エクストリームエンジニア３の資料になります。

1. エクストリーム・エンジニアへの道
（Ruby編）第３回
デザインパターン
テクノロジックアート
⻑⾧長瀬 嘉秀

2. • デザインパターン
内容

3. デザインパターンの⽬目的
• 洗練された設計を習得・再利用する
• ソフトウェアに安定した構造を導入する
• コードにたいする共通の理解を得やすくする
• コミュニケーションのための語彙とする
ソフトウェアの
再利用性、柔軟性、拡張性、保守性
を向上させる

4. デザインパターンの作成
• ソフトウェアの再利用性や柔軟性を高めたい
! 問題ごとに解法の指針をカタログ化
「パターン名、問題、解法、結果」
! 何度も同じような設計・実装をしてきた
! 経験から獲得した解法の工夫を抽出・洗練する

5. デザインパターンの意義
• 適用範囲が明確に定義されている
→ 「課題の解法」を習得・再利用できる
• 洗練され、高い再利用性・保守性を持っている
→ 構造が安定し、再利用性を確保できる
• コミュニケーションのための語彙になる
→ 設計に対し、共通の認識を得ることができる
→ 開発時の前提知識の底上げができる
• モデルの知識は変化しにくい
→ 設計は実装言語に依存せずに再利用できる

6. GoFのデザインパターン
• 「オブジェクト指向における再利
用のためのデザインパターン 」
• ガンマ、ブリシデス、ヘルム、ジョ
ンソン
(著)
• 本位田真一、吉田和樹（監訳）、
ソフトバンクパブリッシング

7. デザインパターンの分類
• デザインパターンは設計上のパターン
– GoFのデザインパターン（２３パターン）
GoF（Gang of Four）と呼ばれる四人がカタログ化
： Erich Gamma, Richard Helm, Ralph Johnson, John Vlissides
– J2EEパターン（１５パターン）
Sun Java Centerで、J2EEに有用なものをカタログ化
– 分散・並行化設計パターン
Pattern Languages of Programsワークショップ選出のものなど
デザインパターン
GoFの
デザインパターン
J2EEパターン
分散・並行化
設計パターン

8. ⽣生成に関するパターン
• オブジェクトの生成プロセスに関する(全５パターン)
オブジェクトがどのように生成、結合、表現されているのか、という
ことからシステムを独立にする方法を提供する
No. パターン名
目的
1 Abstract Factory オブジェクト群を明確にせず生成するためのインターフェ
ースを提供する
2 Builder 複合的に組み合わせたオブジェクトを生成する
3 Factory Method インスタンス化をサブクラスに任せる
4 Prototype コピーして新しいオブジェクトを生成する
5 Singleton インスタンスが１つしか存在しないことを保証する

9. 構造に関するパターン
• クラス、オブジェクトの構造に関する(全7パターン)
クラスやオブジェクトを柔軟に合成する方法を提供する
No.
パターン名
目的
1
Adapter
インターフェースに互換性のないクラス同士を組み合わせる
2
Bridge
機能と実装を別々の階層で拡張する
3
Composite
オブジェクトを木構造に組み立てる
4
Decorator
動的にオブジェクトに責任を追加できるようにする
5
Façade
複数のインターフェースに高レベルの統一インターフェースを与える
6
Flyweight
インスタンスを共有しコストを節約する
7
Proxy
オブジェクトへのアクセスを制御するために処理を代理人に任せる

10. 振る舞いに関するパターン(1/2)
• クラス、オブジェクトの通信に関する(全11パターン)
アルゴリズムとオブジェクト間での適切な責任分担の方法を提供する
No.
パターン名
目的
1
Chain of
Responsibility
要求に応じる役割をチェーン状につなぐ
2
Command
命令をカプセル化して再利用する
3
Interpreter
文法規則を表現する
4
Iterator
構造に順にアクセスする方法を提供する
5
Mediator
オブジェクト同士の結合度を低める

11. 振る舞いに関するパターン(2/2)
No.
パターン名
目的
6
Memento
インスタンスの状態を戻せるようにする
7
Observer
状態の変化が自動的に通知され、更新される
8
State
状態にあわせて動作を変える
9
Strategy
アルゴリズムをカプセル化して交換可能にする
10
Template Method
特定の処理をサブクラスで行う
11
Visitor
構造と処理を分離する

12. ストラテジーパターン
結果
• 複数のアルゴリズムを統一的に扱うことができる
• アルゴリズムを動的に交換できる
• アルゴリズムを利用するクライアントから独立に変更できる
特徴
! 複数の異なるアルゴリズムを一つの集合として扱う
! 集合内に各アルゴリズムをカプセル化する
! サブクラス化ではなく、委譲によってアルゴリズム
や振る舞いの多様性を引き出す

13. ストラテジーパターン（構造）

14. • Strategy
– アルゴリズムの集合を定義
– アルゴリズムに共通のインタフェースを宣言
• ConcreteStrategy
– 個々のアルゴリズムの実装
• Context
– ConcreteStrategyオブジェクトを持つ
– Strategyのインタフェースを介して処理を行う
ストラテジーパターン（構成要素）

15. : Client
1 : ContextInterface()
4 : ContextInterface()
7 : ContextInterface()
: Context
2 : SwitchAlgorithm
5 : SwitchAlgorithm
8 : SwitchAlgorithm
3 : AlgorithmInterface()
6 : AlgorithmInterface()
9 : AlgorithmInterface()
: ConcreteStrategyA : ConcreteStrategyB : ConcreteStrategyC
ストラテジーパターン（振る舞い）

16. 社⻑⾧長命令令・起⽴立立！

17. コード（役職）
class
Yakushoku
def
ask
puts
"
"
end
end
class
Tanto
<
Yakushoku
def
ask
puts
"まずは様子を見ましょう"
end
end
class
Shunin
<
Yakushoku
def
ask
puts
"積極的に攻めていきましょう"
end
end

18. コード（社員）
class
Shain
def
iniBalize
@yakushoku
=
Yakushoku.new
end
def
ask
@yakushoku.ask
end
def
set_yakushoku_tanto
@yakushoku
=
Tanto.new
end
def
set_yakushoku_shunin
@yakushoku
=
Shunin.new
end
end

19. コード（社⻑⾧長）
shain
=
Shain.new
shain.set_yakushoku_tanto
shain.ask
shain.set_yakushoku_shunin
shain.ask
shacho.rb

20. コード 実⾏行行
%
ruby
shacho.rb
まずは様子を見ましょう
積極的に攻めていきましょう

21. • 部長クラスを追加してください。
• 出張交通費精算をする（）メソッドを作成し
てください。簡単にするため、東京大阪間の
新幹線です。
– 担当：自由席（13,620円）＋手当（２０００円）
– 主任：指定席（14,450円）＋手当（３０００円）
– 部長：グリーン席（18,690円）＋手当（５０００円）
演習

22. コンポジットパターン（動機）
テキスト
xxxxxxxx
xxxxxxxx

23. コンポジットパターン（概要）
結果
• クライアントは、個々のオブジェクトを同じように扱うことができる
• 複雑なオブジェクトを比較的簡単に構成しやすくなる
特徴
! 部分-­‐全体階層を表現するために、オブジェクトを木構造に組み
立てる
! 個々のオブジェクトとオブジェクトを合成したものを一様に扱う

24. コンポジットパターン（構造）

25. コンポジットパターン（構成要素）
• Component
– 全てのクラスに共通のインタフェースを宣言する
– 子にあたるComponentを管理するためのインターフェース
を宣言する
• Leaf
– 末端のオブジェクトを表す
• Composite
– 子オブジェクトの入れ物にあたるオブジェクトを表す
– 子オブジェクトに関する操作を実装する
• Client
– Componentクラスのインタフェースを介してオブジェクトを
操作する

26. コンポジットパターン（振る舞い）
: Client
1 : Add(A : Leaf)
2 : Add(A : Leaf)
3 : Add(B : Composite)
4 : Operation()
A : Leaf
5 : Operation()
7 : Operation()
B : Composite
6 : Operation()
C : Composite

27. 会社組織

28. コード 組織単位
class Unit
attr_accessor :name, :contacts
def initialize(name, contacts)
@name, @contacts = name, contacts
end
def work
puts `働きます！`
end
end
unit.rb

29. コード 社員
require_relative 'unit'
class Shain < Unit
def work
puts name + " : 社員は働いています"
end
end
shain.rb

30. コード 部⾨門
require_relative 'unit'
class Bumon < Unit
attr_accessor :units
def initialize(name, contacts)
super
@units = []
end
def add(unit)
units << unit
end
bumon.rb

31. コード 部⾨門（続き）
def work
puts name + " : チームワークを発揮します。"
end
def work_all
@units.each {|unit| unit.work}
end
def get_child
return units[0]
end
end
差し当たって、１つ返しておく！！

32. インスタンス例例
株式会社○○ （東京都×××）
本社 （東京都×××）
営業部 （東京都×××１階）
佐藤 太郎 （埼玉県○△△）
斎藤 次郎 （神奈川県△××）
人事部 （東京都×××２階）
山田 三郎 （東京都×○△）
大阪支社 （大阪府△△△）
営業部 （大阪府△△△
）
鈴木 四郎 （大阪府○×△）

33. 会社組織 実⾏行行
require_relative 'shain'
require_relative 'bumon'
shain = Shain.new("佐藤 太郎","埼玉県○△△")
shain2 = Shain.new("斎藤 次郎","神奈川県△××")
bumon = Bumon.new("営業部","東京都×××１階")
bumon.add(shain)
bumon.add(shain2)
shain.work()
bumon.work()
bumon.get_child().work()
bumon.work_all()
shacho.rb

34. get_child()はひとつしか返していません。
複数返せるようにコードを改良してください。
演習１

35. インスタンス例と同じデータを入れて、表示し
てください
演習２

36. 演習２ 表⽰示
ruby
shacho2.rb
株式会社○○
:
チームワークを発揮します。
本社 :
チームワークを発揮します。
営業部 :
チームワークを発揮します。
佐藤 太郎 :
社員は働いています
斎藤 次郎 :
社員は働いています
人事部 :
チームワークを発揮します。
山田 三郎 :
社員は働いています
大阪支社 :
チームワークを発揮します。
営業部 :
チームワークを発揮します。
鈴木 四郎 :
社員は働いています

37. 演習２ shocho2.rb
require_relative 'shain'
require_relative 'bumon'
company = Bumon.new("株式会社○○","東京都×××")
honsha = Bumon.new("本社","東京都×××")
eigyoubu = Bumon.new("営業部","東京都×××１階")
shain = Shain.new("佐藤 太郎","埼玉県○△△")
shain2 = Shain.new("斎藤 次郎","神奈川県△××")
jinjibu = Bumon.new("人事部","東京都×××２階")
shain3 = Shain.new("山田 三郎","東京都×○△")
shisha = Bumon.new("大阪支社","大阪府△△△")
eigyoubu2 = Bumon.new("営業部","大阪府△△△")
shain4 = Shain.new("鈴木 四郎","大阪府○×△")

38. 演習２ shocho2.rb
続き
company.add(honsha)
honsha.add(eigyoubu)
eigyoubu.add(shain)
eigyoubu.add(shain2)
honsha.add(jinjibu)
jinjibu.add(shain3)
company.add(shisha)
shisha.add(eigyoubu2)
eigyoubu2.add(shain4)
company.work()