プレゼンテーションの実際
    ∼Webディレクターが編み出した流派∼
Webディレクターとは


 Webサイトを制作するときに、
 複数の専門家を差配して(翻訳して)、
 プロジェクト全体をマネジメントする人

              クライアント



          Webディレクター


 営業担当者   デザイナー   プログラマー   オペレーター
Webサイト制作の流れ


1. オリエンテーション   7.   要件定義

2. 社内企画会議      8.   仕様設計

3. 企画書制作       9.   制作

4. プレゼンテーション   10. 検証

5. 受注          11. 納品・公開

6. ヒアリング       12. サポート
本日のアジェンダ


 自己紹介

 プレゼンテーションの目的

 企画書三原則

 プレゼンテーションのコツ

 デザインのコツ

 まとめ
プレゼンテーションの目的
プレゼンテーションの目的


 提案に対してゴーサインをもらうこと




 ゴーサインをもらうには?

  専門家ではない相手に、

  専門的なインターネットの話を理解してもらって、

  こちらの意図を評価してもらう
専門的な話を理解してもらうには?


 専門家ではない相手に、
 専門的なことを理解してもらうのは難しい

  なぜなら知識には、前提知識や関連知識が必要だから。

  持っている知識をすべて話して、

  自分と相手が同じ知識レベルになれば分かり合えるだろうが、

  すべてを語り尽くすには時間がかかるし、

  相手もそれほど暇じゃない。

  となると、どこかで説明を省略しなくてはならないが、

  省略しすぎると誤解を招いたり、間違いがあるかもしれない。
さらに実際の現場では……


 決裁権者に直接プレゼンテーション出来て、
 その場でゴーサインが出るばかりじゃない

  担当者から決裁権者に、上手くプレゼンテーションしてもら
  わなければならない

  説明なしでメールで転送されるだけかもしれない




 企画書に一人歩きさせて語らせる必要がある

  対話だけじゃなく文字で分かるように説明する
どうしたら
   専門的なことを
文字だけでも理解してもらって
 ゴーサインをもらえるか
企画書三原則




         体系化
          課題
         コンセプト
体系化
体系化とは


 体系化とは情報を整理整頓することである。

  整理……要るものと要らないものを分けて、
      要らないもの捨てる

  整頓……整理されたものが、
      秩序に従って並んでいること




 体系化とは分類と順序である。
企画書における体系化の例


 課題(何を解決するのか)

 コンセプト(どんな方針で)

 具体的な手段(どうやって)

 スケジュール( いつまでに)   あなたらしさ
 コスト(いくらで)

 実行体制(誰が)

 参考資料(予備知識)
あなたらしさとは


 他社でも同じ企画が出来るのでは?

 情報をきれいに整理整頓しているだけでは?

 知識を披露して提案しているだけでは?

  知識……知識を得る。
      学んで蓄えていくもの、知識が同じ人はいる。

  知恵……知恵を出す。
      自ら考えたこと。創意工夫。独自性。独創性。
課 題
課題が不明瞭では


 すべての企画は課題から始まる

  課題が不明瞭では

  ‣ 課題が不明瞭なものは解決できない

  ‣ 課題が明確になると、イシュー(論点)が明確になる

  ‣ イシューが明確になると、関係者で共有できる

  ‣ 関係者で共有できると、全員が解決策に傾注できる
課題とは何か?


 課題とはストレスのことである

  不安、不足、不便、不満、不快、不利

 課題は顧客からは提示されない

  提示された課題が、本当の課題ではないかもしれない

  ‣ ドリルを買いにきた人が欲しているものは?

  ‣ 傘を買いにきた人が欲しているものは?

  ‣ ポルシェを買いにきた人が欲しているものは?
よくある課題の例


 よくある課題の例

  デザインが古くさいので作り替えたい

  ホームページ内で目的の情報を探しにくい

  文字が多すぎてごちゃごちゃして読みにくい




 これらは課題ではなく現象である
現象と課題を分けて考える


 デザインが古くさいので、
 商品ブランドへの信頼感が得られない

 ホームページ内で目的の情報を探しにくいので、
 電話からの問い合わせ対応に手間がかかる

 文字がごちゃごちゃして読みにくいので、
 商品内容を理解してもらえず購入されない
現象、課題の解決策


 デザインが古くさいので、
 商品ブランドへの信頼感が得られない
 →ブランドのキーカラーを設定します。

 ホームページ内で目的の情報を探しにくいので、
 電話からの問い合わせ対応に手間がかかる
 →FAQページを設けます。

 文字がごちゃごちゃして読みにくいので、
 商品内容を理解してもらえず購入されない
 →ビジュアルを多用します。
解決策だけではなく便益、効果を説明する


 どっちをダウンロードしたい?

  GPS機能を搭載したグルメアプリ

  現在地から検索できるグルメアプリ

 どっちを使ってみたい?

  全国の美味しいお店を網羅したグルメサイト

  見知らぬ出張先で美味しいお店が見つかるグルメサイト
現象、課題、解決策、効果


 現 象:デザインが古くさい
 課 題:商品ブランドへの信頼感が得られない
 解決策:ブランドのキーカラーを設定します
 効 果:ブランドを想起して安心感を促します

 現 象:ホームページ内で目的の情報を探しにくい
 課 題:電話からの問い合わせ対応に手間がかかる
 解決策:FAQページを設けます
 効 果:ユーザー自身で疑問を解決できます
現象、課題、解決策、効果


 現 象:文字がごちゃごちゃして読みにくい
 課 題:商品内容を理解してもらえず購入されない
 解決策:ビジュアルを多用します
 効 果:商品の形や色、効能を理解してもらい
     購入を促進します
コンセプト
コンセプトとは何か?


 コンセプトとは?

  何かもやっとしたアイデアというかイメージを、
  気の利いたフレーズでズバリと言い当てたもの?

  ぼんやりした考え方?

  ‣ 今回の旅のコンセプトは「ゴージャス感」

  ‣ 「岡山らしさ」をコンセプトに提案してください

  ‣ 「癒し」をコンセプトに企画を考えました
テーマとコンセプトの違いとは?


 テーマコンセプトは違う。

 すべての商品、サービスのコンセプトは、
 ターゲット オケージョン ベネフィット
 で定義できる。
  ターゲット(誰の)

  オケージョン(どんな状況、場面、シーンで)

  ベネフィット(どんな便益を与えるか)

 コンセプトは「私が考えたもの」ではなく、
 相手のニーズを反映したものになるはずである。
テーマとコンセプトの例


 テーマ

  ヨーロッパスタイルのおしゃれな自動車

 コンセプト

  運転の苦手な女性が、

  狭い路地を、

  スイスイ走れる自動車
テーマとコンセプトの例


 テーマ

  安心・安全

 コンセプト

  敏感肌の女性が、

  朝の忙しい時間に、

  簡単にお手入れ出来る無添加化粧品
テーマとコンセプトの例


 テーマ

  新しいカタチの結婚式

 コンセプト

  独自性にこだわる二人の、

  参列者の思い出にもなる、

  船上結婚式
プレゼンテーションのコツ
プレゼンで上手に話すには


 緊張するのは自意識過剰

  あなたが思うほど、相手はあなたのことなんか気にしてない

 分からないことを聞かれたら答えられないなあ

  分からないことは正直に話す

  会社に持ち帰ってすぐに調べて返答する
プレゼンで上手に話すには


 自信が持てない

  自分の流派を作る(創意工夫をする)

  ‣ 場数を踏む

  理解できていない、腹に落ちていないことを無くす

  ‣ 話す内容を体系化して自分の身体に叩き込む

  ‣ 知識ではなく自分の意見として身体に落とす
プレゼンで上手に話すには


 分かりやすく話すには

  企画のイシュー(論点)を明確にする

  ‣ 課題、コンセプトを明確にする

  体系化(分類と順序)、箇条書き、たとえ話

  ‣ 短文で書く(説明調にしない)
プレゼンで上手に話すには


 場の空気が読めない

  スライドに向って話さない

  ‣ 話すことをすべて書かない

  ‣ 手元の資料ばかり見て話さない

  ‣ 朗読しない

  ‣ 相手の顔を見ながら話す
PREP法


 POINT(結論)

 REASON(理由:なぜなら)

 EXAMPLE(具体例:例えば)

 POINT(まとめ:だから)
デザインのコツ
デザインのコツ


 トーン&マナー

  色の数、書体の種類、文字の大きさなどを制限する

 近接、整列、対比、反復

  余白による関連性、見えない線、メリハリ、リズム

 左は過去、右は未来

 語句の統一
まとめ
まとめ


 プレゼンテーションの目的

  提案に対してゴーサインをもらうこと

  企画書に一人歩きさせて語らせる

  企画書三原則=体系化、課題、コンセプト
まとめ


 体系化

  体系化とは情報を整理整頓することである

  整理は捨てること、整頓は並べること

  体系化とは分類と順序である

  企画にはあなたらしさが必要

  あなたらしさとは知識ではなく、創意工夫、独自性、独創性
まとめ


 課題

  すべての企画は課題から始まる

  課題とはストレスのことである

  課題は顧客からは提示されない

  提示された課題が、本当の課題ではないかもしれない

  現象と課題は違う

  解決策だけでなく便益、効果を説明する
まとめ


 コンセプト

  テーマとコンセプトは違う

  すべての商品、サービスのコンセプトは、ターゲット   オ
  ケージョン ベネフィットで定義できる。

  コンセプトは「私が考えたもの」ではなく、相手のニーズを
  反映したものになるはずである。
まとめ


 プレゼンテーションのコツ
  緊張するのは自意識過剰

  分からないことは正直に話す

  自分の流派を作る(創意工夫をする)

  理解できていない、腹に落ちていないことを無くす

  企画のイシュー(論点)を明確にする

  体系化(分類と順序)、箇条書き、たとえ話

  スライドに向って話さない

  PREP法(結論、理由、具体例、まとめ)
まとめ


 デザインのコツ

  トーン&マナー

  近接、整列、対比、反復

  左は過去、右は未来

  語句の統一
ご清聴ありがとうございました。

プレゼンテーションの実際〜Webディレクターが編み出した流派〜