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「治験・臨床試験」について考える	
	
	
15/02/26	
 Division of Medical Oncology, Nippon Medical School Musashikosugi Hospital
トラスツズマブ(ハーセプチン®)の効果
数十万人/年の乳がん患者の命を救う!!
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スレイモン医師ら. New Engle J Med 344: 783, 2001
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なぜ臨床試験・臨床研究が必要か?
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¢  最善・最良の治療 =標準治療
¢  最新治療 ≠ 最善・最良の治療
l 最新治療とは実験的・研究的治療のこと	
研究的治療
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•  医学の進歩には必要であるが、倫理的、
科学的に妥当であることが大切 (ヘル
シンキ宣言、世界医師会2007年)
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•  患者に不必要な治療を承認
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n  ベネフィット
n  最新の治療が受けられる
n  専門治療機関での治療が受けられる
n  リスク
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Division of Medical Oncology, Nippon Medical School Musashikosugi Hospital
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Division of Medical Oncology, Nippon Medical School Musashikosugi Hospital
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わ
	
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データの信頼度(高い順)	
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臨床研究論文数、日本は25位	
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15/02/26	
 Division of Medical Oncology, Nippon Medical School Musashikosugi Hospital
• 製薬会社と医師との癒着(多額な研究費の見返り)
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ディオバン事件の問題点	
Division of Medical Oncology, Nippon Medical School Musashikosugi Hospital	
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安全と利益
倫理性 科学性
科学的に妥当な
プロトコール
臨床試験
臨床研究と倫理 ~国際的ガイドライン~	
•  ニュールンベルグ綱領 1947
•  ニュールンベルグ裁判:ナチスの人体実験への反省	
•  ヒトを対象とする研究は自発的な同意が不可欠	
•  ヘルシンキ宣言 1964
•  世界医師会により採択された倫理指針	
•  CIOMSガイドライン	
 	
 	
1993
•  Council of International Organization of Medical Sciences
 (国際医科学評議会)	
 	
 	
ISBN 92 9036 056 9
•  ICHガイドライン 1991
•  Quality-品質、Safety-安全性、Efficacy-有効性:臨床試験	
•  E6:ICH-GCP:医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
ヘルシンキ宣言	
1.  患者・被験者利益の尊重	
2.  本人の自発的・自由意思による参加	
3.  インフォームド・コンセント取得	
4.  倫理審査委員会の存在	
5.  科学的に妥当な医学研究であること	
1964 世界医師会により採択された倫理指針
ディオバン臨床試験はヘルシンキ宣言に従って
いるか?	
1.  患者・被験者利益の尊重 NO 製薬企業の利益?医師の利益?	
2.  本人の自発的・自由意思による参加 YES	
3.  インフォームド・コンセント取得 YES	
4.  倫理審査委員会の存在 YESだがなぜチェックできなかったか?	
5.  科学的に妥当な医学研究であること NO	
「臨床評価」vol.26 : 409-417,1999.
GCP (Good Clinical Practice:医薬品の臨床試験の実施に
関する基準)とは?	
1996年 ICH(国際ハーモナイゼーション会議)-GCPの最終合
意:日・米・欧合同での臨床試験の基準の制定
1997年 薬事法に基づくGCP省令施行:日本では、医薬品の
製造承認に関わる「治験」にのみ適用とした
2003年 GCP省令改正:医師主導治験について:医師も治験
を行えるようになった
2012年 GCP省令改正:GCPガイダンス発出
臨床研究	
なぜ日本で臨床試験不正事件が起きたのか?	
15/02/26	
 Division of Medical Oncology, Nippon Medical School Musashikosugi Hospital	
臨床試験	
治験
医師主導
企業主導	
薬事法・GCPで規制:
未承認薬を対象	
臨床試験倫理指針で
規制:
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日本の臨床研究・臨床試験はGCP準拠でなく、法律で規
制されていない!
治験	
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政府への届出	
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 必須でない	
インフォームドコンセント	
 文書	
 文書	
審査	
 治験審査委員会	
 倫理審査委員会	
補償	
 必須	
 必要	
監査・モニタリング・査察	
 必須	
 記載なし	
重篤有害事象報告	
 施設長
PMDA
厚生労働省医薬局
施設長
厚生労働省医政局	
治験 vs. 医師主導臨床試験	
15/02/26	
 Division of Medical Oncology, Nippon Medical School Musashikosugi Hospital	
罰則規定なし
•  監査:
Ø  データの信頼性を確保するため、第三者が臨床試験が適切に行な
われたかどうか事後に調査すること
Ø  カルテの直接閲覧、データベースなどの調査
Ø  品質保証
•  モニタリング:
Ø  臨床試験が適切に行なわれているかどうか、臨床試験中に行なわ
れる調査
Ø  データセンターによる中央モニタリング、施設モニタリング
Ø  品質管理
監査・モニタリングとは?	
15/02/26	
 Division of Medical Oncology, Nippon Medical School Musashikosugi Hospital
1.  承認された薬剤
2.  多数の競合品の存在
3.  医師への、不釣合いな多額な見返り:奨学寄付金
4.  製薬企業の営業部門からのスポンサーシップ
5.  試験デザインがPoor (RCTでない、盲検でない、プラセボがない)
6.  データ管理がずさん
Seeding Trial(販売促進試験)の見抜き方	
FDA; N. Engl. J. Med. 331 (20): 1350–53.
1.  承認された薬剤:YES
2.  多数の競合品の存在:YES(ARB)
3.  多額な奨学寄付金:YES
4.  製薬企業の営業部門からのスポンサーシップ:YES
5.  試験デザインがPoor :YES(PROBE法)
6.  データ管理がずさん:YES(GCPでない、データセンターがない、製
薬企業社員による解析)
ディオバン臨床試験は販促試験か?	
FDA; N. Engl. J. Med. 331 (20): 1350–53.
日本では治験以外の臨床試験は法律で規
制がなされていない	
日本の臨床試験の問題点	
いい加減な臨床試験・未承認薬・未承認治
療法も規制なく患者に投与できる!!
保険の効かない高額な詐欺的治療に気を付けましょう!
日本ではこのような研究(臨床試験)・治療とも言えない
レベルの治療が規制されていないのです!!
このようなものを野放しにしておいてよいのでしょうか?
これらの治療法は、倫理的・科学的に許さ
れることでしょうか?
氾濫するがん情報!!
臨床試験に入るのにはお金がかかりますか?
n  治験の場合は、無償提供が原則
n  市販薬を使う臨床試験の場合は、保険適応範囲内
n  保険が効かず高額になる例外は、一部の「先進医療
」や米国などから個人輸入をする場合のみ
  
「がん患者を食い物にするインチキ治療」を
見分けるコツ
1.  ○○免疫クリニック、最新○○免疫療法
2.  ○○%の患者に効果
3.  体験談が載せられている
4.  保険が効かない高額医療
5.  奇跡の○○治療、末期がんからの生還
→2つ以上当てはまるとインチキは確実!!
我が国で臨床試験をすすめていくために
患者としてできることは?
n  「ニセ最新治療・臨床試験もどき」に騙され
ないようにしましょう
n  すべての臨床試験が適切に行なわれるような
法整備が必要(治験以外もGCP規準へ、未
承認薬の届け出制度)
臨床試験を法規制へするようパブコメしましょう
厚生労働省
PMDA	
患者参加の臨床試験へ	
産	
官	
学	
民	
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