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透析患者の適正体重管理
- 2. 1. 今後の透析医療について
2. 透析患者の死因について
3. 基礎体重の設定
4. 身体組成の測定
5. 多周波数生体電気インピーダンス(BIA法)の原理
6. MLT研究会(モニタリング研究会)の過去5年間の活動およ
びデータ
7. 当院におけるBIA法の運用
• ワークフロー
• 基礎体重変更例
• 在宅透析への応用
- 5. ダイアライザーの償還価格推移
2006年 2660円 ⇒ 2016年 1530円 1130円 減少2017/7/16 6
9,600
8,600
8,100
8,100
7,600
7,100
6,200
5,250
1996年, 4,750
4,650
4,180
3,530
3,190
2,800
2006年, 2,660
2,020
1,940
1,820 1,750
2016年, 1,530
0
2000
4000
6000
8000
10000
12000
ダイアライザー
1981年 9300円(1.5㎡)
- 6. 229,538
237,710
248,166
257,765
264,473
6.17
6.5
6.6
6.75
6.95
5.6
5.8
6
6.2
6.4
6.6
6.8
7
7.2
200,000
210,000
220,000
230,000
240,000
250,000
260,000
270,000
280,000
290,000
300,000
2002 2003 2004 2005 2006
全透析患者数 透析室スタッフ1名当たり患者数
出典:我が国の慢性透析療法の現状(日本透析医学会)透析患者数と透析室スタッフ数
図4.透析室スタッフ数に対する患者数推移
透析室スタッフ1名当たりの患者数は増加している
2017/7/16 7
- 11. 1. 今後の透析医療について
2. 透析患者の死因について
3. 基礎体重の設定
4. 身体組成の測定
5. 多周波数生体電気インピーダンス(BIA法)の原理
6. MLT研究会(モニタリング研究会)の過去5年間の活動およ
びデータ
7. 当院におけるBIA法の運用
• ワークフロー
• 基礎体重変更例
• 在宅透析への応用
- 12. 悪性新生物,
28.5
悪性新生物, 9.1
心疾患, 15.6
心疾患, 34.2
肺炎, 10
肺炎, 20.3
脳血管疾患, 9.9
脳血管疾患, 7.6
その他, 30.4
その他, 23.2
国民(357305) 透析患者(28768)
悪性新生物 心疾患 肺炎 脳血管疾患
自殺 腎不全 肝疾患 その他
死亡に占める疾患分布が異なる!
国民衛生の動向(平成23年)、我が国の透析療法の現況(平成23年末)
%
2017/7/16 13
- 16. 心拍出量を既定する因子
前負荷 後負荷
• 収縮力
• 脈拍数
Vascular failure CS1
Cardiac failure CS2
クリニカルシナリオ
体液貯留になるパターンで
す。肺うっ血よりも全身浮
腫が優位であり,慢性心不
全の状態を呈します
2017/7/16 17
交感神経の興奮により急速
な血管収縮(静脈収縮による
前負荷〔静脈還流量;心臓に
戻ってくる血液の量〕の増大
動脈収縮による後負荷〔末
梢血管抵抗;全身への血液の
出やすさ〕の増大)を起こす
と,血液のセントラルシ
フト(心肺に血液が集まる
こと)により肺うっ血をきた
します。
- 22. 8 12 16 20 24 4 8
180
160
140
120
100
80
60
mmHg
収縮期血圧
拡張期血圧
血液透析(n=13) 腹膜透析(n=18)
降圧薬投与下での透析患者ではNon-dipper(夜間に血圧が下降
しない)が多く収縮期血圧が透析後より上昇する
血液透析
2017/7/16 23
- 24. 1. 今後の透析医療について
2. 透析患者の死因について
3. 基礎体重の設定
4. 身体組成の測定
5. 多周波数生体電気インピーダンス(BIA法)の原理
6. MLT研究会(モニタリング研究会)の過去5年間の活動およ
びデータ
7. 当院におけるBIA法の運用
• ワークフロー
• 基礎体重変更例
• 在宅透析への応用
- 28. とある透析室….20年前くらいの話
• 透析患者A 56歳 男性
• 最近 マラソンを始めまし
た。
2017/7/16 29
• 月水金 金曜日の透析日 透析開始時…
マラソンはじめたから
だよね~
体力消耗してるから今
日は除水少なめにする
ね!(体重残します)
日曜日 夕方 胸部症状あり、クリニックお休み 近くの大学病院へ緊急
搬送!
なんだか調子わるい…
ゴホ、ゴホ
ベテラン透析室スタッフA
無理しちゃだめよ~
だめだめ
- 29. とある透析室….20年前くらいの噺
• 透析患者A 56歳 男性 2日後 退院!
2017/7/16 30
• 月曜日の朝 カンファレンス
やっぱりね! 週末に
無理な透析させなくっ
てよかったわ~”
そうね そうね 無理
はいけないよね~~”
• 診療情報提供書によると・・・
~~溢水傾向顕著のため4kg除水後 症状改善のため退院
~~ 今後は水分管理を徹底してください。
ベテラン透析室スタッフA
それを読んだベテラン透析室スタッフB
やっぱりね! 週末に体重落とすべきだと思ったのよね~
- 31. 1. 今後の透析医療について
2. 透析患者の死因について
3. 基礎体重の設定
4. 身体組成の測定
5. 多周波数生体電気インピーダンス(BIA法)の原理
6. MLT研究会(モニタリング研究会)の過去5年間の活動およ
びデータ
7. 当院におけるBIA法の運用
• ワークフロー
• 基礎体重変更例
• 在宅透析への応用
- 39. 1. 今後の透析医療について
2. 透析患者の死因について
3. 基礎体重の設定
4. 身体組成の測定
5. 多周波数生体電気インピーダンス(BIA法)の原理
6. MLT研究会(モニタリング研究会)の過去5年間の活動およ
びデータ
7. 当院におけるBIA法の運用
• ワークフロー
• 基礎体重変更例
• 在宅透析への応用
- 44. 2017/7/16 45
-60
-50
-40
-30
-20
-10
0
0 100 200 300 400 500 600 700 800
reactavce(ohms)
resistance(ohms)Cole-Cole グラフ 個人用
透析中連続測定を行うと
リアクタンスが上昇する。
体内の水分量が減少し電気抵抗が上昇する
リアクタンス(reactance)とは、交流回路において、コイル
やコンデンサなどに発生する擬似的な電気抵抗のことである
電気抵抗(でんきていこう、レジス
タンス(resistance))は、電流の
流れにくさのことである
- 45. • 透析患者は高齢化
• 透析期間の長期化
• MIA症候群に代表される炎症性の反応
• 透析導入後の変化・・・
2017/7/16 46
日々の業務で体重設定は非常に重要な仕事である!
さまざまな要因で
身体組成は長期・短
期的に変化
今後さらに透析患者の高齢化、重症化が予想される為、
安全な治療の確保をするうえで適正な体重設定の迅速な
対応は急務であると考えられる。
透析患者の体重設定について
身体組成分析装置MLT-50を用いて透析患者の体重を管理
- 51. 0
10
20
30
40
50
60
70
80
TBW/FFM[%] ICW/FFM[%] ECW/FFM[%] ECW/TBW[%] 体脂肪率 FAT%[%]
年齢別身体組成分析値の平均(全体)
0-49y 50-59y 60-69y 70-79y 80y以上
TBW/FFM
[%]
ICW/FFM
[%]
ECW/FFM
[%]
ECW/TBW
[%]
体脂肪率 FAT%[%] n数
0-49y 66.7±3.8 46.9±5.6 19.8±5.3 30.3±8.0 28.9±9.9 137
50-59y 66.4±3.5 45.0±4.6 21.4±4.9 32.5±7.0 30.6±10.3 219
60-69y 66.6±3.5 43.5±4.5 23.2±5.0 34.7±6.9 27.2±9.4 453
70-79y 66.2±3.5 41.6±4.5 24.6±5.1 37.1±7.0 27.3±9.0 493
80y以上 66.2±3.6 39.9±4.5 26.3±4.8 39.7±6.7 25.7±8.9 211
総計 66.7±3.5 43.0±5.0 23.7±5.3 35.5±7.5 27.7±9.5 1513
(%)
透析患者の身体組成調査 ( 2012 . 8-9 )
- 53. 85
87
89
91
93
95
97
99
101
103
105
2010年 2011年 2012年 2013年
変化率(%)
体脂肪量FAT[Kg]
50歳未満 50歳以上60歳未満
60歳以上70歳未満 70歳以上80歳未満
80歳以上
85
87
89
91
93
95
97
99
101
103
105
2010年 2011年 2012年 2013年
変化率(%)
細胞内液量ICW[Kg]
50歳未満 50歳以上60歳未満
60歳以上70歳未満 70歳以上80歳未満
80歳以上
n=515
・50歳未満 52名(平均43.4±4.8歳 ) ・50歳~60歳未満110名(平均55±2.9歳)
・60歳~70歳未満167名(平均64.1±2.9歳) ・70歳~80歳未満149名(平均73.7±2.7歳)
・80歳以上 37名(平均年齢82.2±2.4歳)
この4年間で筋肉量は高齢患者で6%、体脂肪では10%の低下が見られた。
安定透析患者の4年間の筋肉量、体脂肪の推移
今後の透析処方を考える上で、重要な指標になりうると考える。2017/7/16 54
- 57. 1. 今後の透析医療について
2. 透析患者の死因について
3. 基礎体重の設定
4. 身体組成の測定
5. 多周波数生体電気インピーダンス(BIA法)の原理
6. MLT研究会(モニタリング研究会)の過去5年間の活動およ
びデータ
7. 当院におけるBIA法の運用
• ワークフロー
• 基礎体重変更例
• 在宅透析への応用
- 68. 基礎体重変更例
2017/7/16 69
6 9 .6
7 0 .8
7 1 .1 7 1 .2
6 8 .5 %
6 8 .7 %
6 9 .4 % 6 9 .2 %
6 6 .0 %
6 7 .0 %
6 8 .0 %
6 9 .0 %
7 0 .0 %
7 1 .0 %
7 2 .0 %
7 3 .0 %
7 4 .0 %
6 9 .0
6 9 .5
7 0 .0
7 0 .5
7 1 .0
7 1 .5
7 2 .0
7 2 .5
7 3 .0
0 8 /0 8 /2 0 0 8 /0 9 /2 0 0 8 /1 0 /2 0 0 8 /1 1 /2 0 0 8 /1 2 /2 0
% TBWK g
図1 % TBW と 体重の推移
WEIGHT
%TBW
血圧上昇と共に水分貯留傾向となり毎時間MLT-50、クリットライン測定を行った
年齢:75歳 2008/12/20
透析歴:2年7ヶ月
導入疾患:糖尿病性腎症
基礎体重:71.2Kg
血圧: 透析前血圧 181/91mmhg
透析後血圧 146/70mmhg
自宅の収縮期血圧190~200mmhg台
%TBW 69.2%
心胸比:52.2%(測定日08/12/09)
※08/04/12
体重 66.8kg %TBW 65.8%
透析前血圧 164/66mmhg
透析後血圧 127/60mmhg
心胸比:53.8%(測定日08/04/08)
- 69. 基礎体重変更例
2017/7/16 70
透析中、毎時間MLT-50測定し、体重減少とともに%TBWの減少が確認
できる
y = 0 .0 1 4 5 x - 0 .3 3 9 2
R² = 0 .9 9 3 1
6 5 .0 %
6 6 .0 %
6 7 .0 %
6 8 .0 %
6 9 .0 %
7 0 .0 %
7 1 .0 %
7 2 .0 %
7 3 .0 %
7 4 .0 %
7 5 .0 %
6
8
6
8
.
5
6
9
6
9
.
5
7
0
7
0
.
5
7
1
7
1
.
5
7
2
7
2
.
5
7
3
7
3
.
5
7
4
7
4
.
5
7
5
7
5
.
5
7
6
% T B W
K g
図2 % T B W と 体重における相関
08/12/23 毎時間MLT-50測定
毎時間MLT-50測定結果(%TBW)から予想体重を計算
年齢:75歳 2008/12/20
透析歴:2年7ヶ月
導入疾患:糖尿病性腎症
基礎体重:71.2Kg
血圧: 透析前血圧 181/91mmhg
透析後血圧 146/70mmhg
自宅の収縮期血圧190~200mmhg台
%TBW 69.2%
心胸比:52.2%(測定日08/12/09)
※08/04/12
体重 66.8kg %TBW 65.8%
透析前血圧 164/66
透析後血圧 127/60
心胸比:53.8%(測定日08/04/08)
- 70. 基礎体重
変更例 y = 0.0145x - 0.3392
R² = 0.9931
65.0%
66.0%
67.0%
68.0%
69.0%
70.0%
71.0%
72.0%
73.0%
74.0%
75.0%
6
8
6
8
.
5
6
9
6
9
.
5
7
0
7
0
.
5
7
1
7
1
.
5
7
2
7
2
.
5
7
3
7
3
.
5
7
4
7
4
.
5
7
5
7
5
.
5
7
6
%TBW
Kg
図2 %TBWと体重における相関
08/12/23 毎時間MLT-50測定
毎時間MLT-50測定結果(%TBW)から予想体重を計算
※08/04/12
体重
66.8kg %TB
W 65.8%
透析前血圧
164/66
透析後血圧
127/60
心胸比
53.8%
(測定日
08/04/08)
- 71. 6 9 .6 6 9 .6
7 0 .8
7 1 .1 7 1 .2
7 0 .6
7 0 .0
6 9 .0
6 8 .0 %
6 8 .5 %
6 8 .7 %
6 9 .4 %
6 9 .2 %
6 8 .5 %
6 7 .5 %
6 6 .1 % 6 6 .0 %
6 7 .0 %
6 8 .0 %
6 9 .0 %
7 0 .0 %
7 1 .0 %
7 2 .0 %
7 3 .0 %
7 4 .0 %
6 9 .0
6 9 .5
7 0 .0
7 0 .5
7 1 .0
7 1 .5
7 2 .0
7 2 .5
7 3 .0
0 8 /0 8 /1 0 0 8 /0 9 /1 0 0 8 /1 0 /1 0 0 8 /1 1 /1 0 0 8 /1 2 /1 0 0 9 /0 1 /1 0
% T B WK g
図5 体重変更後の% T BW 推移
W E IG H T
% T BW
y = 0 .0 1 4 5 x - 0 .3 3 9 2
R² = 0 .9 9 3 1
6 5 .0 %
6 6 .0 %
6 7 .0 %
6 8 .0 %
6 9 .0 %
7 0 .0 %
7 1 .0 %
7 2 .0 %
7 3 .0 %
7 4 .0 %
7 5 .0 %
6
8
6
8
.
5
6
9
6
9
.
5
7
0
7
0
.
5
7
1
7
1
.
5
7
2
7
2
.
5
7
3
7
3
.
5
7
4
7
4
.
5
7
5
7
5
.
5
7
6
% T BW
K g図3 体重減少後の% TBW と 実体重の相関
過去のデータ(08/04/12)より目標
%TBWを66%と設定し、クリットライン、MLT-
50測定結果、臨床症状等を含めて検討し2
週間程度で基礎体重を減少
体重の減少、%TBWの低下とともに%BV
(循環血漿量)の変化、基礎体重2.2kg
減少
基礎体重変更例
基礎体重71.2Kg→70kg→69.0Kg
-1 0
-8
-6
-4
-2
0
2
4
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4
BV[%]
T im e(h o u r)
図4 B V 比較
0 8 /1 2 /2 3
0 8 /1 2 /2 7
0 9 /1 /1 0
変更前 変更後
基礎体重減少後
08/12/27
終了後血圧
138/68
開始前血圧
08/12/23
141/91
183/91
173/88
09/1/10 117/57
169/70
- 77. 1. 心胸比(CTR)
2. hANP、BNP
3. 下大静脈径の計測
4. 透析中の循環動態の観察
5. 循環血漿量変化率(%BV)の観察
6. 生体電気インピーダンス法による体水分組成の計測 など
在宅透析患者の場合では
・CTRを透析後に測定できない
・hANPやBNPなどの採血は郵送検体の問題
・定期診察時での検査は在宅透析の多種多様なスケジュールによっ
て測定毎に条件が異なる
生体電気インピーダンス法による体水分組成の計測
生体電気インピーダンス法による体水分組成の計測に注目し、
在宅透析患者宅へ身体組成分析装置MLT-50を郵送しDWの評価に使用
ABC
1
SPACE DEF
GHI JKL MNO
MARK
・
*
CLEAR
ESCMENU
2 3
4 5 6
PQRS TUV WXYZ
7 8 9
0
ENTER
MLT-50
在宅血液透析における
多周波インピーダンス法を用いたDWの管理
2017/7/16 78