リアルタイム被災情報収集 2016年8月6日 災害コミュニケーションワークショップ 一般社団法人 情報処理学会 / インターネットと運用技術研究会 幹事　松本直人

1. 2016年8月6日
災害コミュニケーションワークショップ
一般社団法人 情報処理学会 / インターネットと運用技術研究会
幹事 松本直人
リアルタイム被災情報収集

2. 災害復旧に必要な情報の入手方法とその変遷

3. 情報収集の限界：情報通信空白地帯
さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所調べ (2012年)
出典: 「被災市町村等による臨時災害放送局の免許状況 / 総務省」
出典: 「平成23年版 情報通信白書/ 総務省」

4. 現在に至るまでの思考と試行の5年
災害復旧時に現地へ向かう技術者へ情報支援(起点)
より多くの情報を含む画像情報の収集技術の研究
雇用形態を準委任契約へ
危険を伴う研究調査を自由裁量自己責任で取り組める
災害時にも使える普段使いの画像収集の採算性を検証
災害現場へ
他人の不幸で利益を得ずとも続けられる活動の模索

5. 普段使いの画像収集と災害時の比較
風景を楽しむ(用途) 例:全国100名道
被災状況を確認(用途) 例: 電波塔の確認
同じ全天周撮影技術の転用

6. 全天球撮影が開く新たな情報収集
全天球カメラを搭載した
車両からの動画像

7. 取り組んだ結果溜まったデータは...
全天球カメラを搭載した
車両からの動画像
全天周カメラ+三軸ジンバル付きヘルメットから撮影
(走行距離は2万kmぐらい)
↓
4GB SDカードx35枚 = 140GB
(一度にインターネットへ転送できない容量)

8. 全天球・全天周で撮影するには？

9. それでも課題はあって...
BadKnowHowはいろいろある
撮影できない空間
簡単に5MPぐらいのウェブカメラで
試してみると
16MP 360 x 220D Lens A 16MP 360 x 220D Lens B 5MP 360 x 185D Lens C

10. 研究開発の風景
機器部材は中国から直輸入

11. 自主的に被災情報収集を行う理由
"ITの限界をよく知っているから"
事例を見ながら確認していきましょう

12. 自治体ホームページのAS分布(数値)

13. 自治体ホームページのAS分布グラフ
出典：さくらインターネット研究所 2015年1月作成
分析手法: traceroute -T -A hostnameを使い全国自治体ホームページのホスト名から算出
AS4713 NTT Communications Corporation / (21%)
AS2914 NTT America, Inc.
AS9371, 7684, 9370 SAKURA Internet Inc. (6%)
AS2516 KDDI CORPORATION (5%)
AS4725 SOFTBANK TELECOM Corp. / (4%)
AS17676 Softbank BB Corp.
地域毎の通信事業者・組織により細分化され運営されているケースも多い。
その地域の通信事業者設備が壊滅的な被害を受けると情報流通が停滞する。
1,718市町村+47都道府県のホームページ

14. 10月6日水害：自治体の情報発信力
青 (地域から情報発信あり)
黄 (区単位ではなく市単位で情報発信あり)
赤 (自治体・地域のいずれからも情報発信なし)。
地域から
情報発信あり
自治体・地域
いずれからも
情報発信なし
区単位では
なく市単位で
情報発信あり
さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット研究所調べ(2014年10月)
出典：ITx災害 自治体Twitter調査リスト(2014年10月)
自治体Twitterアカウントからの情報発信 (発災直後)

15. 10月6日水害：情報発信と危険地域
青 (地域から情報発信あり)
黄 (区単位ではなく市単位で情報発信あり)
赤 (自治体・地域のいずれからも情報発信なし)。
地域から
情報発信あり
自治体・地域
いずれからも
情報発信なし
区単位では
なく市単位で
情報発信あり
自治体・地域
いずれからも
情報発信なし
土砂災害
危険地域
浸水想定
区域
さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット研究所調べ(2014年10月)
出典：国土交通省 国土数値情報 「土砂災害危険箇所データ」「浸水想定区域データ」「河川データ」
出典：ITx災害 自治体Twitter調査リスト(2014年10月)

16. 10月6日水害：実際に起こった事象
さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット研究所調べ(2014年10月)
出典：国土交通省 関東地方整備局 京浜河川事務所 (2014年10月)
神奈川県横浜市港北区 鶴見川多目的遊水地・越流堤防
鶴見川多目的遊水地・越流堤防への増水と流入

17. 2014年10月6日水害(台風19号)
横浜市総務局危機管理室危機管理課
エリアメール送信
(市民推計：3,711,540人)
↓
ホームページがつながりにくい状態

18. 2014年10月6日水害(台風19号)
横浜市会決算第二特別委員会
（平成26年10月14日）
総務局関係 答弁(抜粋):
100メガの回線が2本つないでおりまして、
その一本につきまして2,000アクセスまで、
できる状態で設計をしております。

19. 2015年09月09日水害(土砂災害)
川崎市総務局危機管理室
エリアメール送信
↓
ホームページがつながりにくい状態
繰り返される災害対応の問題点

20. 2016年XX月XX日水害(土砂災害)
XXXXXXXXXXXX
エリアメール送信
↓
ホームページがつながりにくい状態
(今年はまだ無い)
繰り返される災害対応の問題点

21. 自治体・民間企業の防災協定の現状
災害時における民間企業の自治体支援プログラムは
存在するが、すべての地域が防災協定を結んでいる
わけでない

22. 災害時被災地からの情報がほしい
↓
動画像は文字に比べ情報量が多い
↓
普段でも使える情報収集を考える
↓
さらなるチャレンジへ

23. 災害対応を他人任せにせず
自主対策を心がける
↓
普段から使える情報収集と
共有できる仕組みを考えよう！

24. ご清聴誠にありがとうございました