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モバイル×VRにおける
3Dサウンド実践
2016/5/20
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モバイル×VRにおける
3Dサウンド実践
2016/5/20
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1. プロダクトと自己紹介
2. モバイル×VRのサウンド
3. 実践
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1. プロダクトと自己紹介
2. モバイル×VRのサウンド
3. 実践
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1. プロダクトと自己紹介
自己紹介
6
• 名前:井上 幹
• グリー株式会社WFS事業本部Art部サ
ウンドチーム所属
• サウンドチームでVR案件のサウンド
アーティストをしています
• BGM/SEの制作からサウンドデザイン
まで
• 昨年の東京ゲームショウで展示された「サラと毒蛇の王冠」
のサウンドも担当
• そのほかには「追憶の青」などモバイルアプリのサウンドも
担当しております
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1. プロダクトと自己紹介
• GearVR用アプリ
• 開発環境はUnity
• サウンド周りはUnity×Oculus Audio SDK
• サウンドアセットは内製
Tomb of the Golems紹介
7
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1. プロダクトと自己紹介
2. モバイル×VRのサウンド
3. 実践
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2. モバイル×VRのサウンド
• そもそも音を聞かない
• スピーカーの問題
• 容量の制限
• 処理能力の限界
モバイルゲームではサウンドの優先度は高くない
9
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2. モバイル×VRのサウンド
一方でVRではサウンドはとても重要
10
• 基本ヘッドホン着用
• 没入感を大きく左右
• 「そこにある」ように
• PC想定
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2. モバイル×VRのサウンド
モバイル×VRのサウンドはバランスが重要
11
• 容量の制限、処理能力の限界がある
• 基本的にはヘッドホンの使用が想定される
• 没入感を大きく左右する
ハードの制限と他のリソースとのバランスを見ながらも
「そこにある」ように音を鳴らすよう調整する
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1. プロダクトと自己紹介
2. モバイル×VRのサウンド
3. 実践
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1. プロダクトと自己紹介
2. モバイル×VRのサウンド
3. 実践
 Tomb of the Golemsでの音の分類
 音の立体化
 ゲームの世界に存在しない音の扱い
 Spatial Blendによる調整
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1. プロダクトと自己紹介
2. モバイル×VRのサウンド
3. 実践
 Tomb of the Golemsでの音の分類
 音の立体化
 ゲームの世界に存在しない音の扱い
 Spatial Blendによる調整
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3. 実践 –Tomb of the Golemsでの音の分類
本作のサウンドは以下の様に分類される
15
2D Sound
3D Sound
Spatialized Sound
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3. 実践 –Tomb of the Golemsでの音の分類
2D Soundとは
16
• 音量の距離減衰やパンニング等の影響を受けないサ
ウンド
• 以下の音が分類される
• ゲームの世界には存在しない音
• BGM
• ME
• システム音
• (一部環境音)
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3. 実践 –Tomb of the Golemsでの音の分類
3D Soundとは
17
• 音源とプレイヤーとの距離や角度によって音量の減
衰やパンニングがかかる様になるサウンド
• 以下の音が分類される
• ゲームの世界に存在する音
• シーン内に音源が存在するものはほとんどこちらに
分類される
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3. 実践 –Tomb of the Golemsでの音の分類
Spatialized Soundとは
18
• 3D Soundの中でもSpatializerによって立体化され
ているサウンド
• より「そこにある」ように聞こえるため、VRコン
テンツでは重要
• 詳細は後述
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3. 実践 –Tomb of the Golemsでの音の分類
本作のサウンドは以下の様に分類される
19
2D Sound
3D Sound
Spatialized Sound
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1. プロダクトと自己紹介
2. モバイル×VRのサウンド
3. 実践
 Tomb of the Golemsでの音の分類
 音の立体化
 ゲームの世界に存在しない音の扱い
 Spatial Blendによる調整
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3. 実践 –音の立体化
本作のサウンドは以下の様に分類される
21
2D Sound
3D Sound
Spatialized Sound
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3. 実践 –音の立体化
• 音が発生してから人間が知覚するまでのあらゆる変化をシ
ミュレーションして、音源が「そこにある」ように聞こえさ
せること
音の立体化(Spatialization)とは
22
変化
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3. 実践 –音の立体化
• シミュレーションする主な要素
• 音量の距離減衰
• 音源の角度による両耳間の音量差
• 空間による残響
• 両耳間時間差
• 頭や肩、外耳による音の回り込み
• 初期反射による空間の距離認識
Unityの機能だけではよりリアルな表現は難しい
23
UnityのAudio関連機能
でシミュレーション可能
Unityの標準機能だけでは
難しい
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3. 実践 –音の立体化
音の立体化をUnity上で行うSDKは複数ある
24
開発元 プラグイン名
Oculus Audio SDK for Unity
Audio Spatializer SDK
Cardboard SDK for Unity
• 本作はGearVRでのリリースなのでoculusのものを選択
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3. 実践 –音の立体化
Oculus Audio SDKには主に2つの機能がある
25
①Oculus Native Spatializer
②Oculus Spatializer Reflection
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3. 実践 –音の立体化
Oculus Audio SDKには主に2つの機能がある
26
①Oculus Native Spatializer
②Oculus Spatializer Reflection
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変化
3. 実践 –音の立体化
• Audio Sourceを含むオブジェクトにつけるコンポーネント
• 主にHRTFによるフィルタリングを行い、頭や肩、外耳など
による音の回り込みと両耳の時間差をシミュレーションする
ことで音の定位感をよりリアルに表現する
• (音量の距離減衰をシミュレーションする機能もある)
Oculus Native Spatializerについて
27
環境
要因
人的
要因
HRTF
(頭部伝達関数)
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3. 実践 –音の立体化
Oculus Native Spatializerを使う①
28
• Oculusの公式サイトから
Oculus Audio SDK Plugins
をダウンロードする
• https://developer.oculus.c
om/downloads/
• Unity Packageをインポート
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3. 実践 –音の立体化
Oculus Native Spatializerを使う②
29
• Edit>Project
Settings>AudioからAudio
Magnagerを開く
• Spatializer Pluginの項目で
OculusSpatializerを選択
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3. 実践 –音の立体化
Oculus Native Spatializerを使う③
30
• 適応したいAudioSourceが
ついているオブジェクトの
Add ComponentからONSP
Audio Sourceを選択
• AudioSourceのSpatializer
にチェックを入れる
• ONSP Audio Sourceの
Enable Spatializationに
チェックを入れる
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3. 実践 –音の立体化
Oculus Native Spatializerを使う④
31
• Enable Spatialization:オフにするとバイパス
• Disable Reflections:後述するReflectionsをオフにする
• INVERSE SQUARE ATTENUATION:距離減衰を適用する
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3. 実践 –音の立体化
HRTFによるフィルタリングには処理負荷がかかる
32
なので適用箇所は選ばなければいけない
• ONSP Audio Sourceをつけたオブジェクトが多ければ多い
ほどCPUに負荷がかかる
• かつモバイルだからシビア
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3. 実践 –音の立体化
本作で考えた適用箇所を選ぶ基準
33
①音源の定位がゲームとして重要になる演出
②音源がプレイヤーの近くを通る演出
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3. 実践 –音の立体化
• Spatializerの適用箇所
• オープニングの光の演出
• エントランスのパズルの音
• ホルスの足音
• オシリスの登場音
• ゴーレムのロケットパンチの飛行音
• etc
• 使用箇所をシーンで10前後に制限することで負荷を軽減
• シーン中にSpatializerをいくつ使用しているかを確認できるデバッ
グツールをエンジニアさんに作ってもらった
Tomb of the Golemsでの実例
34
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3. 実践 –音の立体化
35
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3. 実践 –音の立体化
Oculus Audio SDKには主に2つの機能がある
36
①Oculus Native Spatializer
②Oculus Spatializer Reflection
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3. 実践 –音の立体化
• オーディオミキサーのエフェクトとして使用する
• 主に初期反射をシミュレーションし、プレイヤーが空間を感
じ取れるようにする
• (通常のいわゆるリバーブ機能も付いている)
Oculus Spatializer Reflectionについて
37
直接音
初期反射音
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3. 実践 –音の立体化
Oculus Spatializer Reflectionを使う①
38
• Audio Mixerの下部にある
AddからOculus Spatializer
Reflectionを選択
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3. 実践 –音の立体化
Oculus Spatializer Reflectionを使う②
39
• Early Refl. On(初期反射オ
ン)にチェックを入れる
• 深い残響感が欲しい場合は
Reverb Onにもチェックを
入れる
• 各パラメーターを設定
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3. 実践 –音の立体化
Oculus Spatializer Reflectionを使う③
40
• Global Scale
• 1 unit = 1 m
• Early Refl. On
• 初期反射シミュレーションオン
• Reverb On
• 残響オン
• ROOM DIMENSIONS
• 部屋の大きさ(meters)
• WALL REFLECTION VALUE
• 反射率(%)
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3. 実践 –音の立体化
• この規模のモバイルアプリには使用できそうもない
Spatializer Reflectionは処理負荷がとてもかかる
41
Oculus Spatializer Reflection使用時(PC上で測定)
参考:Oculus Spatializer Reflection未使用時(PC上で測定)
音源数4
Total Audio CPU 44.0%
音源数4
Total Audio CPU 10.3%
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3. 実践 –音の立体化
• Oculus Spatializer Reflectionの使用は諦め、リバーブは
Unityのリバーブゾーンで対応
• UnityのリバーブゾーンはOSRとは異なり初期反射の計算で音源を立
体化するものというよりは、空間の残響感をざっくり再現するもの
• OSRを使用しない場合はONSP Audio SourceのDisable
Reflectionsに必ずチェックを入れる
• 基本的には外とダンジョン内2つのリバーブゾーンを使用
• リバーブのパラメーターはUser設定で編集しています
• 2つのリバーブゾーンをプレハブ化して各シーンに配置してます
• システム音などは場所によるリバーブの影響を受けないよう
に設定
Tomb of the Golemsの実例
42
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1. プロダクトと自己紹介
2. モバイル×VRのサウンド
3. 実践
 Tomb of the Golemsでの音の分類
 音の立体化
 ゲームの世界に存在しない音の扱い
 Spatial Blendによる調整
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3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い
本作のサウンドは以下の様に分類される
44
2D Sound
3D Sound
Spatialized Sound
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3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い
(再掲)2D Soundとは
45
• 音量の距離減衰やパンニングの影響を受けないサウ
ンド
• 以下の音が分類される
• ゲームの世界には存在しない音
• BGM
• ME
• システム音
• (一部環境音)
没入感の高めるため極力無くしていく?
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3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い
BGMやMEの扱いはゲームの世界観によって変わる
46
• VRコンテンツでは没入感を損ねないために、極力ゲームの
世界に存在しない音は鳴らさない
• 一方で、ゲームとしてはBGMやMEがプレイヤーにもたらす
効果は重要
リアルに近い世界観ではBGM/MEは極力抑える
デフォルメされた世界観ではある程度あってもいい
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3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い
47
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3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い
Tomb of the Golemsの実例
48
• ダンジョン内や戦闘中に緊張感を演出するためにBGMを鳴
らす
• しかし、通常のモバイルゲームよりは音量は少し控えめ
• システム音も選択時の音のみに抑えている
• クリア時のMEやアイテム獲得音などは無し
• リザルト画面は演出としてゲームの世界に入れ込む
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3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い
49
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1. プロダクトと自己紹介
2. モバイル×VRのサウンド
3. 実践
 Tomb of the Golemsでの音の分類
 音の立体化
 ゲームの世界に存在しない音の扱い
 Spatial Blendによる調整
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3. 実践 –Spatial Blendによる調整
本作のサウンドは以下の様に分類される
51
2D Sound
3D Sound
Spatialized Sound
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3. 実践 –Spatial Blendによる調整
Spatial Blendで違和感を調整、迫力を演出する
52
音源との距離によってSpatial Blend(2D/3D)を調整する
• 3D Soundは基本モノラルなので、演出によっては定位に違
和感があったり、迫力に欠けたりする
• e.g. 大きものが落ちてくるときの衝撃音
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3. 実践 –Spatial Blendによる調整
53
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3. 実践 –Spatial Blendによる調整
Tomb of the Golemsの実例
54
• ボス登場音には下記の要素が含まれている
• 接地の衝撃音
• 周囲のものが振動する音
• リバーブだけでは表現できないダンジョンの全体の鳴り、響
• 接地の衝撃音は完全3Dでも問題無いが、他の音は多少の広
がりが無いと違和感があり、迫力に欠ける
• 定位に違和感が無いようにSpatial Blendで調整する
• (もちろん接地音とその他を分けてもいいが節約もできる)
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3. 実践 –Spatial Blendによる調整
Tomb of the Golemsの実例
55
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1. プロダクトと自己紹介
2. モバイル×VRのサウンド
3. 実践
 Tomb of the Golemsでの音の分類
 音の立体化
 ゲームの世界に存在しない音の扱い
 Spatial Blendによる調整
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ご静聴ありがとうございました
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Q&A
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モバイル×VRにおける3Dサウンド実践

  • 1.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. モバイル×VRにおける 3Dサウンド実践 2016/5/20
  • 2.
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  • 3.
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  • 4.
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  • 5.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 1. プロダクトと自己紹介 2. モバイル×VRのサウンド 3. 実践
  • 6.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 1. プロダクトと自己紹介 自己紹介 6 • 名前:井上 幹 • グリー株式会社WFS事業本部Art部サ ウンドチーム所属 • サウンドチームでVR案件のサウンド アーティストをしています • BGM/SEの制作からサウンドデザイン まで • 昨年の東京ゲームショウで展示された「サラと毒蛇の王冠」 のサウンドも担当 • そのほかには「追憶の青」などモバイルアプリのサウンドも 担当しております
  • 7.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 1. プロダクトと自己紹介 • GearVR用アプリ • 開発環境はUnity • サウンド周りはUnity×Oculus Audio SDK • サウンドアセットは内製 Tomb of the Golems紹介 7
  • 8.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 1. プロダクトと自己紹介 2. モバイル×VRのサウンド 3. 実践
  • 9.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 2. モバイル×VRのサウンド • そもそも音を聞かない • スピーカーの問題 • 容量の制限 • 処理能力の限界 モバイルゲームではサウンドの優先度は高くない 9
  • 10.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 2. モバイル×VRのサウンド 一方でVRではサウンドはとても重要 10 • 基本ヘッドホン着用 • 没入感を大きく左右 • 「そこにある」ように • PC想定
  • 11.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 2. モバイル×VRのサウンド モバイル×VRのサウンドはバランスが重要 11 • 容量の制限、処理能力の限界がある • 基本的にはヘッドホンの使用が想定される • 没入感を大きく左右する ハードの制限と他のリソースとのバランスを見ながらも 「そこにある」ように音を鳴らすよう調整する
  • 12.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 1. プロダクトと自己紹介 2. モバイル×VRのサウンド 3. 実践
  • 13.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 1. プロダクトと自己紹介 2. モバイル×VRのサウンド 3. 実践  Tomb of the Golemsでの音の分類  音の立体化  ゲームの世界に存在しない音の扱い  Spatial Blendによる調整
  • 14.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 1. プロダクトと自己紹介 2. モバイル×VRのサウンド 3. 実践  Tomb of the Golemsでの音の分類  音の立体化  ゲームの世界に存在しない音の扱い  Spatial Blendによる調整
  • 15.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –Tomb of the Golemsでの音の分類 本作のサウンドは以下の様に分類される 15 2D Sound 3D Sound Spatialized Sound
  • 16.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –Tomb of the Golemsでの音の分類 2D Soundとは 16 • 音量の距離減衰やパンニング等の影響を受けないサ ウンド • 以下の音が分類される • ゲームの世界には存在しない音 • BGM • ME • システム音 • (一部環境音)
  • 17.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –Tomb of the Golemsでの音の分類 3D Soundとは 17 • 音源とプレイヤーとの距離や角度によって音量の減 衰やパンニングがかかる様になるサウンド • 以下の音が分類される • ゲームの世界に存在する音 • シーン内に音源が存在するものはほとんどこちらに 分類される
  • 18.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –Tomb of the Golemsでの音の分類 Spatialized Soundとは 18 • 3D Soundの中でもSpatializerによって立体化され ているサウンド • より「そこにある」ように聞こえるため、VRコン テンツでは重要 • 詳細は後述
  • 19.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –Tomb of the Golemsでの音の分類 本作のサウンドは以下の様に分類される 19 2D Sound 3D Sound Spatialized Sound
  • 20.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 1. プロダクトと自己紹介 2. モバイル×VRのサウンド 3. 実践  Tomb of the Golemsでの音の分類  音の立体化  ゲームの世界に存在しない音の扱い  Spatial Blendによる調整
  • 21.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 本作のサウンドは以下の様に分類される 21 2D Sound 3D Sound Spatialized Sound
  • 22.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 • 音が発生してから人間が知覚するまでのあらゆる変化をシ ミュレーションして、音源が「そこにある」ように聞こえさ せること 音の立体化(Spatialization)とは 22 変化
  • 23.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 • シミュレーションする主な要素 • 音量の距離減衰 • 音源の角度による両耳間の音量差 • 空間による残響 • 両耳間時間差 • 頭や肩、外耳による音の回り込み • 初期反射による空間の距離認識 Unityの機能だけではよりリアルな表現は難しい 23 UnityのAudio関連機能 でシミュレーション可能 Unityの標準機能だけでは 難しい
  • 24.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 音の立体化をUnity上で行うSDKは複数ある 24 開発元 プラグイン名 Oculus Audio SDK for Unity Audio Spatializer SDK Cardboard SDK for Unity • 本作はGearVRでのリリースなのでoculusのものを選択
  • 25.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 Oculus Audio SDKには主に2つの機能がある 25 ①Oculus Native Spatializer ②Oculus Spatializer Reflection
  • 26.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 Oculus Audio SDKには主に2つの機能がある 26 ①Oculus Native Spatializer ②Oculus Spatializer Reflection
  • 27.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 変化 3. 実践 –音の立体化 • Audio Sourceを含むオブジェクトにつけるコンポーネント • 主にHRTFによるフィルタリングを行い、頭や肩、外耳など による音の回り込みと両耳の時間差をシミュレーションする ことで音の定位感をよりリアルに表現する • (音量の距離減衰をシミュレーションする機能もある) Oculus Native Spatializerについて 27 環境 要因 人的 要因 HRTF (頭部伝達関数)
  • 28.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 Oculus Native Spatializerを使う① 28 • Oculusの公式サイトから Oculus Audio SDK Plugins をダウンロードする • https://developer.oculus.c om/downloads/ • Unity Packageをインポート
  • 29.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 Oculus Native Spatializerを使う② 29 • Edit>Project Settings>AudioからAudio Magnagerを開く • Spatializer Pluginの項目で OculusSpatializerを選択
  • 30.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 Oculus Native Spatializerを使う③ 30 • 適応したいAudioSourceが ついているオブジェクトの Add ComponentからONSP Audio Sourceを選択 • AudioSourceのSpatializer にチェックを入れる • ONSP Audio Sourceの Enable Spatializationに チェックを入れる
  • 31.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 Oculus Native Spatializerを使う④ 31 • Enable Spatialization:オフにするとバイパス • Disable Reflections:後述するReflectionsをオフにする • INVERSE SQUARE ATTENUATION:距離減衰を適用する
  • 32.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 HRTFによるフィルタリングには処理負荷がかかる 32 なので適用箇所は選ばなければいけない • ONSP Audio Sourceをつけたオブジェクトが多ければ多い ほどCPUに負荷がかかる • かつモバイルだからシビア
  • 33.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 本作で考えた適用箇所を選ぶ基準 33 ①音源の定位がゲームとして重要になる演出 ②音源がプレイヤーの近くを通る演出
  • 34.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 • Spatializerの適用箇所 • オープニングの光の演出 • エントランスのパズルの音 • ホルスの足音 • オシリスの登場音 • ゴーレムのロケットパンチの飛行音 • etc • 使用箇所をシーンで10前後に制限することで負荷を軽減 • シーン中にSpatializerをいくつ使用しているかを確認できるデバッ グツールをエンジニアさんに作ってもらった Tomb of the Golemsでの実例 34
  • 35.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 35
  • 36.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 Oculus Audio SDKには主に2つの機能がある 36 ①Oculus Native Spatializer ②Oculus Spatializer Reflection
  • 37.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 • オーディオミキサーのエフェクトとして使用する • 主に初期反射をシミュレーションし、プレイヤーが空間を感 じ取れるようにする • (通常のいわゆるリバーブ機能も付いている) Oculus Spatializer Reflectionについて 37 直接音 初期反射音
  • 38.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 Oculus Spatializer Reflectionを使う① 38 • Audio Mixerの下部にある AddからOculus Spatializer Reflectionを選択
  • 39.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 Oculus Spatializer Reflectionを使う② 39 • Early Refl. On(初期反射オ ン)にチェックを入れる • 深い残響感が欲しい場合は Reverb Onにもチェックを 入れる • 各パラメーターを設定
  • 40.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 Oculus Spatializer Reflectionを使う③ 40 • Global Scale • 1 unit = 1 m • Early Refl. On • 初期反射シミュレーションオン • Reverb On • 残響オン • ROOM DIMENSIONS • 部屋の大きさ(meters) • WALL REFLECTION VALUE • 反射率(%)
  • 41.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 • この規模のモバイルアプリには使用できそうもない Spatializer Reflectionは処理負荷がとてもかかる 41 Oculus Spatializer Reflection使用時(PC上で測定) 参考:Oculus Spatializer Reflection未使用時(PC上で測定) 音源数4 Total Audio CPU 44.0% 音源数4 Total Audio CPU 10.3%
  • 42.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –音の立体化 • Oculus Spatializer Reflectionの使用は諦め、リバーブは Unityのリバーブゾーンで対応 • UnityのリバーブゾーンはOSRとは異なり初期反射の計算で音源を立 体化するものというよりは、空間の残響感をざっくり再現するもの • OSRを使用しない場合はONSP Audio SourceのDisable Reflectionsに必ずチェックを入れる • 基本的には外とダンジョン内2つのリバーブゾーンを使用 • リバーブのパラメーターはUser設定で編集しています • 2つのリバーブゾーンをプレハブ化して各シーンに配置してます • システム音などは場所によるリバーブの影響を受けないよう に設定 Tomb of the Golemsの実例 42
  • 43.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 1. プロダクトと自己紹介 2. モバイル×VRのサウンド 3. 実践  Tomb of the Golemsでの音の分類  音の立体化  ゲームの世界に存在しない音の扱い  Spatial Blendによる調整
  • 44.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い 本作のサウンドは以下の様に分類される 44 2D Sound 3D Sound Spatialized Sound
  • 45.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い (再掲)2D Soundとは 45 • 音量の距離減衰やパンニングの影響を受けないサウ ンド • 以下の音が分類される • ゲームの世界には存在しない音 • BGM • ME • システム音 • (一部環境音) 没入感の高めるため極力無くしていく?
  • 46.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い BGMやMEの扱いはゲームの世界観によって変わる 46 • VRコンテンツでは没入感を損ねないために、極力ゲームの 世界に存在しない音は鳴らさない • 一方で、ゲームとしてはBGMやMEがプレイヤーにもたらす 効果は重要 リアルに近い世界観ではBGM/MEは極力抑える デフォルメされた世界観ではある程度あってもいい
  • 47.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い 47
  • 48.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い Tomb of the Golemsの実例 48 • ダンジョン内や戦闘中に緊張感を演出するためにBGMを鳴 らす • しかし、通常のモバイルゲームよりは音量は少し控えめ • システム音も選択時の音のみに抑えている • クリア時のMEやアイテム獲得音などは無し • リザルト画面は演出としてゲームの世界に入れ込む
  • 49.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –ゲームの世界に存在しない音の扱い 49
  • 50.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 1. プロダクトと自己紹介 2. モバイル×VRのサウンド 3. 実践  Tomb of the Golemsでの音の分類  音の立体化  ゲームの世界に存在しない音の扱い  Spatial Blendによる調整
  • 51.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –Spatial Blendによる調整 本作のサウンドは以下の様に分類される 51 2D Sound 3D Sound Spatialized Sound
  • 52.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –Spatial Blendによる調整 Spatial Blendで違和感を調整、迫力を演出する 52 音源との距離によってSpatial Blend(2D/3D)を調整する • 3D Soundは基本モノラルなので、演出によっては定位に違 和感があったり、迫力に欠けたりする • e.g. 大きものが落ちてくるときの衝撃音
  • 53.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –Spatial Blendによる調整 53
  • 54.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –Spatial Blendによる調整 Tomb of the Golemsの実例 54 • ボス登場音には下記の要素が含まれている • 接地の衝撃音 • 周囲のものが振動する音 • リバーブだけでは表現できないダンジョンの全体の鳴り、響 • 接地の衝撃音は完全3Dでも問題無いが、他の音は多少の広 がりが無いと違和感があり、迫力に欠ける • 定位に違和感が無いようにSpatial Blendで調整する • (もちろん接地音とその他を分けてもいいが節約もできる)
  • 55.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 3. 実践 –Spatial Blendによる調整 Tomb of the Golemsの実例 55
  • 56.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. 1. プロダクトと自己紹介 2. モバイル×VRのサウンド 3. 実践  Tomb of the Golemsでの音の分類  音の立体化  ゲームの世界に存在しない音の扱い  Spatial Blendによる調整
  • 57.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. ご静聴ありがとうございました
  • 58.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved. Q&A
  • 59.
    Copyright © GREE,Inc. All Rights Reserved.

Editor's Notes

  • #8 やってる、もしくはどんなゲームか知っているよという方聞く
  • #9 サウンド関係者の方いらっしゃいますか
  • #20 この3種類に分類したサウンドに関して、それぞれ本作の開発を経てモバイル×VRにとって重要だと思ったトピックについて話していきます
  • #23 例としてバイノーラル録音 変化を丸々パッケージングして録音している 静的なものなので変化に対応できない、動的なものに対してはシミュレーションする必要が有る 説明がざっくりしているのは時間の関係でご了承ください
  • #25 OuclusのものはUnityのものをベースにしている 他にもcardboard用のものとかもあったり、サードパーティーとか色々あります
  • #42 少なくとも開発時のバージョンでは
  • #43 という感じで本作では端末の限界を考慮しつつ、部分部分にSpatializationを織り込むことでモバイル×VRのサウンドを表現していきました
  • #47 システム音の扱いについても言及 UIに沿うが演出レベルでゲームの世界におり込めればベスト
  • #48 やってる、もしくはどんなゲームか知っているよという方聞く
  • #53 実際どのような場面で調整したか見ていきましょう
  • #54 システム音の扱いについても言及 UIに沿うが演出レベルでゲームの世界におり込めればベスト