楽しむプログラミングのための
ファシリテーションの
学びと実践
青山学院大学
社会情報学部
阿部和広
本日のスケジュール
• 10:00-12:00
• 講師養成ワークショップ
• 12:00-13:30
• 京陽小学校へ移動
• 13:30-13:50
• メディアルームで準備
• 13:50-14:35
• 5時間目の授業
• 14:45-16:30
• リフレクション
プログラミング学習の現状
• 2012年度から、中学校の技術家庭科で「プ
ログラムによる計測・制御」が必修に
プログラミング学習の現状
• 2012年度から、中学校の技術家庭科で「プ
ログラムによる計測・制御」が必修に
プログラミング学習の現状
• 2012年度から、中学校の技術家庭科で「プ
ログラムによる計測・制御」が必修に
• 小学校では一部の学校を除いてまだない
• 学習指導要領で定められていない
• 情報機器に慣れ親しみ活用する程度
プログラミング学習の現状
•国の方針
•2016年4月の産業競争力会議で、
安倍首相は、2020年度から小学
校でもプログラミング学習を必
修化する方針を表明
•第4次産業革命の担い手として
小学校段階における論理的思考力や創
造性、問題解決能力等の育成とプログ
ラミング教育に関する有識者会議
• 小学校段階におけるプログラミング教育の在り
方について(議論の取りまとめ)
• 将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて
普遍的に求められる力としての「プログラミング的
思考」などを育むことであり、コーディングを覚え
ることが目的ではない」
プログラミング的思考
• 自分が意図する一連の活動を実現するために、
どのような動きの組合せが必要であり、一つ一
つの動きに対応した記号を、どのように組み合
わせたらいいのか、記号の組合せをどのように
改善していけば、より意図した活動に近づくの
か、といったことを論理的に考えていく力)を
育成すること
中学校・高等学校では
• 中学校技術・家庭科技術分野の「情報に関する
技術」において、計測・制御に関するプログラ
ミングだけではなく、コンテンツに関するプロ
グラミングを指導内容に盛り込むことによって、
プログラミングに関する内容を倍増させること
• 高等学校情報科に共通必履修科目を新設し、全
ての高校生がプログラミングを問題解決に活用
することを学べるようにすることが検討されて
いる
子供たちが学ぶ意味
• プロのプログラマーになるため
• 計算機科学を学ぶため
• 就職に有利
子供たちが学ぶ意味
• プロのプログラマーになるため
• 計算機科学を学ぶため
• 就職に有利
• ゲームが好きだから
• 面白そうだから
• アイデアを実現するために必要だから
子供たちが学ぶ意味
• プロのプログラマーになるため
• 計算機科学を学ぶため
• 就職に有利
• ゲームが好きだから
• 面白そうだから
• アイデアを実現するために必要だから
• ものづくりを通して学べるから
子供たちとプログラミング
• 生まれた時からデジタル機器に囲まれて
いる
• デジタルネイティブ
• デジタル機器を使いこなす
子供たちとプログラミング
• 生まれた時からデジタル機器に囲まれて
いる
• デジタルネイティブ
• デジタル機器を使いこなす
子供たちとプログラミング
• 生まれた時からデジタル機器に囲まれて
いる
• デジタルネイティブ
• デジタル機器を使いこなす
• しかし
• 消費するだけで生み出していない
• 使っていても、仕組みはわからない
子供たちとプログラミング
• 生まれた時からデジタル機器に囲まれて
いる
• デジタルネイティブ
• デジタル機器を使いこなす
• しかし
• 消費するだけで生み出していない
• 使っていても、仕組みはわからない
• そこで
• プログラミングとものづくり教育
ものづくりを通して学ぶ
•y = ax + b
• 楽しい?
• なんに使うの?
• 自分に関係ある?
ものづくりを通して学ぶ
•y = ax + b
• 楽しい?
• なんに使うの?
• 自分に関係ある?
•ゲームのコントローラーが、0~100
の値を返す。これで自機を動かした
い。ただし、画面のx座標は-240から
240まで
• これならどう?
子供たちは彼らに
とって個人的に意
味のあるものを組
み立てている時の
み、それを知的に
行っているという
ことである。
ミッチェル・レズニック
MITメディアラボ教授 Scratch開発者
子供たちの興味・関心
•ゲーム
•アニメーション
•音楽
•インタラクティブなアート
など
Scratch
Scratch (スクラッチ)って?
• 米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ
のミッチェル・レズニックさんたちが開発
• ものづくりを楽しみながら学べる
• ビジュアルプログラミング言語
• マウス操作で命令のブロックを組み立てる
• エラーが起こらない
• いろいろなパソコンで動く
• Windows, Mac OS X, Linux
• 作品をネットに共有して、みんなで見られる
これは遊びではないのか
•遊びと勉強とは違う
•学校で行う活動にはそぐわない
これは遊びではないのか
•遊びと勉強とは違う
•学校で行う活動にはそぐわない
のだろうか?
三鷹市立中原小学校
中原はちのすけクラブ
27
仙台市立
荒町小学校
29
「試行錯誤するようになった」
「自ら進んで取り組むようになった」
29
教員の声
小学生には難しすぎる
•あの学校だからできる
•うちではむり
課題
•専門家や支援員を各地の学校に配置
できるのか
• 単にプログラミングの専門家ではだめ
•事例が少ない
• 各地で実践した指導案の共有
具体的取り組み
•文部科学省
• 平成27年3月「プログラミング教育実践ガ
イド」
• http://jouhouka.mext.go.jp/school/programming_zirei/
• 平成27年度情報教育指導力向上支援事業
• 平成27年9月から12月まで15校の実証校
及び協力団体でプログラミング教育を
実証、指導案を作成
• http://www.mri.co.jp/news/press/public_offering/result/018806.html
小学生には難しすぎる
•あの学校だからできる
•うちではむり
課題
•マインドセットを転換できるか
•教員主体から児童主体へ
•自分がよくわからないものは教えられ
ない
• 児童の方がすぐに教員より詳しくなる
•一方的に教える立場から、児童を発想
や理解を助けるファシリテーターに
•トラブルを恐れるのではなく、それも
学びと積極的にとらえる
•一斉授業をやめられるか
•子供たちに常時使わせられるか
プログラミングは
•技術の習得や就職のためだけでは
ない
•表現の新しい形式
•学びの新しい形
ミッチェル・レズニック
• プログラミングが、知識や技能を習得す
るのに役立つかどうかわからない
• プログラミングが、思考力、判断力、表
現力、課題解決力などの能力向上に役立
つかどうかわからない
• プログラミングが、児童が主体的に学習
に取り組む態度を養うことにつながるか
どうかわからない
これらの疑問が解消されれば
自然に小学校に入る
• プログラミングが、知識や技能を習得す
るのに役立つかどうかわからない
• プログラミングが、思考力、判断力、表
現力、課題解決力などの能力向上に役立
つかどうかわからない
• プログラミングが、児童が主体的に学習
に取り組む態度を養うことにつながるか
どうかわからない
•多くの教員は、情報科学やプログラ
ミング、構築主義の考えに詳しくな
いため、その有効性を見いだせない
•具体的に、各教科の各単元とプログ
ラミングをどう結び付けてよいか分
からない
教員と専門家の共同作業を通し
て、これらに応えていく
•多くの教員は、情報科学やプログラ
ミング、構築主義の考えに詳しくな
いため、その有効性を見いだせない
•具体的に、各教科の各単元とプログ
ラミングをどう結び付けてよいか分
からない
タブレットとプログラミング
PCとタブレットで何が違うのか
• ハードウェア的な違い
• マウス、タッチパッド ↔ タッチパネル
• ハードキーボード ↔ ソフトキーボード
• 外部インタフェースが多い ↔ 少ない
• 環境的な違い
• 場所を動かしにくい ↔ 動かしやすい
• 他の画面が見にくい ↔ 見やすい
PCとタブレットで何が違うのか
• ハードウェア的な違い
• 直接操作感がある (タッチパネル)
• 文字入力しにくい (ソフトキーボード)
• センサーやロボットをつなぎにくい (外部イ
ンタフェースが少ない)
• 環境的な違い
• PC教室以外のいろいろな場所で作業できる
(動かしやすい)
• 協働作業しやすい (他の画面が見やすい)
プログラミングとタブレット
• テキストプログラミング
• 文字でプログラムを書く
• ソフトキーボードでは入力しにくい
• Touch Developなど、工夫したものもある
• ビジュアルプログラミング
• 文字ではなく、画像をポインティングデバ
イスで操作して、プログラムを書く
• タッチパネルと相性が良い
• PCの仮想端末としてつかう
• VNCやリモートデスクトップなど
ビジュアルプログラミング環境
• 手続き的ブロックプログラミング
• 命令を表すブロック(アイコン)をつないで、プログ
ラムを書く
• Flash
• Scratch 2.0、プログラミンなど
• HTML5
• Blockly、Hour of Code、Snap!など
• ネイティブ
• Scratch 1.4、Pyonkee、ScratchJr、Tickle、Tynkerなど
• 宣言的ビジュアルプログラミング
• 状態の因果関係を宣言的に画像で表す
• Viscuitなど
タブレット対応について
• Flashは基本的には動かない
• iOS、Androidとも
• 特殊なブラウザ(Puffinなど)を使う手もあるが、使いに
くい
• HTML5は基本的には動く
• UIが使いにくかったり、パフォーマンスが出ない
ことも
• ネイティブは個別に対応しているかどうか
• たとえば、現時点でScratchは対応していないが、
Scratch 1.4をiPadに移植したPyonkeeがある
• ScratchJrは、iPadやAndroidタブレットなどに対応
• VNC、リモートデスクトップはいろいろ選べる
午前中にやること
• タブレットによるプログラミングを体験する
• iPad上のScratchJr
•ポイント
• PCとの違いを体感する
• 特に協働作業
• 午後の授業でどのように使うかを考える
• 小学校の各教科に導入予定のプログラミング教育
• 授業計画
ScratchJr
• MITメディアラボ、タフツ大学、PICO社の共同
開発
• Scratchの簡易版
• ブロックの数が少ない
• 基本的に文字を使わない
• アイコンのみ
• 物語づくりに特化
• iPad、Androidタブレット、Kindle Fire、
Chromebookで動作
スクラッチで簡単プログラミング体験
私たちはなぜここにいるのか
• なんで?
私たちはなぜここにいるのか
• なんで?
• 子供が好き
• 子供に教えたい!
• それが世の中のためになる
「教える」ことについて
• そもそも教えることは可能なのか
「学ぶ」ことについて
• 学ぶためにはなにが必要か
なにを助けるべきか
なにを助けるべきか
• ゲームにスコアをつけたいけれど、どうしたら
よいかわからない
• ミサイルを連射したい
なにを助けるべきではないか
なにを助けるべきではないか
• もうちょいで自分で気づけそう
• 自分なりのこだわりでやっている
予定調和のプレッシャー
予定調和のプレッシャー
• 最後に発表会をやらなければ
• そのためには手伝ってでも作品を完成させない
と
「なにかやんなきゃ、すぐや
ろう、いまやろう」について
「なにかやんなきゃ、すぐや
ろう、いまやろう」について
• それは本当に行う必要のあることか
• だれのために、なんのために行うのか
「子供ってすごい」について
• 子供はすごい
• ワークショップをいちどやればわかる
• その一方で、子供はすごくない
• それを知るためには、よく観察する必要がある
私たちはなにをすべきか
• まず、自分が楽しいと思うことをやる
私たちはなにをすべきか
• まず、自分が楽しいと思うことをやる
• 私たちが、頑張れば頑張るほど、もしかしたら、
子供たちの学びの機会をうばっているのかもし
れない
私たちはなにをすべきか
• まず、自分が楽しいと思うことをやる
• 私たちが、頑張れば頑張るほど、もしかしたら、
子供たちの学びの機会をうばっているのかもし
れない
• 事前に完璧な準備をするのではなく、子供たち
と同じ環境、同じ道具で自分も十分に遊んでみ
る
私たちはなぜここにいるのか
私たちはなぜここにいるのか
• 子供たちの学びを助けるため
• Projects: 新しいアイデアを考え、試作品を作り、改
善を繰り返す、本人にとって意味を見出せるプロジェ
クトに関わる過程で人は学びます。
• Peers: アイデアを他者と共有し、プロジェクトを遂
行するために協同し、第三者の仕事を発展させたりす
る、社会的な活動の中で学びは生まれます。
• Passion: 自分のこだわりがあるプロジェクトに関わ
ることで、長時間でも熱心に作業をする情熱が生まれ、
挑戦し続けることができます。その過程で多くを学び
とることができます。
• Play: 学びには、子供たちが遊びの中でするように、
新しいことに挑戦し、素材を弄り回し、限界がどこま
でかを試し、時には危険を恐れずに、繰り返し挑戦す
るといった活動がつきものです。
4つのP
行動の指針
• LUMT
• 我らに薄く、彼らに厚く
• Less Us, More Them
• TMI
• ×
• 多すぎる情報( Too much information)
• 多すぎる指示(Too much instruction)
• 多すぎる割り込み(Too many interruptions)
• 多すぎる介入(Too much intervention)
• ○
• 考える、作る、改良する(Think-Make-Improve)
(コンピューターの様々な特長を挙げた上で)
それ以上に重要なのは、これは楽
しいものであり、したがって、本
質的にやるだけの価値があるもの
だということだ。
アラン・ケイ
84
午後やること
• 京陽小学校へ移動
• 1年2組の児童のみなさんに授業
• 約35人
• 全員にScratchJrがインストールされたiPadを貸出
• 5時間目 13:50-14:35 (45分間)
• 10グループ
• 1人当たり、児童3人もしくは4人を担当
• プロジェクター、大型ディスプレイなし
• 画用紙、マーカー、ポストイットなどはあり
授業計画づくり
• グループでディスカッション
• 授業の目的
• 内容
• 時間配分
• ふりかえり
• 資料を参考に
• そのまま使ってもよい
• 変えてもよい
• 部分的に使ってもよい
• 完全に作り直してもよい
• 個人作業と協働作業のバランス

楽しむプログラミングのためのファシリテーションの学びと実践(公開版)