2014/5/17 @dc1394
Troullier and Martinsの擬ポテンシャルの
作成法
基本式
 動径方向のSchrödinger方程式から、基本式
 が得られる。Bachelet, Hamann and Schluter
(BHS)[1]の方法では、(1)式がノードレスであるよう
にV(r)を調節した。
 一方、Troullier and Martins(TM)[2]の方法では、
ul(r)がノードレスとなるように、あらかじめ決めて
おいて、その後にV(r)を定める。
 [1] G.B. Bachelet, D.R. Hamann and M. Schluter, Phys. Rev. B 26, 4199 (1982).
 [2] N. Troullier and J.L. Martins, Phys. Rev. B 43, 1993 (1991).
TM擬波動関数の具体的な式
 ノードレスの擬波動関数ul,PS(r)(= rψ l,PS(r))を以
下の解析形で表すと、
 ただし、
 である。
TM擬ポテンシャルの具体的な式
 このとき、全電子系の解と同じ固有値を持つとし
て、screenされた擬ポテンシャルVscr,l(r)は(1)式の
反転から以下のようになる。
TM型擬ポテンシャルを求める
 r ≦ rclでは、
 r > rclでは、Vscr,l(r) = VAE(r)である。
TM型擬ポテンシャルの条件
 以下の条件より、多項式P(r)の係数C0~C12を決定す
る。
 (i)コア半径rclでのノルム保存条件
 (ii)擬波動関数とその4次微分までのrclでの値が
ul,AE(r)のものと一致
 (iii)screenされた擬ポテンシャルVscr,l(r)のr=0での2次
微分が0
TM型擬ポテンシャルの条件
 (ii)の条件は(2)式よりポテンシャルの2次微分まで
がrclで連続であることを意味する。
 (ii),(iii)の条件と、P(r)の奇数次の係数が0であるこ
とは、少ない平面波に収束させるための工夫であ
る。
 あとは、係数C0~C12を求めればよい。
TM型擬ポテンシャルの条件(i)
 条件(i)から、
TM型擬ポテンシャルの条件(ii)
 A, B, C, D, Eを定数とする。条件(ii)から、
TM型擬ポテンシャルの条件(ii)
 続いて、
TM型擬ポテンシャルの条件(iii)
 条件(iii)から、
TM型擬ポテンシャルの条件(iii)
TM型擬ポテンシャルが満たすべき連
立方程式
 条件(i),(ii),(iii)から、c2を可変として以下のような連立
方程式が得られる。
 ただし、
TM型擬ポテンシャルが満たすべき連
立方程式
 また、c4は、
 から求める。そして、前ページの連立方程式の解
が、
 を満たすまで、二分法で解を探す。
TM型擬ポテンシャルで必要な情報
 従って、TM型擬ポテンシャルを求める上で必要
な情報は、
 である。

Troullier and Martinsの擬ポテンシャルの作成法