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「境界のない外」
をどう考えられるか?
──現象学の観点から──
田口 茂
北海道大学大学院文学研究院・教授
人間知×脳×AI研究教育センター センター長
• 北海道⼤学⼤学院⽂学研究院 教授
• 北海道⼤学 ⼈間知×脳×AI研究教育センター センター⻑
• 哲学、とりわけE・フッサールの現象学を研究
• ドイツ・ヴッパータール⼤学でPh.D.取得
• Das Problem des ʻUr-Ichʼ bei Edmund Husserl (Springer 2006)
• 『フッサールにおける〈原⾃我〉の問題──⾃⼰の⾃明な〈近さ〉への問い』
(法政⼤学出版局 2010)
• 『現象学という思考──〈⾃明なもの〉の知へ』(筑摩書房 2014)
• 『〈現実〉とは何か──数学・哲学から始まる世界像の転換』(⻄郷甲⽮⼈⽒と
共著、筑摩書房 2019)
• 近年は神経科学者、AI・ロボット研究者、数学者、認知科学者などとの共同研究
を⾏っている。主なテーマは「意識」「⾃⼰」「間主観性」「現実性」など。
• 基盤研究(A)「意識変容の現象学──哲学・数学・神経科学・ロボティクスに
よる学際的アプローチ」(2020-2022年度)
主導的
問い
主体性
脳はいかにして何らかの「主体性」を実現しているのか︖
⼈⼯知能はいかにして何らかの「主体性」をもちうるの
か︖
こうした問いに答えるためには、「主体性」と呼ばれるも
のと、物理的なマシンである脳や⼈⼯知能との間の関係が
どのようになっているのか、どのようでありうるのか、と
いう問いに答える必要がある。
以下では、こうした問いに答えるための助⾛程度の準備で
も⾏うことができればと思っている。
1.
意識のハード
プロブレム
意識のハードプロブレム?
• 脳と主体性との関係を考えるために、ま
ず「意識のハードプロブレム」を取り上
げてみたい。
• David Chalmersは、⼆つの意識の問題
を区別している(Chalmers 1996)。
• (1)意識のイージープロブレム
• (2)意識のハードプロブレム
意識のイージー
プロブレム
• 意識のイージープロブレムとは、⼼理学・
神経科学・認知科学などで、スタンダード
な科学的⼿法を使って研究されている意識
の問題である。(脳イメージング、オプト
ジェネティクス…)
• たとえば、環境内の刺激に対して、脳がど
のように反応するのかを神経⽣理学的に調
べる。
• あるいは、脳がどのような状態にあるとき
に⽣物が覚醒し、どのようなときに眠りに
落ちるのかを調べる。
• ここに原理的な困難はない。
意識のハード
プロブレム
• これに対して、
• 意識の「主観的側⾯」
• 「どのように感じるかWhat-it-is-
likeness」
• 「現象的意識」
• 「クオリア」
• 「意識経験」……
• などと呼ばれるものは、ハードプロブレム
に属する。
What it is like to
smell curry
• たとえば、カレーの⾹りに、脳がどのよ
うに反応しているかを調べるとか、脳を
どのように刺激するとカレーの⾹りを感
じるかを調べるのは、イージープロブレ
ムである。
• 他⽅、「カレーの⾹りを嗅ぐとはどのよ
うなことか What it is like to smell
curry」「カレーの⾹りの主観的経験・
現象的意識・クオリア」といったものは、
スタンダードな科学的⼿法によってどの
ように研究したらよいのかわからない。
• なぜだろうか︖
カレーの香りのハードプロブレム
• カレーの⾹りは「嗅げばわかる」。単純な所与。
• それと脳状態との「相関」は、調べることが可
能。
• しかし、そのような脳の状態が、いったいどう
やって「カレーの⾹り」という主観的現象を⽣
み出しているのか(あるいはいないのか)は、
不明である。
• 脳の働きという物理的現象と、「カレーの⾹
り」という主観的な「感じ」とが、現象として
あまりに違いすぎて、それらをつなぐ接点が⾒
えない。
なぜハードなのか︖
• なぜ意識のハードプロブレムはハードなのか︖
• それは、意識と物理現象との間をつなぐ「境界線」が⾒えないから
ではないか︖
• たとえば網膜と脳は、どのようにつながっているのかがわかる。そ
の接点=境界線も⾒える。だから問題なく研究できる。
• しかし、意識と脳の物理現象との間には、「接点」が⾒えない。
主観的世界の境界線︖
• 主観的に、⼀⼈称的に世界を⾒るとき、そこに
「内」と「外」の境界線は⾒えるだろうか︖
• 私が⾒ている⼀切は、私にとって⾒られた主観的
な現実の姿である。それは、どこまでいっても主
観的な世界である。
• しかし私は、それが⼀切であるとは思っていない。
主観的な世界には「外」があると思っている。し
かし、⾃分にとっての主観的な世界と、その
「外」との間の境界線は⾒えるだろうか︖
意識の境界線は
⾒えるか︖
• たとえば、⾃分の視野の限界は⾒える
だろうか︖
• もし境界線が⾒えたら、境界線の外側
も⾒えていることになるから、それは
本当の意味で私の主観的世界の外では
ない。(依然として内である。)
• ⾃分の主観的世界の境界線は、原理的
に「⾒えない」のである。(⾃分の限
界は⾃分では⾒えない。)
主観的世界の三⼈称的観察
• さて、他⽅で、⾃分⾃⾝の「主
観的世界」と呼びうるようなも
のを、三⼈称的に、客観的に考
えることもできそうに思える。
• その場合、われわれの視点は、
もはや当の主観的世界の「内
側」にあるのではなく、それを
「外から」眺める(観察する)
ような視点となっている。
脳と意識の関係
• 「意識のハードプロブレム」が浮上
してくるのは、このような視点に
とってである。
• ⼀⽅に脳の物理的なシステムがあり、
他⽅に「意識」とか「主体性」と呼
ばれるものがある。
• われわれは、この⼆つの異なったも
のを、双⽅共に外から眺めているか
のような視点に⽴っている。そして、
それらはどのような関係にあるか、
と問う。
境界線が⾒えない
• しかし、それらはあまりにも異なっ
ているので、双⽅の間に、共通する
「境⽬」を⾒てとることができない。
• 双⽅を「つなぐ」境界線が⾒えない
のである。
• だから、この⼆つを「繋げて」考え
ることができない。
• こうして、「意識のハードプロブレ
ム」と呼ばれるものがわれわれの前
に⽴ちはだかってくる。
?
ハードプロブレム=境界のなさ
• このように、意識のハードプロ
ブレムとは、意識と脳の間の
「境界のなさ」を表現している
ともとれる。
• 双⽅をつなげ、⾒渡せる境界が
ないから、意識と脳の関係をど
う考えて良いのかわからないの
だ。
?
⼈⼯知能と主体性
• 同じ問題が、⼈⼯知能に関しても当
てはまる。
• ⼈⼯知能によって主体性を実現しよ
うとしても、物理的なシステムと主
体性との間の関係がよくわからない
から、何をどのように作ったら主体
性が実現したことになるのか、よく
わからない。
• 「ここまでが物理的なシステムで、
そこからこのような仕⽅で主体性に
つながっている」という、つなぎ
⽬・境界が⾒えないのである。
?
どのようにしたらこの袋⼩路
から抜け出せるのだろうか︖
2.
「境界のない外」と
の関わり
観察から行為へ
「境界のなさ」を再考する
•
•
⾃分の意識の境界
は⾒えない
• すでに考察したように、われわれが⼀
⼈称的観点から⾃分の意識や主体性を
⾒るとき、どこにも⾃分の意識の境界
を⾒ることはできない。
• 内から⾒れば、⼀切が⾃分の主観的世
界なのである。
同時に、それがすべ
てではない。
• しかし他⽅で、すでに述べたよう
に、われわれはそれが「すべて」
であるとも思っていない。
• ⾃分の主観的世界は限定されてお
り、それには「外」があると思っ
ている。
境界のない外
• ここでは、「⾒えない外」との関
係が問題になっている。
• この「⾒えない外」と関わってい
る実感をわれわれはもつが、この
「外」との境界を⾒ることは原理
上できない。それはいわば、「境
界のない外」である。
• このような「境界のない外」との
関係が、エージェントの内的な⽣
を特徴づけている。
?
?
境界線を引くことができない
• このような「境界のない外」と
の関係をどのように考えられる
だろうか。
• ここでは、われわれが何かを客
観的に考えるときに⼀番得意と
するような、「境界線を引く」
という操作が使えない。
• 境界線を引いて、「こちらは内、
こちらは外」とし、それらの間
の関係を考える、という⼿順が
使えない。
?
「観察」ではなく「⾏為」
• これは何を意味しているのか︖
• これは、「境界のない外」との関係
が、「観察」(observation)とい
う関係ではないということを意味し
ているのではないか。
• 「境界のない外」との関係は、「観
察」ではなく、むしろ「⾏為」
(action)的関係ではないのか。
observation
action
「外」への⾏為的関わり
• 私は、私の主観的世界の外を「観察」す
ることはできない。(できたらそれは主
観的世界の「内」である。)
• しかし、そのような「外」へと⾏為的に
関わることはできる。⾏為することに
よって、われわれは⾃分の既知の世界か
ら出て、新しいものに出会うことができ
る。
• このような仕⽅で、「⾒えない外」との
関わりが実現される。
action
?
External
world
Subjective world
observation
観察できない関係
• ここで「観察できない」ということ
は厳密に受けとる必要がある。
• われわれは、とりわけ学問的・客観
的に考えようとするときには、境界
線を引いて関係を理解することに慣
れ親しんでいる。
• しかし、いま問題にしているのは、
そのような仕⽅では捉えられない関
係である。
action
?
External
world
Subjective world
observation
3.
二つの媒介
行為的媒介と観察的媒介
「媒介」という概念
• 「観察できない外」への⾏為的関わ
りを、「媒介」(mediation)とい
う概念で捉えてみたい。
• これは、近代⽇本の京都学派の哲学
者・⽥辺元(1885-1962)からの影
響による。
「媒介」の概念
• 簡単に⾔うと2点。 (Taguchi 2019)
• 1)AなしにBはありえない
•
• 2)切ることによってつなぐ
媒介とは?(1)
•
•
•
•
•
A
B
媒介の例
• 例︓「脳内の神経活動が、ある特定の⾝
体運動を媒介している」
• →「脳内の神経活動がなければ、その⾝
体運動もない」
• ただし、これは「AがBを⽣み出す」とい
うことではない。神経活動だけでは、⾝
体運動は⽣み出せない。
• たとえば筋⾁がなければ⾝体は動かない。
媒介とは?(2)
• 2)次に、⽥辺元の定義によれば、媒介とは
• 「切ることによってつなぐ」ということである。
•
• AとBをMが媒介する
• → MはAとBの間に挟まって
• それらを分断するものでもある。
• そもそも、切れていなければ「つなぐ」ということは意味をもたない。
• 最初から全部つながっていたら、それ以上つなぎようがない。例︓⾻と関節
A ー M ー B
切ることによってつなぐ
• これは、⼀⾒パラドクシカルに⾒える
が、実はとてもあたりまえのこと。
• 何かと何かが「切れている」、つまり
AとBとの間に差異が⾒られるとき、
その差異は、AとBとの特有の仕⽅で
の「つながり」をも意味している。
A ー■ー B
difference
connection
切ることによってつなぐ
• 例︓島が⼤陸から切れている
• =「孤⽴」という関係を⾒ること
• =これもまたある種の「つながり」を⾒てと
ること。
• また、島と⼤陸が橋でつながっているとき、
つながりをつながりとしてみることは、島と
⼤陸が「切れている」ことを前提。
• 現実のなかに⾒られる様々な関係は、このよ
うに「切ることによってつなぐ」媒介へと読
み替えていくことができる。
大陸
離島
分断
・
孤立
架橋(つながり)
「外」への⾏為的関係
• ここで、「境界のない外」との「⾏
為的な関係」へと話を戻す。
• この関係は、まさしくいま述べた
「媒介」として解釈できる。
• 境界線を引いて理解することができ
ないので、この⾏為的関係はイメー
ジしにくい。
• しかし、それはまさに、「切れてい
てつながっている」。
action
?
External
world
Subjective world
observation
境界のなさ=切る
こと
• 私が現実をある⼀つの主観的広がり、
たとえば視覚的情景として経験する
とき、そのなかにはどこにも境界線
は⾒えない。
• それにもかかわらず、それは現実の
⼀切から、ある限定されたものを切
り取っている。
• 「境界のなさ」は、ここでは「切る
こと」に対応している。
経験=切り取ること
• エージェントとしてのわれわれは、⼀切
を⼀度に経験することはできないから、
必然的に現実の⼀部を「切り取る」こと
になる。
• この「切り取ること」それ⾃体が⾏為で
あり、その⾏為は(少なくとも完全に
は)予期しえない結果を引き起こす。
• つまり、「切ること」が現実との新たな
「つながり」を⽣み出すのである。
• ここでは、「切ること」と「つなぐこ
と」はつねに⼀つである。これはまさに
「媒介」の定義に合致する。
action
?
New contact
with the
external world
Cutting off
①⾏為的媒介と②観察的媒介
• 以上から、「境界のない外」との関
係を、①「⾏為的媒介」として規定
したい。
acting mediation
?
observing
mediation
• 他⽅、「観察」=境界線を引いて、
その両側の関係を考える。これもま
たある種の「媒介」。
• これを②「観察的媒介」または「境
界による媒介」と呼んでおきたい。
4.
オートポイエーシス
オートポイエーシス論への適⽤
• いま述べた⼆つの媒介を考えると、オートポイエーシス論
がかなりわかりやすくなる。
• オートポイエーシス論の古典であるマトゥラーナとヴァレ
ラの “Autopoiesis: The Organization of the Living”
(1973) を⾒ると、⾄るところで、
• ①システムそのものの組織化(organizaiton)と、
• ②観察にとって現われてくるもの
• とを峻別している。
• 後者に囚われ、前者を⾒ないのがわれわれの気づかれざる
制限。
観察は境界とその外をも⾒る
• 「観察」は、境界とその外とを、同時に
⾒ている。
• 「観察者はオートポイエティック・シス
テムをあるコンテクストのなかにある統
⼀体として注視する。観察者はこのコン
テクストをも観察しており、これをシス
テムの環境として記述する」(99)。
• 境界線を引いて、その内と外とを同時に
⾒るのは、観察の働きである。
• 境界線は、観察者にとってしか⾒えない。
observation
system
environment
観察を離れる
• これに対し、⽣物をオートポイエティックなシス
テムとして考えるということは、「観察」の⽴場
を離れるということ。
• なぜなら、⽣きたシステム、オートポイエティッ
クなシステムにとっては、⾃分の境界は⾒えない
からである。
• オートポイエティックなシステムは、⾃らの境界
を創り出すことによって、はじめてシステムとし
て存在しうる。
• だから、システムに関して境界が語られうるとし
ても、それはシステム⾃⾝の作動の限界であり、
その内と外とを同時に⾒渡すことは、システム⾃
⾝にとってはありえないのである。
インプットもアウトプットもない
• オートポイエティックなシステムは「イン
プットもアウトプットももたない」
(81)といわれる。
• これも、トリッキーなことを⾔っているよ
うに⾒えるが、「観察される境界がない」
ということを⾔っているにすぎない。
• インプットとアウトプットというのは、境
界を観察し、その両側を⾒渡すことによっ
てのみ特定されうるからである。
observation
system
environment
Input
Output
観察がすべてでは
ない
• オートポイエーシスが謎めいて⾒え
るのは、観察されるものがすべてで
ある(観察されるものの他には何も
ない)とわれわれが信じているから
である。
• いいかえれば、観察というドメイン
から離れようとしないからである。
• 観察がすべてではないという単純な
事実に気づくとき、オートポイエー
シスはむしろ現実の素直な語りであ
るように思えてくる。
観察も⼀つのシステム=⾏為的媒介
• すでに述べたように、われわれが問題に
しうる現実は、つねに(1)⾏為的媒介
と(2)観察的媒介からなると考えると、
観察システムは後者しか扱っていない。
• しかし、観察そのものすら⼀種のシステ
ムであり、その作動は⼀種のはたらきそ
のもの、すなわち「⾏為的媒介」によっ
て成り⽴っているのである。
observation
system
enviro
nment
切る=つなぐ
• オートポイエーシスを⾏為的媒介として
解釈してみよう。われわれは媒介を「切
ることによってつなぐ」と定義した。
• オートポイエティック・システムは、⾃
らを何らかの仕⽅で環境から「切る」こ
とによってそれ⾃⾝を形づくる。
• しかし、これは同時に、環境との独特の
接続の仕⽅を規定することでもある。な
ぜなら、システムは環境のなかでしか持
続できないからである。
• リカーシヴな作動によって、システムが
環境から⾃らを切り続けることによって、
システムは環境へと⾃らをつなぎ続ける。
Cutting
?
Connecting
Environment
連続的切断=連続的⾏為
• システムは、たとえ環境の中でスタ
ティックに存在しているように⾒えても、
「⾃ら境界をつくる」ことによって環境
から⾃⼰を連続的に切り離している。
• そのような仕⽅で、環境に対して連続的
に⾏為している。
• 環境との同化に対して絶えず抵抗するこ
とによってしか、システムは⾃⼰を維持
しえない。
• 「境界をつくる」ということ⾃体が、環
境の中で、環境に対して、連続的にアク
ションを⾏っているということである。
Cutting
?
Connecting
Environment
オートポイエーシス=⾏為的媒介
• このように⾒れば、オートポイエ
ティック・システムは、まさしく
「切ることによってつなぐ」という
働きを実践しているのであり、われ
われの定義によれば、それは「⾏為
的媒介」にほかならないのである。
Cutting
?
Connecting
Environment
5.
システムとその「外」
システムと環境のカップリング
• システムとその「外」との関係を考
えてみたい。
• マトゥラーナとヴァレラは、システ
ムと環境は「構造的カップリング」
の関係にあるという。
• 両者は⼀つのシステムを成すわけで
はなく、「相互的攪乱」(reciprocal
perturbations)の関係にある。
Maturana & Varela: The Tree of Knowledge
(1987), p.74.
作動的閉域とその「外」
• 彼らは、システムと環境との間に直
接的な関係(たとえば表象関係)を
⾒出すのも誤りだし、システムの外
には何もないと考えること(環境の
否定、独我論)も誤りだと⾔う
(1987, 133-134)。
• 「作動」においてシステムは閉じて
いる(operational closure)。
• にもかかわらず、システムは「外」
と関わっている。
Maturana & Varela: The Tree of Knowledge
(1987), p.74.
「⾒えない外」との関わり
• 私はこれを、「⾒えない外」「境界
のない外」との関係として考えたい。
• 「作動的閉域」というと、システム
を境界で区切って考えたくなる。だ
がこれは、観察者の視点である。
• システム⾃⾝から⾒れば、境界は⾒
えない。境界の彼⽅も⾒えない。だ
が、システムはこの「⾒えない外」
と関わっており、それによってシス
テムとして成⽴している。
「境界のない外」との関わり
• マトゥラーナ︓有機体と環境が交わらな
いで相互作⽤するといっている(2013,
52)。
• N.ルーマンもこの関係をうまく表現して
いる。
• システムは外側においてではなく、内側
で、それ⾃⾝の内でのみ作動する
(2013, 64)。
• 「しかしこの内側における作動──すな
わち環境と対⽴するシステムの内での作
動──は、事実として外側、すなわち環
境が存在することを前提する」(ibid.)。
Maturana & Varela: The Tree of Knowledge
(1987), p.74.
閉じているから外界を認識できる
• さらにルーマンは⾯⽩いことを⾔う。
• 「認識が可能なのは、システムと環
境との間に作動的関係がないからで
ある。システムが作動的に閉じてい
るという事実[…]があるからこそ、
認識が可能なのである。」(2013,
64)
• 「認知が扱うのは、未知にとどまる
外界である」(2002, 129)
• 「閉鎖系しか認識はできない」
(2002, 132)
Operational closure
?
Environment
開いていたら認識は無意味
• これはパラドクシカルに聞こえるが、
逆を考えてみればよい。
• もしシステムと環境の間に何の区別
もなかったら、認識も何もなくなっ
てしまう。
• 「⾒えない」外があり、それとの関
わりにおいて、「内」において何ら
かの変化が起こることが、「知る」
ということではないか。
Operational closure
?
Environment
6.
モデルと予測の意味
モデルや予測の意味
• いま述べたことは「モデル」や「予
測」にも当てはまる。
• システムが閉じているからこそ、モ
デルや予測が可能であり、意味を持
つ。
• 内と外の区別がなければ、それらは
意味をもたない。
Operational closure
External world
Model or
Prediction
モデルや予測と観察
• ただし、ここでシステムの「内」と
「外」を⽐べて、それらの間の対応関係
や相関を⾒ようとするなら、それは「観
察」の⽴場からなされていることに注意。
• 観察は、認知・認識・経験・意識を根本
から説明するものではない。
• 観察にとっては、「内」と「外」の両⽅
とも⾒えている。
• これと違って、認識されるべきものがわ
からないから、認識は意味と価値をもつ。
(わかっていたら情報量はゼロ。)
External world
Model or
Prediction
observation
何かわからないもののモデル
• 作動的閉鎖を重く⾒るなら、システ
ムが⽣み出すモデルとは、つねに
「何かわからないもののモデル」で
ある。
• システムにとって、⾃らの外は⾒え
ない。だから、モデルが「正しい」
かどうかは決してわからない。
• それは、「永遠に未知のXについての
モデル」である。
Operational closure
?
Eternally unknown
X
Model of what?
予測と予測誤差
• それでは、モデルの適切さは何に
よってわかるのか︖
• データとの照合によって。
• すなわち、
• モデルによって可能となる予測に対
する予測誤差によって。
system
?unknown
X
prediction
prediction
error
予測とは何か
• 予測とは何か︖ある種の⾏為的媒介。
• 「⾒えない外」へと⾏為的に⾃らを投げかけ
る。それによって「結果」が出る(=予測誤
差)。
• その答えは、システムの予測に応じて個性的
であり、すでにシステムの⼀部である。した
がって、それはある意味でシステムの「内」
であるが、まさしく「外」へと⾏為的に踏み
出したがゆえの結果である。
• ⾒えない外とつながることで、システムは現
実の「⼿応え」を得て、更なる⾏為へと動機
づけられる。
• ⾒えない外への踏み越えと内的なフィード
バックとの循環、サイクル。これがシステム
を形づくる。
system
? unknown
X
prediction
prediction
error
こう考えると、「予測」そのものが
「⾒えない外」への⾏為的関わりから
切り離しては理解できない。エナク
ティヴィズム的にいえば、「予測」そ
のものがもう「エナクション」の⼀部
なのである。
Enaction!
統計学の意味
• モデルや予測というと、統計学が問
題になる。
• 実は、統計学そのものが「⾏為的媒
介」を実現していると考えられる。
• なぜなら、統計学のなかには、本質
的に「知りえないもの」が⼊ってい
るからである。
• 現実がすでにわかっていたら、統計
は要らない。わからないからこそ、
知りえたかぎりのデータを⽤いた統
計が必要になる。
model
?unknown
X
prediction
data
知りえない「真なる分布」
• 統計学において、「真なる分布」を
知ることは決してできない。それに
もかかわらず、何らかの「真なる分
布」を想定することなしには、統計
学そのものが始まらない。
• このように「真なる分布」は、決し
て与えられないにもかかわらず、そ
れなしには統計学がありえないよう
な必須の契機として機能している。
• (詳しくは⽥⼝・⼤塚・⻄郷 2020を
参照。)
Statistical
model ?
‘true’
distribution
inference
data
「わからないもの」を取り込む。
• このように、「決してわからないも
の」をわからないままに⾃らの内に
取り込んでいることこそ、現実を認
識する⼿段として統計学が有効であ
る理由ではないか。
• 知りえないものへと⾃らを投げかけ、
そこで得た答えを内的なシステムへ
と組み込む。それによってまた、新
たな投げかけが可能になる、という
サイクル。=⾏為的媒介
• ⇒これは「観察」とは異なる︕
Statistical
model ?
‘true’
distribution
inference
data
7.
暫定的な結論
まとめ︓⾏為的媒介(境界のない媒介)
• 意識のハードプロブレムは、意識と物理的プロセスの間に「境
界がない」ことによるのではないか。
• 意識・主体性⾃⾝には⾃分の境界が⾒えない。
• それにもかかわらず、⾒えない、知りえない「外」がある。
• 「⾒えない外」との境界を介さない関係を考える必要がある。
• これは「観察」ではなく「⾏為」的関わりである。
• これを「⾏為的媒介」と呼びたい。
まとめ︓媒介とは
• 観察できない関係をどう考えるか。「媒介」概念が役に⽴つ。
• 媒介とは、1)「AがなければBもない」、2)「切ることに
よってつなぐ」、として定義できる(see ⽥辺)。
• 「⾒えない外」との境界のない関係とは、「切れていてつな
がっている」関係だから⼀種の媒介(意識はすべてではないか
ら切れている。それでも⾒えない外があることを意識)。
• ただし、観察ではなく⾏為的媒介。
• 境界は観察にとってしか⾒えない。⾏為は境界なき媒介。
オートポイエーシス=⾏為的媒介
• オートポイエティック・システムは、
⾃⼰をシステムとして外界から切り
ながら、その⾏為によって外界と
カップリングしている。
• したがってオートポイエーシスは⾏
為的媒介として解釈できる。
• それがわかりにくいのは、徹底して
観察のドメインに載らないからであ
る。
• これを観察できない=境界のない媒
介と考えるとわかりやすい。
Cutting
?
Connecting
Environment
「⾒えない外」との関わり
• システムは「⾒えない外」を前提。
• 「閉じている」からこそ「認識」が
成⽴する。
• 「モデル」や「予測」が成り⽴つの
も、システムが閉じているからこそ
である。
• それらは、「知りえないもの」と関
わることによってのみ意味をもつ。
• → 単なる「観察」から離れる必要
がある。
Operational closure
?
Environment
以上から⾔えること①
• 主体性・⾃律性をもって機能するシ
ステムを創ろうとするなら、「観
察」のドメインを離れる必要がある。
• 観察して、外部と内部の「対応」を
いくら実現しても、主体性をもった
システムにはならない。
• 主体性をもったシステムには、「作
動的閉鎖」と「知りえない外部との
関わり」が重要。
External world
Model or
Prediction
observation
以上から⾔えること②
• 内と外を本当の意味で「切断」して
いるのは「境界」ではない。「境界
なき切断」こそが問題。
• システムの内と外との関係を、境界
を使わずに概念化することが必要。
• 「⾏為的媒介」はその⼀つの試み。
• (さらに圏論の「スライス圏」など
も参考になるかもしれない。⽥⼝・
⻄郷(2020)。)
• (さらに「時間論」、メルロ=ポンティの
『⾒えるものと⾒えないもの』など……)
• システムの中に、スタティック
に出来上がった世界の「写し
絵」を作るという発想は、⾃律
的システムを作る際の障害にな
りうる。
• システムの外はあくまで「わか
らないもの」。
• ⾃律的なシステムは、わからな
いものをわからないまま内に取
り込む。(indeterminacy,
Froese & Taguchi (2019))
References
• Chalmers, D. (1996). The Conscious Mind, New York: Oxford UP.
• Froese, T.; Taguchi, S. (2019). The Problem of Meaning in AI and Robotics: Still with Us after All These Years.
Philosophies 4(2): 1-14.
• Luhmann, N. (2002). Theories of Distinction. Stanford: Stanford UP.
• Luhmann, N. (2013). Introduction to Systems Theory. Cambridge: Polity.
• Maturana, H.R. (2013). Fundamental Relativity. Berlin/München: Deutscher Kunstverlag.
• Maturana, H.R.; Varela, F.J. (1973). Autopoiesis: The Organization of the Living, in: Maturana, H.R.; Varela, F.J.
(1980). Autopoiesis and Cognition. Dordrecht: Reidel.
• Maturana, H.R.; Varela, F.J. (1987). The Tree of Knowledge. Boston: Shambhala.
• Pennartz, C.M.A. (2018). Consciousness, Representation, Action: The Importance of Being Goal-Directed,
Trends in Cognitive Sciences 22 (2): 137-153.
• Taguchi, S. (2019). Mediation-based phenomenology: Neither subjective nor objective. Metodo 7(2): 17–44.
• ⽥⼝・⼤塚・⻄郷 (2020). 現象学的明証論と統計学──経験の基本的構造を求めて. 『哲学論叢』47: 20-34.
• ⽥⼝・⻄郷 (2020). 圏論による現象学の深化──射の⼀元論・モナドロジー・⾃⼰. 『現代思想』48(9):
202-214.
補⾜︓時間
• 「未来も同じ」と考えるとき、スタ
ティックな外界の表象が⽣まれてくる
が、実際には未来の到着した現在は⼀
瞬ごとに新しい。
• そこに未知の現実との遭遇、「⾒えな
い現実」との接合がある。
• 同時に、現在は「⾒えない現実」を
「まだ現われていない」が「いまにも
現われてくるもの」として待ち構える
こと。
• 「現在」には、「⾒えない現実」との
接合と切断が同時に含まれている。
• =媒介そのもの。
• ここでは論じられなかったが、
さらに本当は「時間」も重要。
• 「時間」は「⾒えないものへ跳
ぶこと」そのもの。
• 「時間」を⼿がかりに、⾒えな
いものへの接合を概念化するこ
とは可能かもしれない。
• 本当は何ものもスタティックで
はありえない。
補⾜︓現実⼀般の規定
• 現実とは、つねに「関係のない」「切断さ
れた」ものたちが「結合する」という出来
事であり、その際切断と結合は⼆者択⼀・
排他的な「状態」ではなく、同時的な出来
事、ないし「⾏為」(action)である。
• 現実とは、「切れたものがつながる」こと
であり、この出来事は「切れたもの」なし
には成り⽴たないし、「つながること」な
しにも成り⽴たない。
• 切れたものをあらかじめ関係のうちに取り
込むことはできない。各現実は、関係の外
にある「⾒えないもの」へと跳躍すること
によって、新たな関係を作る。そこには必
然的に偶然が⼊り込む。
• 時間を介するなら、⾏為的媒介
の議論を現実⼀般の解釈へと展
開することもできる。
• 簡単な定式化︓
• 現実⼀般は、「⾒えないものへ
跳ぶ」という出来事(あるいは
⾏為action)から成り⽴ってお
り、そのなかには切断と結合が
同時に含まれている。
• 「観察」その部分系にすぎない。
発表後の反省
•
•
•
•
•
Fundamental
Circularity
Observation
Action

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