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バイナリ生物学でデイジーワールド
2023/10/21
大神 祐真
(へにゃぺんて)
2023/10/21 2
自己紹介
大神 祐真 (@yohgami)
「へにゃぺんて」
という個人サークルで
独自なOSを作るための
活動を行っています!
自作OSを行う対象として
近年はレトロハードを
扱っています!
2023/10/21 3
自己紹介
大神 祐真 (@yohgami)
「へにゃぺんて」
という個人サークルで
独自なOSを作るための
活動を行っています!
自作OSを行う対象として
近年はレトロハードを
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2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 4
バイナリ生物学
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 5
概念
実行プログラムなどのバイナリが
生き物のように振る舞えるシステム
を考え、実装する。
バイナリが生き物のように振る舞えることで、
例えば、用意された環境に合う様なバイナリを
生き物の進化の仕組みで自ずと生み出していく
事ができる。
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 6
影響を受けている理論
【ガイア理論/ガイア仮説】
生物は地球と相互に関係し合い、
自身の生存に適した環境を維持するための
自己制御システムを作り上げている
とする仮説
https://ja.wikipedia.org/wiki/ガイア理論
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 7
影響を受けている理論
【ガイア理論/ガイア仮説】
生物は地球と相互に関係し合い、
自身の生存に適した環境を維持するための
自己制御システムを作り上げている
とする仮説
https://ja.wikipedia.org/wiki/ガイア理論
そんな事って
あり得るの?
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 8
デイジーワールド
ガイア理論の妥当性を示す為に考えられた
モデル環境
https://ja.wikipedia.org/wiki/デイジーワールド
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 9
考え方
① 白いデイジーと黒いデイジーのみの環境を想定する
※ どちらも生育に適した温度は同じ
光を反射する 光を吸収する
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 10
考え方
②太陽光の量が少なく、気温が低下していても
黒いデイジーは光を吸収し周囲の温度を上げるため、
繁殖しやすい
少
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 11
考え方
③太陽光の量が多くなると、逆に白いデイジーの方が
光を反射して温度の上昇を抑制するため繁殖しやすい
多
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 12
考え方
③太陽光の量が多くなると、逆に白いデイジーの方が
光を反射して温度の上昇を抑制するため繁殖しやすい
多
このように、太陽光の量が変化しても、
白と黒のデイジーによって地表付近の温度を
生育適温へ保とうとする恒常性が働いている
と考えられる
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 13
考え方
③太陽光の量が多くなると、逆に白いデイジーの方が
光を反射して温度の上昇を抑制するため繁殖しやすい
多 今回は、
デイジーワールド(っぽいもの)を
バイナリ生物学のPoC実装上で実験してみた話
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 14
バイナリ生物学のPoC実装
今回はバイナリ生物学の理論を
「PDP-7」という60年代のコンピュータへ実装
※ 「SimH」というシミュレータを使用
UNIXが生まれたコンピュータ
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 15
PoC実装の動作
①メモリ空間に「バイナリ生物領域」と呼ぶ領域を設定
メモリ空間
バイナリ
生物領域
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 16
PoC実装の動作
②特殊なデータ構造で機械語の命令列を配置
特定のレジスタを
デクリメントする命令列
特定のレジスタを
インクリメントする命令列
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 17
PoC実装の動作
②特殊なデータ構造で機械語の命令列を配置
特定のレジスタを
デクリメントする命令列
(白いデイジーとする)
特定のレジスタを
インクリメントする命令列
(黒いデイジーとする)
地表温度とする
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 18
PoC実装の動作
③各命令列を実行し、その結果に応じて自身のコピーを作成
したり、ある条件で別のデイジーへ突然変異させたりする
コピーを作成(増殖)
突然変異
※加えて、ある条件で削除される(死)
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 19
PoC実装の動作
③各命令列を実行し、その結果に応じて自身のコピーを作成
したり、ある条件で別のデイジーへ突然変異させたりする
コピーを作成(増殖)
突然変異
※加えて、ある条件で削除される(死)
今回は以下の設定で実験した
実行後の地表温度が生育適温より
・低くなるに連れ、黒いデイジーが増殖しやすく
・高くなるに連れ、白いデイジーが増殖しやすい
(詳細は省くが、ごく簡単な評価関数)
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 20
実験設定
時間経過に応じて
地表温度が1℃ずつ上昇
する環境とした
時間経過(実行周期)
デイジーが存在しない場合
の結果
地
表
温
度
生育適温
(20℃)
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 21
実験結果
ピッタリでは無いが、
生育適温にしようとしている
働きは確認できた
時間経過(実行周期)
地
表
温
度
デイジーが存在する場合
の結果
生育適温
(20℃)
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 22
実験結果
追加の外乱として、
途中で突然、
地表温度を100℃に設定
時間経過(実行周期)
地
表
温
度
生育適温
(20℃)
引き続き、
生育適温に
しようと
している働きが
確認できた
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 23
まとめ
・PDP-7でバイナリ生物学できた!
・バイナリ生物学は、環境設定の仕方によっては
デイジーワールドのように、
何らかの自己制御を行うような事も可能!
2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 24
ご清聴ありがとうございました!

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バイナリ生物学でデイジーワールド

  • 2. 2023/10/21 2 自己紹介 大神 祐真 (@yohgami) 「へにゃぺんて」 という個人サークルで 独自なOSを作るための 活動を行っています! 自作OSを行う対象として 近年はレトロハードを 扱っています!
  • 3. 2023/10/21 3 自己紹介 大神 祐真 (@yohgami) 「へにゃぺんて」 という個人サークルで 独自なOSを作るための 活動を行っています! 自作OSを行う対象として 近年はレトロハードを 扱っています!
  • 4. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 4 バイナリ生物学
  • 5. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 5 概念 実行プログラムなどのバイナリが 生き物のように振る舞えるシステム を考え、実装する。 バイナリが生き物のように振る舞えることで、 例えば、用意された環境に合う様なバイナリを 生き物の進化の仕組みで自ずと生み出していく 事ができる。
  • 6. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 6 影響を受けている理論 【ガイア理論/ガイア仮説】 生物は地球と相互に関係し合い、 自身の生存に適した環境を維持するための 自己制御システムを作り上げている とする仮説 https://ja.wikipedia.org/wiki/ガイア理論
  • 7. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 7 影響を受けている理論 【ガイア理論/ガイア仮説】 生物は地球と相互に関係し合い、 自身の生存に適した環境を維持するための 自己制御システムを作り上げている とする仮説 https://ja.wikipedia.org/wiki/ガイア理論 そんな事って あり得るの?
  • 8. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 8 デイジーワールド ガイア理論の妥当性を示す為に考えられた モデル環境 https://ja.wikipedia.org/wiki/デイジーワールド
  • 9. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 9 考え方 ① 白いデイジーと黒いデイジーのみの環境を想定する ※ どちらも生育に適した温度は同じ 光を反射する 光を吸収する
  • 10. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 10 考え方 ②太陽光の量が少なく、気温が低下していても 黒いデイジーは光を吸収し周囲の温度を上げるため、 繁殖しやすい 少
  • 11. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 11 考え方 ③太陽光の量が多くなると、逆に白いデイジーの方が 光を反射して温度の上昇を抑制するため繁殖しやすい 多
  • 12. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 12 考え方 ③太陽光の量が多くなると、逆に白いデイジーの方が 光を反射して温度の上昇を抑制するため繁殖しやすい 多 このように、太陽光の量が変化しても、 白と黒のデイジーによって地表付近の温度を 生育適温へ保とうとする恒常性が働いている と考えられる
  • 13. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 13 考え方 ③太陽光の量が多くなると、逆に白いデイジーの方が 光を反射して温度の上昇を抑制するため繁殖しやすい 多 今回は、 デイジーワールド(っぽいもの)を バイナリ生物学のPoC実装上で実験してみた話
  • 14. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 14 バイナリ生物学のPoC実装 今回はバイナリ生物学の理論を 「PDP-7」という60年代のコンピュータへ実装 ※ 「SimH」というシミュレータを使用 UNIXが生まれたコンピュータ
  • 15. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 15 PoC実装の動作 ①メモリ空間に「バイナリ生物領域」と呼ぶ領域を設定 メモリ空間 バイナリ 生物領域
  • 16. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 16 PoC実装の動作 ②特殊なデータ構造で機械語の命令列を配置 特定のレジスタを デクリメントする命令列 特定のレジスタを インクリメントする命令列
  • 17. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 17 PoC実装の動作 ②特殊なデータ構造で機械語の命令列を配置 特定のレジスタを デクリメントする命令列 (白いデイジーとする) 特定のレジスタを インクリメントする命令列 (黒いデイジーとする) 地表温度とする
  • 18. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 18 PoC実装の動作 ③各命令列を実行し、その結果に応じて自身のコピーを作成 したり、ある条件で別のデイジーへ突然変異させたりする コピーを作成(増殖) 突然変異 ※加えて、ある条件で削除される(死)
  • 19. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 19 PoC実装の動作 ③各命令列を実行し、その結果に応じて自身のコピーを作成 したり、ある条件で別のデイジーへ突然変異させたりする コピーを作成(増殖) 突然変異 ※加えて、ある条件で削除される(死) 今回は以下の設定で実験した 実行後の地表温度が生育適温より ・低くなるに連れ、黒いデイジーが増殖しやすく ・高くなるに連れ、白いデイジーが増殖しやすい (詳細は省くが、ごく簡単な評価関数)
  • 20. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 20 実験設定 時間経過に応じて 地表温度が1℃ずつ上昇 する環境とした 時間経過(実行周期) デイジーが存在しない場合 の結果 地 表 温 度 生育適温 (20℃)
  • 21. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 21 実験結果 ピッタリでは無いが、 生育適温にしようとしている 働きは確認できた 時間経過(実行周期) 地 表 温 度 デイジーが存在する場合 の結果 生育適温 (20℃)
  • 22. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 22 実験結果 追加の外乱として、 途中で突然、 地表温度を100℃に設定 時間経過(実行周期) 地 表 温 度 生育適温 (20℃) 引き続き、 生育適温に しようと している働きが 確認できた
  • 23. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 23 まとめ ・PDP-7でバイナリ生物学できた! ・バイナリ生物学は、環境設定の仕方によっては デイジーワールドのように、 何らかの自己制御を行うような事も可能!
  • 24. 2023/10/21 大神 祐真(@yohgami) 24 ご清聴ありがとうございました!