今回のアジェンダ
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 1
01 イベント概要
02 Key Findings
03 基礎情報、市場情報
04 注目セッション
05 注目スタートアップ
• 期間
2023年10月9日~10月11日
• 会場
Palacio Municipal in Madrid, Spain
• 参加者
1,200名
Fyuz 2023 概要
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 2
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 3
Key Findings
Key Findings
• NOKIA, Ericssonなどモバイル大手の取り組みが加速
• 大手通信事業者とのテスト実施が多数行われる
• 一方で、大手の参入によるオープン性の欠如が懸念されはじめている
• プライベート5Gへの適用がすすんでいる
• 企業が利用する5Gの実装が進む中、Meta社による中立ホストの
サービスや、ドイツテレコムによるAPIの積極的な公開に注目が集まる
• 通信データの分析、最適化技術が将来への展望
• Open RANが浸透することで、ベンダーによる制限がなくなってった
結果、信号の可視化、制御がよりやりやすくなる
• 信号データの取得は困難であるが、できるようになればデータを活用した
アプリの開発が注目を集めることになる
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 4
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 5
基礎情報、市場情報
RANの基礎知識
• 多くのコンポーネントが複雑に絡み合ってRANのサービスを構成
• RU(Radio Unit):無線信号の処理など
• DU(Distributed Unit):デジタルへの変更や、無線リソースの割り当て、データの分割と結合など
• CU(Centralized Unit):コアネットワークへの接続。端末との接続管理やデータ送受信の制御
• RIC(RAN Intelligent Controller):品質向上を目的とした管理ソフトウェア
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 6
Source: https://www.5gtechnologyworld.com/5g-breaks-from-proprietary-systems-embraces-open-source-rans/
Open RANの目的と現状
• Open RANの目的
基地局制御部(CU)と無線機(RU)を分離し、異なる
ベンダーの製品を組み合わせて使用可能とする技術開発
• 主要ベンダーの参入、取り組みが加速
NOKIA, Ericssonなどが積極的に取り組む。しかし、
まだ多くの通信事業者やベンダーは、動向を見守っている
状況。大手参入への懸念の声もある
• 技術的にはまだ未熟な状態
基本的な接続性にたくさんの問題が残っている。RICの開発は、
まだまだ初期段階。開発者コミュニティが不足
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 7
https://www.mavenir.com/blog/proven-open-and-interoperable-ecosystem-fuels-open-rans-
momentum/#:~:text=In%20the%20rapidly%20evolving%20telecom,encouraging%20innov
ation%20and%20competition%20globally.
Open RAN関連市場情報
1.1
1.8
3.2
5.5
9.3
15.6
2022 2023 2024 2025 2024 2027
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 8
Source:https://www.marketsandmarkets.com/Market-Reports/open-ran-market-153445936.html
単位:$Bn
• 世界のOpen RAN市場規模は、2022年の11億ドル(約1兆6500億円)から2027年までに156億ドル(約23兆4000億円)に
増加すると予想されている。年平均成長率は70.5%
• 機器コストの削減、ネットワークパフォーマンスの向上、市場の競争激化などが市場の成長を推進している
11/30/2023
注目セッション
All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 9
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 10
2027年までに2500サイトを
Open RAN化へ
• 技術革新への挑戦
複数ベンダーのアンテナ構成やインテルとの専用チップ
共同開発など。モバイル通信の新しい可能性を模索
• ベンダーとの連携強化
Nokia、Dellと共同実験。クラウドの活用など、ベンダーとの
連携を強化。異なる技術の組み合わせから生まれるシナジー
を追求
• 未来志向のアプローチとプラグアンドプレイ
ワンクリックでのモバイル環境構築を目指す。テスト時間の
短縮や工事のスピードアップなど、効率向上を図る
Andrea Dona
Chief Network Officer
写真: Fyuz Youtube
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 11
ベンダーの自由な組み合わせの新局面
「OREX」の提供開始
• 画期的な新製品
製品を自由に組み合わせて選択できる独自のアプローチ
これまでは、選択は可能でもベンダーが限られていた
• 異なるベンダーの統合
ソフトウェアのアップデートやトラブルシューティングが
煩雑になる課題を克服
• コストメリットを追求
異なる周波数帯への対応や地域のニーズに合わせた
最適なソリューションとなりうる
Sadayuki Abeta
VP & GM of RAN Development
写真: Fyuz Youtube
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 12
プライベート5Gに関する提携の展開
• プライベート5Gサービス提供
2022年8月より、企業に対してハードウェア、ソフトウェア、
およびマネージドサービスを提供している
• テレコム市場での役割
通信事業者の競合ではなく、イネーブラーとしての役割を強調
クラウドの経済性を持ち込む新たなアプローチを模索
• 多国籍企業ネットワークの制御
ドイツテレコムやVMwareとの提携を通じて、複雑に
なりがちな多国籍企業ネットワークの制御と管理を提供
Sameh Naguib
Global Head of Telco Cloud
Business Development
写真: Fyuz Youtube
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 13
5Gスライシングサービス開始
注目されるAPIの公開
• 産業分野での活用期待
製造、医療、教育など、さまざまな分野での活用が期待
されている
• スライシングにおけるAPI公開
APIを活用することでスライスの作成・管理、ネットワーク
リソースの割り当て、セキュリティの設定が可能
• Quality On Demand API
アプリケーションがSIMに特定のサービス品質を要求すること
ができる。ネットワークの高負荷状態でも安定したデータ転送
が可能
Changsoon Choi
VP, Head of NW Service Differentiation
and Convergence Tribe.
写真: Fyuz Youtube
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 14
中立ホストを活用した
新しいアプローチ
• 大手通信事業者との提携
AT&TやT-Mobileと提携しながら、自社は中立ホストとして
展開を図る新しいコンセプトを提案
• CBRSを活用したLTEベースのネットワーク構築
LTEベースのネットワークを構築することで、ユーザーに
とってより優れた通信体験を提供
• 効率的で迅速な展開
従来のモバイル通信展開方式と比較して、新しいアプローチは
飛躍的にコストを削減し、かつ設置が簡単
1カ所あたりの設置期間も約3カ月で完了する迅速さが特徴
Renuka Bhalerao
Network Infra Ecosystem
Programs
写真: Fyuz Youtube
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 15
写真: Fyuz Youtube
RAN Intelligence
高度な分析システムの開発状況
• 開発の目的
電波効率向上やコスト削減、エネルギー節約を目的とした
高度な分析システムに焦点があてられる
• 研究の状況
AT&TとNokiaによるニアリアルタイム分析の共同研究
Microsoftは、困難であったデータ抽出に成功
リアルタイムの実現については、Open RANの進展が不可欠
• 技術進化による将来展望
位置情報の認識やセキュリティへの適用、デジタルツインの
活用などが期待される。スタートアップも活発に動き、
組み込みアプリの黎明期を迎えつつある
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 16
注目スタートアップ
建物内のモバイル
カバレッジを最適化
ネットワーク
オーケストレーション
AIを用いたビーム最適化
注目スタートアップ
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 17
Open RANターンキー
ソリューション
世界初!マルチG対応のOpen
RAN Aggregator
4Gおよび5G用のUSM 事業者を超えた全く新しい
通信のコンセプト
Accelleran(Open RANターンキーソリューション)
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 18
社名
設立 2013年
本社 Antwerpen, Belgium
従業員 40名
資金調達累計 $11.6M
評価額 非公開 / Series B
投資家 Capital-E, Cogito Capital Partners 他
チーム
Stan Claes (CEO)
• Alcatelに約9年勤務。DSL製品の
PMを務める。
事業概要
• プライベート5Gむけのアンテナ、SIMに加え、RU-DU-CU
およびRIC-SMOのソフトウェアを提供。また、Open RAN
準拠のアンテナも提供している。
• RICは、アプリをシームレスに設計・統合するためのAPI
およびSDKが提供される。利用者は、これらのアプリを
利用して、AI連携をベースとしたエネルギー効率、
ネットワークの監視などを簡単に実装することができる。
Source : https://accelleran.com/
Parallel Wireless(世界初!マルチG対応のOpen RAN Aggregator)
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 19
社名
設立 2012年
本社 Nashua, NH
従業員 614名
資金調達累計 $57.3M
評価額 $350.0M / Series 不明
投資家 DN Capital 他
チーム
Steve Papa (CEO, Founder)
• Database関連のEndeca社を設立
Oracleが買収
• Akamaiの創設チームの一員
事業概要
• 2G、3G、4G、5GすべてのGにおけるコア機能を仮想化し、
ネットワークを簡素化および自動化。RANおよびコアネット
ワーク機能を抽象化することで、プラグアンドプレイに対応。
• アグリゲーターでは、ネットワークコンポーネント間の標準
ベースのオープンインターフェースを使用し、OpenRAN
アーキテクチャを実現
• Vodafone, BT, Telefonica他が採用している
Source :https://www.parallelwireless.com/
Cohere Technologies(4Gおよび5G用のUSM)
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 20
社名
設立 2011年
本社 San Jose, CA
従業員 24名
資金調達累計 $81.5M
評価額 非公開 / Series E
投資家
Lightspeed Venture Partners, New
Enterprise Associates 他
チーム
Shlomo Rakib (CTO, Co-Founder)
• ケーブル関連企業である、
Terayon社、Gainspeed社
(Nokiaが買収)を立上げ
事業概要
• OTFS変調領域における先駆的な研究から、正確なチャネル
予測を実施。最大2倍のスペクトル効率を実証。
• 実装は、ネットワーク機器ベンダーによってRANに統合する
ことも、Telco CloudのxAppとして統合することもでき、
既存環境に簡単に組み込むことができる。
• 4Gにも5Gにも適用することができ、効果的に周波数帯を共
有できることからスムーズな4Gから5Gへの移行を実現。
Source : https://cohere-tech.com/
Weaver Labs(事業者を超えた全く新しい通信のコンセプト)
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 21
社名
設立 2018年
本社 Round Rock, TX
従業員 8名
資金調達累計 $500K
評価額 非公開 / Seed
投資家 Amplify 他
チーム
María Lema (Co-Founder)
• LTEのリソース管理を行う
WiComTec社に約5年務める
• King’s CollegeのPMリーダーを
約9年間務める
事業概要
• 事業者をまたいで、あらゆる種類の通信関連資産を管理。
• Network as a Service (NaaS)の技術を使用して、事業者を
超えたネットワークを構築することができ、相互接続の際も
ゼロトラストを使用した安全なネットワークが提供される。
• Adenoでは、暗号資産を用いたタイムリーな資産利用料の支
払いをサポート。
Source : https://www.weaverlabs.io/
Antevia Networks(建物内のモバイルカバレッジを最適化)
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 22
社名
設立 2021年
本社 Berkshire, England
従業員 11名
資金調達累計 非公開
評価額 非公開 / Series 不明
投資家 非公開
チーム
Simon Cosgrove (CEO)
• Lucent, Cisco他にてモバイル
関連の事業に携わる
• StrattoOpenCell社、Axell
Wireless社では役員を務める
事業概要
• vRANを採用した新しい共有セルの技術を用いた建物内の最
適な無線運用におけるターンキーソリューションを展開。
• インテリジェントな管理ツールがクラウド上に実装されてお
り、スマートな容量管理とトラフィック ルーティングが提供
される。常にフロア全体、建物全体における無線の運用が最
適化される。
Source : https://antevianetworks.com/
Aarna Networks(ネットワークオーケストレーション)
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 23
社名
設立 2018年
本社 San Jose, CA
従業員 41名
資金調達累計 $3.5M
評価額 非公開 / Series A
投資家
LDV Partners, 3Lines, Carat Venture
Partners 他
チーム
Amar Kapadia (CEO, Founder)
• ストレージ関連企業のAarohi
Communications社を立上げ
• Mirantis社にてNFV製品の
責任者を務める
事業概要
• 非常に複雑に構成される5GコアとRANの双方における
オーケストレーションを提供し、運用者の負荷を軽減する。
• APIを用いて無線ネットワークの可視化、制御を行い、ZTPを
用いた設定も可能。
• 別なソフトウェアでは、エッジデバイスのオーケストレー
ションを行うことができる。NaaSの技術を利用し、エッジ
デバイスへのネットワークリソースの割り当てや制御を行う。
Source :https://www.aarnanetworks.com/
Aira Technologies(AIを用いたビーム最適化)
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 24
社名
設立 2019年
本社 Saratoga, CA
従業員 19名
資金調達累計 $13.0M
評価額 非公開 / Seed
投資家 Neotribe Ventures, Foothill Ventures 他
チーム
Anand Chandrasekher (CEO, Founder)
• Intelのモバイル系事業部門に14年
務める
• Qualcommのデータセンター部門
のPresidentを約6年務める
事業概要
• 5Gで用いられるビームフォーミングを最適化。ユーザーや
デバイスの位置をAIを用いて計算し、最適なビームを
形成する支援をする。
• ビームを発するための消費電力を最小限に抑えながら、端末
側により優れたスループット、カバレッジを提供できる。
• Vmwareが提供するRICとの連携を検証し、発表している。
Source :https://www.aira-technology.com/
End of document
11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 25

【日商USA】Fyuz 通信革命の舞台裏~ OpenRANの未来を探る

  • 1.
    今回のアジェンダ 11/30/2023 All Copyrightsreserved by Nissho Electronics USA Corp 1 01 イベント概要 02 Key Findings 03 基礎情報、市場情報 04 注目セッション 05 注目スタートアップ
  • 2.
    • 期間 2023年10月9日~10月11日 • 会場 PalacioMunicipal in Madrid, Spain • 参加者 1,200名 Fyuz 2023 概要 11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 2
  • 3.
    11/30/2023 All Copyrightsreserved by Nissho Electronics USA Corp 3 Key Findings
  • 4.
    Key Findings • NOKIA,Ericssonなどモバイル大手の取り組みが加速 • 大手通信事業者とのテスト実施が多数行われる • 一方で、大手の参入によるオープン性の欠如が懸念されはじめている • プライベート5Gへの適用がすすんでいる • 企業が利用する5Gの実装が進む中、Meta社による中立ホストの サービスや、ドイツテレコムによるAPIの積極的な公開に注目が集まる • 通信データの分析、最適化技術が将来への展望 • Open RANが浸透することで、ベンダーによる制限がなくなってった 結果、信号の可視化、制御がよりやりやすくなる • 信号データの取得は困難であるが、できるようになればデータを活用した アプリの開発が注目を集めることになる 11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 4
  • 5.
    11/30/2023 All Copyrightsreserved by Nissho Electronics USA Corp 5 基礎情報、市場情報
  • 6.
    RANの基礎知識 • 多くのコンポーネントが複雑に絡み合ってRANのサービスを構成 • RU(RadioUnit):無線信号の処理など • DU(Distributed Unit):デジタルへの変更や、無線リソースの割り当て、データの分割と結合など • CU(Centralized Unit):コアネットワークへの接続。端末との接続管理やデータ送受信の制御 • RIC(RAN Intelligent Controller):品質向上を目的とした管理ソフトウェア 11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 6 Source: https://www.5gtechnologyworld.com/5g-breaks-from-proprietary-systems-embraces-open-source-rans/
  • 7.
    Open RANの目的と現状 • OpenRANの目的 基地局制御部(CU)と無線機(RU)を分離し、異なる ベンダーの製品を組み合わせて使用可能とする技術開発 • 主要ベンダーの参入、取り組みが加速 NOKIA, Ericssonなどが積極的に取り組む。しかし、 まだ多くの通信事業者やベンダーは、動向を見守っている 状況。大手参入への懸念の声もある • 技術的にはまだ未熟な状態 基本的な接続性にたくさんの問題が残っている。RICの開発は、 まだまだ初期段階。開発者コミュニティが不足 11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 7 https://www.mavenir.com/blog/proven-open-and-interoperable-ecosystem-fuels-open-rans- momentum/#:~:text=In%20the%20rapidly%20evolving%20telecom,encouraging%20innov ation%20and%20competition%20globally.
  • 8.
    Open RAN関連市場情報 1.1 1.8 3.2 5.5 9.3 15.6 2022 20232024 2025 2024 2027 11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 8 Source:https://www.marketsandmarkets.com/Market-Reports/open-ran-market-153445936.html 単位:$Bn • 世界のOpen RAN市場規模は、2022年の11億ドル(約1兆6500億円)から2027年までに156億ドル(約23兆4000億円)に 増加すると予想されている。年平均成長率は70.5% • 機器コストの削減、ネットワークパフォーマンスの向上、市場の競争激化などが市場の成長を推進している
  • 9.
  • 10.
    11/30/2023 All Copyrightsreserved by Nissho Electronics USA Corp 10 2027年までに2500サイトを Open RAN化へ • 技術革新への挑戦 複数ベンダーのアンテナ構成やインテルとの専用チップ 共同開発など。モバイル通信の新しい可能性を模索 • ベンダーとの連携強化 Nokia、Dellと共同実験。クラウドの活用など、ベンダーとの 連携を強化。異なる技術の組み合わせから生まれるシナジー を追求 • 未来志向のアプローチとプラグアンドプレイ ワンクリックでのモバイル環境構築を目指す。テスト時間の 短縮や工事のスピードアップなど、効率向上を図る Andrea Dona Chief Network Officer 写真: Fyuz Youtube
  • 11.
    11/30/2023 All Copyrightsreserved by Nissho Electronics USA Corp 11 ベンダーの自由な組み合わせの新局面 「OREX」の提供開始 • 画期的な新製品 製品を自由に組み合わせて選択できる独自のアプローチ これまでは、選択は可能でもベンダーが限られていた • 異なるベンダーの統合 ソフトウェアのアップデートやトラブルシューティングが 煩雑になる課題を克服 • コストメリットを追求 異なる周波数帯への対応や地域のニーズに合わせた 最適なソリューションとなりうる Sadayuki Abeta VP & GM of RAN Development 写真: Fyuz Youtube
  • 12.
    11/30/2023 All Copyrightsreserved by Nissho Electronics USA Corp 12 プライベート5Gに関する提携の展開 • プライベート5Gサービス提供 2022年8月より、企業に対してハードウェア、ソフトウェア、 およびマネージドサービスを提供している • テレコム市場での役割 通信事業者の競合ではなく、イネーブラーとしての役割を強調 クラウドの経済性を持ち込む新たなアプローチを模索 • 多国籍企業ネットワークの制御 ドイツテレコムやVMwareとの提携を通じて、複雑に なりがちな多国籍企業ネットワークの制御と管理を提供 Sameh Naguib Global Head of Telco Cloud Business Development 写真: Fyuz Youtube
  • 13.
    11/30/2023 All Copyrightsreserved by Nissho Electronics USA Corp 13 5Gスライシングサービス開始 注目されるAPIの公開 • 産業分野での活用期待 製造、医療、教育など、さまざまな分野での活用が期待 されている • スライシングにおけるAPI公開 APIを活用することでスライスの作成・管理、ネットワーク リソースの割り当て、セキュリティの設定が可能 • Quality On Demand API アプリケーションがSIMに特定のサービス品質を要求すること ができる。ネットワークの高負荷状態でも安定したデータ転送 が可能 Changsoon Choi VP, Head of NW Service Differentiation and Convergence Tribe. 写真: Fyuz Youtube
  • 14.
    11/30/2023 All Copyrightsreserved by Nissho Electronics USA Corp 14 中立ホストを活用した 新しいアプローチ • 大手通信事業者との提携 AT&TやT-Mobileと提携しながら、自社は中立ホストとして 展開を図る新しいコンセプトを提案 • CBRSを活用したLTEベースのネットワーク構築 LTEベースのネットワークを構築することで、ユーザーに とってより優れた通信体験を提供 • 効率的で迅速な展開 従来のモバイル通信展開方式と比較して、新しいアプローチは 飛躍的にコストを削減し、かつ設置が簡単 1カ所あたりの設置期間も約3カ月で完了する迅速さが特徴 Renuka Bhalerao Network Infra Ecosystem Programs 写真: Fyuz Youtube
  • 15.
    11/30/2023 All Copyrightsreserved by Nissho Electronics USA Corp 15 写真: Fyuz Youtube RAN Intelligence 高度な分析システムの開発状況 • 開発の目的 電波効率向上やコスト削減、エネルギー節約を目的とした 高度な分析システムに焦点があてられる • 研究の状況 AT&TとNokiaによるニアリアルタイム分析の共同研究 Microsoftは、困難であったデータ抽出に成功 リアルタイムの実現については、Open RANの進展が不可欠 • 技術進化による将来展望 位置情報の認識やセキュリティへの適用、デジタルツインの 活用などが期待される。スタートアップも活発に動き、 組み込みアプリの黎明期を迎えつつある
  • 16.
    11/30/2023 All Copyrightsreserved by Nissho Electronics USA Corp 16 注目スタートアップ
  • 17.
    建物内のモバイル カバレッジを最適化 ネットワーク オーケストレーション AIを用いたビーム最適化 注目スタートアップ 11/30/2023 All Copyrightsreserved by Nissho Electronics USA Corp 17 Open RANターンキー ソリューション 世界初!マルチG対応のOpen RAN Aggregator 4Gおよび5G用のUSM 事業者を超えた全く新しい 通信のコンセプト
  • 18.
    Accelleran(Open RANターンキーソリューション) 11/30/2023 AllCopyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 18 社名 設立 2013年 本社 Antwerpen, Belgium 従業員 40名 資金調達累計 $11.6M 評価額 非公開 / Series B 投資家 Capital-E, Cogito Capital Partners 他 チーム Stan Claes (CEO) • Alcatelに約9年勤務。DSL製品の PMを務める。 事業概要 • プライベート5Gむけのアンテナ、SIMに加え、RU-DU-CU およびRIC-SMOのソフトウェアを提供。また、Open RAN 準拠のアンテナも提供している。 • RICは、アプリをシームレスに設計・統合するためのAPI およびSDKが提供される。利用者は、これらのアプリを 利用して、AI連携をベースとしたエネルギー効率、 ネットワークの監視などを簡単に実装することができる。 Source : https://accelleran.com/
  • 19.
    Parallel Wireless(世界初!マルチG対応のOpen RANAggregator) 11/30/2023 All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 19 社名 設立 2012年 本社 Nashua, NH 従業員 614名 資金調達累計 $57.3M 評価額 $350.0M / Series 不明 投資家 DN Capital 他 チーム Steve Papa (CEO, Founder) • Database関連のEndeca社を設立 Oracleが買収 • Akamaiの創設チームの一員 事業概要 • 2G、3G、4G、5GすべてのGにおけるコア機能を仮想化し、 ネットワークを簡素化および自動化。RANおよびコアネット ワーク機能を抽象化することで、プラグアンドプレイに対応。 • アグリゲーターでは、ネットワークコンポーネント間の標準 ベースのオープンインターフェースを使用し、OpenRAN アーキテクチャを実現 • Vodafone, BT, Telefonica他が採用している Source :https://www.parallelwireless.com/
  • 20.
    Cohere Technologies(4Gおよび5G用のUSM) 11/30/2023 AllCopyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 20 社名 設立 2011年 本社 San Jose, CA 従業員 24名 資金調達累計 $81.5M 評価額 非公開 / Series E 投資家 Lightspeed Venture Partners, New Enterprise Associates 他 チーム Shlomo Rakib (CTO, Co-Founder) • ケーブル関連企業である、 Terayon社、Gainspeed社 (Nokiaが買収)を立上げ 事業概要 • OTFS変調領域における先駆的な研究から、正確なチャネル 予測を実施。最大2倍のスペクトル効率を実証。 • 実装は、ネットワーク機器ベンダーによってRANに統合する ことも、Telco CloudのxAppとして統合することもでき、 既存環境に簡単に組み込むことができる。 • 4Gにも5Gにも適用することができ、効果的に周波数帯を共 有できることからスムーズな4Gから5Gへの移行を実現。 Source : https://cohere-tech.com/
  • 21.
    Weaver Labs(事業者を超えた全く新しい通信のコンセプト) 11/30/2023 AllCopyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 21 社名 設立 2018年 本社 Round Rock, TX 従業員 8名 資金調達累計 $500K 評価額 非公開 / Seed 投資家 Amplify 他 チーム María Lema (Co-Founder) • LTEのリソース管理を行う WiComTec社に約5年務める • King’s CollegeのPMリーダーを 約9年間務める 事業概要 • 事業者をまたいで、あらゆる種類の通信関連資産を管理。 • Network as a Service (NaaS)の技術を使用して、事業者を 超えたネットワークを構築することができ、相互接続の際も ゼロトラストを使用した安全なネットワークが提供される。 • Adenoでは、暗号資産を用いたタイムリーな資産利用料の支 払いをサポート。 Source : https://www.weaverlabs.io/
  • 22.
    Antevia Networks(建物内のモバイルカバレッジを最適化) 11/30/2023 AllCopyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 22 社名 設立 2021年 本社 Berkshire, England 従業員 11名 資金調達累計 非公開 評価額 非公開 / Series 不明 投資家 非公開 チーム Simon Cosgrove (CEO) • Lucent, Cisco他にてモバイル 関連の事業に携わる • StrattoOpenCell社、Axell Wireless社では役員を務める 事業概要 • vRANを採用した新しい共有セルの技術を用いた建物内の最 適な無線運用におけるターンキーソリューションを展開。 • インテリジェントな管理ツールがクラウド上に実装されてお り、スマートな容量管理とトラフィック ルーティングが提供 される。常にフロア全体、建物全体における無線の運用が最 適化される。 Source : https://antevianetworks.com/
  • 23.
    Aarna Networks(ネットワークオーケストレーション) 11/30/2023 AllCopyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 23 社名 設立 2018年 本社 San Jose, CA 従業員 41名 資金調達累計 $3.5M 評価額 非公開 / Series A 投資家 LDV Partners, 3Lines, Carat Venture Partners 他 チーム Amar Kapadia (CEO, Founder) • ストレージ関連企業のAarohi Communications社を立上げ • Mirantis社にてNFV製品の 責任者を務める 事業概要 • 非常に複雑に構成される5GコアとRANの双方における オーケストレーションを提供し、運用者の負荷を軽減する。 • APIを用いて無線ネットワークの可視化、制御を行い、ZTPを 用いた設定も可能。 • 別なソフトウェアでは、エッジデバイスのオーケストレー ションを行うことができる。NaaSの技術を利用し、エッジ デバイスへのネットワークリソースの割り当てや制御を行う。 Source :https://www.aarnanetworks.com/
  • 24.
    Aira Technologies(AIを用いたビーム最適化) 11/30/2023 AllCopyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 24 社名 設立 2019年 本社 Saratoga, CA 従業員 19名 資金調達累計 $13.0M 評価額 非公開 / Seed 投資家 Neotribe Ventures, Foothill Ventures 他 チーム Anand Chandrasekher (CEO, Founder) • Intelのモバイル系事業部門に14年 務める • Qualcommのデータセンター部門 のPresidentを約6年務める 事業概要 • 5Gで用いられるビームフォーミングを最適化。ユーザーや デバイスの位置をAIを用いて計算し、最適なビームを 形成する支援をする。 • ビームを発するための消費電力を最小限に抑えながら、端末 側により優れたスループット、カバレッジを提供できる。 • Vmwareが提供するRICとの連携を検証し、発表している。 Source :https://www.aira-technology.com/
  • 25.
    End of document 11/30/2023All Copyrights reserved by Nissho Electronics USA Corp 25

Editor's Notes

  • #2 今回はこのようなアジェンダで進めます。極力わかりやすくお伝えできればと思いますので、最後までお付き合いくださいますようお願いいたします。
  • #3 イベントの概要です。記載の通りです。このイベントは、Telecom Infra Project(略してTIP)という業界団体によって主催しました。TIPは、2016年2月にFacebook、Nokia、Intel、Deutsche Telekom、SK Telecomなどが共同で設立した団体です。オープンソースの通信インフラ技術を開発・普及させることを目的とした活動をしています。 このイベントは昨年から開催されており、今回で2回目の開催となります。ワールドワイドで注目されるイベントであり、47カ国から45の出展者が集まりました。主催者の発表では、半数以上が上級職(部長以上)とのことでした。日本からは、NTTDocomoさんも講演をされていて、非常に印象的でした。
  • #4 そんなFyuz 2023に参加して得られた気づきを先に共有させていただきます。
  • #5 1つ目のポイントは、大手通信機器メーカーのOpen RANへの取り組みが加速することで、市場自体が盛り上がりを見せ始めています。ヨーロッパを中心に通信事業者とのタイアップによる実証実験も数多く行われています。一方で、大手通信機器メーカーが主導権を握ることによって、オープン性が損なわれてしまうのでは?という懸念も上がっています。 2つ目は、プライベート5Gへの活用です。企業が5Gの環境を構築する場合、公共の電波とは異なる課題が出てきます。実装までのスピードをより求められたり、障害物の多い建屋内で信号を到達させることや、品質の担保などです。 最後3つ目は、Ran Intelligent Controller(通称:RIC)の開発が進むことで、現状は難しい信号のより詳細な解析ができるようになります。これにより信号の飛ばし方を最適化してエネルギー効率を高めたり、さまざまな効果があります。RICがAPIを提供することで、データを用いた新しいアプリの登場も期待されています。
  • #6 お詳しい方には釈迦に説法で申し訳ありませんが、RANに関する基礎情報や市場情報を先に共有します。
  • #7 下の絵にあるRUとはRadio Unitの略で、無線信号の処理を行います。無線信号にも様々な周波数帯の信号がありますのでそれぞれに適した処理ができる必要があります。無線信号は、アナログですので、これをデジタル信号に変換する必要があります。この処理自体複雑な処理になるため、RU単体で行うのではなく、後続のコンポーネントと役割分担をしながら処理を行います。DU (Distributed Unit)では、デジタルへの変更や、無線リソースの割り当て、データの分割と結合などを行います。CU (Centralized Unit)は、DUからの信号を処理し、コアネットワークに接続する部分です。端末との接続管理(CP)やデータ送受信の制御(UP)を行います。RIC(RAN Intelligent Controller)は、品質向上を目的とした管理ソフトウェアで、コントロールプレーン部分の一部をソフトウェア化したものです。RICは、クラウド上に構築されるケースが一般的で、新しい技術やサービスはここに組み込まれます。COREは、5G全体のデータ送受信の制御、接続管理、サービス単位での通信の制御を行います。ご覧いただいた通り、多くのコンポーネントが複雑に絡み合って、RANのサービスは構成されます。 https://www.wayra.de/blog/open-ran
  • #8 Open RANは、広く基地局制御部(CU)と無線機(RU)を分離し、異なるベンダーの製品を組み合わせて使用できるようにする技術開発を推進しています。2018年に創設されたO-RANアライアンスを中心に様々な業界団体が関連する仕様を定めており、メジャーな通信事業者は積極的にこれを取り入れています。この1,2年で大きく動きがあり、主要なベンダーであるエリクソンやノキアなどが積極的に取り組むようになりました。しかし、まだまだ多くの通信事業者やベンダーは動向を見守っているのが現状です。というのも、技術的にはまだまだ未熟な状態だからです。相互接続のためのインターフェイスの標準化が完了していなかったり、ハードウェアとソフトウェアの互換性など基本的な接続性にたくさんの問題が残っています。さらに、RICの開発が初期段階であることから開発者コミュニティの不足しているなどなどまだまだ多くの問題があり、講演では、最終的な目標に到達するには10~15年かかるとも言われていました。 現状について、もう少し補足すると、大手の参入についても懸念の声があります。大手のベンダーがOpen RANの標準化を主導することで、従来の通信ネットワークと同じように、開発者コミュニティに技術が開放されない可能性があります。そうなると、投資のきっかけになりやすいAIの実装が遅れ、結果的に新興企業が挑戦しにくい環境になるリスクがあります。
  • #9 Open RANの市場は、非常に大きな市場になることが想定されており、2027年には156億ドル(約23兆円)の規模になります。年平均成長率も70%を超えており、比較的高い成長率を示しています。これを促進するのは、ネットワークパフォーマンスが今後より高いものがもとめられることが大きな要因だと思います。 為替150円 機器コストの削減、ネットワークパフォーマンスの向上、市場の競争激化などが市場の成長を推進している。
  • #10 では次に注目セッションに参ります。 今回のイベントでは約60のセッションが行われました。そのなかから、注目セッションを5つピックアップしてサマリを紹介します。
  • #11 Vodafoneは、今年の8月から主にヨーロッパで大規模なオープンRANの展開を進め、2027年末までに最低でも2500のサイトをオープンRANに移行する計画を発表しています。同時に、ルーマニアでのオレンジとの基地局共有にも着手しています。技術革新においては、複数ベンダーのアンテナを混在させた構成に挑戦したり、パフォーマンス最適化のための専用チップの開発について、インテルと協力しています。 技術開発だけでなく、Golden Clusterと呼ばれる英国南西部の14のテストサイトでOpen RANプロジェクトを展開し、さまざまなベンダーの製品を組み合わせてテストしています。これらのテストサイトは他の通信事業者やベンダーにも公開され、コミュニティの活性化を図っています。 ベンダーとの連携においては、Nokiaと共同でイタリアのOpenRANを構築したことも報じられています。この基盤として、Dellと共同でクラウドとオンプレを組み合わせた構成を採用したことも注目を集めました。 オープンRANの推進において、Vodafoneは「先進的なシリコンの実装」と「クラウド・ネイティブ」の重要性を強調しており、講演でもこれらの要素を明確に述べています。将来の計画については、「長期的にはプラグアンドプレイにこだわっていきたい」と述べ、ワンクリックでモバイル環境が実装されることでテスト時間の短縮や工事の迅速化などが期待できると述べています。
  • #12 NTT DOCOMOは、2021年9月から他の通信会社向け提供可能なOpen RAN製品セット「OREX」を発表しました。この製品の特長は、ベンダー製品を自由に組み合わせて選択できる点で、これまでの同様の取り組みとは異なり、非常に画期的です。従来はベンダーの選択はできましたが、自由な組み合わせは保証されていませんでした。 通常、複数のベンダーの製品を組み合わせて構築する場合、ソフトウェアのアップデートやトラブルシューティングが複雑になり、ベンダーごとに異なる技術や仕様のため、統合が難しかったり、ベンダーに依存することから、コストやリスクが高まるという課題があります。 OREXのメリットは、周波数帯や地域のニーズに合わせて最適なソリューションとなりうることと、ベンダー統合を自社で行うことでコストを削減できる点にあります。
  • #13 今年の8月にAWSはプライベート5Gサービスを立ち上げました。AWSはハードウェアとソフトウェアを提供し、それに加えてマネージドサービスも提供しています。AWSは講演で、テレコム市場を奪うつもりではなく、むしろイネーブラーとしての役割を果たすことを強調しています。 AWSはまた、ドイツテレコムやVMwareとの提携を10月に発表し、多国籍企業ネットワークの制御と管理を提供しています。クラウドの経済性、サブスクリプションモデル、従量課金モデルの導入により、経済的な障壁を取り除き、企業が実験から本番稼働までのスピードを向上させることができると述べています。 プライベート5Gの実装では、多くの場合、急なビジネスニーズが存在します。これに迅速かつ経済的に対応できなければ、企業は他の選択肢を検討してしまう可能性があります。展開のシンプル化が重要であり、クラウドプラットフォームの活用が合理的です。また、クラウドの利用により、AIや機械学習の統合が容易になり、異なるドメイン間で一貫した管理や制御が実現しやすくなります。
  • #14 ドイツテレコムは、今年の10月からスライシングサービスを提供することを発表しました。このサービスは企業が独自のニーズに合わせてカスタマイズされた5Gネットワークの構築に利用できるもので、製造、医療、教育などの様々な分野での活用が期待されています。 スライシングは、特定の用途や事業に専用の帯域を割り当てる技術です。ドイツテレコムはこのスライシングにおけるAPIを公開しています。このAPIを活用することで、スライスの作成・管理、ネットワークリソースの割り当て、セキュリティの設定が可能です。 APIに関しては、「Quality On Demand API」という特殊なAPIも提供されています。この APIを使用すると、アプリは、SIMに対して特定のサービス品質を要求できます。ネットワークの高負荷状態でも、安定した帯域幅でデータを転送を可能とします。たとえば、遠隔操作による運転では、これを活用すれば、安全性を確保することができます。
  • #15 メタは、AT&TやT‐Mobileと提携して、建物内での5Gカバレッジを向上させる取り組みを進めています。これまでのモバイル通信では、建物内での信号強度が不足していましたが、新しいコンセプトではメタが中立ホストとして機能し、複数の通信事業者の信号を受け取り、それを中継することで広範なカバレッジを提供しています。 このプロジェクトでは、CBRS(Citizens Broadband Radio Service)と呼ばれる免許不要の3.5GHz帯を利用し、LTEベースのネットワークを構築しています。これにより、建物内に外部のモバイルサービスを拡張し、ユーザーにとってより良い通信体験を実現しています。現在、米国内のほとんどの拠点でこのカバレッジが提供されています。 新しい展開方式は、従来のモバイル通信と比較してコストを大幅に削減し、かつ設置が簡便です。1カ所あたりの設置完了までの期間も約3カ月と迅速です。
  • #16 最後にご紹介するのは、AT&T、Juniper、Vmware他が行ったパネルディスカッションです。RAN Intelligenceの領域では、無線システムの電波効率、コストの削減、エネルギーの節約などを目的とした高度な分析システムの研究が行われています。具体的には、信号強度、ノイズ、干渉などデータ化し、機械学習を用いて分析することで、アンテナの位置や利用する周波数帯を最適化し、結果的に、ネットワーク品質向上を図ることができます。最初のほうにご紹介したRICが主な開発領域になり、RICとAPIで連携をするアプリの開発に今後期待がされています。 技術的な課題は、複雑な電波からデータを取りだすことです。AT&Tとノキアは、ニアリアルタイムの分析に関する共同研究を行っています。また、今年のMWCでは、マイクロソフトが複雑な電波に関するデータ抽出に成功しています。リアルタイムの分析は技術的な難易度がより高くなります。ここにおいては、オープン性が担保されることが必須と講演では語られていました。 技術的な実装が進むことで、前段に申し上げた目的のほかに位置情報の認識やセキュリティへの適用、デジタルツインへの活用が期待されます。この領域では、大手よりもスタートアップの活動が活発化しており、組み込みアプリの黎明期を迎えています。
  • #17 続いては注目スタートアップの紹介に行きたいと思います。
  • #18 今回のイベントでは、ピッチコンテストのようなものはありませんでした。今回は、私の独断と偏見で7社スタートアップを紹介します。
  • #19 1社目はアクセラランです。プライベート5Gむけのアンテナ、SIMに加え、RU-DU-CUおよびRIC-SMOのソフトウェアを提供。SMOは、エッジデバイスの管理をするソフトウェアで、基地局やゲートウェイを簡単なGUIから管理できる。ソフトウェアは、COTS(商用オフシェルフ)と呼ばれる安価なサーバー上にインストールする。また、OpenRANの製品ラインナップでは、OpenRAN準拠のアンテナを提供している。RICでは、アプリをシームレスに設計・統合するためのAPIおよびSDKが付属している。利用者は、これらのアプリを利用して、AI連携をベースとしたエネルギー効率、ネットワークの監視、サービスオーケストレーションなどを簡単に実装することができる。 メモ: SMO:Site Management Organizationの略で、モバイルネットワークの基地局やゲートウェイなどのエッジデバイスの管理を支援する機関です。エッジデバイスの設置・配線・設定、エッジデバイスの保守・運用、エッジデバイスの故障対応、エッジデバイスのパフォーマンス監視 xAPP: rAPP:リアルタイムの機械学習モデルを活用したアプリケーションのことです。rApp は、クラウドやエッジデバイス上で動作する機械学習モデルを、Web アプリケーションやモバイルアプリケーションから呼び出すことで、リアルタイムに機械学習の分析結果を取得することができます。
  • #20 続いては、Parallel Wirelessです。2G、3G、4G 、5Gへの進化の中、新しい技術導入には運用上の複雑さが伴い、管理コストも増えます。この会社の製品を利用するとすべてのGにおけるコア機能を仮想化し、ネットワークを簡素化および自動化することができます。さらに、世界初のマルチGに対応したOpen RAN Aggregator ソフトウェアを提供しています。COTSサーバー上で動作できるよう、従来のRANおよびコアネットワーク機能を抽象化することで、プラグアンドプレイに対応をしています。アグリゲーターでは、ネットワークコンポーネント間の標準ベースのオープンインターフェースを使用することでOpenRANアーキテクチャを実現し、その結果、ネットワーク管理と新しいRAN製品のネットワークのコアへの統合を簡素化します。
  • #21 タイトルにあるUSMとは、ユニバーサル スペクトラム マルチプライヤの略です。通信技術の一部で、電波の混信を防ぎ、通信をスムーズにすることで、通信速度や品質を向上させる技術です。 遅延ドップラーとは、高速で移動する物体に信号を送る場合に通信信号の周波数が変わってしまうことがあります。OTFS(Orthogonal Time Frequency Space)変調はこれを修正する技術でUSMの一つです。Cohereは、OTFS変調領域における先駆的な研究を行ってきました。この研究をもとに正確なチャネル予測(信号がどのように飛ぶのかを予測)することができ、従来よりも最大2倍の容量のデータを同じ信号で飛ばすことができます。実装は、ネットワーク機器ベンダーによってRANに統合することも、Telco CloudのxAppとして統合することもでき、既存環境に簡単に組み込むこともできます。4Gにも5Gにも適用することができ、キャパシティを増やしつつ、効果的に周波数帯を共有できることからスムーズな4Gから5Gへの移行を実現することができます。
  • #22 Weaver Labsが提供するCell-Stackは、まだ開発中の技術です。あらゆる種類の通信関連資産を 1 つのソフトウェアで管理します。統合化により、通信事業者は、ネットワークのパフォーマンスを監視し、障害を迅速に検出および修復することができます。また、Network as a Service (NaaS)の技術を使用して、通信事業者を超えたネットワークを構築することができ、相互接続の際もゼロトラストを使用した安全なネットワークが提供されます。通信事業者は、Cell-Stackを使用して、ネットワークのパフォーマンスを向上させ、コストを削減し、新しいサービスを簡単に提供することができます。企業は迅速なネットワーク構築および管理の簡素化を実現することができます。政府にとっても災害時などの緊急時に通信インフラを迅速に復旧することができます。Adenoというサービスを提供予定であり、暗号資産を用いたタイムリーな資産利用料の支払いをサポートします。
  • #23 新しい共有セルの技術では、各ユーザーまたはデバイスが複数のAPから同時にサービスを受けることができます。これにより、障害に対してより堅牢になり、人や機器の移動による接続が切れることもなくなります。Anteviaは、vRANを採用した新しい建物内の無線通信を提供します。インテリジェントなクラウドベースの仮想オープンプラットフォーム上に構築されており、スマートな容量管理とトラフィック ルーティングが提供されます。これにより、常にフロア全体、建物全体における無線の運用が最適化されます。
  • #24 続いてはアーナネットワークスです。Aarna Networksは、非常に複雑に構成される5GコアとRANの双方におけるオーケストレーションを提供し、運用者の負荷を軽減します。APIを用いてネットワークの可視化、制御を行い、ZTPを用いた設定も可能としています。さらに、別なソフトウェアでは、エッジデバイスのオーケストレーションを行っています。NaaSの技術を利用し、IoTデバイスやエッジで行う機械学習の機構に対するネットワークリソースの割り当てや制御を行います。この機能は、エクイニクスなどの著名な通信事業者のネットワーク運用ですでに利用されています。
  • #25 Aira Technologyは、xAppを提供しています。xAPPとは、RICとAPIなどで連携させて無線システムの品質を向上させるアプリです。Airaは、5Gで用いられるビームフォーミングを最適化します。具体的には、ユーザーやデバイスの位置をAIを用いて計算し、最適なビームを形成する支援をします。これにより、ビームを発するための消費電力を最小限に抑えながら、端末側により優れたスループット、カバレッジを提供できるようになります。現在Vmwareが提供するRICとの連携を検証し、発表しています。
  • #26 駆け足での説明ではございましたが、私からの説明は以上となります。ご清聴誠にありがとうございます。