検査が行われている.)
17
変異株への対応
変異株はより厳重に隔離したほうが良いかもしれない.
臨床的な患者マネージメントは変わらないかもしれない.
18
日本の対応
退院基準の変更
2021年2月25日に
✓ 人工呼吸非使用例は「発症から10日経過し, かつ, 症状軽快後72時間経過し
た場合」に退院
✓ 人工呼吸使用例は「発症から15日経過し, かつ, 症状軽快後72時間経過した
場合」に退院. ただ, 「発症から20日間経過するまでは, 退院後も適切な感染
予防策を講じる」こと
✓ 変異株の場合, 「症状軽快後24時間経過した後にPCR検査を行い, 陰性が確
認され, その検体を採取した24時間以降に再度検体採取を行い, 陰性が確認
された(PCRを2回連続で陰性確認)場合に退院(隔離解除)可能」とした.
19
発表内容
 COVID-19変異株
 COVID-19後遺症
20
COVID-19後遺症
様々な名称がある.
 Long-COVID
 Post-acute sequelae of SARS-CoV-2 infection (PACS)
 Post-acute COVID-19 syndrome
 Chronic COVID-19
 Post-COVID syndrome
 Long haulers
Etc.
21
国内でも一部は感染後外来あり
22
日本人での報告
23
どのように情報収集する?
24
Pubmedで検索すると…
25
読めるわけがない!
今回は確立されていない疾患の臨床像について情報を収集したい.
26
IDSA UpToDate
Review article
CDC
BMJ
COVID-19後遺症の臨床像
おそらくPost-acute COVID-19 syndromeというものはあるのだろう.
27
✓ Huang, Lancet 2021
✓ Moreno-Pérez, J Infect 2021
✓ Chopra Ann Intern Med 2020
✓ Carvalho-Schneider, Clin
Microbiol Infect 2020
✓ Garrigues, J Infect 2020
✓ Carfi, JAMA 2020
Etc.
Post COVID pulmonary fibrosis
Huang 2020. DOI: https://doi.org/10.1016/j.jinf.2020.09.027より
現時点で確立された治療法はない. 28
これからの分野
29
退院後の外来をどのようにするか?
30
本当にこのスケジュールが良いのか?
確立された治療法がない段階でどこまで行うか?
31
医師の裁量によるかもしれない.
 器質的な疾患を見逃さないことは重要(特に血栓症).
 患者の気持ちに寄り添うことも重要.
認知行動療法
多職種アプローチ
患者中心の医療
How?
リハビリテーション
対症療法
Take home messages
 変異株は伝播のリスクも重症度も高いかもしれない. ただ, 行うことはこれまで
通りの医療行為.
 COVID-19後遺症についても確立された治療はない. Do no harm!
32

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