ITを活用した被災情報の収集と課題 2014年12月26日 第4回災害コミュニケーションシンポジウム さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット研究所 上級研究員　松本直人

1. 2014年12月26日
第4回災害コミュニケーションシンポジウム
さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット研究所
上級研究員 松本直人

2. 災害復旧に必要な情報を入手方法
道路交通情報
降雪・降雨情報
停電情報
鉄道情報
ガソリンスタンド位置
災害危険地域情報
避難場所
ライフライン等…etc
災害復旧の
作業担当者
災害時はすべてが
わかるワケではない

3. 情報収集の限界：情報通信空白地帯
さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所調べ (2012年)
出典: 「被災市町村等による臨時災害放送局の免許状況 / 総務省」
出典: 「平成23年版 情報通信白書/ 総務省」

4. 災害に対する情報共有の限界
首相官邸 緊急災害対策本部 平成23年3月11日(18:00)現在
平成23年(2011年) 東北地方太平洋沖地震について
概況を示す文字情報のみで、具体的なものがない

5. 災害時の情報収集の難しさ
松島ライブカメラ 宮城県宮城郡松島町
※画像補正済み
国土交通省 東北地区整備局
仙台河川国道事務所 リアルタイム情報提供
夜間ではライブカメラ映像の視認性に限界

6. 視覚情報による災害把握
「岩手、盛岡、雫石」を含むリアルタイム画像検索のまとめ公開 4173 view
さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所調べ (2013年)
位置情報が無いため、あくまで概況把握レベル

7. より多くの災害情報を共有するには
©2011-2013Naoto MATSUMOTO, 09/2011.
GPS:38.915751
141.580784

8. 視覚情報共有の技術的な進化
2014年には全天周・全天球カメラが市販されている
2011年から2013年の技術

9. ソーシャルメディアによる情報発信
Google検索 「site:theta360.com/s/」
約 67,800 件 （0.13 秒）

10. 災害復旧の作業担当者は
どのような情報でも必要としているが...
現実の取得できる情報とは？

11. ITによる水害地域からの脱出支援
さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所調べ (2013年)
2013年8月24日
山口県・島根県・鳥取県水害地域からの脱出

12. 長野県白馬村地震・発災直後の状況
さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所調べ (2014年11月)

13. 自治体における情報発信はどうだったか？

14. 10月6日水害：自治体の情報発信力
青 (地域から情報発信あり)
黄 (区単位ではなく市単位で情報発信あり)
赤 (自治体・地域のいずれからも情報発信なし)。
地域から
情報発信あり
自治体・地域
いずれからも
情報発信なし
区単位では
なく市単位で
情報発信あり
さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット研究所調べ(2014年10月)
出典：ITx災害 自治体Twitter調査リスト(2014年10月)
自治体Twitterアカウントからの情報発信 (発災直後)

15. 10月6日水害：情報発信と危険地域
青 (地域から情報発信あり)
黄 (区単位ではなく市単位で情報発信あり)
赤 (自治体・地域のいずれからも情報発信なし)。
地域から
情報発信あり
自治体・地域
いずれからも
情報発信なし
区単位では
なく市単位で
情報発信あり
自治体・地域
いずれからも
情報発信なし
土砂災害
危険地域
浸水想定
区域
さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット研究所調べ(2014年10月)
出典：国土交通省 国土数値情報 「土砂災害危険箇所データ」「浸水想定区域データ」「河川データ」
出典：ITx災害 自治体Twitter調査リスト(2014年10月)

16. 10月6日水害：実際に起こった事象
さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット研究所調べ(2014年10月)
出典：国土交通省 関東地方整備局 京浜河川事務所 (2014年10月)
神奈川県横浜市港北区 鶴見川多目的遊水地・越流堤防
鶴見川多目的遊水地・越流堤防への増水と流入

17. 10月6日水害：はん濫危険水位超過
さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット研究所調べ(2014年10月)
出典：神奈川県 雨量水位情報(2014年10月)

18. 2014年10月6日水害(台風19号)
横浜市総務局危機管理室危機管理課
エリアメール送信
(市民推計：3,711,540人)
↓
ホームページがつながりにくい状態

19. 2014年10月6日水害(台風19号)
横浜市会決算第二特別委員会
（平成26年10月14日）
総務局関係 答弁(抜粋):
100メガの回線が2本つないでおりまして、
その一本につきまして2,000アクセスまで、
できる状態で設計をしております。

20. 自治体・民間企業の防災協定の現状
災害時における民間企業の自治体支援プログラムは
存在するが、すべての地域が防災協定を結んでいる
わけでない

21. ITを活用した被災情報の収集と課題
・自治体における防災情報の発信強化への期待
・自治体・民間企業における防災協定の促進
・自主防災コミュニティのさらなる醸成促進
↓
災害対応を他人任せにしない行動原則

22. ご清聴誠にありがとうございました